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ROGM回顧録10 眠れない狼たち

「我南部戦線ニテ敵主力部隊ヲ殲滅セリ」

 勝利に酔う僕らの元に、意外な報告が届いた。ACCAの別のメンバーらが、相次いで中央付近で有力な共和国のキャンプを襲い、そこにいた守備隊を殲滅したというのだ(*1)。
 当時、中央付近で僕らと小競り合いをしていた共和国のグループは2つあった。この報告によれば、その内ひとつのグループが主戦力を失った、というに等しい。
 そして、もうひとつのグループは僕らの奇襲によって同じく戦力を失っていた。

 僕らは少しの間押し黙った。

 共和国の主戦力は壊滅した。今、僕らは中央で最大の戦力を握っている。
 共和国は戦力を回復するのに最低でも4時間、下手をすれば半日以上かかる。
 向こうのチャットでは援軍を求める悲痛な叫びが飛び交っているだろうが、独力で僕らの攻撃隊に対抗できるプレーヤーはおそらくいない。それはつまり、今から数時間の間、僕らは中央のどのキャンプでも潰し放題だということだ。

 ならば、今すべきことは何か。答えはただひとつ。
 一心不乱の大打撃を!

 僕らはそのまま不眠で攻撃を続け(さすがに交代で休息は取った)、夕方までに3つの共和国キャンプを落とした。一日に同じ戦場でそれだけのキャンプを落としたのはこれが初めてのことだった。4つ目のキャンプに取りかかったところで、魔導士部隊のひとつが敵の援軍に迎撃され全滅した。
 僕らは魔法の解ける時が来たことを悟った。共和国が戦力を整えつつあるのだ。

「今宵の地獄はここまでとしよう」(*2)

 僕らは攻撃を決断した時と同じ速さで撤退した。魔導士部隊に至っては、より安全な後方のキャンプに逃がす周到さであった。
 その夜は『大戦果』と呼ぶべき初の勝利に皆が歓喜した。そして何より、僕らはこの戦場で「勝つ」ための方法を手に入れたのだった。

*1 記録が残っていないので漠然と「中央北側での僕らの行動に関わってない人の戦果だから、たぶん中央南側」と理解しているが、間違っているかもしれない。
*2 この台詞はほんとに言った。たぶん僕ドヤ顔してた。

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