●遠征艦隊を士気高揚状態で送り出す
 艦隊これくしょんでは、敵が攻めてくるイベント(放置すると、どんどん不利になるイベント)が今のところ存在しない。プレイヤー提督は、自分の好きなように、好きな形で艦隊を動かしていい。

 そこで我が艦隊では、いずれ来るであろう期間限定イベントまでは無理をしないで物資の備蓄と、艦娘のレベルアップを続けている。
 私は元々、内政型プレイヤーである。海域の攻略や、敵を沈めることよりも、資源やバケツ(高速修復材)が増えることに快感を覚える。

 2013.07.25時点での我が艦隊の資源備蓄状況は以下の通り。

 司令部レベル:93(大将)
 燃料:25k
 弾薬:23k
 鋼材:10k
 ボーキサイト:11k
 高速修復材:150
 開発資材:450

 開発はデイリーでやるくらい。艦娘は海域で拾うものと心得ていて、新型艦の建造にはすっぱり見切りをつけている。おかげで〈長門〉〈飛龍〉〈瑞鶴〉がまだだ。

 とはいえ、内政派プレイヤーといっても、心躍るイベントのひとつふたつなければ、日々の鎮守府勤務に潤いがなくてつまらない。
 そこで、狙っているのが遠征任務での『大成功』である。

 遠征任務での『大成功』は、資源獲得量が1.5倍となるし、高速修復材などのアイテム獲得率も良くなるが、それはもののついでである。
 『大成功』の文字がうれしいのだ。なんとなくお得である。

 しかし、『大成功』のためには、遠征艦隊を原則として全艦士気高揚状態(キラキラ状態)にせねばならず、これがちょっとめんどくさい。むしろかかる手間からすると、普通の『成功』で遠征艦隊を回した方が、低コストだ。
 だが、私はあえて遠征艦隊を、士気高揚状態にしている。
 その理由はというと――

〈初雪〉「提督・・・準備できた・・・」

 おう、んじゃ行こうかー。

〈初雪〉「あの・・・提督、私が秘書艦でいいの?」

 いいぞ。

〈初雪〉「それと・・・第一艦隊、私ひとり。もしかして、2-4マップをひとりで歩いてこいという、地獄巡り?」

 いやいやいや。そらダメだろ。いくら旗艦1隻で回せば、沈む心配なく経験値がたまるといっても、勝率が下がるのはよくない。それに、送り出す俺の気分も悪い。

〈初雪〉「でも・・・私1隻で攻略できるマップなんか、1-1の鎮守府近海くらいしかないけど」

 それでいいんだ。お前はなんだかんだでレベル23。改造してあるし、近代化改修も少しはやってる。装備はえーと、なんだっけ。

〈初雪〉「61cm四連装魚雷、10cm連装高角砲、12.7cm連装砲」

 うん。マップ1-1なら、敵は駆逐艦と軽巡だ。十分戦える。安心して行ってこい。

〈初雪〉「ん・・・頑張る・・・」

 こうやって遠征任務を担当する軽巡洋艦や駆逐艦を1隻ずつ、あらかじめ1-1鎮守府近海を暇な時に回しておくのである。さすがに20レベル以下の改造も近代化もしていない駆逐艦だと失敗もあるが、それなりに育った駆逐艦なら1隻だけでも勝利を重ねて鎮守府に凱旋してくる。

〈初雪〉「ただいま・・・戻った」

 おお、早かったな。怪我はないか?

〈初雪〉「羅針盤が上にそれて、敵がはぐれの駆逐艦2隻だけだったから、大丈夫」

 む、それでも耐久力が3点削れてるな。ドック入って整備してこい。遠征艦隊は1時間後に戻るから、十分時間はあるだろ。

〈初雪〉「分かった、提督・・・あの・・・」

 ん? なんだ?

〈初雪〉「ありがと。私のような駆逐艦でも、第一艦隊の旗艦になれて、ちょびっとだけ、うれしい」

 まあ、一時だけだがなー。さすがに西方海域の深いところまでは、連れてけないから。

〈初雪〉「それは、もっと強い艦娘の仕事・・・私たちは、裏方・・・でも、裏方にも誇りはある」

 うん。お前らが資材を運んでくれるから、戦艦も空母も戦える。これからも頼んだぞ。

 ――とまあ、こういう風に。鎮守府が大所帯になってくると、強力な深海棲艦がうろつくマップには連れていけない艦娘とは、どうしても触れ合う機会が減ってくる。
 大企業なんかでもあることだが、こういうのは組織としての脆弱さにつながる。第一線で働かない者であっても、全員がチームなのだという意識を持てるのは大事だ。そのために1隻だけでの鎮守府近海めぐりは、なかなか良いのではないかと思っている。