アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌

アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌(5)

2013年6月1日 アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌 No comments

●主力艦配備状況 少しずつ、主力艦がそろってきた。

〈名取〉「……」

・戦艦 〈扶桑〉※航空戦艦に改造

〈山城〉

〈伊勢〉※航空戦艦に改造

〈霧島〉※改造済み

 〈扶桑〉と〈山城〉は姉妹艦、つまり基本設計が同じ艦である。 姉妹艦は、性能が近いため、艦隊を組ませて行動するのに適している。 いつも一緒の仲の良い姉妹というわけだが、妹が心配でたまらない〈扶桑〉さんは、我が艦隊に〈山城〉がいない頃から「〈山城〉大丈夫?」などと空中に向 かって語りかけていて、たいへん怖かった。

 少々苦労したが〈山城〉を獲得できたことは、提督である私にも、他の艦娘にとっても、精神の安定に良いことで あった。 〈伊勢〉は〈扶桑〉〈山城〉の発展改良型である。〈扶桑〉さんが、ああみえて〈伊勢〉型戦艦にライバル心旺盛なため、バランスを取るため〈扶桑〉さん優先でレベルアップや、装備の改良は進めている。

 〈霧島〉は高速戦艦だ。眼鏡さんで、いかにも頭が良くてドジばっかりしてそうである。機動力が高いので、小型艦や空母を引率させて出撃させることが多い。装甲が若干弱かったが、改良型になってこちらも十分になってきた。今後の同型艦の登場が期待される。 戦艦は一度出撃させると燃料も弾薬もしこたま消費するため、ここぞという作戦以外では、港に浮かべてある。史実でも〈大和〉が、南太平洋で激戦が続く間 も、なかなか停泊地から動かないので〈大和ホテル〉と揶揄されていたが、こうして提督の側に立つと動かせなかった気持ちがよくわかるというものだ。

〈名取〉「……」

・正規空母 〈赤城〉※改造済み

 正規空母は、現時点で〈赤城〉1艦のみ。正規空母はたいへん強力なのだが、どうしても空母の特質上、攻撃に脆い。おかげで資源がどんどんなくなる。

 …… ひょっとしたら、〈赤城〉さんだけで、他の空母ならここまで資源は食わないのかもしれないが、何にしても今は〈赤城〉さんを養うので手一杯である。ツイッ ターをながめたところ、他の艦隊でも腹ぺこキャラが板についているようだ。強いけど、燃費が悪い。fateのセイバーさんポジションか。

〈名取〉「……」

・軽空母 〈祥鳳〉※改造済み

〈隼鷹〉※改造済み

〈飛鷹〉

〈鳳翔〉

〈龍驤〉

 我が艦隊の実質的な主力が、この軽空母艦隊である。陣容もそれなり。特に〈祥鳳〉と〈隼鷹〉は出撃回数が多いせいで、レベルも上がり改装を施して流星爆撃機や、零戦52型などの新型機を搭載している。 燃料や弾薬の消費は正規空母よりも低い上、戦闘力はほぼ互角。敵に空母がなければ、搭載機の少なさもそれほど気にならない。 ただし、レベルが上がると、損傷の修理には時間がかかるようになる。ちょっとした修理に1時間とか2時間とかの時間が必要なので、こまめに任務をこなして修理用資材(バケツ)の備蓄が必要となってくる。

 あと、主力艦以外として〈川内〉がついに参入。〈川内〉型そろい踏みで第3艦隊が運用できるようになった。これで、遠征艦隊が2つになる。 第2艦隊は、固定で海上護衛任務を回し続け、第3艦隊はそのときの資源備蓄に応じて、タンカー護衛や、資源輸送、鼠輸送などを実施している。地道に経験点も入るので、レベルの低い駆逐艦の育成にも使っている。

〈名取〉「……」

 ところで〈名取〉。『巨人の星』のお姉ちゃんのように物陰からじっと見るのやめてくれないかな。

〈名取〉「……」

 えーと。駆逐艦、食べる?

