あいざわゆうのおひさるノート

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ひいくの非日常的な日常ー第二章ー書きかけーその2

第二章:邪気眼な人々が実在するとこうなります。

メモ:まずは会話と誰が発言しているかなどの簡単な地の文だけをかいて物語を書く。
出来上がったらゆっくりと地の文を書く(叙情的に、考えて)。
この章も20枚程度にまとめる。

白く優しく照らすシャンデリアの下、稔はメルフィアと腕を組んで、秘密異世界クラブの雑踏の中をゆっくりと歩いていた。
二人の周囲では、異世界の人たちが楽しそうに歓談している光景が、相変わらず現実としてあった。
彼、彼女らをかわしながら、稔たちはホールの奥の方へと向かう。
稔はなんだか、自分がシンデレラのような気がしていた。
お姫様をエスコートしているというのに。
本来は立場が逆だというのに。
「……なあ」
「なんでしょうか、稔さん?」
「こういう形って、本来は男が女をエスコートしているものだと想うんだけど、今は逆なんだよな……」
「問題ありません、稔さん。ザウエニアでは皇族や王族の女子が位の低い男子を夫とするのは茶飯日常前なので」
「それをいうなら日常茶飯事、だぞ」
「……そうでした。テヘペロッ」
(流行語を覚えるのは早いんだなっ)
稔は頭の中で突っ込む。

二人の脇を、ある一団が通りすぎていく。
それはなんと、目が大きかったり髪が派手な色の人間だったり、動物などが二脚歩行している、アニメやゲームや漫画などのキャラ!?
メルフィアに訊くと、彼らはウォルラ人といい、他の世界との交渉に、その世界の人物を模したクローンロボットを作って外交に応るという。
しかし、その模す者はその世界の「情報」から得るため、地球の場合、TVなどから得たため、アニメやゲームや漫画のキャラクターになってしまったというわけなのだ。

