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シナリオガイダンス
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プレイヤー人数:4人(3~5人対応)
キャラクターランク:2
プレイ時間:2~3時間

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プリプレイ
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■今回予告
 〈アンドリューの迷宮〉は近日オープンが予定されている、地下十階まで広がる冒険者専用の訓練迷宮だ。
 現在、地下3階層まで建設が進んでいる。
 その建設現場にいる迷宮建築技師のアンドリューから、緊急の依頼が来た。
 事故が起き、急いでメンテナンスルームを再起動する必要があるのだが、自分は事故現場から動けないのだという。
 代わりに、メンテナンスルームへ行って再起動の作業をして欲しいというのが、彼の依頼だ。
 きみたちは〈アンドリューの迷宮〉へと向かった。

■レギュレーション
●使用ルール
 基本ルールブック
●難易度
 イージー:PC全員の【因果力】+1
 ノーマル:特になし
ログホラMAP2a
■ハンドアウト
●PCの立場
 冒険者にて迷宮建築技師のアンドリューが建設中のダンジョン〈アンドリューの迷宮〉。
 そのアンドリューが地下3層の建設現場で事故にあい、脱出ができなくなる。アンドリューとの〈念話〉によると、このまま脱出すると迷宮が崩落してしまうのだという。
 アンドリューは、PCのギルドに、迷宮地下3階層のメンテナンスルームを再起動してくれるよう依頼する。
 メンテナンスルームには警備用のエネミーが配置してあり、危険が予想される。

●シナリオ開始時の状況
 このシナリオは、PCたちが依頼を受けて〈アンドリューの迷宮〉の入口に到着したところから始まる。

●依頼内容と報酬
 依頼内容は〈アンドリューの迷宮〉の第3階層のメンテナンスルームを再起動させること。依頼を達成すれば、PC1人あたり200Gの報酬が支払われる。
 メンテナンスルームの再起動手順や必要なパスワードは〈念話〉でアンドリューから聞いているので、事前にアンドリューに会う必要はない。
 想定される危険は、メンテナンスルームを警備するエネミーだ。[ボス]タグのエネミーを倒せば、メンテナンスルームのロックを解除するキーアイテムが手に入る。

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オープニングフェイズ
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■インタールード1
 シーン1のシーン定義を読み上げる。

■シーン1:アンドリューの迷宮前にて
●シーン定義
 シネマティックシーン/シーンプレイヤーなし
▼解説:
 〈アンドリューの迷宮〉に到着したPCたちが、依頼の内容を確認するシーン。
▼目的:
 中に入る。

●シーン本体
▼オーバーチュア
 アキバの街から馬車で揺られて数時間。
 大きな岩の前でキミたちは馬車を降りた。
 岩の表面にくりぬかれ、地下へつながる階段が伸びている穴がある。
 入口には『工事中』と書いた看板が立っている。
▼シーン終了
 迷宮へ続く階段を下りるところでシーン終了となる。
 ここで、オープニングフェイズも終了となる。
 PC全員に【因果力】を1点ずつ配布すること。

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ミドルフェイズ
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■インタールード2
 GMはミドルフェイズの開始を宣言する。
 GMはシーン2のシーン定義を読み上げる。

