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ROGM回顧録37 機動防御戦術

 新キャンプを建設するにあたって、僕は当然飛んで来るであろう2キャラの高速魔導士隊を警戒した。

 キャンプが建つ時間は自分の本拠地の位置からピタゴラスの定理で計算できる。メンテナンスの開始前に魔導士を飛ばしたとしても、終わる頃には移動速度増加は解けている。メンテナンスが不意に延長されることも考えると、貴重な魔導士を飛ばしたままほったらかしにするとは考えにくい。
 そこで、メンテ時間を利用して、キャンプ完成から最も危険な数時間をやり過ごすという寸法だ。

 キャンプが建ったら、周囲に地雷を配置し、キャンプを急ピッチで育成する。怖いのは軽騎兵の塗りだが、軽騎兵では教国キャンプが建っている場所は踏みつぶせないので、チョークポイント(隘路)となる場所にDEF特化GMを置くだけで帰還させられる。
 ある程度まで育ったら、食糧消費を度外視して兵士を詰め込む。これで、2キャラの魔導士程度なら張り合える防御力になる。

 4~5キャラの攻撃隊に魔導士を満載してくる本気の殴りに対しては、味方の援軍に期待するしかない。ただし、援軍にずっと居座られているとキャンプの育成ができない。追加実装された有料チケットを使えばできるのだが、マル秘作戦のためのキャラ育成のこともあり、そうそう予算を割いていられない。

 そこで、僕は王国の攻撃隊が持つキャラクターを片っ端から調べ上げ、その「経験値」を記録し続けた。キャラクターの経験値はダンジョンや塗りやキャンプ攻略で「戦闘」をすると増える。どんな戦闘であってもゼロということはない。
 キャラクターの経験値が増えている時、そのキャラクターはランキングが更新される前に戦闘をした、ということである。

 The Abyssの付近のセルが塗られた後で、経験値が増えたキャラクターは必然的に「今僕のキャンプに向かって移動中ではない」ことが分かる。魔導士はなるべく着地時間を少なくしなければならず、塗られたセルの付近に向かってすぐに飛ばすのが定石だからだ。セルを塗り替えした後に経験値が増えたキャラクターに攻撃される可能性は除外できる。これを、王国のすべての攻撃隊について調べれば、「今から何時間は安全」という予報を出すことができる。

 最大の火力となる5キャラクターの攻撃隊は、移動速度増加の恩恵を受けられない。よって、王国のキャンプからこちらまで攻撃に来るには10時間~17時間という途方もない時間がかかる。2キャラクターの場合は2~4時間で到達するが、こちらは僕の手持ちの戦力でも対処できる。3~4キャラクターの場合が一番対処が難しいので、主な王国の攻撃キャンプから、3~4キャラクターで攻撃した場合の所要時間を「すべて」調べ上げ、ピンポイントで「この時間に防衛をお願いします」と要請した。
 今すぐ防衛に、と言われると、モニタの前に座っているプレーヤーは自分のプレイ時間を損することになるが、何時間後、と指定した場合はとりあえず自分が操作したい分を終えてから移動指示すればいい。
「敵が来ない時間」が分かっているのだから、この間は僕も自分のキャラクターをダンジョンに派遣して経験値を稼いだり、攻撃に参加したりすることができる。

 敵の行動を読み、必要な時間に必要なだけ防御を固める、この機動防御戦術はしばらくの間効果を発揮したが、その間の僕の疲労が酷く、安眠できない日々が続いた。3週間ほど経った頃、僕の気の緩みから近接を許し、The Abyssは王国魔導士隊の攻撃を受けて陥落した。

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