〈名取〉「いりません。これ以上駆逐艦を食べても、雷撃能力限界値なので上がりませんから」

 ああ、そういえばもう、雷装が99(酸素魚雷込み)まで上がってたっけ。 当たればでかいんだよなぁ……当たれば。

〈名取〉「どうせ、私は外してばっかりのダメな子です」

 いやいや、艦隊決戦では使わせてもらうって。

〈名取〉「そう言って、こないだだって〈五十鈴〉ちゃんを連れてったじゃないですか。騙されません」

 ああ、あれはほら。〈五十鈴〉が成長したらレーダーが手に入るとか聞いて……

〈名取〉「そうですよね。私なんか、成長しても代わり映えのしない酸素魚雷が手に入るくらいですし。もうお役に立てませんよね」

 むむむ。

〈名取〉「いいんです、私。どうせ旧式艦ですし。でも、時々は、若い子の引率、任せてくださいね?」

 ああ、はい。分かりました。 というわけで、しばらくは軽巡洋艦や駆逐艦など水雷戦部隊の育成に励んでみたい。 レーダーも手に入れたいし。

アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌(4)

2013年5月30日 アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌 No comments

●潜水艦との戦い
 戦艦〈扶桑〉と空母〈赤城〉が登場し、いよいよ陣営も整ってきた我が艦隊。
 ここは、もう一度期間限定の『敵泊地に突入せよ』マップに挑戦してみよう。
 最初に挑戦した時には、途中で潜水艦にぼこぼこにされたあげく、ボス戦で水上機母艦〈千代田〉と駆逐艦〈吹雪〉が轟沈した死のマップである。

 この潜水艦というのは、実にやっかいな軍艦である。
 艦これでの敵潜水艦は、海面から腕がにょろーんと伸びた、まるで妖怪“船幽霊”ぽいイメージの敵だ。怪談話では、夜の海で船に乗っていると、海から“船幽霊”が現れて「ひしゃくー、ひしゃくを寄こせー」と言ってくるのだが、うっかり供養のつもりでひしゃくを渡すと、船の中に水を汲まれて船が沈むのである。
 艦隊これくしょんの敵が、沈んだ船の怨念が原型であるならば、潜水艦型の敵とはまさに、この“船幽霊”に他ならない。海に潜って姿を消せるあたりも“船幽霊”っぽい。

 潜水艦は、海に潜ることができる軍艦だ。初期の潜水艦は、空気や動力の関係から、長時間の潜水が難しかった。海の上であれば空気(酸素)がふんだんにあるので、石炭や石油を燃やして、その力で動くことができる。しかし、海の中では、石炭や石油を燃焼させる空気がない。そこでWW2頃の潜水艦は、潜った後は電池を使った。海の上では石油を燃やして動き、そのついでに電池も充電し、敵と戦闘となれば海に潜って電池で動くのだ。ずっと潜りっぱなしはできないので、初期の潜水艦は『可潜艦』とも呼ばれる。

 水上艦同士の戦いで効果を発揮する大砲や魚雷は、海の中にいる潜水艦には無効である。そこで、対潜水艦用の爆弾、いわゆる爆雷が必要とされる。
 艦娘の中で爆雷を装備しているのは、軽巡洋艦と駆逐艦だ。特に軽巡洋艦の〈五十鈴〉と〈由良〉は対潜能力が40もあり、潜水艦が登場するマップでは心強い。
 航空機からの爆撃も、浮上航行中か浅い深度で航行中の潜水艦相手には有効である。あと、横隊にするとダメージが増える。最初、いつものように単縦陣でつっこんで、ダメージが1点とか2点とかしか通らなかった時には、泣きそうになった。

 艦これの時代の後、潜水艦はさらなる進化を遂げる。原子力動力の原子力潜水艦が誕生したのである。燃料を燃やさず核分裂反応からエネルギーを引き出す原子力は、酸素を必要としない。長時間の潜行と水中での高速発揮が可能であるため、対処がとてもやっかいな敵だ。また、潜水艦の持つ見つかりにくさを利用して、冷戦時代には多くの原子力潜水艦が、潜水艦発射型の核ミサイルを搭載して海に潜んだ。
 もし、核戦争が奇襲的に発生して片方の勢力が火の海になったとしても、核ミサイルを搭載した原子力潜水艦が海の中で生き残っていれば、それで反撃を行うことができる。核ミサイルをつきつけあった相互確証破壊とは「ワシが負ける時には、お前も道連れじゃ」という実に覚悟完了した戦略である。そのへん、21世紀はだいぶ理性的な時代になったと言える。

 理性的な時代の遊びが可愛らしい女の子を軍艦にしちゃう艦隊これくしょんというゲームなのはどうかと思われるむきもあるだろうが、大丈夫。そのうち、イギリス海軍とかが参戦してくれて、こちらはきっと可愛いらしい男の子を軍艦にしてくれてバランスを取ってくれるに違いない。インド出身のマハラジャーな男の子とか、グルカ兵っぽい男の子とか、メイド服で女装した男の子が! 根拠はないが、21世紀は理性の時代だから!

