創作メモ

ネタ検討:10年後に滅亡する国の傀儡幼帝に生まれ変わったので後宮で悪徳宦官と闘う話

2021年2月2日 創作メモ No comments

概要
 主人公(一人称視点)は内乱により滅亡する王国の最後の皇帝に生まれ変わる。宦官に支配される傀儡幼帝で、前世では後宮に閉じ込められたまま戦乱のどさくさで殺されてしまう。それを回避するためには国の滅亡阻止が不可避だが、傀儡の幼帝にはなんの権力もないし、そもそも後宮から外に出してもらえない。
 後宮の寵姫を教育したりして少しずつ影響力を増やして、早いところ皇帝を誰かに譲って隠居しようともくろむが、最終的には「皇帝にふさわしいのはあなただ」と周囲に言われて統治を続け、後の歴史で稀代の名君として語られることになる。

物語のポイント
・安楽椅子探偵のフォーマットで生まれ変わり知識チートで破局を回避する
・舞台がハーレムなので、登場人物が美少女や美女ばっかりでもまったく問題ない

越えるべき障害と敵キャラクター
・悪徳宦官
 →人事ポストを私物化して内政をゆがめている直接の原因。賄賂やコネで地方都市の人事が決定されるため、モラルハザードが起きて各地で重税が課せられて民衆の不満が溜まり、反乱軍が決起する。前世の歴史では外戚関係にある将軍を派遣して反乱軍は鎮圧するものの、その将軍の裏切りで一族もろとも虐殺される
・反乱軍
 →世直しを掲げて決起した民衆の軍隊ということになってるが、実態は山賊の成り上がり。将軍をはじめとした軍部、および地方有力豪族に鎮圧される。
・将軍
 →反乱軍に対して宦官が送り込んだ軍部の統括者。後に謀反を起こして宦官を虐殺して幼帝を傀儡とする政権を樹立。しかし、文官を虐殺したため政治が混乱し、地方諸国の実質の独立を許し戦国期を招く。その後の戦いに敗れ幼帝とともに落ち延びようとするが落ち武者狩に幼帝共々殺される。袁紹と董卓のハイブリッドみたいなキャラが良いか。野心溢れる脳筋、というあたりが使い勝手が良いかも

主人公に必要な能力
・カリスマ(人を見る目)
 優秀で忠実な部下、協力者を確保するための能力が必要。前世知識で信頼の出来る人材の知識がある、である程度フォロー可能ではあるが、後宮の中の人材確保は無名の女性がメインとなって前世では情報がない状態のはずなので、本人に人の能力を判別する能力と信頼や中世を得る能力が必要。

・政治力
 宦官の統治の悪い部分を見抜き、政治改革をする必要があるため、政治に関する能力は必須。何らかの知識チートにくわえて政治面で頼りになる信頼できる部下が必要。

・経済知見
 荒れてしまった領内を立て直すための経済力が必要。足がかりは前世知識で一山当てるで良いが、その後の勢力拡大は経済知見がないと説得力を持たせられないと思われる。実務は部下や仲間がやることになるのでざっくりとした知見だけでも良い。

仲間もしくは中立の重要キャラクター
・女官長
 後宮の寵姫を世話する女官の上司。宦官に活動が悟られないための情報隠蔽の協力者。商人と幼帝のつなぎ役で、同時に宮中の権力闘争に関する情報を入手する役目。

・商人
 経済関係のオブザーバーと市井の情報収集を兼任する役どころ。前世でもっとも多くの情報を握る立場にあるので、転生元の人物にするのもあり。現代日本からの転生知識チートで商人として成功したが、戦乱に巻き込まれて死亡した、とかにしておくと転生系知識チートも使えるので良いかも。

・母親(皇太后)
 主人公の母親。モデルになる中国史だとだいたい権力争いをやってる毒親ということになるが、これ以上悪役を増やしてもしょうがないので宦官の被害者の立場である方が物語上は便利? ナウシカに出てくるクシャナの母親のように幼帝の毒殺を身を挺して防いで、そのせいで廃人となっている、とかありかも。