「姿形は違えども、中身は一緒!!」
「おいおい」
稔は苦笑した。
それから稔は思い直して、聞きたいことがあった。
「部長」のことだ。
「それはともかく、部長ってどんな人なんだよ?」
「部長ですか。それは……」
「この『ひいく』の部長は、我々ザウエニア皇国の皇子でございます。名はクルス=メル=ラウディ=シェロン=ザウエニアでございます」
二人の会話に割り込んできたのは、二人の後ろを静かに歩いていた侍女のセイレンだった。
その突然の声に、二人はぎょっと振り向く。
「割り込まれました!?」
「割り込んだ!?」
「殿下は先の大戦で勇者たちとともに戦いの先頭に立ち、数多くの功績を積んでこられました。その功績と、ご自身の地球への興味があり、地球に留学なされました。そして他の異世界人の管理と交流を目的に、この『秘密異世界クラブ』を地球の勇者たちとともに御設立なされたのです」
「そういう人なんだ……」
稔は多少の冷や汗をかきながら応じる。
このメイド、説明したくてしょうがなかったんだな。
そう思うと、彼女が少し可愛く思えた。
ほんの少しだけ。
「ええ、そういうお方よ。クルス殿下は。ちょーっと、個性的なお方ですけどね」
「ちょーっと?」
「ええ、ちょーっと」
その言い方に、稔は不審なものを感じる。
その口調じゃ、ちょーっと、どころじゃすまないんじゃねーのか?
少しばかり背中に悪寒が走る。
稔がそう思いながら三人で歩みを進めていると、ホールの奥に、人がまばらな場所が見えた。
メルフィアは視線をそちらに向ける。
「ほら、見えてきました。あのお方ですよ」
「あの人が部長?」
「ええ」
言われながら視線をそちらに向けようとした時だった。
ふざけたような声が、先に飛んできた!
「やあー! こんばんわクルセニアの姫君!!」
どう見ても皇族や王族と言うよりは、名前が変なクラブの就職したはずなのにクラブに入り浸るOB部員のような態度と声で、挨拶をしてきたのは。
どう見てもダメなやせ細り型オタクの背だけは高い体躯に、黒髪の肩までのロン毛に、四角いレンズのメガネをかけた、黒い礼服のような服を着た二十五歳ぐらいの男だった。
(どう見てもどこかの漫画に出てくるダメな部活に居座る先輩だよコレ!?)
稔は内心ツッコミが喉からでかかったが、どうにか抑えきった。
何しろ、メルフィアやセイレンが言うには、彼こそがこのひいくの部長であり、ザウエニア皇国の皇子であるクルスとか言う人物なのだ。
呼びかけられたメルフィアは、腕組みをとくと、その場にひざまずいて深く頭を垂れる。
TVか何かで見たことがある。
これは、皇族や王族に対する最敬礼だ。
稔も彼女に習い、その敬礼を真似る。
二人のその姿を見て。
「ああ! そこの君! そんなにかしこまらなくてもいいから! こんなダメな吾輩に、そんな事しなくもいいから!」
にこやかに、親しげに笑いかける表情は、高貴な、というか、人によく接する人間の笑顔そのものだ。
そう言われて、稔は顔を上げる。
それからクルスはレンズの奥の目を細め、
「でだ。メルフィア姫。そこにいるのは……、もしかして……」
「はい、先程申していた『地球人で入部させたい方』です」
立ち上がったメルフィアがいつもとは違う、神妙な顔つきで返す。
すると、クルス皇子は少々驚いた様子で目を見開き、
「ああ、君か!  クルセニアの姫君が言っていた地球人の生徒というのは! ようこそ! ひいくへ! ……君の名は?」
と稔に問いただしてくる。
稔は、
(なんだかいちいち仰々しくて、圧迫されるようで落ち着かないなぁ……)
と思いながらも、落ち着いた声色で応える。
「有川《ありかわ》、稔《みのる》です。あ、あなたが、部長の……」
「そう!  吾輩がザウエニア皇国第三皇子、クルス=メル=ラウディ=シェロン=ザウエニアだ。
ああ!  ここではクルスとも、部長とも、気楽に呼んでいい!
ここはザウエニアではなく、地球なのだからな。イナミくん!」
「は、はい。クルスさん……」
仰々しく見せるクルスの身振り手振りに若干圧倒されながらも、稔は相変わらず落ち着いた表情を保ってみせる。
「ああ! このホールの雰囲気はどうかな? 気に入ったかな?」
そう投げかけられた問いに稔はもう一度、ホールを見渡す。
明るく落ち着いた幾つもの色の光に照らされたホールは相変わらず賑やかで、様々な姿格好の異世界人たちが行き交い、会話する光景は、稔にとって初めてなのにとても落ち着く場所に思えた。
「はい……。とっても気に入りました」
「ふむ! どこが気に入ったかね?」
「それは……」
クルスに顔を戻した稔はそこで一旦言葉を切る。
そして、彼なりの満面の笑みを作って、クルスに応える。
「異世界人がたくさんいることですね。自分が昔小説で読んだような世界が、ここにあるのがとっても嬉しいです」
その答えがちょっと意外だったのか、クルス皇子はまゆを大きく吊り上げ、
「ハハッ、そうか! そういう意味で気に入ってくれたのか。
だが、ここはそんな気持ちでいるとあっさり死ぬことになるぞ!」
あっさり死ぬ。
その脅しとも取れる言葉に、稔は一瞬ぎくりとする。
その時だった。
稔の見えない所、しかし結構近い場所から、大きな怒声が聞こえてきた。
