■ストーリー
エリンディル大陸南方の海に、小さな島国がある。
平和なこの国に、妖魔の魔の手が忍び寄る。
この島国にやってきた妖魔シュウズは、靴の形をした妖魔だ。自分を履いた人間を操る能力を持つ。
封印されていた妖魔シュウズを解放してしまったラッキー王子は、PCたちに、調査を依頼する。妖魔シュウズが取り憑いたかもしれない人間は、4人。
ラッキー王子の父であるカール国王。
騎士団長のジャック・ジョウスト。
神官長のクィンシー司祭。
そして大貴族のアマデウス公爵である。
PCが、調査を進めてシュウズが取り憑いた相手を特定し、妖魔シュウズを退治することができれば、このシナリオは終了する。
■今回予告
エリンディル大陸南方の海に浮かぶ、トランプ島。
この平和な島に、妖魔がやってきた。
そして、あろうことか王国の重鎮の誰かに取り憑いてしまったのである。
この島にやってきた冒険者のキミたちは、ラッキー王子から妖魔退治の依頼を受ける。
だが、妖魔を退治するためには、まず妖魔が取り憑いた人物を見破らなくてはいけない。
妖魔が、取り憑いた人間を完全に支配する前に、その人物を発見できるだろうか?
アリアンロッド2E「妖魔に取り憑かれた王国」
冒険の舞台がキミを待つ!
■ミニゲーム用シナリオ地図
■犯人当てミニゲームのルール
アリアンロッド2E公式サイトからダウンロードのこと → こちら
■ギルドハンドアウト
(選択)コネクション:ラッキー王子 関係:庇護
トランプ島にやって来たキミたちは、7歳くらいの男の子、ラッキーと会う。
その子はこの島国の王子であり、キミたち冒険者に仕事を依頼したいのだという。
どうやら敵は妖魔で、長く平和が続いたこの島の人間の手には余る事態のようだ。
しかも、妖魔はすでに国王、騎士団長、神官長、大貴族という島の大物に取り憑いているらしい。まずは捜査を進めて、誰に取り憑いたかを明らかにしよう。
■オープニング
トランプ島。この島に到着して桟橋に降りたキミたちは、身なりのいい少年と会う。
「皆さんは冒険者ですよね? お願いです! この島を助けてください!」
ラッキーという少年が言うには、この島は妖魔に狙われているのだという。
しかも、ラッキーはこのトランプ島を治めるトランプ王国の王子だそうだ。
だが、島は長い間平和が続いており、こうした事態に何とかできる人物といえば4人しかいないのだそうだ。
「でも、その中のひとりに、妖魔が取り憑いているんです!」
聞けば、ラッキーは一週間ほど前に、浜辺に漂着した壺を拾ったのだそうだ。
なんだろうといろいろいじっていると、壺が開き、中からもくもくと黒い煙があがって、そこから姿が見えないが声が聞こえてきた。
『ふはは、ワシは妖魔シュウズ。ワシを封印の壺からだしてくれて礼を言うぞ。お礼にお前に取り憑いて……む、子供か。サイズが合わ……ううむ、お前では、ダメだ。や、あちらに強い人間の気配がするぞ。ふふ、そいつに取り憑いてやろう』
黒い煙は壺から離れて、窓の外に消えた。
ラッキーが大あわてで追いかけたところ、四人の人物に会ったのだという。
「妖魔シュウズは、どうもその四人のうちの誰かに取り憑いたみたいなんです」
その4人とは。
騎士団長のジャック・ジョウスト
神殿長のクィンシー。
ラッキーの父親で国王のカール。
大貴族のアマデウス公爵。
この平和な島の中では数少ない、妖魔とも戦える人々である。
果たして、この中の誰が妖魔に取り憑かれたのだろうか。
■イベント管理
●J:騎士団長ジャック・ジョウスト
▼1枚目のイベント
平和なトランプ王国では、騎士団といっても自警団のようなものである。
騎士団長のジャック・ジョウストは、島の見回りがてら、あちこちの村で馬上槍試合を行って、島の住人を楽しませている。
PCも、馬上槍試合をすることで、ジョウストから情報を聞き出すことができる。
・ジョウストと馬上槍試合を行う:【筋力】11
成功すると、ジョウストが島を巡回しながら、夜中にこそこそとひとりで浜辺に出ているという村人の噂を聞く。
▼2枚目のイベント
夜中に浜辺に出ているというジャック・ジョウストの様子をうかがう。
・ジョウストを尾行する:【感知】11
成功すると、ジョウストが島をぐるりと囲む結界(海をにらむモアイ像)に何か細工をしていることが明らかになる。
判定に成功したPCが調べてみると、島を囲む結界が弱くなっていることが分かる。
海から、ぞわりとする風が吹いてくる。登場PCは全員【MP】を1D点失う。
▼4枚目のイベント
結界を弱めていることについて、ジャック・ジョウストを問いつめる。