●敵の補給艦をたたけ
 『敵泊地に突入せよ』マップに突入を開始して数日が経過した。
 ようやっとマップ1『前哨戦』をクリアしたが、そこで弾や油が尽きてしまう。
 敵にエリート艦が存在していて、味方に相応の損害が出るので、再び2個しかないドッグの前には、損傷した艦娘による長蛇の列ができている。
 少し目先を変えて、『南西諸島海域』のバシー島沖へと向かう。
 この海域には、敵に補給艦が出てくる。補給艦を対象とした任務もあり、これを実行して資源を手に入れようという魂胆だ。
 だが、これは残念ながら失敗に終わった。
 補給艦は攻撃はしてこないが、意外と沈めにくい。また、このあたりのマップともなると、敵にエリート艦がちらほら見えるようになって、手痛い反撃も受ける。今の我が艦隊では、任務を達成して手に入る資源より、修理などで出ていく資源の方が多いのだ。

 補給は、軍がその戦力を維持するために必須の存在である。特に燃料と弾薬の重要性は、艦これを遊んでいるプレイヤーには言わずもがなのことであろう。
 加えて、日本やイギリスのような海洋国家の場合は、戦略物資の輸送を担う輸送艦が途切れることなく海を渡ってくれないことには、経済が壊死してしまう。

 補給艦や輸送船を守るためには、補給艦や輸送船にとっての脅威を排除すればよい。
 かつて商船にとっての最大の敵は、巡洋艦、フリゲートだった。そして巡洋艦、フリゲートを駆除する一番の方法が、その根拠地となる港を叩くことであった。
 日露戦争以前は、敵の根拠地となる港を封鎖・占領することが海軍の作戦行動の多くを占めていた。日露戦争の旅順軍港の戦いは、その代表例である。
 しかし、第一次世界大戦の頃になると、敵の港を直接封鎖するのは機雷などの兵器の発達で危険が大きくなり(日露戦争の時点でも、封鎖中だった日本軍の戦艦2隻が相次いで機雷で失われている)戦艦を含む主力艦隊は、敵艦隊の出撃に合わせてこちらも出撃する、という風になってきた。

 かわりに、活躍するようになったのが、潜水艦と、通商破壊用の商船改造型巡洋艦、いわゆる特設巡洋艦である。これらの船は、潜水して、あるいは商船に擬装してこっそりと敵の警戒網をぬけて外洋に出、敵の商船を狙ったのである。

 第二次世界大戦では、これに航空機と、航空機や潜水艦がばらまく機雷が含まれるようになる。日本海軍はそうでなくとも補給路を維持するための商船の数が足りていなかったが、戦いが激しくなるにつれ、潜水艦と航空機の攻撃によって、いよいよ致命的に物資不足へと追い込まれることになる。

 なお、補給艦というのは数があればいいというものではなく、ガダルカナル島の戦いでは、夜の闇に乗じて補給艦や駆逐艦に搭載した物資を島に届けるまではできても、海岸にごろごろ並べるまでが精一杯で、そこから内陸に輸送する手段がなく、昼間になってから空襲で焼かれたりしたそうである。港湾施設の重要性がよくわかるエピソードだ。

アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌(3)

2013年5月28日 アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌 No comments

●超ド級戦艦〈扶桑〉参戦
 戦艦という言葉の響きには、魅惑的なものがある。
 しかし、艦娘の元となった、第二次世界大戦で戦った「装甲が厚くて甲板の上に砲塔が乗っかっていて、でっかい」という戦艦は、軍艦の歴史の中では、それほど新しいものではなかったりする。
 そもそも、全体が装甲に覆われた軍艦というものは、ナポレオンの頃には存在せず、その後のリンカーン大統領の南北戦争の頃になって、ようやくそれっぽいのが出てくるほどなのだ。
 第二次世界大戦の頃は、現代的な戦艦というのは、まだ100年とたっていない新しい艦種だったのである。
 そして、新しいがゆえに、進化も早い。
 日露戦争の日本海海戦で戦艦が大活躍した翌年の1906年に進水した戦艦ドレッドノートも進化を加速した戦艦のひとつである。
 効率的な砲戦能力と、有利な砲戦に必要な位置取り能力とを備え、従来型のあらゆる戦艦を時代遅れにしたとされるドレッドノートの登場で、戦艦は、「ドレッドノート前」と「ドレッドノート後」に分けられたのである。
 ドレッドノートより古い設計の戦艦が、前ド級戦艦。
 ドレッドノートと同じ設計の戦艦が、ド級戦艦。
 そして、ドレッドノートより一段階進化した戦艦が、超ド級戦艦である。
 超ド級戦艦よりもさらに一段階進化した戦艦を超々ド級戦艦と呼称することもあるが、ここまでくると訳が分からなくなるので、艦これ的にはド級と超ド級だけ押さえておけば良いだろう。

