●種別ごと初代艦から、これまでを振り返る
 編成場面のソート機能に「New」というのがある。
 これを使えば、古くから艦隊に参加した艦娘ほど、後の方に表示される。
 遊びはじめてずいぶんになるので、各艦種ごとに、初代の艦娘をピックアップしてみた。

▼駆逐艦〈深雪〉(建造)
 プレイ開始時に私が秘書艦として選択したのは〈吹雪〉である。
 だが、彼女は期間限定の敵泊地への突入で轟沈、喪失した。
 彼女のあっけなく、取り返しのつかない死に私は衝撃を受け、以後、艦艇の喪失に注意するようになる。

〈吹雪〉「あの、提督。そうすると今の私は……?」

 おお、そこは脳内ドラマで補完してある。キミは作戦行動中に行方不明(MIA)になったが、記憶を失って漂流しているところを発見したという設定を採用した。

〈吹雪〉「なんだか複雑な気分です」

 まったくだ。記憶はともかく、経験値が失われたのは痛かった。

〈吹雪〉「……」

▼軽巡洋艦〈那珂〉(建造)
 我らが艦隊のアイドル。
 が、毎回のように中破大破を繰り返すので、懲罰人事として遠征艦隊(どさまわり)に配置する。こういうのも落ち目のアイドルっぽくて良い。

〈那珂〉「ひっどーい! 提督の鬼!悪魔!」

 やがてレベル20になったので改造のため遠征艦隊からはずしたものの、その頃には、主力艦がそろっており、〈那珂〉ちゃんの居場所はなかった。
 TV版マクロス後半のリン・ミンメイみたいで、これまた味わい深い。

〈那珂〉「ぶーぶー!」

▼重巡洋艦〈足柄〉(建造)
 美人で、そして残念なお姉さん。
 それまで主力艦が存在しなかった我が艦隊に、最初に重巡洋艦として登場した時の期待は大きかった。
 性能も本人が主張するだけのことはあり、戦果も期待通りにあげている。
 主力艦が出そろう前の序盤の旗艦として、彼女にはたいへんお世話になった。

〈足柄〉「当然よね!」

 重巡洋艦はOLっぽい外見の艦娘が多いが〈足柄〉は職場でばりばり働くタイプと見た。後輩の面倒見もよく、上司からも頼りにされている。

〈足柄〉「任せて!」

 なのに、なぜだろう……〈足柄〉が結婚して幸せな家庭を築いている場面が想像できないのは……

〈足柄〉「うるさいわね! もう時代は自立した個人の時代よ!」

▼戦艦〈扶桑〉(マップ1-4ボス戦で獲得)
 画面一杯に広がる砲塔の数々。
 初登場がこれほどインパクトのある艦娘は、そうはいない。見ただけで、戦艦と分かるデザインである。

〈扶桑〉「それほどでも……あるかも」

 艦娘としての〈扶桑〉さんは豊満な癒し系お姉さんである。レベルが上がれば、航空戦艦にもなれる。

〈扶桑〉「運用できるのは水上機ですけどね」

 戦艦としては旧式になるが、序盤~中盤の主力艦が少ない時期、頼りにさせていただきました。

〈扶桑〉「いえいえ……あの、オチとかは?」

 ありません。史実がアレですので、〈扶桑〉さんには全力で幸せになっていただけるよう、全力を尽くさせていただきます。

〈扶桑〉「あ、はい。こちらこそお願いいたします」

※ドックの裏にて
(〈足柄〉「な、なによこの態度の違いは……」)
(〈羽黒〉「まあまあ、提督さんがお姉ちゃんに遠慮がないのは、お姉ちゃんのこと、それだけ親しく思っているからだと思うな」)
(〈足柄〉「ま、まあね。それほどでもあるけどね! あいつがまだ新米の時に助けてやったのは、私だものね!」)
(〈羽黒〉「……ちょろすぎるよ、お姉ちゃん」)

▼軽空母〈祥鳳〉(建造)
 初期に登場し、そして今もレベルでトップ(76)を独走しているのが〈祥鳳〉である。
 装甲は薄いが、運用コストも低く、まことにリーズナブルな空母である。
 正規空母が登場するまでの間、どれだけ助けられたか。
 現在は、偵察機の〈彩雲〉を搭載しており、艦隊の目としての活躍がさらに高まった。

〈祥鳳〉「つまり、便利にコキ使われてるってわけですね」

 そこは重要なポイントだ。
 便利に使える、消耗しても惜しくない(資材的な意味で)というのは〈祥鳳〉他、軽空母全般に言えることだろう。
 ひたすら尽くす系の女。昔なら髪結いとか、そういう感じ。会社で言えば秘書や経理担当。メロドラマで言えば妾か愛人枠。それが軽空母である。

〈祥鳳〉「もう、お妾さんとか……古風ですね」

 ……そこで何となく嬉しそうなのが、頼もしいのだか怖いのだか。
 情が深いので、提督が裏切ると腹を刺してくる。ガンパレの原さんのように。

▼正規空母〈赤城〉(任務)
 なぜか任務がなかなか出てこなかったので、登場は少し遅れたが、初の正規空母である。
 その航空戦力の充実ぶりと、中破大破した時のドック入りの時間と資材の消費量から、腹ぺこ慢心キャラがすっかり定着。
 我が艦隊でも、資材不足で2日ほど中破したまま鎮守府の海に浮かんでいた。

〈赤城〉「あの時のことは、今思い出しても恥ずかしいです」

 序盤の正規空母は、新米提督にとって過ぎたるものだからな。運用コストが高いので、持っていても使えないなんてことも多い。

〈赤城〉「でも、それなら戦艦も同じはずなのに……」

 戦艦は、装甲が厚い。ダメージがなかなか通らないので、ドック入りする間隔は開く。出撃のたびに燃料と弾薬は消費するが、印象に残るはどうしても、ドック入りだ。
 その点、序盤のお前さんは……

〈赤城〉「ぶー……私だって成長したら、硬くなります」

 そりゃ、なるけど。お前さんのレベルが高くなる頃には、提督のレベルも高くなって遠征艦隊が2~3常時回るから、資材不足も初期ほどクリティカルじゃないんだ。

〈赤城〉「つまり、資材がボトルネックな序盤に、強いけど脆い私が登場するから、腹ぺこキャラの汚名がついちゃうんですね……これって、運営の罠?」

 罠だな。恨むなら、運営を恨め。俺を恨むな。

〈赤城〉「いえ、運営は恨みません。だって、任務で参加できる仕様があるから、提督に真っ先に会えたんですもの」

 おおう、そう来たか。

〈赤城〉「でも、提督は恨みます。私がこれだけ序盤から頑張ってるのに、最近は〈飛龍〉はまだか〈瑞鶴〉はまだかって……私より若い子がいいのね」

 古女房ポジションかっ。似合いすぎだろ。