・ジョウストを問いつめる:【精神】11
成功すると、ジョウストは真犯人に騙されて、結界を強化するつもりで細工をしていたことが分かる。こっそりやっていたのは、島の人々を不安にさせないため。
ジャック・ジョウストから真犯人の情報を得る。
この調査を行ったシーンプレイヤーは、場札の1枚選んで、それを開いたままにできる。
●Q:神官長クィンシー
▼1枚目のイベント
神官長のクィンシーは美形のエルダナーン青年で、村の女性信者にとても人気が高い。だが、浮ついた噂ひとつなく、身の回りの世話も、寡黙なヒューリンの青年神官クラウスひとりに任せている。
しかし、最近になって神殿の周囲には不穏な噂が流れている。
・不穏な噂を調べる:【幸運】10
夜中に、神殿の中に美しい女性がいたという噂が流れている。
気になったクィンシーのファンのひとりが神官のクラウスを問いつめるも、そのような女性に心当たりはまったくないとのこと。
▼2枚目のイベント
神殿の内部を調べてみると、頻繁に使われていそうな隠し扉がある。仕掛けを動かして扉を開けてみよう。
・隠し扉を開ける:【器用】11
隠し部屋の中には、女性の衣装や持ち物などがある。女性の姿はない。
何やら嫌な予感がする。登場PCは全員【MP】を1D点失う。
▼4枚目のイベント
神官長のクィンシーの後をついて、決定的な場面に踏み込む。
・決定的な場面に踏み込む:【敏捷】11
成功すると、クィンシーが隠し部屋の中で女性の服装に着替えた場面に出会わす。実はクィンシーは女性で、一族の掟やらの理由で女性であることを隠して神官長をしていたのだ。クィンシーが女性であることを知っていたのは、幼なじみのクラウスだけである。
犯罪などは関係ないが、今の時点で公開するとゴシップになる。このことを内緒にするかわりに、PCはHPポーションかMPポーションを2本もらうことができる。(1本ずつでも、どちらか2本でもいい)
●K:国王カール
▼1枚目のイベント
国王カールは30才。息子のラッキー王子を産んだ王妃は、5年前に病死して現在は独身である。再婚をうながす声は多いが、本人は気楽な独身生活を満喫しているもよう。
決まった相手はいないが、あちらこちらで浮き名を流している。
・国王カールの素行を調べる:【精神】11
国王カールは、ここ1、2年はラッキー王子への教育を考えて大人しくしていたようだが、またお忍びで町の酒場にくりだすようになっているようだ。
▼2枚目のイベント
国王カールが変装してお忍びで町に出かける。後を追いかけよう。
・お忍びの国王カールを追跡する:【敏捷】11
成功すると、カールが酒場に入った後、女性と逢い引きしていたはずが姿を消していることに気が付く。調べてみると、カールは女性だけ二階に取ってある部屋に行かせ、自分はこっそりと裏口から外に出ているようだ。
酒場のケンカに巻き込まれる。登場PCは全員【HP】を1D点失う。
▼4枚目のイベント
国王カールが姿を消しているのは、交易路拡大のため、このあたりの海賊を撃滅する作戦を計画していたため。会っていた相手はやはり海賊だが非道は働かないキャプテンREDで、外道働きをする他の海賊を、トランプ王国と共同作戦で沈めようとしている。
・密談の場を探り出す:【感知】11
うっかり密談の場に踏み込んで、REDの仲間とあわや戦闘になりかける。REDがお詫びに、協力してくれる。
この調査を行ったシーンプレイヤーは、場札の1枚選んで、それを開いたままにできる。
●A:大貴族アマデウス公爵
▼1枚目のイベント
アマデウス公爵は、古くからトランプ島の中央にある森に住むヴァーナの一族(猫族:アウリク)の長である。公爵の地位ではあるが、大貴族というよりは部族長。
誇り高くあまり町には出てこない。気になることがあって町に出ているようだ。
・公爵が町にいる理由を調べる:【幸運】11
判定に成功すると公爵の古い友人である猟師と仲良くなり、話を聞き出すことができる。公爵は、部族の占い師に町でよくないことが起きる、とお告げを聞いたのだという。
▼2枚目のイベント
アマデウス公爵は、町でよくないことが起きるのを調べにやってきた、にしては日長一日、ごろごろと寝てばかりいる。
そして夜になると、目をランランと光らせて飛び出ていく。
・公爵を追いかける:【体力】11
判定に成功するとアマデウス公爵を見失わずに追いかけることができる。
アマデウス公爵は町の外にある迷宮の中に入っていく。
様子をうかがったところ、ゴーレムが出てきて戦闘となった。他にも罠もあるようだし、中に入るのは危険だ。登場PCは、全員【HP】を1D点失う。