その他ざっくりいろいろ
 モデルは中国史で戦国時代に入る直前の最後の皇帝の代。後宮の人材を育成することになるため、史実で活躍した人物は出番がない。故に、実際の史実をベースにするメリットはなく、架空の国を設定する。
 モデルは中国王朝だが、世界観そのものを中華風にする必然性はないので、ファンタジーに寄せたりイスラム系ハレムだったりといったアレンジがあった方が良いかもしれない。
 基本コンセプトが安楽椅子探偵であるから、戦闘・戦争はできうる限り回避する方向に持っていく必要がある。やっても良いけど、戦略レベルでしか関われない。クーデター起こして文官全滅させたら統治崩壊で戦国時代突入というルートを前世がたどっているので、主人公の認識では戦いを防げなかった時点で負けに近い。

 商人は転生ものの定番でリバーシを商品化して設けようとするが、貴族層には簡単に浸透せずあまり儲けられていない。前世では長年かけて高級品として金持ちに喜ばれるよう工夫(駒を白黒でなく、富裕層奥様向けの薔薇と百合をあしらったものと、武官向けの龍と虎をあしらったものの2パターンを作り、宝石を使って豪華仕様にする、など)をする事で成功するが、それを先回りして教えることで協力を取り付ける。マヨネーズでも原材料が取れる場所、信頼できる職人の確保方法を教えるなどして知識チートを加速させる。

異世界MMDer(仮)

2019年2月6日 創作メモ No comments

基本コンセプト
異世界に行ったMMDerが、ゴーレム作成の魔法を習得してMMDの要領でゴーレムが踊る歌劇団を立ち上げて、芸能方面で無双する。

キャラクター案
・主人公(転生者)
地震の津波で海にさわられたMMDer。トラックではなく津波なのは311以降投稿が途絶えた逆輸入Pのことを意識しているが、MMDerとしての能力的なものはストーリーに合わせているので元ネタというわけではない。
動画も作るが、専門はモデルのセットアップ。土人形であるゴーレムにボーンの概念を持ち込んで革新を起こす。ただし、ほとんど魔力がないため、自身はゴーレムを動かせない。
自衛と研究のため戦争の道具としてのゴーレムを開発していたが、現代日本人らしく平和主義で、終戦を機にゴーレム技術を応用した魔法仕掛けの操り人形の歌姫ステージを興行する歌劇団を結成。大道芸の世界で無双する。
なお、多段沼の住人。

・正ヒロイン
隠居したゴーレム使い世話係。ある程度人の心を読むことができるという特殊能力を持っている忌み子。流れ着いた主人公の第一発見者で、異国の言葉しかしゃべれない主人公と意志疎通できる唯一の存在。能力故に疎まれて、隠遁したゴーレム使いのじいさんの助手として引き取られた。助手として働いていたので、ゴーレムに関する基礎的な知識を持ち、動かすこともできる。また、能力のおかげで対人交渉がチート級に強い。当人は忌み子として疎まれる毎日だったが、主人公は心を読まれることで助けられたことを感謝していて好意を寄せられる初体験からとっても仲良くなる。

・サブヒロイン1(歌姫
素晴らしい歌唱力を持つが、人に見られていることを魔法的に検知する能力を持っていて、大勢の人前に出るとその能力がパンクしてしまうため人前で歌うことができない。こばやしゆう級のボケキャラ。

・サブヒロイン2(獣声優
成人しているのだが、獣人で金朋級の高い声から少年声までいろんな出せる天才声優。ただし、言動も金朋級の電波。

・サブヒロイン3(姫
主人公の最初のパトロンになってくれる姫。4人居る姫の末席で、頭もよく、独自事業を立ち上げたりしてそこそこの地位と資産はあるのだが、自他共に認めるレズビアンでしょっちゅう女中を手にかけるので王宮では問題児扱いされている。人形師が作り上げたミクに惚れ込んで主人公のパトロンを買って出る。

・人形師
偏執的な少女愛好癖をこじらせて人形を作るようになったが、等身大の少女人形はキワモノ過ぎて売り物にならず、仕方なくゴーレムを作る仕事に就き、ゴーレム部隊で働いていたが、ゴーレム劇団を立ち上げるという主人公の話に一も二もなく飛びつく。