■シーン2:迷宮第1階層
●シーン定義
 シネマティックシーン/シーンプレイヤーなし
▼解説:
 水の精霊に会う
▼目的:
 第3階層について説明を受ける

●シーン本体
▼オーバーチュア
 広間に続く第一階層の最後の部屋の中央に泉がある。床は石畳で少し硬いが、休息するにはもってこいだ。奥に、第二階層へと続く階段が見える。
 泉のそばのベンチに、水の精霊ウンディーネが座り、困った顔でため息をついている。
・セリフ:水の精霊(独り言)
「もう、マスターったら……せめて私が第三階層に降りられるよう、制限を外してくれればいいのに……お前を危険にさらしたくないんだ、なんて……」
▼場面:精霊の泉がある部屋
 水の精霊ウンディーネと会話して第3階層にある危険について説明を受ける。
▼モンタージュ:PCたちが近づいた
 キミたちに気が付いたウンディーネが顔をあげて、礼をする。
・セリフ:水の精霊
「(コホン)ようこそ、冒険者の皆さん。私はこの迷宮を作りしアンドリューを主とする水の精霊です。主からはアミという名前をいただいております」
「皆さんは、我が主からの依頼で、メンテナンスルームへ向かっておられるのですね?」
「第三階層の途中には、パックマンの迷路があります。ここは幻影のモンスターが追いかけてきます。触れても物理的なダメージはありませんが、精神エネルギーを吸われて[疲労]5を受けます。お気を付けください」
「メンテナンスルームの警備用エネミーは、凝り性のマスターがランダムに召喚するため、私の方では何が待っているかは説明しかねます。申し訳ありません」
「警備用エネミーのうち、[ボス]タグがついたエネミーを倒せば、メンテナンスルームに入るためのキーアイテムをドロップします」
「よろしければ、私の作った水薬[万能薬(初級)](P219)が2本ありますので、持っていってください」
「あの……マスターをよろしくお願いします。身の回りのことから何からダメな人なんですけど、優しい人なんです。この迷宮も、失敗できない実戦に出る前に、少しでも冒険者が経験を積めるようにって……」
▼シーン終了
 水の精霊と別れ、第二階層へ続く階段を下りるところでシーン終了となる。

■インタールード3
 GMはシーン3のシーン定義を読み上げる。

■シーン3:迷宮第3階層
●シーン定義
 アブストラクトシーン/シーンプレイヤーなし
▼解説:
 パックマンの迷路を突破する
▼目的:
 先へ進む
ログホラMAP2b
●シーン本体
▼オーバーチュア
 パックマンの迷路という部屋に入ると閉ざされた扉がある。こちらが出口だ。
 扉のない通路は十字路へとつながっている。ここには、モニター画面とマイクがある。
 十字路の先には、3つのコースが広がっている。ひとつのコースには、ひとりのPCだけが挑戦できる。
 それぞれをクリアすれば、扉が開くようだ。

②十字路
 ここでは、モニタで仲間やモンスターの動きを見て、アドバイスすることができる。

《アドバイスする》
分類:シナリオ動作
タイミング:仲間の判定直前/自分は行動済みになる
判定:基本(解析or知識/7)
 成功すれば、判定に+2される。

③体力コース
 傾斜が多く、通路を走る体力が求められるコース
 3回成功したら、コース突破

《体力コースを走る》
分類:シナリオ動作
タイミング:メインプロセス
判定:基本(運動/9)

走ると、判定の成功/失敗にかかわらずモンスターに出会う可能性あり。
2D6で5以上でモンスターが出現する。

《モンスターを避ける》
分類:シナリオ動作
タイミング:リアクション
判定:基本(回避/9)失敗すると[疲労]5

④頭脳コース
 曲がり角や、一方通行が多く、頭脳が求められるコース
 3回成功したら、コース突破

《頭脳コースを走る》
分類:シナリオ動作
タイミング:メインプロセス
判定:基本(知識/9)

走ると、判定の成功/失敗にかかわらずモンスターに出会う可能性あり。
2D6で5以上でモンスターが出現する。

《モンスターを避ける》
分類:シナリオ動作
タイミング:リアクション
判定:基本(回避/9)失敗すると[疲労]5

⑤運試しコース
 モンスターは少ないが行き止まりが多いコース
 5回成功したら、コース突破

《運試しコースを走る》
分類:シナリオ動作
タイミング:メインプロセス
判定:基本(運動、耐久、知覚/8)

走ると、判定の成功/失敗にかかわらずモンスターに出会う可能性あり。
2D6で7以上でモンスターが出現する。

《モンスターを避ける》
分類:シナリオ動作
タイミング:リアクション
判定:基本(回避/9)失敗すると[疲労]5

▼シーン終了
 ⑥出口に向かう。
 PC全員が、消耗表(P413)を体力の欄で振る。
 ミドルフェイズ終了。
 PC全員に【因果力】を1点ずつ配布すること。

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クライマックスフェイズ
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■インタールード4
 GMはクライマックスフェイズの開始を宣言する。
 GMはシーン4のシーン定義を読み上げる。

