概要
主人公(一人称視点)は内乱により滅亡する王国の最後の皇帝に生まれ変わる。宦官に支配される傀儡幼帝で、前世では後宮に閉じ込められたまま戦乱のどさくさで殺されてしまう。それを回避するためには国の滅亡阻止が不可避だが、傀儡の幼帝にはなんの権力もないし、そもそも後宮から外に出してもらえない。
後宮の寵姫を教育したりして少しずつ影響力を増やして、早いところ皇帝を誰かに譲って隠居しようともくろむが、最終的には「皇帝にふさわしいのはあなただ」と周囲に言われて統治を続け、後の歴史で稀代の名君として語られることになる。
物語のポイント
・安楽椅子探偵のフォーマットで生まれ変わり知識チートで破局を回避する
・舞台がハーレムなので、登場人物が美少女や美女ばっかりでもまったく問題ない
越えるべき障害と敵キャラクター
・悪徳宦官
→人事ポストを私物化して内政をゆがめている直接の原因。賄賂やコネで地方都市の人事が決定されるため、モラルハザードが起きて各地で重税が課せられて民衆の不満が溜まり、反乱軍が決起する。前世の歴史では外戚関係にある将軍を派遣して反乱軍は鎮圧するものの、その将軍の裏切りで一族もろとも虐殺される
・反乱軍
→世直しを掲げて決起した民衆の軍隊ということになってるが、実態は山賊の成り上がり。将軍をはじめとした軍部、および地方有力豪族に鎮圧される。
・将軍
→反乱軍に対して宦官が送り込んだ軍部の統括者。後に謀反を起こして宦官を虐殺して幼帝を傀儡とする政権を樹立。しかし、文官を虐殺したため政治が混乱し、地方諸国の実質の独立を許し戦国期を招く。その後の戦いに敗れ幼帝とともに落ち延びようとするが落ち武者狩に幼帝共々殺される。袁紹と董卓のハイブリッドみたいなキャラが良いか。野心溢れる脳筋、というあたりが使い勝手が良いかも
主人公に必要な能力
・カリスマ(人を見る目)
優秀で忠実な部下、協力者を確保するための能力が必要。前世知識で信頼の出来る人材の知識がある、である程度フォロー可能ではあるが、後宮の中の人材確保は無名の女性がメインとなって前世では情報がない状態のはずなので、本人に人の能力を判別する能力と信頼や中世を得る能力が必要。
・政治力
宦官の統治の悪い部分を見抜き、政治改革をする必要があるため、政治に関する能力は必須。何らかの知識チートにくわえて政治面で頼りになる信頼できる部下が必要。
・経済知見
荒れてしまった領内を立て直すための経済力が必要。足がかりは前世知識で一山当てるで良いが、その後の勢力拡大は経済知見がないと説得力を持たせられないと思われる。実務は部下や仲間がやることになるのでざっくりとした知見だけでも良い。
仲間もしくは中立の重要キャラクター
・女官長
後宮の寵姫を世話する女官の上司。宦官に活動が悟られないための情報隠蔽の協力者。商人と幼帝のつなぎ役で、同時に宮中の権力闘争に関する情報を入手する役目。
・商人
経済関係のオブザーバーと市井の情報収集を兼任する役どころ。前世でもっとも多くの情報を握る立場にあるので、転生元の人物にするのもあり。現代日本からの転生知識チートで商人として成功したが、戦乱に巻き込まれて死亡した、とかにしておくと転生系知識チートも使えるので良いかも。
・母親(皇太后)
主人公の母親。モデルになる中国史だとだいたい権力争いをやってる毒親ということになるが、これ以上悪役を増やしてもしょうがないので宦官の被害者の立場である方が物語上は便利? ナウシカに出てくるクシャナの母親のように幼帝の毒殺を身を挺して防いで、そのせいで廃人となっている、とかありかも。
その他ざっくりいろいろ
モデルは中国史で戦国時代に入る直前の最後の皇帝の代。後宮の人材を育成することになるため、史実で活躍した人物は出番がない。故に、実際の史実をベースにするメリットはなく、架空の国を設定する。
モデルは中国王朝だが、世界観そのものを中華風にする必然性はないので、ファンタジーに寄せたりイスラム系ハレムだったりといったアレンジがあった方が良いかもしれない。
基本コンセプトが安楽椅子探偵であるから、戦闘・戦争はできうる限り回避する方向に持っていく必要がある。やっても良いけど、戦略レベルでしか関われない。クーデター起こして文官全滅させたら統治崩壊で戦国時代突入というルートを前世がたどっているので、主人公の認識では戦いを防げなかった時点で負けに近い。
商人は転生ものの定番でリバーシを商品化して設けようとするが、貴族層には簡単に浸透せずあまり儲けられていない。前世では長年かけて高級品として金持ちに喜ばれるよう工夫(駒を白黒でなく、富裕層奥様向けの薔薇と百合をあしらったものと、武官向けの龍と虎をあしらったものの2パターンを作り、宝石を使って豪華仕様にする、など)をする事で成功するが、それを先回りして教えることで協力を取り付ける。マヨネーズでも原材料が取れる場所、信頼できる職人の確保方法を教えるなどして知識チートを加速させる。