・編曲家
主人公が歌って聞かせた曲を大胆に編曲してバイオリンで演奏してくれるフィドル演奏家。伝統的な演奏法を重んじる王国では邪道として虐げられていたが、酒場で演奏していたところを主人公たちと意気投合。主人公が口笛で聞かせるボカロ曲に興味を示し、仲間になる。伝統的な音楽を毛嫌いしていて演奏家ギルドと仲が悪く、凄腕なのに酒場で演奏して食いつないでいた。音楽ギルドで差別的な扱いをされていた人材とコネがあり、サブヒロイン1,2を見つけてくる。

・演奏家ギルド
王都での音楽家を束ねているギルド。貴族へのギルドメンバーとなる音楽家を貴族や音楽ホールのオーナーにあっせんしたり、音楽コンクールを主催したりしている。保守的で伝統と格式を重んじ、旅芸人のような大衆向けの音楽を軽んじる傾向にあり、主人公の劇団と敵対してさまざまな妨害行為を行う。主に音楽スタッフの確保で妨害行為を行う。

・おじいさん
正ヒロインが助手を務めていたゴーレム使い。ゴーレム研究の第一人者だったが、戦争技術の進歩でゴーレムが時代遅れになってゴーレム部隊が解散し、軍を引退。引退後もゴーレムの研究は続けていて、助手として正ヒロインにも研究を手伝わせるためにゴーレム操作技術を教え、主人公にもゴーレムの作成技術を伝授する。のちに帝国兵の襲撃に巻き込まれ死亡。

・宮廷魔術師
解散したゴーレム部隊の副官だったが、解散後は宮廷魔術師として王国軍に勤務。おじいさんの一番弟子でもあったので交流があり、正ヒロインとも面識があり、帝国軍くずれの襲撃でおじいさんが死亡した後、正ヒロインから便りを受けて、おじいさんの遺産を譲る代わりに一時的に二人の身柄を引き受ける。

–プロット的な設定もろもろ–
主人公はどうやって異世界に流れ着いたか
地震による大津波に巻き込まれて海にさらわれ、意識を失う。
気がつくと地中海沿岸な感じの海辺に打ち上げられていて、正ヒロインに助けられる。
主人公はこの世界の言葉がわからないが、正ヒロインは人の心を読む特殊能力を持っているため、主人公の身の上をなんとなく悟り、自分以外に助けられる人が居ないという理由で当面の面倒を見ることにする。

主人公はいかにしてゴーレム技術を身に着けたか
主人公は言葉を覚えるために、本を読めるようになりたいから文字を教えてくれと希望。正ヒロインはおじいちゃんの蔵書の中から、絵の多い本を何冊か渡す。書いてあることが簡単な本を読むだろうというヒロインの予想に反して、主人公か最も興味を示したのは最も難しい内容のゴーレムの魔化について図解した本だった。MMDモデルのセットアップに共通することが多かったから理解が早かったというのが裏設定だけど、その辺は正ヒロインにも理解が及ばない。わずか一か月でヒロインのゴーレムに関する理解を飛び越え、正ヒロインには考えていることはわかるが、難しすぎて理解が追い付かない状態になる。
その話を聞きつけてこんどはおじいちゃんが興味をしめす。と言っても、主人公はまだ満足に話すことができないので、筆談とヒロインの通訳を挟んでのやり取りになる。そのうち、日常会話よりも先にゴーレムに関する専門的会話を習得して、おじいさんと協力して主人公が提唱した新しい技術でゴーレムを作り始めていた。