■シーン4:戦闘準備
●シーン定義
 ブリーフィングシーン/シーンプレイヤーなし
▼解説:
 エネミーとの戦闘に備え、準備を整えるシーン。
▼目的:
 続くシーンで万全の状態で戦えるようにする。

●シーン本体
▼戦闘準備
 タイミングがブリーフィング、レストタイムの行動を行い、【準備】タグの行動を行って、続く戦闘の準備をする。

▼シーン終了
 準備を整え、骸骨広間へ向かうとシーン終了となる。

■インタールード5
 GMはシーン5のシーン定義を読み上げる。
 マップやマーカーなどを用意する。

■シーン5:メンテナンスルーム前の戦い
●シーン定義
 戦闘シーン/シーンプレイヤーなし
▼解説:
 PCたちが、メンテナンスルーム前のエネミーと決戦を行うシーン。
▼目的:
 エネミーを突破し、メンテナンスルームへ入る。
ログホラMAP2c
●シーン本体
▼オーバーチュア
 メンテナンスルーム前は広い部屋になっている
 奥にメンテナンスルームへ続く扉がある。
 しかし、その前には巨大な昆虫型のモンスターが控え、その周囲の床は赤く粘々した物体で覆われているようだ(プロップ:[ネバネバした床])。

▼エネミーの配置:
 D2:〈緑小鬼〉(『基本』P430)
 D3:〈緑小鬼〉(『基本』P430)
 D4:〈緑小鬼〉(『基本』P430)
 F1:〈緑小鬼の呪術師〉(『基本』P430)
 F5:〈緑小鬼の呪術師〉(『基本』P430)
 G3:〈甲冑蜘蛛〉

〈甲冑蜘蛛〉
 CR:3 大種族:[自然] Eタイプ:スピア エネミーランク:[ボス]
【STR】2【DEX】3【POW】1【INT】2
【回避】3+2D 【抵抗】1+2D 【物理防御力】10 【魔法防御力】7
【HP】78 【ヘイト倍率】×2 【行動力】5 【移動力】2
【識別難易度】6 【因果力】3
特技
《ネバネバランス》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(4+3D/回避)_単体_2Sq_37+2Dの物理ダメージを与える。_[マイナー]対象に[追撃:5]と[硬直]を与える。_[因果力1]対象を[範囲(選択)]とする
《蜘蛛糸そらし》_ダメージ適用直後_自動成功_自身_ラウンド1回_自分がダメージを受けた際に使用する。蜘蛛の糸をはいて、攻撃をそらしてダメージを2D点軽減する。[因果力1]受けるダメージを0にする。
《再行動》_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。
ドロップ品
固定:青いリボン(メンテナンスルームの扉を開けるキーとなる)
1~5:折れたランス[換金]30G
6:蜘蛛糸袋[コア素材]50G

※PCが3人の場合には、D2と、D4のエネミーを取り除く。
※PCが5人の場合には〈甲冑蜘蛛〉の【HP】を+20点、【因果力】を+1する。

▼エネミーの戦術:
 〈緑小鬼〉は、【ヘイトトップ】のPCに接近して白兵攻撃を行う。
 〈緑小鬼の呪術師〉は射程内のPCに射撃攻撃を行う。射程内に【ヘイトトップ】のPCがいれば、それを攻撃する。
 〈緑小鬼〉と〈緑小鬼の呪術師〉は[ネバネバした床]のBSを受けるので、自分からはプロップのあるスクェアに移動しない。
 〈甲冑蜘蛛〉は、[ネバネバした床]の上を優先的に移動する。射程内に【ヘイトトップ】のPCがいれば、それを攻撃する。
 〈甲冑蜘蛛〉の【因果力】の使用優先順位は1>2である。
 1:《ネバネバランス》で複数のPCへの攻撃が可能であれば使用する。
 2:実ダメージが20点以上の攻撃で《蜘蛛糸そらし》に使用する。

