●戦艦のお値段
 艦隊これくしょんのサーバが増設され、プレイヤー提督の数も大幅増。
 ひとりひとりの提督は並行世界の住人とはいえ、10万人の提督が6隻ずつ戦艦や空母を出せば、60万隻の戦艦と空母が存在することになる。すでに数字が地球上ではなく、銀河帝国とかそっちのレベルだ。

 60万隻はともかく、戦艦を何隻も保有する、というのは20世紀の初頭まではそう珍しくもなかった。というのも、工業化が進んで建艦能力があがり、世界中の富が増えたので、新興国(明治の日本も含む)は先進国から、現代の感覚で言えばかなりお安く戦艦を購入することができたのである。
 しかし、エポックメーキングな〈ドレッドノート〉が登場して以降、戦艦はどんどん高性能化してゆき、お値段もぐんぐん上昇していく。

 比較的分かりやすい例として、英国戦艦でみてみると・・・
 日露戦争で活躍した戦艦〈三笠〉が120万ポンド(竣工1902年)。
 〈ドレッドノート〉が167万ポンド(竣工1906年)。
 艦娘の高速戦艦〈金剛〉が230万ポンド(竣工1913年)。
 英国の艦娘〈プリンス・オブ・ウェールズ〉が739万ポンド(竣工1941年)。

〈金剛〉「えーと、ワタシのお値段はデスね~ ちょっと~」
〈青葉〉「ちーっす。バックマージン絡みの黒い噂が出てますけど、どう思います?」
〈金剛〉「ノーコメントでーす!」
〈青葉〉「それにしても、英国の最新鋭戦艦のお値段なんか700万ポンド越えですねー、〈金剛〉さんですと3隻分ですよ」
〈金剛〉「インフレを考えても、やっぱり高くなってますネ」

 戦艦〈大和〉の予算が約1億4千万円。
 1941年の1ポンド=17.2円で計算すると、813万ポンド(竣工1941年)。

〈金剛〉「そうすると、大雑把にみて戦艦のお値段は、第一次世界大戦の前が200万ポンドで、第二次世界大戦の前が700万ポンドくらいデス」
〈青葉〉「やっぱり3倍くらいにはなってますね」

 お値段が上がれば、数を揃えるのが難しくなる。海軍休日も、技術の進歩と共に戦艦の値段が上がったのに、昔のようなペースで数を揃えようとしたので、各国がそろって息切れを起こしたから生じたのである。

〈金剛〉「どんな時にも、先立つモノがなくてはお話にならないということですネ~」