「お前っ!」
その怒声に、クルスたちは一斉にそちらの方へと顔を向ける。
まわりにいる人々も、一斉にそちらの方を向く。
それからクルスは稔の方を向き、
「む!   ……ちょうど良い所だ。あれを見るがいい!」
そう言って稔を促した。
言われて、稔が視線を向けると、二人の人間──異世界人が相対していた。
一人は、全身を中東でよく見られる白いマントで覆った、金髪のミラーシェードの男。
向かい合うもう一人は、黒っぽいコートに身を包み、嫌らしい目つきをした、黒髪の男だった。
彼ら二人を、遠巻きに異世界人たちが見つめている。
「あの人達は……」
その問いに、クルスではなく、メルフィアが応じる。
「あの二人……。金髪の人は、シズー=イェン。土などから武器を作れる能力者なの。
もう一人は、オジール・オルー。バトルドールと呼ばれる小型ロボットなどを操る、『ロボット使い』だわ」
そういうと彼女は少し困った顔を見せる。
そして、稔の方を一度向き、もう一度二人の方を見て続ける。
「あの二人、とっても因縁があって、会えばいつも喧嘩ばかりなの。オジールが喧嘩をふっかけるのと、シズーが喧嘩っ早いのが原因なんだけど……」
そう説明した瞬間だった。
歯ぎしりをしながらオジールを睨みつけていたシズーが、歯の間から漏れるように声を上げる。
「……オジール。お前……ナンデここにまた来やがった……!」
そのオオカミのような睨み顔を平然と受け流し、オジールと呼ばれた男は笑い声を上げる。
「いやー。悪いねー。シズーちゃーん。またここに来る用事ができちゃったものでねー」
片目をつぶってははは、とオジールはさらに意地悪く笑う。
その人で遊んでいる笑い顔に、いやらしさを稔は感じる。
だが、彼の心には嫌悪感はなかった。
それどころか、心のなかでは、
(あいつはまさに、ライトノベルやアニメに出てくるような悪役じゃないか!)
と喜びの声を上げていた。
「稔さん……?」
彼の顔を見たメルフィアが、ちょっと不思議そうな顔を見せる。
彼女の顔に気がつき、
「……あ、いや。なんでもない、なんでもない」
稔は首を横にブンブン振る。
メルフィアはちょっとジト目をして更に尋ねる。
「本当に?」
「そう、そうだよ、う、うん」
苦笑いで応える稔。
そんなふたりをよそに、薄ら笑いを見せるオジールに、シズーは世界の終末の狼めいて、さらに牙をむく。
「てめえ……、この前来た時もここで騒ぎを起こしたよな!? 『もうしませーん』なんて言っていたけど、もう信用しねえからな! 今日という今日は、てめえをボコボコにして追い出してやる!!」
そう叫ぶと、彼はいきなり床を片足で叩いた。
どん、という強い音一つとともに、床が割れた。
何かが床から飛び出してきた。
それは土のような──いや、土の塊そのものだった。
土の塊は、普通の人間の背丈よりもゆうに大きいものだった。
その土の塊、ふた塊を、シズーはそれぞれの手でつかむ。
触れた途端、その土の色がコンクリート色に変わった。
土の表面が、剣の刃のようにぎらりと輝く。
それは剣というには大きすぎ、重すぎた。
まさに何かを叩き潰す、鈍器と言えた。
ふた振りの鈍器を手にすると、シズーはその鈍器を振り上げ、オジールに襲いかかる!
「うっだらあああああああ!!」
だん! とシズーは地面を踏みしめて空をとぶ。
その勢いのある飛び方は、鈍器を持っていることを感じさせない。
ふた振りの鈍器を振り上げ、シズーはオジールに襲いかかる。
彼を見上げながらオジールは不敵な笑顔を崩さない。
たった今、襲われているというのに。
「やれやれ……。シズーちゃんは相変わらずだなぁ……」
そうため息をつく間にも、シズーは巨剣を振り下ろす!
ガシィッ! ギンッ!
鈍い音と、金属同士が触れる音が連続して起こった。
歯ぎしりを更に強めるシズー。
平然とした笑い顔のオジール。
二人の間を、鋼鉄の機械人形が遮っていた。
その機械人形は、人よりも少し大きい程度で、頭が大きく胴長で手足が短かったが、手足は十分な長さを確保している。
鈍い鋼鉄色の、ミリタリー的鋭角デザインのボディ。
頭部には、赤いモノアイが不気味に輝いていた。
「あっ、あれは……!?」
「……オジールの世界の機械人形ですの。
あれは量産型のディ=ディといって、軍用の機械人形ね」
「ろ、ロボットか……! でかいダンボールの中で戦うロボットかよ……!」
メルフィアに説明されて、稔の心はさらによろこびに震える。
(彼、彼らが……)
「戦ってるよ!? ホールのど真ん中で戦い始めちゃってるよ!? なんてこったい!?
ひいくがこんな殺伐ナイトとしたところだと聞いてないよ!?
ニンジャ殺しのニンジャがWasshoi!! とエントリーしちゃうよ!?」
稔のおおげさなはしゃぎように少し、
(どうしたのかしら……)
という心配そうな顔を見せながら、メルフィアは応える。
「ええ、ニンジャとかメイジ殺しの勇者《ブレイブ》なら、ザウエニアにおりますけど……」
「そうなのかー。……ってそういうことじゃなくて!」
ディ=ディはその大きな腕で襲いかかる!
土の大剣で受け止めるシズー!
ガシッ! 火花が散る! それとは別に赤い煙のようなものが、ロボットの躯体から舞い散る!