▼4枚目のイベント
アマデウス公爵が入っていた迷宮について王宮にある古文書などから調査する。
・古文書を調べる:【知力】11
アマデウス公爵は、奈落に対して力のある護符を迷宮で探していたのだ。
そのことをアマデウス公爵に聞くと、迷宮から取ってきた護符をラッキー王子に渡す。
護符の力で、シーンプレイヤーは、場札の1枚選んで、それを開いたままにできる。
●7:ラッキー王子
▼1枚目のイベント
ラッキー王子と一緒に、王子が海岸で拾ったという壺を調べる。
壺には封魔の呪符が貼ってある。長い間海の中にあったので、汚れている。
・呪符の汚れを取る:【器用】11
判定に成功すると、妖魔シュウズの特徴が分かる。
この妖魔は、人に取り憑いてそれを操ることができる。しばらくの間なら、人間ごと戦闘不能にすれば、妖魔シュウズだけ分離してこれを再び壺の中に封印できる。
さらに一定時間が経過すると、取り憑かれた人間も邪悪化して完全にシュウズと一緒になる。こうなると、もうその人間は助からないし、シュウズもパワーアップして手に負えなくなってしまう。
▼2枚目のイベント
妖魔シュウズの弱点について、王宮にある古文書を調査する。
・古文書を調べる:【知力】11
妖魔シュウズは、〈闇〉属性であり、対抗属性の〈光〉属性で攻撃すると、魔法防御力0でダメージを与えることができる。この情報があれば、聖水を購入す ることができる。また、Q(神官長)の4枚目のイベントがまだなら、4枚目のイベント時にポーション2本ではなく、聖水1本を手に入れることができる。
▼4枚目のイベント
妖魔シュウズは、普段は靴の形に擬態している。これまで履いていない、珍しい靴をはいているようなら、その人物に取り憑いていると考えていいだろう。次の手番のシーンプレイヤーは、2枚ではなく3枚のカードを表にすることができ、そのうちの1枚を開いたままにできる。
■犯人判明ゲームクリアイベント
●J:騎士団長ジャック・ジョウスト
ジョウストが今にも海の結界を破り、海から敵を召喚する場面。
敵は妖魔シュウズ×1とギルマン×3、ギルマンアーチャー×1
クライマックスフェイズへ移行する。
●Q:神殿長クィンシー
神殿の中でクィンシーが倒れており、クラウス(取り憑かれている)が、神殿の地下墓地から、死者の軍団を呼び覚まそうとしている場面。最初クィンシーに妖魔は取り憑いたが、神殿の中では女性の服装に戻っていることが多く、仕方なくクラウスに取り憑いている。
敵は妖魔シュウズ×1とスケルトン×3、リビングアーマー×1
クライマックスフェイズへ移行する。
●K:国王カール
国王は、凶暴な海賊と取り引きをしている場面。町の人々を海賊に売り払い、この島を海賊島にしてしまおうとしているのだ。
敵は妖魔シュウズ×1と山賊(海賊として扱う)×3、魔術師見習い×1
クライマックスフェイズへ移行する。
●A:アマデウス公爵
公爵は、地下の迷宮から妖魔を呼び出している場面。
敵は妖魔シュウズ×1とフォモール×3、フォモールメイジ×1
クライマックスフェイズへ移行する。
■バッドエンドイベント
Sカウンターが10個ともなくなれば、そこでゲーム終了である。
●J:騎士団長ジャック・ジョウスト
海からやってきたギルマンの軍勢に、町は占領されてしまう。
●Q:神殿長クィンシー
神殿の地下から死者の群れがわきだして、町を覆い尽くしてしまう。
●K;国王カール
海賊が海からやってきて、町を略奪し、人々を奴隷としてさらってしまう。
●A:アマデウス公爵
地下から妖魔たちが出現して、町を焼き払う。
■エネミーデータ
●妖魔シュウズ
分類:妖魔 属性:闇 レベル:6 識別値:9
筋力14(4)
器用22(7)
敏捷18(6)
知力12(4)
感知22(7)
精神15(5)
幸運15(5)
HP:95
MP:26
武器:スパイク ダメージ10、近接、物理
命中判定3D+7
回避判定2D+6
行動値:8
移動力:9
物理防御:10
魔法防御:5
スキル
《豪腕》1(『R1』P313)
《変幻攻撃》1(『R1』P316)
《ワイドアタック》1(『R1』P107)
《インベナム》1(『R1』P108)
・攻撃パターン1(3ラウンドまで)
《インベナム》+《ワイドアタック》命中3D+8/ダメージ3D+10&BS:毒1
・攻撃パターン2(4ラウンド~)
マイナー、メジャーなし 命中3D+7/ダメージ3D+10
■ミッション成功と成長点
妖魔シュウズが取り憑いている対象を的中させた:3点
妖魔シュウズを倒して封印した:5点