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ROGM回顧録43 最後の1ピース

結局作ったDEF210越えロイヤルガード。最後の切り札。

結局作ったDEF210越えロイヤルガード。最後の切り札。

 2月までに、僕は新たにDEF200のジプシーとDEF211のロイヤルガードを作成し、アマテラスに送り込んでいた。

 自キャラを3人もアマテラスに固定してしまうと、もう僕にできることは少ない。実際には2キャラを送り込んだ上で、残るキャラクターでダンジョンを漁ったり、僅かに残った教国キャンプへ援軍に送るなどしていた。
 しかし、僕が戦局に関与できる余地が少なくなり、僕自身は多忙を言い訳に前線から離れてしまっていた。今思えば怠慢も甚だしい。孤独にアマテラスを維持し続けたプレーヤーの苦難を思えば、ただただ恥じ入るばかりである。

 異世界に攻撃隊のキャンプが全くなくなってしまうと、王国はアマテラスを攻撃する以外やるべきことがなくなる。アマテラスは「理論上落ちない」不沈艦だが、Travincalでのバグのようなことが起きないとは限らない。誰かが王国対人層の「相手」をする必要があった。
 これについては、ACCAの有志の他に、主に南西部で活躍していた同盟のがんばりが特に大きい。

 しかし2月に入っても、ラスダン開放までの日程が明らかにならず、僕らは漠然とした不安を抱き始めていた。
 アマテラスの誕生で、圧倒的不利だった形勢を五分に戻しはしたが、これで僕らが逆転した訳ではない。

3月9日の異世界。王国、共和国とも自国のラスダンを囲み始めており、こうなってしまうともはや妨害も難しい。

3月9日の異世界。王国、共和国とも自国のラスダンを囲み始めており、こうなってしまうともはや妨害も難しい。


 教国の異世界キャンプはほぼ駆逐され、教国国境に隣接する外縁にいくつか攻撃用のキャンプがあるだけとなっていた。ラスダン攻略では、出撃元キャンプからラスダンまでの距離の10%が移動時間になる。僕らにとって、これは不利な要素だ。
 いかに僕らが高速の攻撃隊を持っていても、僕らの力だけではラスダンは攻略できない。頼りになるのは、本国から長距離の移動を強いられる非対人層のプレーヤーなのである。異世界の制圧圏を握った王国や、王国と不可侵条約を結んでいる共和国には、そうした非対人層も異世界にキャンプを作る余裕がある。

 しかし、教国にはその余裕がない。
 鍵となるのは、今期追加実装された二種類の有料チケットだった。ひとつは、1日にダンジョンへ派遣できる回数を増やすチケット。もうひとつは帰還中のキャラクターを一瞬でキャンプに帰還させる即時帰還チケットだ。
 これらを駆使すれば、移動時間で優位に立つ王国や共和国は僕らに対してラスダン攻略でも有利になる。最後に「現金勝負」になることをこそ、僕らは恐れていた。

 時は移り、3月21日。
 ラスダン実装の告知と共に、第二期をもってROGMのサービス終了が告知された。

 多くのプレーヤーが悲しみ、運営に対する怒りの声を上げる中、僕らだけが全く異なることを考えていた。
 サービス終了の告知と同時に、有料チケットを購入するための「コイン」の購入ができなくなったからだ。
 コイン自体は有料チケットやくじ以外に使い道がないため、大量にプールしている人はごく僅かのはずである。となれば、有料チケットによる力攻めはもうできない。欠けていた最後の1ピースが埋まった。

「これで勝てる」

 すべてのプレーヤーの中で、たぶん僕らだけが、全く異なることを考えていた。

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※異世界情勢マップ画像は「ROGM情勢マップ」にて作成したものをRoPG管理人様よりご許可をいただいて掲載しています。

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