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ROGM回顧録14 高速魔導士事始

「スキルで移動時間をカットできる」と聞いて「高速魔導士部隊」という絵を思い浮かべた人間は他にもたくさんいたはずだが、これを実行に移すとなるとまた別の話である。

 当時、移動速度増加スキルは「戦闘で役に立たない」と一様に低評価であった。
 このゲームのキャラクターは、数十種の職業に分けられていて、それぞれ習得できるスキルが異なる。移動速度増加スキルを持つ職業はいくつもあるが、「高速魔導士部隊」の実現には、なるべく大きな効果を持つキャラクターを、複数揃える必要があった。

 ゲーム内でキャラクターを揃える方法は3つある。ひとつは本拠地キャンプにある「ギルド本部」で勧誘する方法で、コストは極めて安いが、これで得られる移動速度増加スキルは9%カットが最大であり、論外だった。
 もうひとつは有料のくじを引いて入手する方法で、実弾(ゲンナマ)に糸目をつけないならば最も早い。
 最後のひとつは、誰かが引いたくじをゲーム内の市場で手に入れる方法で、これにはゲーム内通貨(zeny)が必要になる。確実ではあるが、このゲームは通貨を手に入れる方法が限られていて、地道に稼ごうとすると恐ろしい時間がかかる。

「高速魔導士部隊」を実現するためには、25%の移動速度増加をもたらすキャラクターを複数揃える必要があったが、このスキルは当時有料くじキャラクターでも最もレアな「上位二次職」の一部しか持っていない上、上位二次職はおしなべて市場での取引価格が超高額になっていた。
 結局、最も効率の良い方法は、とりあえず(ゲーム内通貨との)換金率のよいくじを引いて、それを市場で売りさばいて目的のキャラクターを入手するという、結局は手間も実弾も消費する方法だった。

 絵に描いた餅を食べるためには、役に立たないとされるスキルのために貴重なキャラクターを手に入れるという、身を切るようなプレーが必要となる。僕がこれを実行できた背景には、教国が群狼作戦に特化していった流れの中で、攻撃隊と魔導士部隊の分業が進み、僕が攻撃隊のためのキャラクターを育成しなくてもよくなっていた、という事情があった。

 僕にとって幸運だったのは、クリスマスのイベントで、15%の移動速度増加スキルを持つ(というかそれしか持ってない)イベントキャラクターが全員に配られたことである(正確には、このキャラをどうにかして使えないか、と考えたのが移動速度増加に目をつけたきっかけだった)。

 理論上、25%カット×3+15%カットの4キャラクターで90%カットが実現できることになる。アクティブスキルを使用中のキャラクターは操作できなくなるので、残り1キャラクターだけが「魔導士部隊」として運用できる。
 しかし1部隊ではさすがに運用に難があるので、現実的な計画として、僕は25%カット×2+15%カット×1の65%カット、魔導士2部隊の編成を目指した。これでも通常のおよそ3倍の速度で進軍できる訳で、普通に魔導士4部隊を運用するより効率がよくなる計算である。

 いろいろと足りないものは多かったが、僕の魔導士たちはこうして編成され、実戦に投入されていった。

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