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ROGM回顧録41 バグ・シティ

 敵の攻撃力がゼロにできると言っても、僕らはそれで気を抜くことなく、DEF能力値合計の維持に努めた。

 アマテラスには国内からたくさんの援軍が来ていたが、彼らの行動を管理するのは不可能だ。仮に「入る時、出る時に声をかけてください」とお願いしたところで人数が人数である。国別チャットは酷いことになるだろうし、僕らにも管理しきれない。
 僕らが声を掛け合って分かる範囲で、最低限のDEFを維持するしかない。

アマテラス防衛シート(一部)。

アマテラス防衛シート(一部)。


 僕はGoogle Docsにアマテラス防衛メンバー表を作り、各自の表示DEFから、今現在アマテラスに詰めているキャラクターの合計実DEFを算出する数式を書いた。ACCAメンバーには、「アマテラスから出る時には必ずこの表に×を書くこと」と厳命し、アマテラスの合計実DEFが4,000以下にならないよう調整した(*1)。

 僕らがDEFの維持にこだわったのには理由がある。
 アマテラス建設の直前、最後までマップ中央の最前線に残っていた教国キャンプ「Travincal」(*2)でバグの可能性がある怪しい挙動があったのだ。

 当時ほぼ唯一の「5キャラクターで攻撃可能な拠点」であったため、王国から見れば最後の戦略目標だったTravincalは、王国の激しい連続攻撃に遭い、あえなく陥落してしまった。
 しかし、その戦闘結果には「着弾時刻に間違いなくキャンプにいて、防衛に参加しているはずのキャラクターが、戦闘に参加していない」という不可解な記録が残っていた。この影響から、TravincalはDEF合計値が足りずキャラクターが次々と戦闘不能になり、最終的に敗北する結果となった。

 Travincalでの戦闘に類似する例がこれまでなかったため、これが起きた理由は最後まで分かっていない。ただ、BH化と同様に何らかの理由で「防衛に参加するキャラクターが多すぎると、一部のキャラクターがカウントされない」現象が起こりえるものとして、僕らはアマテラスの防衛体制を考えざるを得なかった。

 しかし、そのアマテラスもさらなるバグに襲われる。

 アマテラスには最大で「数十万人」というレベルの膨大な兵士が詰め込まれていたため、その食糧消費も莫大なものになっていた。この消費があまりに大きすぎると、何らかの数値がオーバーフローするらしく、食糧が増えなくなるというバグがある。これを解消するには兵士の数を減らした上で運営にバグ報告を行ない、メンテナンスを待つしかない。この間、アマテラスの防衛はほぼキャラクターの「総攻撃マイナス」スキルが頼みとなる。

 幸いにしてこの「食糧バグ」中に攻撃を受けることはなかったが、僕らはまったく生きた心地がしなかった。

*1 入る時に忘れる分には、単にカウントされないだけなので運用上は問題ない。プレーヤーにできる限り手間をかけない方法を目指した。

*2 「DiabloII」が元ネタと思われる。

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