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ROGM回顧録13 馬鹿が魔導士でやってくる

 この頃、ACCAでは毎週末、土曜深夜から日曜の朝にかけて「朝練」と称し、中央ラスダン付近で共和国のキャンプを破壊する活動を行っていた。

 ACCA内部では騎兵を中心とした攻撃隊を育てるプレーヤーと、魔導士によるキャンプ破壊を専門に請け負うプレーヤーとで役割分担が進んでいた。騎兵も魔導士も生産速度が遅く、消費する資源が多いため、両立するのが難しいためだ。
 分担することで、建設するべき施設、生産するべき兵種を絞り込むことができ、どうしても発生する戦闘での損害を「次の週末までに立て直す」ことができるのである。

 僕はラスダン隣接キャンプの防衛に戦力を割く必要があったため、必然的にどちらかといえば負担の軽い魔導士隊を担当していた。
 ACCAでは戦闘の花形とも言える攻撃隊の志願者が多く(その分当然のように損害も大きいのだが、それを厭うプレーヤーはなぜかいなかった)、地味な裏方である魔導士隊は少なかった。
 この結果、魔導士の生産速度と移動速度の遅さがボトルネックとなり、一度の攻撃でキャンプを落とせず、魔導士隊が再出撃するまで攻撃隊に何度も突撃を要請するといった状態が続いていた。魔導士隊の手数がキャンプを落とす速度を決めていたとも言える。
 そんな中、ふと某掲示板での書き込みが僕の目にとまった。

「特定のキャラクターが持つ『移動速度増加』系スキルの合計が100%になると、移動時間がゼロになる」

 キャラクターが持つスキルは、ほとんどが攻撃力や防御力を上げるためのものだが、ごく少ない例外として「HP回復速度増加」や「キャンプ耐久力増加」といった「アクティブスキル」を持つキャラクターがいる。
 そのうち、「移動速度増加」は文字通りキャラクター(と兵士)の移動速度を上昇させるもので、複数のキャラが使えば効果が累積する。実際の挙動としては指定された%分、移動時間をカットするというもので、100%カットすれば移動時間が0秒になり、魔導士だろうが何だろうが一瞬で異世界のどこにでも送り込めることを意味していた。

 もちろん、この検証結果が出た翌週にはパッチが当たり、速度増加は合計90%カットまでに抑制された。

 とはいえ、これでも「最高で通常の10倍の速度」で移動できるというものである。これを使えば、ボトルネックになっている魔導士隊の足の遅さを解消でき、生産速度の遅さは再出撃しての手数でカバーできるのではないか、と僕は考えた。

 そして実行した。

 後で知ったことだが、当時「高速魔導士隊」という絵に描いた餅を本当に食べようとした馬鹿は僕が最初だったようである(*1)。

*1 念のため注記しておくがこれはフカシである。本当にいなかったかどうかはもはや検証のしようがない。

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