最初はロボットのラッシュ。
しかし、シズーが自分の土の剣をわざと壊して相手の体勢を崩し、反撃に移る。

シズーは、壊れた剣とは別の剣を横になぐ!
剣がディ=ディの装甲に当たる!
ロボットが後退する!
赤い煙がロボットの胴体から再び撒き散らされる!
再び土の剣! 両手で力強く薙ぐ!
ロボットに直撃!
剣! 直撃! 剣! 直撃! 剣! 直撃! 剣! 直撃!
そのたびにロボットから赤い煙がまるで血のようにあたりに撒き散らされる!
その様子を見ていた稔は不思議そうな目でメルフィアに尋ねる。
「あの赤い煙は……?」
「あれがマナよ。エーテルとも魔力ともいいますけど」
「エーテル?」
「このひいくには、様々な世界から様々な人達が集まっていることは言ったわよね?
その世界世界は物理法則が大きく違う、矛盾するものがあるの。
それらの違いを許容し、異世界の住人同士が共存できるようにする物質が『マナ』よ」
「世界の矛盾を許容する……」
マナは本来はザウエニアなどでの魔法を発動させるための物質で、魔法や種族などの矛盾を吸収する性質があった。
それが異世界の住人に有効であるともわかって、ひいくに採用されたのだ。
「今赤い煙が出ているのは、マナがダメージを肩代わりして体から放出しているの。でもマナを貯めておける量には限りがあるから、ダメージを受け続けると、無くなっちゃうけどね」
「無くなると、どうなるんだ?」
「見てて」
そう言われ、稔は再び戦いに視線を向ける。
あいかわらず戦いはシズーの一方的な戦いだ!
土の大剣二振りをそれぞれ片手で小剣のように軽々と振り回しては、ディ=ディの黒いボディに直撃させる!
剣! 直撃! 剣! 直撃! 剣! 直撃! 剣! 直撃!
そのたびにロボットのボディから赤い煙を撒き散らす!
次第にロボットの体に赤いヒビのようなものが刻み込まれ、姿が消えかかっていく!
存在限界が近づいてきたのだ!
ひいくで矛盾する世界の住人が存在するためのマナの量は決まっていて、それを下回ると、それはひいくにいられなくなるのだ!
それを見て取ると、シズーは口元を大きく歪めた!
そして、シズーは両方の剣を全力で振りかぶる!
「イヤーッ!」
直撃! 直撃! そして次の瞬間!
ディ=ディの手足の先端からヒビが大きくなり、バラバラに砕け散る!
破片は赤い炎と煙となり、あたりに撒き散らされる!
ロボットは爆発四散!
爆風が消えると、何も存在していなかった。
「ああやって消えて、元の世界と同じ法則を持つ場所に送り返されるの」
「ああなるのか……」
稔は息を呑んだ。
その向こうに、オジールがコートのポケットに両手を入れながら、相変わらずニヤニヤ笑いを浮かべながら立っていた。
その余裕さにシズーは顔をしかめ、さらに凶悪な表情を浮かべる。
「さあて……。今日こそケリをつけようとするかぁ! オジールさんよぉ!!」
剣を突きつけるシズー!
まさに一線触発! 殺伐!
その様子に、稔はあたふたする!
「ちちちちょっとどうなっちゃうんですか!? ここで斬り合い殺し合い!?」
「……大丈夫よ。アルスル殿下の姫たちが止めてくれるでしょうから」
「……姫?」
「ほら、来ましたわ」
「え……?」
その時だった。
シズーとオジールの周りから、幾つもの声が割って入った。
「いらっしゃいませー!」
彼らのもとに、メルフィアと似たような、装甲と機械的な腕や足と、ファンタジーの職業が着る衣装が合わさった全く新しい装備をつけて仮面をかぶった女性数名が、文字通り飛んできた。
勇者鎧《ブレイブギア》を装備した、少女たちだ。
「お客様、ちょっと落ち着いてくださいませー」
そのうちの一人、戦士のような革鎧とパワードスーツが混じったようなブレイブギアを装備したショートカットの少女が、笑顔を絶やさず、シズーの手を取り語りかける。
「ケンカしちゃ、ダメ、ですよ?」
もう一人、三角帽子に黒いローブをモチーフにしたブレイブギアを装備した黒髪のロングヘアーの少女が、オジールを微笑みながら機械の腕で優しく引き離す。
「あ、ああ……」
「うひょー、アルスルさんところの美女がお出迎えかー。いやぁ、照れちゃうなぁ~」
一人は牙と毒を抜かれたような表情で、もう一人は美女に囲まれて浮かれた表情で、それぞれ少女たちに囲まれて離されてゆく。
土の塊の剣は、彼女らが触れると霧散していった。
「さあ、マナジュースでも飲みましょうか。何がよろしいですか?」
「私達と一緒にゲームでもなさりませんか?」
「……」
「……」
彼ら二人はわっしょいわっしょい、とまさに神輿のように彼女らに担がれ、左右に引き離された。
そしてあっという間に、ホールに居る異世界人たちの雑踏に紛れ、姿を消した。