 我が艦隊に配属された〈扶桑〉は、日本で建造された最初の超ド級戦艦である。
 特徴はやはり、火力と防御力である。戦艦の進化は彼女以後も急ピッチで進むため、史実の彼女は鈍足で使い勝手が悪い戦艦となったが、艦これでは違う。
 何しろ、艦これで提督(プレイヤー)が一番恐れるのは、自らが手塩にかけた艦娘が沈むことである。たとえ旧式であろうが、戦艦の装甲と耐久力は、提督(プレイヤー)にとってたいへん心強い。

 さっそく扶桑は第1艦隊に配属され、敵の攻撃を引きつける盾役として大活躍するのである。

「それって、損害担当艦ということですよね」

 いや、そうだけど。そういう台詞をにこにこと笑いながら言わないでくれるかな〈名取・改〉!

「だぶった駆逐艦娘(1レベル)、食べさせてくれたら黙っておいてあげます」

 キミすでに装甲が40、雷装も60あるよね!
 ついつい食べさせちゃう(近代化改装すること)、俺も俺だけど!

「そんなこといいから、撃っていい? ねえ、撃っていいよね? ねっ、ねっ」

 いいから落ち着け〈足柄〉。あんたはパトレイバーの太田か。なんでそんなに残念系美人なんだ。

●空母〈赤城〉登場! そして大破!
 「敵空母を撃沈せよ!」というミッションが出現した。
 すでに、敵空母は何隻も沈めており、今さらなんだろうと思ってかる~く実行してみると、空母〈赤城〉が手に入った。
 今まで空母を手に入れようとして大量に消費した資源は、いったいなんだったんだ、と呆れるほどにあっさりと。
 第二次世界大戦で、海の主力となった空母。21世紀の現代では航空機の航続距離が伸びたおかげで、かつてほどの神通力はなくなったが、今も空母を持つことを、一等海軍のステータスとする風潮は根強い。

 なぜ空母は強いか。それは砲撃や魚雷に対する圧倒的なアウトレンジ能力である。
 戦艦の砲撃戦の射程は、せいぜいが30km。30km向こうに大砲の弾を届かせることを考えると、それでもすごいものだが、相手も戦艦がいれば、それは互いに撃たれることが前提となる距離だ。
 だが、空母は違う。空母の間合いは搭載した航空機の航続距離だ。艦これではおなじみの九九式艦上爆撃機の行動半径は500kmである。一度、敵の空母に発見されてしまえば、この500kmから30kmまでの間は、空母艦載機に殴られほうだいになってしまうのである。悪天候や夜の闇に乗じるにしても、そうそう詰められる間合いではない。太平洋戦争の戦いが、空母中心になったのは、このためだ。
 だから、この時代の海戦は、敵味方に空母があれば、狙うのはまず敵の空母となる。空母がいなくなった敵は、一方的に空襲されるのがいやなら、逃げるしかなくなるからだ。

 もちろん、史実通りではWEBゲームにならないので、艦これでは、空母はそれほど一方的な存在にはなっていない。一方的な空襲は最初の1回だけで、それが終われば、空母は敵の砲撃の間合いへと入れられてしまう。空襲は可能だが、砲撃の対象ともなるのだ。

 それが、どのような影響をもたらすかは〈赤城〉が旗艦となった最初の戦いですぐに明らかになった。
 敵巡洋艦の砲撃を受けた〈赤城〉が、いきなりクリティカルで中破の判定を受けたのである。そしてもう一撃。たちまち耐久力のゲージが真っ赤になる。いくらなんでも、呆れるほどの運のなさである。
 這々の体で港に戻ってきたが、ここで衝撃の事実が明らかになる。
 赤城の修理の見積もりをとったところ、えらい数の資源が必要とされたのだ。
 もちろん、そんな資源はない。
 地道に艦隊護衛任務をこなしつつ、資源がたまるのを待つ。
 そしてようよう、資源がたまった頃。