▼プロップ:
・プロップ:ネバネバした床[魔法][破壊不能]ランク1
 探知難易度-、解析難易度8、解除難易度8
 中に入ると床が粘ついて[硬直状態]となる。通常のマイナー、メジャーでは解除できない。特技または[万能薬(初級)]を使用するか、解除判定に成功するか、甲冑蜘蛛を倒すまで[硬直状態]は持続する。
 甲冑蜘蛛だけは、BSなしで自由に行動できる。

・プロップ:透明な蜘蛛の巣[魔法][破壊不能]ランク1
 探知難易度8、解析難易度8、解除難易度8
 プロップ[ネバネバした床]と同じスクェアにある。透明なので探知難易度がある。
 [飛行]状態ならここで停止。通常のマイナー、メジャーでは解除できない。特技または[万能薬(初級)]を使用するか、解除判定に成功するか、甲冑蜘蛛を倒すまで[硬直状態]は持続する。
 解除すれば、[飛行]状態で通過可能になる。

▼戦闘終了
 PCが全滅するか、エネミーを全滅させたら、戦闘は終了になる。
 財宝表ロール:金銭で行う。PCひとりずつ2D+【CR×5】で財宝を獲得する。

▼モンタージュ:戦闘がPC勝利で終了した
 キミたちは、甲冑蜘蛛を倒した。
 倒した甲冑蜘蛛から、固定ドロップ品の青いリボンが手に入る。これを持って、メンテナンスルームへの入口に近づけば、ドアが開き、メンテナンスルームへ入れる。

▼モンタージュ:戦闘がPC全滅で終了した
 キミたちは、武運拙く敗北した。
 次のシーンでは、復活したPCが精霊の泉で合流する。
 復活後の【疲労】状態は、水の精霊が30点まで解除してくれる。
 エネミーに与えたダメージは、残ったままだ。倒したエネミーは復活しない。
 さあ、今度こそ勝利しよう。

▼シーン終了
 戦闘終了後、財宝表の処理を行った後、シーンを終了させる。
 クライマックスシーンはこれで終了となり、エンディングフェイズへ移行する。

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エンディングフェイズ
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■インタールード6
 GMはエンディングフェイズの開始を宣言する。
 戦闘で死亡したPCがいた場合など、ここでシーンを挿入して、復活したPCが戦闘後に合流するシーンを入れてもいいだろう。
 GMはシーン6のシーン定義を読み上げる。

■シーン6:メンテナンス開始
●シーン定義
 シネマティックシーン/シーンプレイヤーなし
▼解説:
 メンテナンスルームを再起動し、依頼を完遂するシーン
▼目的:
 物語を終わらせる。

●シーン本体
▼オーバーチュア
 メンテナンスルームには、手にドリルやハンマーがついた作業ロボが並んでいる。
 再起動させると、作業ロボが動きはじめ、ぞろぞろと事故現場へと向かう。

▼モンタージュ:事故現場へ向かう
 事故現場へ向かうと、そこには魔法で崩れそうな柱を支えているアンドリューがいた。

・セリフ:アンドリュー
「やあ、助かった!」
「この柱を放置してメンテナンスルームへ向かうと、途中でこの階層全部が崩れてしまう危険があったんだよ」
「おかげで助かった。礼を言う」

▼シーン終了
 PCたちのロールプレイが一区切りついたら、シーンを終了させ、シナリオも終了となる。PCはアキバの街に戻り、報酬を手に入れる。

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アフタープレイ
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●ログチケットの配布
▼プレイヤー
 キャラクターランクアップ:1枚、アザーゲット:1枚
▼GM
 キャラクターランクアップ:1枚、財宝ゲット:プレイヤー人数+1枚、アザーゲット:2枚
▼因果力ゲット
 プレイヤーとGM全員に、ログチケット:因果力ゲットを1枚ずつ。
 さらに、各PCの活躍について参加者同士でおしゃべりし、活躍した(できれば、全員となるように!)PCのプレイヤーにログチケット:因果力ゲットを1枚ずつ。