主人公とおじいさんが開発したゴーレム
それまでのゴーレムは魔力を通わせた粘土で人形を作って、表面に操作のためのメッシュ処理を行って直接頂点を動かしていた。それだとメッシュが増えれば増えるほど操作の負担が増し、巨大なゴーレムは熟練のゴーレム使い出ないと満足に動かせないし、動きも鈍かった。
主人公は操作のためにボーン構造を導入すれば動かすのが簡単になると考え、おじいさんとの共同研究でゴーレムにボーン機能を埋め込む方法を開発。ボーンに相当する魔石を間接部に埋め込み、ボーンを基準にメッシュをグルーピングしてボーンを中心に動かすことで複雑な動きを簡単な呪文で操作可能にした。メッシュを増やせば魔力消費が大きくなるのは変わらないので、ゴーレムの大きさは従来と変わらないかメッシュが細かい分むしろ小さくなったが、それを補って余りある滑らかで素早い動きが可能になった。
従来のゴーレムは機敏で細かい動きができないため、戦場ではのろまな質量兵器に過ぎなかった。タフネスとパワーはあるのでバリケードの排除などに使われることもあったが、術者はゴーレムからあまり遠くには離れられないため、ゴーレムを迂回してくる兵士から身を守るため護衛の歩兵が随伴しないと役に立たない。が、新型のゴーレムはゴーレム自身が馬と同等の機動力を持ち、投擲や武器を振り回し、投擲で弓兵すら排除できるためこれまでのセオリーは全く通用しなかった。

帝国兵の襲撃事件
近くの村が略奪に来た帝国兵崩れが、村を燃やした後おじいちゃんの住む塔を発見し襲撃に来る。その際、おじいちゃんはゴーレムを使って正ヒロインを守ろうとして帝国兵に殺される。正ヒロインは主人公が試作したゴーレムを使って帝国兵を撃退、近くの砦から王国兵が駆け付けた時には帝国兵崩れを全滅させていた。砦に保護されたヒロインと主人公は、ヒロインの交渉で王国軍でゴーレム部隊を立ち上げることに。

ゴーレム部隊の再結成
保護者のいなくなってしまったヒロインは王宮で魔導士として働いていたおじいちゃんの弟子に連絡を取る。王都を訪れて主人公を紹介し、主人公とおじいちゃんが開発した新しい技術をレクチャー。魔導士は軍の偉い人に公開プレゼンする手配をしてくれる。まず魔導士がゴーレムを操って投石して的を破壊。次に、同じゴーレムでヒロインがトルネード投法で投げつけた鉄球が射撃訓練場の後ろの土塁をぶち抜いて見せ、ゴーレム部隊の再結成が決定。

戦争に勝利
ヒロインと主人公が魔導士部隊にゴーレム操作法をレクチャー、並行して簡易投石ゴーレム10体をそろえる。貴重な魔石を半ば強制的に徴収したため各所から恨みも買うが、戦線投入後の活躍は目覚ましく、帝国の侵攻で奪われた領土をすべて回復し、終戦協定調印までこぎつける。終戦後徴収した魔石返却のためにゴーレムは主人公が作った1体と、軍の魔導士部隊が所有していた魔石で作った1体を残して解体。部隊も解散となる。

劇場を入手
恩賞を受ける段階になって、主人公がゴーレム劇団を作りたいと言い出し、ゴーレム部隊のメンツを驚かせる。恩賞として王都に小さな劇場を立てたいと要望するも、パトロンを見つけてこいと言われ引き下がる。パトロン探しのために、デモンストレーション用のプロトタイプの人形を作ろうとゴーレム部隊のメンバーに相談。その話にまず人形師が飛びつき、主人公の説明を聞いて緑髪ツインテの等身大美少女ゴーレムプロトタイプを作り上げる。軽量化することで高価な魔石を使わずに動作するものができる。異国の美少女の人形を作っているといううわさを聞きつけ、サブヒロイン3(レズ姫)が興味を示し、ヒロインのところに話を聞きにやってきて、人形を気に入ったらしく勝手に話を進め、パトロンになるから1週間後のパーティーの余興でダンスを披露しろとの命令を受ける。

魔法仕掛けの操り人形の歌姫
初音ミクを目指して主人公が作成した踊るゴーレムのプロトタイプ。マギカ・マリオネット・ディーバを略してMMDとよばれる。軍用ゴーレムと違ってパワーが必要ないため、魔石は安価な小さな欠片でいいのだが、その代わり表情モーフとかが追加されて操作が複雑になり、精巧な細工が要求される。