「あの……提督。私の修理、そろそろの予定では?」

 すまんな〈赤城〉。〈扶桑〉が魚雷を受けて損傷したので、そっちに資源を回す。

「いえ、いいんです。私、その……いつまでも待ってますから」

 だが、それから数日。
 〈赤城〉はボロボロの姿のまま、ドッグの外に係留され続けたのである。
 その間、艦隊の航空戦力の要として大活躍を続けたのが軽空母〈祥鳳〉だった。
 最前線で戦い続けるから、あっというまにレベルが上昇。気が付けば〈祥鳳・改〉となっていて、搭載機数も48に上昇。主力は新型の彗星爆撃機である。長く問題であった装甲も40になり〈赤城〉に迫る勢いだ。
 後方支援能力という身の丈にあったリーズナブルさというのは、兵器にとって大事だなぁ、とつくづく感じるゲームである。

アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌(2)

2013年5月25日 アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌 No comments

●遠征任務(わけても海上護衛任務)の重要性について
 艦これの面白いところに、後方支援の重要性がある。
 かつての太平洋戦争において、日本海軍は序盤でこそハワイで真珠湾したり、南太平洋にまで進出したり、それなりの活躍をみせたが戦争が進むにつれて、精細を欠いていく。
 その原因として、ミッドウェー海戦の敗北や、ガダルカナルでの消耗がよくあげられるが、空母が沈んだり、航空機や熟練パイロットが失われたことは、痛くはあっても致命傷ではない。
 日本海軍が、ぱっとしなくなった最大の理由は、艦隊や航空部隊を前線に送り出し、彼らに実力を発揮させるための補給や整備を整えるという、後方支援能力の貧弱さにある。
 対するアメリカ海軍については、有坂純さんが『歴史群像アーカイブ3』所収の『怒涛の米軍物量戦』で書かれているが、守勢ではなく、攻勢に出た戦争後半における後方支援能力の高さには瞠目すべきものがある。フィリピン侵攻作戦において、アメリカ海軍は第3艦隊に空母8隻、軽空母8隻を編成したが、こいつらが大量に消費する燃料は、タンカーでどんどん後方から送り出された上、給油艦34隻、護衛空母11隻などでなる海上兵站戦務群が洋上給油ステーションとなって前線近くまで進出し、腹を空かせた空母に燃料を供給し続けたのである。
 このあたりの、「無駄になってもいいから、大量の物資を途切れることなく送り出し続ける」アメリカ軍の兵站センスはたいしたものである。同時に、このセンスは、いらなくなった物資をどんどら捨てたり爆破して処分したりして平然とできる人や組織でなくては、なかなか身に付くまいとも思う。対して日本的な美意識はやはりカンバン方式に代表される、無駄を削ぎ落として効率を追求するところにあるように思う。

 閑話休題。艦これに話を戻す。

 艦これでも、艦隊が充実してくると兵站がネックになってくる。出撃して損傷した艦艇が、ドックに順番待ちの長い列を作り、資源がなくなったので、出撃できない艦隊が暇そうに港でちゃぷちゃぷ水遊びをしている風景は、艦これを遊んでいる人であればおなじみであろう。
 もちろん、WEBゲームであるからには課金をすることで足りない資源を何とかする手はある。ドッグも、課金して数を増やすことが可能だ。このあたりの感覚も、史実っぽさが出ていて、なかなかに面白い。
 しかし、多くの場合、兵站を支えるのは遠征(おつかい)任務である。中でも海上護衛任務は、そこそこの難易度・時間で、燃料200&弾薬200を補給してくれるので、艦隊の生命線となっている。
 だが、第1艦隊はこの遠征任務に参加できない。これはなんとも無念な話で、常に物資不足に泣いている我が海軍としては、第1艦隊も海上護衛任務に投入したいのが本音だ。
 というか、艦隊決戦とかいらないよね。

 検索したところ、遠征任務を担当できる第3艦隊が運用できるようになるのは、川内型軽巡洋艦3隻がそろう任務を達成したら、ということらしい。
 〈神通〉と〈那珂〉の2隻は、ちょくちょく出現しているので艦隊にそろえているが、いつまでたっても〈川内〉が登場しない。早くこいー。

●南西諸島防衛戦~敵機動部隊を撃滅せよ!
 遠征艦隊を海上護衛任務に送り出し、物資をためる。
 物資がたまったら出撃し、経験点と艦娘を獲得する。
 すでに同じ艦がいる艦娘は、見なかったことにして廃棄処分にし、物資をためる。あ、その魚雷発射管と12.7cm連装砲は剥いておけ。使えるからな。
 これを繰り返しているうちに、だんだんと主力艦隊の陣容が整ってきた。