「あの女の子たちは……?」
稔がわくわくした表情のまま、メルフィアに問いかけた時だった。
ふと、近くに新しい影が二つ現れた。
その影のうち一人が、なんともとぼけた声で応える。
「俺の姫勇者《ブレイブ》たちさー。どうかなー?
ま、俺としてはかっこいいとか思っちゃうんだけどねー」
二人が振り返ると、のんびりともちょっと情けない表情とも見える、赤紫のブレザー姿の男が立っていた。
稔は、彼に見覚えがあった。
秋津州学園高等部生徒会の副会長、天宮猛士(たけし)だ。
彼のそばに、一人の白系のロングドレスをベースにした、メルフィアと同じ勇者鎧《ブレイブギア》を装備した、女性が寄り添っている。
彼女は、前髪はきれいに切りそろえ、長い髪は後頭部でまとめた、小さな眼と口を持った、端正な顔立ちの美しい少女で、高貴さな雰囲気を醸し出していた。
そのたたずまいは、よくしつけされた血統書付きの犬にも似て、とても美しい。
隣に並ぶ、勇者に負けないほど長身の彼女も、ブレイブギアを身にまとっている。
彼女のブレイブギアは、メルフィアのものに似た形状だ。
が、機体の周囲に、四振りの光り輝く剣や、幾つもの小さな青いクリスタルが浮いており、メルフィアのそれより、あきらかに格が上だ。
二人のさらに後ろにはブレイブギアを装備し、仮面を装備した大勢の少女たちが、バックダンサーにも似て控えている。
彼女らの機体は大きな腕に二対の機械の足という、プリシアやメルフィアと基本的に同じ機体だ。
しかしメルフィアのものとは違い彼女らのそれぞれの機体は、様々なカラーリングで彩られている。
さらに各機体は、翼があったり二対以上の腕があったり、剣や盾、槍や銃などを装備したりと、個性的な形をしている。
そのさまはファッションショーにも似て、豪華けんらんだ。
二人と、彼女らの姿を見るなり、
「アルスル様。プリシア様……」
メルフィアは再び最敬礼を取った。
猛士は彼女の最敬礼を見るなり、再びメルフィアの真似をしようとする。
そんなふたりを見て、プリシアと呼んだ少女が、大慌てで自分の両手を左右に振って応える。
「ああっ、いいわよ! いつものようにすればいいのに! それとも、彼氏を連れてきて、紹介するから改まっているわけ? このー、お・ちゃ・め・さんっ」
「もうっ! プリシアったら!」
プリシアはそう言うなり、顔を上げて立ち上がったメルフィアに、自分の腕で抱きつく!
親に飛びつく子供にも、主人に飛びつく猫にも似た、はしゃぎようだ。
二人の背後には百合の花が咲き乱れているようにも見え、とても美しい!
まさに、来ましたわ!
そんなはしゃぐ二人を見て、稔は少々ドン引きだ!
顔に冷や汗をかきながら、彼は恐る恐る問いかける。
「あ、あのー。あ、あなたは……?」
「ねえねえ、今日はどんな用事できたの~?」
「知ってるくせにー」
「あの~」
「知らないわよ~。ねえ、なに~」
「もうっ、アルスル殿下やクリス殿下から聴いているでしょー?」
「ふふっ、どうかな~」
「あのー」
「もうっ、プリシア様ってば、婦女をもてあそぶのがお得意なんですから……」
「ほめられて嬉しいわ~」
「あっ、あのっ!!!! 聞こえているんですかっ!!!?」
見るに見かねて、稔は耳元で叫ぶ!
「キャッ!?」
「きゃっ!? ……おほん。
わたくしは勇者アルスルの従者にしてザウエニア皇女、プリシア・フィメル・アイン・クラウディア・ザウエニアでございます。
以後お見知りおきを……」
「ちゃんと聞いてたじゃないですか!? 早く答えてくださいよ!?」
稔の見事なツッコミだ!
その掛け合いを苦笑いしながら聞いていた男が、インタラプトして挨拶だ!
「どーも。一応知っているだろうけど。俺は天宮猛士《あまみやたけし》。
表では副生徒会長、ここではひいくの副部長の一人をつとめている。
たけし、って呼んでくれ。
タケシ・メル・アルティス・アマミヤ・アルスル・ザウエニア、なんて長ったらしい名前もあるけど……。
ま、それはいーってことで」
ちょっとブロークンな挨拶に、プリシアはダメじゃないという顔で猛士の頬をつねる!
「ダメじゃないですか殿下! 大事な新入り様の前でそんなだらしがない自己紹介しちゃ!」
「いてててて。いーんだよ。それが俺の求められている態度だし」
「そうですけれども! ダメなものはダメです! ちゃんとしていてくださいませ!」
「まいったなぁ~」
「い、いきなりイチャイチャしているっ!?」
変なところで稔は感心した。
そうする間にも、背後で控えていた姫勇者たちは、テーブルや椅子を持ってきたり、テーブルの上に食べ物を置いたりと、忙しく動き回っている。