きしめん披露
演奏家ギルドで楽器を演奏できるスタッフを確保しようとして門前払いされ失敗、その帰りに人形師、ヒロイン、主人公の三人で酒場に入ったところ、フィドルを披露する編曲家に遭遇。即興でいろんな曲を弾くのを見て、余興の奏者にスカウト。きしめんデモの部分だけ教え込む。一方で主人公がヒロインにきしめんモーションを教える(プロトタイプはちょっと魔力が必要で主人公には動かせない) 編曲家がヴァイオリンでアレンジして、主人公が日本語できしめんを歌い、ヒロインが合わせてモーションを披露する、つまりMMD同梱のモーションによるデモをパーティーで披露。半数がドン引きするなか、姫がマギカ・マリオネット・ディーバの名前を付けてパトロンになることを宣言。姫主導で劇場を建設することに。

劇場を建設
劇場建設のために町の下調べ。芸術の街として有名な王都は上級貴族が住むエリアと中級以下の貴族たちが住むエリアの間に芸術街と呼ばれる貴族子飼いの芸術家たちが住むエリアがあり、有名芸術家のアトリエや貴族がオーナーの音楽ホールなどもいくつか存在する。芸術家のパトロンは基本的に大貴族なので、上級貴族エリアに近いところが格の高いとされている。
劇場の建設にあたって、姫に連れられて演奏家ギルドを訪ねるが、演奏家ギルドには姫をよく思わない貴族の手が回っていて、中流エリア近くの場所しかないと言われあわやけんかになる。が、主人公はむしろその方が都合がいいと考えていて、姫をなだめ中流エリアに接する一番広い場所を買い取ってもらう。
この時点で、主人公は従来の貴族のパトロンの支援で貴族のために作品を作るという形をとらず、物販やイベント開催で収益化することを思い付いていて、少数の大貴族より多数の中流以下の貴族を相手にすることを考えている。最終的には姫もそれに賛同し、事業活動の一環として運営する方向で助言してくれることに。

団員のスカウト:歌姫
劇場建設の手配を追えて、建設に入ると、団員の確保に奔走することに。現状音楽スタッフが編曲家一人なので、歌姫の声を担当する歌手が必要になる。まず演奏家ギルドをあたるが、けんもほろろに門前払いされる。妨害が続いていて、ギルドに加入している腕の立つ演奏家は事実上確保できないことをヒロインが心を読んで悟る。
ギルドのえらい人に嫌味で庶民向けの酒場にいる旅芸人にでも声をかけろと言われ「なるほど、その手がありました」と主人公が演奏家ギルドの人間にお礼を言って変な顔をされる。
大衆向けの酒場で歌姫スカウト活動をしていると、旅芸一座に声を掛けられる。素質はあるがあがり症で人前で歌えない少女を紹介される。正ヒロインが見て、あがり症なのではなくて、視線に反応する能力を持った忌み子であることが判明。体質なのでどれだけ訓練を積んでも治らないとわかり少女は落胆するが、人形劇の歌い手だから大丈夫と説得して正式にスカウトする。

こけら落とし
劇場が完成し、こけら落とし公演を行う。劇場のこけら落とし公演は、通常、有名演奏家を雇って、貴族への招待講演を行うが、主人公の発案で入場を制限せず中流貴族の集まる酒場でチラシを配って人を集めることに。
公演当日、姫が自ら前説に立ち挨拶「わが麗しの歌姫の歌と踊りをご堪能あれ」
3曲歌と踊りを披露して、ヒロインと主人公が壇上に立ち挨拶。人形の説明がてら人間では不可能なアクロバットをやって見せ、会場を沸かす。今後、週3日のペースで料金は取らない練習公演をすること、コラボフードやグッズを販売することを告知し、最後にレッツダンスナウを披露。

演奏家ギルドの偵察員
演奏家ギルドの偵察員が演奏家ギルドでこけら落とし公演の様子を報告。大仕掛けになった人形劇であること、どうやら歌は舞台奥に隠れて人形が歌っている風に見せかけていること、演奏家としてギルドに反目している演奏家がかかわっていること、どうも異国の音楽を使っているらしいことを告げる。ギルドの重鎮はそんな異端が芸術街に軒を構えていることに激高し、なんとか次の公演をつぶすことを画策し始める。