 旗艦は我が艦隊初の空母〈祥鳳〉である。戦闘機は相変わらず搭載せず、九九式艦爆と、九七式艦攻が主力である。よく命中させるので常にきらきらモード(高揚状態)にあり、テンションも高い。脆いが、修理にさほど手間がかからない。まことにお手軽な、いわゆるチョロイン枠。

 護衛部隊の主力は、これまた我が艦隊初の重巡洋艦〈足柄〉である。〈足柄〉は史実ではイギリス海軍から「飢えた狼」とまで評された艦であり、黙っていれば、すらりとしたプロポーションのモデル体型な美人さん。だが口を開くと「飢えた狼」どころか「血に飢えた狼」になる。いいから落ち着け。美人なのにヒロインになれない枠。

 艦隊のまとめ役として重宝するのが、初期から長く旗艦を続けて気が付けばレベル20越えで酸素魚雷搭載艦となった〈名取(改)〉である。〈祥鳳〉の空襲、〈足柄〉の砲撃で撃ちもらした敵艦を、魚雷攻撃や夜襲で、こっそり後ろから忍び寄って刺し殺す。どうみてもヤンデレ枠。

 これら頼もしすぎる3隻を中核に、マップ1-4「南西諸島防衛戦」に挑むわけであるが……制空能力が足りない。
 マップ1-4「南西諸島防衛戦」をクリアするには、マップボスである敵機動部隊を撃破する必要があるのだが、この艦隊には正規空母が含まれる。
 戦闘機を搭載していない〈祥鳳〉では、敵艦隊にたどりつく前に搭載機をばたばた落とされてしまい、戦力が半減してしまうのだ。かといって、空母なしではつらい。
 もう1隻、どうしても空母が欲しい。
 そんな中で建造されたのが、軽空母〈隼鷹〉である。
 同じ軽空母だが、搭載機数は〈祥鳳〉の30機に対して〈隼鷹〉は58機。
 また、最初から戦闘機を搭載しているのだが……九六式艦上戦闘機である。ちと古い。
 仕方ないので、慣熟航海(レベル上げ)を繰り返しながら装備品を作ってみる。
 運良く、さほど失敗を繰り返すことなく零式艦上戦闘機21型、名高き零戦が完成する。ありがとう、庵野監督!

 こうして軽空母〈祥鳳〉〈隼鷹〉、重巡洋艦〈足柄〉、軽巡洋艦〈名取(改)〉に、「なのです」駆逐艦〈電〉、「ボクっ娘」駆逐艦〈時雨〉を加えた我が第1艦隊は、幾度かマップ1-4「南西諸島防衛戦」に挑み、ついに敵艦隊を退けたのである。

 そして登場したのは……なんと戦艦〈扶桑〉であった。
 ついに本当の意味での主力艦、超ド級戦艦が我が艦隊に加わったのである。

(続く)

アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌(1)

2013年5月25日 アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌 No comments

ツイッター上で、フォローしている方々がやたらとプレイしている、WEBゲーム『艦隊これくしょん、通称『艦これ』を遊んでみましたので、その日誌を。

●『艦隊これくしょん』とは?

旧日本海軍の艦艇をコレクションして、その中から6隻を艦隊に編成して出撃させ、敵と戦って戦果をあげていくゲームです。 最初は、駆逐艦などの小型軽量艦艇(弱い)が中心ですが、だんだんと戦艦などの大型艦艇(強い)が使えるようになります。

DMM公式サイトはこちら

●ゲーム開始から~水雷戦隊結成

最初に、駆逐艦〈吹雪〉を手に入れる。 とにかく何をやればいいかは分かるが、何をやれば得になるか、損になるかの判断基準がないので画面上にある『任務』をひとつずつこなしていく。

・艦隊を編成したり

・艦隊を出撃させたり

・他のプレイヤーの艦隊と演習をしたり

・損傷した艦艇の修理や新造艦の建造をしたり

 まず『任務』欄をクリックし、次に実行し、任務を『達成』ボタンを押したら資源や艦がもらえる、という仕組みである。実行してから『任務』をクリックしても、一部をのぞいてダメである。

 そうこうしているうちに、軽巡洋艦と駆逐艦の数が増えてくる。

 この時期の艦隊編成は、軽巡洋艦〈名取〉を旗艦に+1隻軽巡洋艦、4隻駆逐艦編成であった。旗艦には命中ボーナスでもつくのか、〈名取〉はもうダメだダメだと言うくせに、よく当てる。 しかし、いつまでたっても軽巡洋艦よりも大きな艦艇がやってこない。 これは自分で作るしかないのか、と資源を消費して艦艇を建造してみるが、ことごとく駆逐艦と軽巡洋艦である。どうも、資源を100ずつとか200ずつバランスよくばらまいてはいかんようだ。 そこで鉄と弾薬を300消費して、後はそのままにしたら、駆逐艦だった。 腹いせにその場でスクラップにする。鉄300使って鉄7かよ、ちっ。

●敵空母出現!

