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ROGM回顧録20 WAR IS OVER

 このタイプのゲームは通常、数ヶ月ごとに勝者を決め、ゲームをリセット(ワイプ)する。

 ROGMの勝者は国単位で、異世界マップ上にある3箇所のラストダンジョン(アッシュ・パレス)の内、自国に対応するダンジョンを最初に攻略した国が勝者となる。

 ダンジョンを攻略するには、まずダンジョンに隣接するセルを確保(いずれか1セルでよい)し、ダンジョンにキャラクターを派遣する。ダンジョンの内部で戦闘が起こり、勝利すれば1階層クリア。15層ごとにボスが出現する。ダンジョンへの派遣回数はプレーヤーあたり1日10回までと決まっている。
 このボスは莫大なHPを持っていて、一回の勝利ごとに数十点ずつしか減らすことができず、倒すまで次の階層には進めない。しかしボスへのダメージは国ごとに累計されるので、ボスを何十人何百人というプレーヤーで協同して倒すことになる。
 ブラウザの表示を信じる限り、ダンジョンは45層、3度のボス戦が想定されていると考えられた(実際にはラスボス「プルミエール」に第二形態があったため、4度)。ラスダン攻略とは、このボスに勝利できるだけの部隊をいかに素早く、大量に派遣するかというレースである。

 メンテナンス終了後、まずは僕らの目標である南東ラスダンに向かってダッシュする。特に妨害も無く隣接セルを確保。
 国別チャットにて、ラスダンへの派遣を要請する。次々に呼応する、教国の狂信者たち。

 ACCAとして多大な努力と犠牲を払って確保してきた中央ラスダンは、結局は王国の目標ダンジョンであった。「なんだ、無駄だったのか」と僕らは考えない。なぜなら、僕らはサーバー最大の勢力である王国に対して、「内線の利」を握っているからだ。

 王国の塗りが中央ラスダンに迫る。通常、塗りに使う兵士は速度を重視してキャラクター単独か、軽騎兵のみで行う。これで出せる総攻撃力というのはスキルなしで100k台が関の山であり、スキルを阻止できるような「本気の」地雷に対しては無力である。
 となれば、王国は主力攻撃隊を派遣しなければならない。そして、最大国家の主力攻撃隊といえど、スキル阻止合戦の中では、地雷を一撃で粉砕できる訳ではない。

 以前にも言ったように、最大火力が600kの世界では、わずか60kの防衛隊でも敵の進軍を一時止めることができる。キャラクターを戦闘不能にして地雷を撤去しても、戦闘終了時に防衛隊の兵士がひとりでも残っていれば「塗り」は成功せず、もう一度部隊を派遣しなければならない。

 王国は明らかに教国の陣地防御を甘く見ていた。もちろん、教国とてラスダンに攻略部隊を送りながら防衛部隊も派遣している訳で、維持できる地雷の数などたかが知れている。
 しかし、教国と違い、高速の攻撃部隊を持たない王国は、直線的な進軍と地雷を踏んでの撤退をくり返した。王国はラスダン攻略レースに参加することもできず、致命的な12時間を失った。

 そしてこれが、最終的な勝敗を分けた。時に、4月30日、午前11時36分。

「教皇たん万歳!」

 教国のラスダン攻略隊がプルミエール完全体のHPを削りきり、戦争は終結した。

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