ここ修正。
片手で椅子やテーブルを持ち上げて運ぶ一部の従者に稔はびっくり。
戦士階級・職業についている人にとっては日常・茶飯事らしい。

「様々な姿形をしているけど、ザウエニアの神々を信仰していれば、皆ザウエニア人よ」
「まるで二本ツノで目が二つある超有名ロボットみたいだな……」

魔法使い階級はアニメイト魔法で運ぶとか。

その様子を眺めて、稔は猛士に質問した。
「この猛士さんの奥さん達なんですけど……」
「わたくしの嫁たちです」
「えっ? プリシアさん?」
「『わたくしの嫁達』です」
「……大事なことだから二回言いましたね?」
プリシアのインタラプトに念押しだ!
「まー、プリシアは女の子も好きだからな。
それがあれこれ遠回りする原因になったけどなー」
「遠回り?」
「遠回りする原因はアルスル様にもあったでしょ?」
「えっ?」
「あ・っ・た・で・しょ?」
「あ、ああ……」
プリシアの迫力に、さすがの勇者も黙らざるをえない!
なんか色々あったみたいだけど、ここは訊いておかないほうがいいかな……。
稔は冷静に状況判断した。
「さて、テーブルもソファも揃ったことですし、座って食べ物でも食べませんか?」
先ほどの怖い顔とはうってかわっての優しい笑顔で、プリシアは稔たちを誘う。
ちょっと命令気味な口調を稔は感じたが、そこはスルーして誘われるままソファに座ることにする。
ふかふかのソファはすわり心地がよく、座ると言うよりは埋もれるという感じだ。
そばにある白いテーブルクロスがかかった丸テーブルの上には、お菓子がどっさり乗っかった大きな白皿や、金色の液体が注がれたグラスなどが丁寧に置かれている。
稔はそれらにつばが出そうになるが、どんなものかわからず、手が出せない。
メルフィアやプリシア、猛士やクリスたちが席について菓子を食べたり飲み物を飲んだりするのを見ながら、稔は隣にいるメルフィアに質問する。
「猛士さんてなんでここにいるんですか?」
「殿下はかつて地球からザウエニアに召喚され、そして帰ってきた勇者の一人ですよ」
単純明快な答えが、メルフィアから返ってきた。

(ここで簡単に、アルスルがアークシャードに飛ばされてどんなことをしてきたのか語らせる)

「猛士さんって、本当にヒーローなんですね!」
「『ヒーロー』? ……よしてくれよ。俺はヒーローなんかじゃないさ。
プリシア、仲間の皆、他の勇者達。皇族方や王族方、国の皆。
皆の支えがあったから、俺は闘いぬくことができたんだ。
俺は決して、かっこいいヒーローなんかじゃないんだぜ?」
「そんなことありませんっ! アルスル様はヒーローですっ! 英雄ですっ! 勇者ですっ!!」
「プリシアわかったから頭を叩くないてててて!」

「やっぱり仲いいんですねー。お二方って」
「そうなのよねー。こんなに仲いいと、
あたしまで妬いちゃう。頑張らないとっ」
「な、なにを頑張るんですかっ!?」
「わかってるでしょー?    ふふっ」