 などとやっていると、敵に軽空母がでてきた。 現実の海戦がそうであったように、このゲームでも空を制するものが強い。 海戦の流れは、偵察の後、まず空母機動部隊の空襲からスタートし、その後で砲撃戦(ときどき空襲)があり、締めに魚雷を発射する。遠距離、中距離、近距 離の順番である。魚雷は、駆逐艦や巡洋艦が発射できるが、それまでに中破以上の損害を受けていると、魚雷戦は仕掛けられない。

 魚雷戦というのは、位置取りである。現代のミサイルと違い、当時の魚雷は発射するとまっすぐ進むだけなので、ちゃんと良い位置について、しかも距離は肉薄していないと魚雷は当たらない。損傷を受けていれば、速度が落ちたりして位置取りができないのだ。 その後、プレイヤーが望めば夜戦を挑むことができる。夜戦では航空機は使用できない。敵に空母がいれば、ここで一方的に攻撃することも可能だ。 しかし、そうは言っても空母の空襲は先手を取ってくるので痛い。かなり運が作用するが、小型艦であれば一発くらっただけで中破大破はざらであり、こうなれば、魚雷を撃つこともできずに殴られまくることとなる。 敵に空母がでてきたのも痛いが、重巡洋艦が出てきたのも痛い。 軽巡洋艦と重巡洋艦という切り分けは、分類的にはあまり意味のあることではない。ワシントン軍縮条約のからみで、戦艦などの大型艦をほいほい作るわけに はいかなくなったので、ぎりぎり条約に引っかからないサイズの巡洋艦を主力艦として使用しようとしたのが、重巡洋艦である。 重巡洋艦は何とかサイズを押さえようとしたせいで、バランスはちょっと悪くなったが、それでも主力艦を目指しただけあって、砲撃のパンチ力は従来型の巡洋艦、つまり軽巡洋艦よりもでかい。装甲も軽巡洋艦に比べるとあるので、これまたタフだ。 小型艦艇しかないこちらが頼りにできるのは魚雷だけだ。

 駆逐艦や軽巡洋艦から砲塔をおろして代わりに廃棄処分にした他の艦の魚雷発射管を山盛り搭 載して出撃させたところ、肉を斬らせて骨を断ったり、骨を斬らせて骨を断つ獅子奮迅の戦いぶりをみせ、勝率はそこそこ上がった。 しかし、鎮守府に帰還してくる艦隊は毎回ボロボロである。修理しようにも、修理ドッグは2カ所しかなく、順番待ちの長い行列ばかりが伸びてくる。とはい え、建造したり戦闘で獲得するのもやはり、小型艦ばかりなので、交代要員はいくらでもいる。〈綾波〉など4番艦までいる。まさに「私が死んでも代わりはい るもの」である。

●ついに空母建造、その名は〈千代田〉……いや、お前違うだろ!

 だが、このやり方は私もストレスがたまるが、艦隊の女の子=艦娘からもえらく不評であった。いい加減に大型艦を導入しろというのである。

 とうとう、艦娘を代表して〈名取〉が目に涙を浮かべて抗議してきた。他に大型艦がいないので、ひたすら旗艦として働かせてきたせいでいつの間にか、20 レベルである。頭上に高々と酸素魚雷を持ち上げ、「提督を殺して私も死にます」などと言われては、私としても心を入れ替える他ない。 しょうがないので、空母を導入することにした。鉄と弾薬と燃料を300ずつにして、ボーキサイトを500投入である。ひとまずは軽空母を造って、防空艦にしようと考えたのだ。

