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ROGM回顧録03 本当に狂信者の群れだった

 僕のリアルの友人たちはサーバーも所属国家も別々だったため、お互いに軍事機密には触れない範囲で情報交換をしていた――とはいえ、いわゆる「対人層」と呼ばれるグループに所属していたのは僕だけだったが。

 彼らと話をしていてひとつ、気づいた点がある。羊鯖の教国では「課金者」と「無課金者」の対立、あるいは対人層と非対人層の対立がないのだ。もちろん表面化しないだけで感情的な対立はあったはずなのだが、国別チャットを見ている限りそのようなやりとりはなかった。

 実はここに、他国と教国対人層との決定的な技術力の違いがあった。

「アルナベルツ中央キャンプ連盟(ACCA)」というのは僕が勝手に呼んでいたもので、実際には定まった名前はない。
 異世界マップ中央まで進出していた、教国対人層――といってもその時点では、対人戦にやる気のある人間ほぼすべてのことだったが――に片っ端から声がかけられ、「とりあえず」で作られた無料のレンタルチャットに放り込まれた。僕もそのひとりである。

狂信者の例

狂信者の例


 パスワードが設定されているといっても、誰かが悪意をもってチャットに潜入し、軍事機密を漏洩しようと思えば赤子の手をひねるようなものだったはずだ。
 実際にもっとセキュリティを強化するべきではないか、という議論もあったが、「とりあえず一度漏洩するまでは様子をみよう」ということで収まった。そしてゲーム終了まで一度も外部に漏れることはなかった。

「狂信者の国」と呼ばれる教国の対人層は、本当に狂信者の群れだったのだ。

 僕らは勝利のために、教皇聖下の名の下に一致団結した。ゲームの規約を遵守すること、不正ツールの類いに手を出さないこと、そして何より味方の士気を下げないことが徹底された。我々は教皇たんの元に団結した仲間である。課金者も無課金者も、対人層も非対人層も区別はしない。互いをおとしめる言動は厳に慎むべきである――ムードメーカーを買って出たプレーヤーの尽力もあり、そうした空気が醸成され、共有されていた。
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 圧倒的不利な状況の中、ACCAの固い結束と「味方をdisらない」という方針が両輪となって教国をひとつにまとめていた。
 ゲーム終了後に他国のプレーヤーから話を聞いた限り、他国ではある程度の対立はあったようだが、教国では奇跡のように内部対立が起こらなかった。
 深刻な対立といえば、「ロリ教皇派かそれとも眼鏡巨乳大神官派か」という教義の違いによるもので、作戦行動に支障を来すことは一度もなかった。

 そんな中、2011年末に教国の命運を左右する初の大規模戦闘が起こった。その引き金を引いたのは、こともあろうに「ブラウザゲー初心者」の僕だったのだ。

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