「なら、僕と頑張って見ないかい?」
「あ、アルスル様っ!?」

「」
猛士(アルスル)がメルフィアを誘い、プリシアに腕をひねられる。

「メルフィアちゃんはわたくしのものですから!」
「いでででででで!」
「ああっ、猛士さんの腕が完璧に決まっている!? ありえない方向に腕が曲がってるよ!?」

極まったところで体から外れる腕。
ツッコむ稔。
アルスルは、実は義体だと説明するプリシアorメルフィア。
召喚時の事故によりこうなったという。

「ところで、なんでザウエニアの女の子はこういうのをつけているんですか?」
とブレイブギアについて触れる稔。
「あー、それはだね。(以下考える)」
「」
と猛士とクルスが、この女子たちがなぜブレイブギアを装備しているかについて説明する。

ザウエニアの女子だからということではなく、勇者アルスル(猛士)の従者なので、ブレイブギアをつけている、という解説。

また、警備会社の仕事があるのでブレイブギアを装備している。
そしてオチとして、
「乙女にブレイブギアをつけているのは、わたくしの趣味ですので……」
とちょっと恥ずかしげに言うプリシア。

それを聞いて、稔は盛大にずっこけた。

さらにブレイブギアに関する話。説明。
ザウエニアが魔法と科学が交じり合った世界だからできたという説明。
保護機構(脱衣機構、痛みを性的刺激に変換する機構)などの説明をする。

メルフィアと猛士が、嫁(妃)(まだ婚約中、あるいは交際中にする?)のプリシアを交え、ジョブとか魔法とか、ブレイブギアとかのオタ会話で盛り上がるとか。
(うわ……。こいつら、オタだ! オタじゃねえか!)
あるいはメルフィアとプリシアで女子トークが始まる。

猛士とプリシアのイチャイチャラブコメ。

「あ……、頭撫でるの禁止ですっ! 皆が見てますし!」
「いいじゃないか。減るもんじゃないし。それに、お前も気持ちいいだろ?」
「……もうっ」

(二人でラブコメってるー!?)

猛士とプリシアは一緒に戦っているうちに、こういうふうに盛り上がってカップルになったらしい。ハーレム(大奥・後宮)もついでに。

そこにさらに訪問者が訪れる。

「なにを騒いでいるのかと思ったら……」
「……ああ、明日野か」

さらに、明日野という、猛士と同じく召喚された秋津州の生徒(勇者)もやってくる。
強大な力を持つという、ちょっとどこか影のある明日野とそのパートナー。
こちらは稔(とメルフィア、あるいは他の異世界人達)をうさんくさそうに見ている様子だが……。

「まあまあ、明日野。せっかくの新入りでしょう? ここは暖かく歓迎しましょうや」
「……分かった。今のところはお前に賛成してやる」

「おーこわ。アイツはいつもこうなんだから~。困っちゃうよなー」

ひいくを作った理由を話すクルスや猛士。
ひいくは、異世界同士の交流と同時に、それぞれの異世界で居場所をなくした人々の行き場所、という目的で作られた。
そのため、ときおり危険な人物が紛れ込む、ということもあるらしい。

「そういえば! クルセニアの姫君はどうしてレイジ君をここに連れてきたのかな?」

クルスの問いに、なにか答えかけて言葉に詰まるメルフィア。

そしてこう言い放った。
「ちょっと……。愛でようかと思いましたのでっ」
「えっ!?」
「うおぃっ!?」

その(表向きの)理由を話すメルフィア。
その理由が小動物じみていて全員でヽ(・ω・)/ズコー。

慌てた(?)メルフィアが魔力の源であるマナが詰まった食べ物を食べる。

マナの説明。

稔も食べてみるが味がないとかまずいが、なぜか癖になる味や食感。
(これが後々の伏線になっていく)

クルスがホールに居る異世界人について説明&稔を紹介するために、稔を連れて行く。
その間、メルフィアは猛士&プリシアたちと会話する。

猛士はアルティアにある指摘をする。
「君は、失ったものの埋め合わせをしたいから、有川君を誘ったんじゃないのかい?」

「そそそそんなことありませんっ! そんなことありませんっ!」

それに猛反発するメルフィアだが。
さらにプリシアに突っ込まれる。

「わたくしが欲しいのは、あなただけじゃありませんよ。メルフィア」
(これをメルフィアが誤解してバトルの発端に)