 そして登場したのは……〈千代田〉である。 いやいや、水上機母艦だろ、お前! 空母じゃないだろ! 装備を調べてみたら、高角砲と水上偵察機が12機である。 確かに、12機というのはそれなりの数であるが、搭載してるのが水上偵察機ではどうしようもない。母艦そのもにも攻撃力はない。これはダメかとがっかりしたが、ひとまず〈名取〉と組んで戦場に送り出してみる。 そしたらこれが、意外な大活躍。いや、大というほどではないが中活躍。 まず、偵察能力が高いので、敵を発見し、命中率、回避率が(心持ち)よくなる。が、この(心持ち)よくなるのが、小型艦艇中心の我が艦隊ではけっこう心 強い。敵の攻撃が当たらなくなってきたのだ。毎回、煙をあげながら無事な味方艦に曳航されてよろばうように港に戻り、しかも、ドッグが埋まってるものだか ら港でボロボロの姿をさらしていた艦娘たちの姿が、どんどん減っていったのだ。

 また、砲撃戦での偵察攻撃はどうも特殊攻撃扱いになるようで、時に魚雷命中並のダメージをたたきだす。 いけるいける。これはいける。 調子に乗った私は期間限定イベントマップ『敵泊地に突入せよ』に〈名取〉と〈千代田〉の艦隊を送り出した。 数日後、ボロボロになった艦隊が戻ってきた。 艦娘の顔は一様に暗く、その中に〈千代田〉の姿はなかった。 〈名取〉はしばらく私と口をきいてくれなかった。

●重巡洋艦〈足柄〉登場

 さすがに〈千代田〉の喪失は精神的にこたえた。 しばらく時間を置いて(具体的には資源がたまるのを待って)大型艦の建造をやり直すことにする。

 南北戦争からの近代海戦の流れを振り返ってみるに、やはり、近代海戦では装甲が一番大事である。〈モニター〉と〈バージニア〉の戦いをみよ。 毎回、毎回、艦娘たちがボロボロになって戻ってくるのも、彼女らが紙のような薄い装甲しか持たないからだ。ここはやはり、装甲の厚い大型艦に登場してもらうしかあるまい。 そして登場したのが、鉄500を投入した我が艦隊で初の大型艦〈足柄〉である。これまで旗艦をしていた〈名取〉とはまるで逆の、超ハイテンションな艦娘である。 大丈夫かいなと思わなくもなかったが、戦意旺盛な〈足柄〉は〈千代田〉喪失で沈む我が艦隊にとって、かっこうのカンフル剤となった。 彼女が皆の気分を立て直してくれたおかげで、我が艦隊は何とか鎮守府海域のマップ3をそこそこの成績でクリアできるようになり、艦艇の数も増えてくる。 これまでは、一度クリアしたマップには艦隊を送らなかったのだが、地道にレベルをあげるのも大事だと分かってきたのである。

 一回、大型艦が登場すると(あるいは提督レベル?)何か内部処理が切り替わるのか、以後はぽつぽつと、重巡洋艦が増えるようになってきた。なぜか〈足 柄〉ばかり3隻増えたのには頭を抱えたが。ひとつの艦隊に同じ艦は1隻しか入れられないのである。3隻あっても、1隻しか使えないのだ。

●軽空母〈祥鳳〉建造

 しかし、鎮守府海域のマップ4「南西諸島攻防戦」をクリアするには、さすがに空母が欲しい。せめて、防空の傘があるとちょっとは違うのではないか。そう考えて、ボーキサイト500を使って再び建造。今度こそ軽空母〈祥鳳〉が登場した。 よし、戦闘機だけ搭載して防空艦として使おうと考え、装備欄を確認したら。 97式艦上攻撃機と、99式艦上爆撃機。 戦闘機はかけらも存在しない。 これはどういうことかと問いつめたかったが、持ってないのは仕方ない。 〈千代田〉のこともあるので沈まないように〈祥鳳〉を旗艦に据え、はらはらしながら、まずはマップ3「製油所地帯沿岸」へと送り出す。 そうすると……おお、強い強い。 ここには敵に空母はいないが、巡洋艦はいる。こいつらの魚雷にはけっこう痛い目にあっていたのだが、敵に魚雷を発射させることなく、〈祥鳳〉の空襲が次々と敵を沈めていくではないか。なんだ意外と使えるじゃないか、こいつ。

「当然です! 正規空母には負けません!」

 よし、この調子でマップ4「南西諸島攻防戦」もやってもらおう。 意気揚々と送り出したが、私は大事なことを忘れていた。 敵空母がいる場合、当然、敵の空母は戦闘機も搭載しているのである。これまで、こっちが航空機がないので気づいていなかっただけである。 戦闘機を持たない〈祥鳳〉の艦載機は、ばたばたと面白いように落ちていき、ついでに敵の空襲でこちらの艦艇はボロボロになったのである。 こいつはどうしたものかしら。 (続く)