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ROGM回顧録36 第二次The Abyss防衛戦

 このゲームは最も早くラスダンを攻略した国家が勝者となる。前期と同じ仕様ならば、ラスダン隣接キャンプさえ作れればレースに参加できる。そうなれば、少なくとも勝機はある。

 マル秘作戦といっても、その中身は要するにラスダン隣接キャンプを作ることだ。今期の仕様では、ラスダンのようなマップの中央部、つまり王国の善戦キャプにほど近い位置に新しいキャンプを建てて防衛するのは極めて難しい。
 しかし、その方法さえクリアできるのなら、異世界からすべての教国キャンプが消え去ろうとも、ゲームに勝利することは可能なはずである。

 Dデイ(作戦の決行日)は、今期のラスダン開放が予告されてからということになっていた。早すぎると長期間防衛に回らなければならず、不測の事態が生じるかも知れない。遅すぎると妨害予約が入る可能性がある。
 妨害予約とは、敵がキャンプを建てそうな場所に自分でキャンプ建設を実行し、実際には建てない(建設予定時間にそのセルが敵に塗られていれば、建設は失敗する)か、建ったとしても防衛を放棄することである。

 作戦が立案された時点では、おそらくラスダン開放は年明け以降で、年内に動きがあるかどうか、と予測していた。となれば、僕らには今しばらく準備のための時間がある。僕らにはまだやるべきことがあった。

 ひとつは、国内の士気の維持である。作戦の内容を公開できない以上、ある程度僕らが本気で抵抗していることを見せる必要があり、そのためにはどうしても発射台キャンプが必要だった。
 もうひとつは、ラスダン隣接キャンプを維持するための、防衛用キャラクターの育成である。防衛のための経験値を積むという意味では、プレーヤーにもまだ訓練の必要があった。

 異世界から放逐されて以後、僕は国内に生産キャンプを作り、防衛用の兵種である技師を作り続けていた。僕は教国キャンプがまだ充分残っている場所を選び、キャンプ「The Abyss」を建設した。

 実は、異世界からたたき出される前に何度かキャンプを作ったのだが、いずれも完成から数時間後、王国の高速騎兵隊によって防衛隊を撃破され、最後は高速魔導士で潰されていた。そこで僕は一計を案じ、敵が対応しにくい定期メンテナンス直前を狙ってキャンプを建てた。

 第二次「The Abyss」防衛戦の始まりである。

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