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ROGM回顧録06 自軍の4倍の敵と殴り合う

 午前9時38分、僕のラスダン隣接キャンプに「被攻撃4」の表示が点った。防衛側のキャンプから分かるのは攻撃者の数と攻撃開始地点、到着予定時刻のみ。
 最も早い“着弾”予定時刻は19分後。20分後にさらにもう一部隊。少し間をあけて1時間後に2部隊が襲来していた。間髪を入れず国別チャットで援軍要請を行う。

「-2,9、被攻撃4、18分後」

 最初の数字はキャンプの座標で、味方が援軍を送る時に使う。キャラクターや兵士にはそれぞれ移動速度が設定されていて、最も遅いものに合わせて移動時間が計算される。余計な言葉は要らない。入力やラグによる遅延を考慮して、表示より1分少なく申告する。
 目下の所の最重要拠点ゆえに、たくさんのプレーヤーが反応してくれたが、ほとんどの援軍は第一波の到着までに間に合わないのが明白だった。

 キャンプには耐久力が設定されていて、戦闘で敗北すると減少する。しかし、魔導士を除く兵士はダメージ倍率が極めて低い。魔導士がユニットあたり1.85ポイントのダメージを与えるのに対し、戦闘では最強のユニットである重装騎士でも0.24ポイントのダメージにしかならない。そして魔導士は全ユニット中最も移動速度と生産速度が遅い。

 魔導士はほぼキャンプ攻撃専用のユニットであり、しかも消耗すると補充が難しい(生産キャンプから前線へ移動するだけでも2日がかりとかになる)。よって、攻撃側は可能な限り魔導士を無傷でキャンプに当てることに知恵を絞ることになる。
 僕に対する攻撃でも、最初に到着するのは騎兵を中心とした攻撃部隊で、その直後に魔導士部隊が投入されるものと思われた。

 キャンプを防衛するにはいくつかの手段がある。基本的には防御力の高い兵士を積み上げて防衛するのが良いが、兵士は食糧資源を消費するため、ひとつのキャンプで維持できる兵士数には限界がある。
 次に、防衛隊の防御力を上昇させる施設が2種類あり、「結界」は最大レベルだと防御力を2倍まで上げてくれるが、攻撃を受けるたびに著しくレベルダウンしてしまう。「防御訓練所」はユニットの防御力を20%まで上昇させるが、対費用効果に見合わないため後回しにされるのが通例である。僕のキャンプでは結界を最優先で上げていた。
 最後に、キャンプの耐久力は最初1から始まるが、時間と共に上昇(回復)していく。この速度は「聖職者」というユニットを置くことで僅かだが上昇する。

 凶報は更に続く。第一波到着まで10分を切った頃、突如として攻撃表示が増える。恐らくギリギリまで攻撃指示を控えていた、強行偵察のための先遣隊だ。着弾まで5分。もう何もかも間に合わない。しかしそれでも、援軍要請は出すしかない。全軍への要請というのは、意思表示を明確にしなければならない。
「できたらで良いです」とか「余裕のある人は」という中途半端な要請が最も危険で、中途半端な戦力で防衛した結果、自分だけでなく他人にも大損害を与えることになりかねない。全力で守ると決めたら、陥落するまで止めてはならない。
 読みが外れたら謝り倒すしかないと覚悟を決める。

「教皇聖下万歳!」

 そして僕は、自軍の4倍の敵と正面から殴り合った。

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