慌ててメルフィアは、プリシアに、アルスルとの恋愛の進行度の遅さについてツッコむ。
顔を真赤にするプリシア。
お返しでしてやったり、という顔を見せるメルフィア。
(猛士とは少し離れた場所で会話する。連れていく)

戻ってきた稔達。
稔は異様に目を輝かせている。
他人が見て、ちょっと不気味なほどに。

明日野に、ライトノベルのようだとはしゃぐ稔に、現実とライトノベルとは違うと、((特定の)ライトノベルを)批判するネタを入れる。

そんなことを男たちが話していると、突然、

プリシアに、
「そういえば、道具のサポート無しで魔法がかけられるようになった?」
と問い詰められるメルフィア。

「で、できますわよ」
と言って魔法をかけるが……。
魔法がまたもや暴発する。

「ち、ちょっと自室に下がらせていただきますっ!!」
メルフィアは稔を、自分たちの持ち部屋(世界)に、米俵かスイスチーズのごとく担ぎ上げ、強引に連れて行ってしまう。

(ここからつぎの章?)

メルフィアたちのために用意された部屋に入る稔達。
稔が慰めても、メルフィアは小動物的な怒り方をして、理由を話してくれない。

そんな時、他の侍女が「数人」出てくる(侍女妖精とか)。
教室の机や椅子などを片付けてきたと報告する侍女たち。

人間大のロボットの頭or体の中から、15センチ大のロボットが出てくる。

ドタバタラブコメがあってこの章は〆。

メモ

これからの展開は、TVの芸能人集合クイズバラエティとか(TBSオールスター感謝祭とか)そういう形式をイメージしてやっていく。
(例えばその場にいる全員にネタ振り→各キャラクターのリアクション→ツッコむ→ボケる→オチ、そういう感じで)

稔は喪失感をひいくで埋め合わせようとする? なので妙にはしゃいでいる。はしゃがせる。
稔は誰かに家族になってもらいたい、やってもらいたい?
猛士とプリシアたちの関係を羨ましく思う稔。それを猛士かだれかに指摘される?
メルフィアも家族とか何かを失っている?(異世界間戦争とかで)。なので稔に家族になってもらいたい?

でも失ったものを埋め合わせることは決してできない。しかし新しい何かを築き上げることはできる。だから……。

ライトノベルの学園モノ、部活ものに対する皮肉とかを出しておく。
「そういうのはもうパターン化されて飽きちゃってるんだよ……」

誰か(勇者系の人)に、ライトノベルのようだとはしゃぐ稔に、現実とライトノベルとは違うと、((特定の)ライトノベルを)批判するネタを入れる。

メルフィアとイチャイチャするプリシア(あるいはプリシアにイチャイチャするメルフィア)に「嫉妬」する稔、の図式?

プリシアは、メルフィアを狙っている(コレクション的な意味で? 百合的な意味で?)。
稔は、それを知り、メルフィアを取られまいとする。
メルフィアは、プリシアが稔を狙っているのではないかと思っている。

この誤解の図式が、プリシアVS稔+メルフィア(あるいはプリシアVS稔VSメルフィア)につながっていく。

プリシアVS稔+メルフィアVSアルスルの姫勇者たちに、プリシア&アルスル争奪戦と勘違いした異世界人男子&女子たちが乱入してバトル。トーナメント戦とか。
しかし結局プリシア&メルフィア&姫勇者たちにあたしTUEEEEされてやられる。

その中にはキリトみたいな仮想ゲームで無敵な奴もいるが、ガルパンの三式戦車チームのように一撃でやられる(仮想と現実は大違いなのですの!)(VRものに対する皮肉)

あとライトノベルでよく出てくる異能キャラ(能力無効化とか)や魔法キャラや超能力キャラとか出して一撃でやられるとか(そういうライトノベルに対する皮肉)

プリシアにやられる稔。とどめを刺す直前、メルフィアが乱入。女二人の痴話喧嘩バトルへ。
その間に稔が復活。女二人の痴話喧嘩バトルに怒り心頭で命を燃やして二人を吹っ飛ばす。

脱衣→全裸→消失

その後倒れる稔さん。

その戦いにバトル環境操作でこっそり介入する猛士さん。

その後でラスボス(前振りあり)が登場するが、猛士&プリシア&姫勇者+稔&メルフィア全員でフルボッコ。

Categories: 創作

aizawayu


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