演奏家ギルドの営業妨害
当面の間はゴーレム部隊の訓練も兼ねて練習する程度で、フード含めた物販がメインの事業となる。このため、妨害にやとわれた連中は飲食店の客に迷惑行為を働くようになる。連日妨害行為を続けるため、王都の警備兵に捕縛を依頼させるようにしても、すぐに後ろで糸を引くアンチ姫の貴族が手をまわして警備兵を黙らせる。
状況を察した正ヒロインが姫と結託して策謀を巡らせ、軍のコネを活用して王のお忍び視察の目の前で黒幕の貴族の名前を出すように仕向ける。

敵対貴族の自滅
敵対貴族は劇団は治安の悪化を招くので取り潰すべきとの進言をわざわざ姫の目の前で行う。姫の印象を悪くするための物だったが、先日の視察で黒幕が当人であることを王は既に知っているため、マッチポンプを王自身に指摘されることに。
敵対貴族は逆切れして姫の陰謀だと主張し難を逃れようとするが、姫は軍経由で警備兵の詰め所に敵対貴族が出入りしていることを調べ上げており、軍部の偉い人、演奏家ギルドの小間使いなど証人を事前に準備しており、徹底的にたたきつぶす。そのうえで、王には些事であるため処分はしないことを提案。ただし、今後同様のことがあればその限りではないとくぎを刺して敵対貴族による妨害行為を終わらせる。

赤字問題
妨害行為はなくなったが、スタートダッシュで躓いたことに変わりはなく、収益は思うように伸びない苦境が続く。当面は姫からの初期投資金があるため活動は続けられるが、いずれ行き詰まることは明白。新たな施策を検討することに。
演奏家ギルドの協力が期待できないため、公演を増やして収入を得るのは難しく、物販の強化を図ることに。高収益商品として、主人公がモーション研究用に作成した小型タイプ、魔力がほとんどなくても動かせる小さなキットを商品化することを提案。人形は10センチ程度でプリセットモーションを埋め込み、試作品の作成にかかる。

試作品ダメだし
試作品をパトロンである姫に見せたところ、想像以上の食いつきを見せる。主に人形についてあれこれと注文を付けはじめ、開発は難航。そこで、コンセプトを変えて、人形はただのモックアップにして、カスタムパーツをつけて人形の外見をカスタマイズできる方式に変更。
ようするに追加DL商法であるから、本体価格は原割れギリギリまで下げて、カスタムパーツの別売りで利ザヤを稼ぎましょうという主人公の発案。

モーションレコードの開発
並行して進められていたモーション再生機構の開発でも問題が発生。コマンドワードをキーにして人形が動く仕掛けを作ろうとしていたが、原理を理解しないまま使うコマンドワードでは非効率的で反応が悪くくるみ割り人形のような動きしかできないことが試運転で判明。人形師がオルゴール機構に目をつける。ゼンマイ式のオルゴールの円筒に超小型スクロールを内蔵し、音楽と同期して踊る人形を作ることに成功。スクロールを書くのに超小型のゴーレムを使う技術がポイント。

プレゼン再び
着せ替え人形、モーションスクリプトを実装したことで、姫はいたく気に入ったらしく、開発Goと同時に姫自身からの大量注文を受ける。自分でも愛でるが、大富豪相手の商談で土産物に使う目的。これがのちに奥様方、お嬢様方で人気となり、効いてきてロングセラーとなる。

赤字問題解決せず
いざ鳴り物入りで売り出しては見たものの、ほとんど売れないという事態に。原因は明らかで、高価すぎること。逆鞘ギリギリまで値段を下げても、なお高すぎて中流貴族相手では売れない。初期開発費用こそパトロンである姫自身の大量注文もあって回収できたものの、もともと赤字体制の脱却を目指した商品であったため売れないと意味がない。運営一同は頭を抱えることに。

ポイントカード発案
改めて赤字問題解決のために会議を開く。パーツ販売を見込んでもこれ以上値段を下げるのは無理という結論になり、具体的な施策は思い浮かばないまま会議は解散となる。その後、正ヒロインと主人公は近くの酒場に慰労も兼ねて飲みに出かけ、たまたま隣に座った商人に一見さんお断りの店に行って冷たくあしらわれた話を聞き、愚痴代わりに商売論をきかされる。その中で、囲い込み商法の話になり、ポイントカードの話をする。「それ、うちでもやったらいいんじゃない?」というところで次へ。

景品商法
改めて会議をはじめて、主人公がポイントカードについて説明する。商売について理解のある姫だけが唯一この話に興味を示す。「どうもそなたの国は商法がものすごく進んでいるようじゃな、他にどんな商法があったかじっくり聞かせてくれんか」ということになり、トレーディングカードやコンプガチャの話になる。「なるほど、えげつないやり方じゃな」主人公はあまりにあからさまなものは難色を示し、折衷案としてポイントによる景品交換を導入し、会員カードなどのグッズをつけ、その最上位にMMDキットをつける、またイベント景品などで目玉にすることで落ち着く。

以下、ネタ帳
・演奏家のギルドから異端扱いされて営業妨害される
・小型のMMDを売り出して、躍らせる魔法をレクチャーする勉強会を開催
・ステージを一種のゴーレムにしてしまうという仕掛けを立案
・演劇にも手を出し、歴戦のゴーレム戦闘のノウハウを生かしてバトル物に仕上げる
・声優の概念を布教
・団長が作曲してなくて、記憶の中にある有名ボカロ曲を口述。歌詞は「異世界の言葉を翻訳」したため、意味が似ている別の歌に。
・動かす仕組みがまんまMMDなので、IKボーン、補間曲線、多段ボーンやらの概念がテクニックとして登場

・演奏家ギルドの嫌がらせで、街の人形師を雇ってカスタムパーツの模造品を捨て値で売り出して妨害する

舞台装置ネタだし
・ゴーレム技術を応用して音の振動を増幅する装置、マイク・スピーカーを作る
→ものすごい遅延が生じ、ハウリングが頻発。遮音環境でないと使えないが、もともと歌姫は隔離する予定だったので、ミキサールームを新たに作ることで対応。

・明かりの魔法を応用したスポットライト
→ヒロインが主人公の記憶を通じて見たPV動画でディーバだけが光を受ける様子を話す。しかし、魔術師に聞いても光の束など作れないと言われる。どうやっているのかと言われて、スポットライトの簡単な原理を図解して説明。サーチライトとして軍事に転用できることを知った姫が王に売り込んで、王国軍の魔導研究機関に持ち込んで試作品を作り、買い取る。

・ドリフ式回転舞台替え(回り舞台)
→建設時、主人公が提案。設計者に意図を説明するが特に回転動力と周辺部の強度が確保できないと難色を示す。主人公はそこでゴーレム技術を応用したインホイールモーターを提案。これを円周上に大量に埋め込むことで舞台を回転させる。ただし操作には魔力と初歩の魔法を習得している魔術師を最低4人以上そろえる必要があり、ゴーレム劇団以外にはとても運用が不可能な一品ものに仕上がってしまう。

名前候補元ネタ対応表

ティーダ:tda式
ラト:Lat式
クスエス:XS
ラーヴ:らぶ式
アニーサ:あにまさ式
クダイ:六角大王
ドガイ:ゲキド街
リスコサ帝国:マイリス工作
エヴテイル:aviutil
アッピィ:ままま式アピミク
ツミシー:つみ式
タヌマ・ダン:多段沼
ネマフォディ:シネマ4D
レンダー:Blender
シエイド:Shade
ターセイア:Metasequoia
ピム・ディーエ:PMDEditor
ピム・エクスター:PMXEditor
ティーユ一族:~厨。ワーレン・ティーユで割れ厨、レクレ・ティーユでクレクレ厨など。悪役用
メジンサーマ:名人様。悪役用。
ボンボ・コーヴィ:ポンポコP
ベルニア:リベルニア
スヴェルグ:フレスベルク公
マクザルバ:マスク・ザ・春原
ニヒラレーア:かにひら+レア様
ムマン将軍:ビームマンP

 

 

リベルニア王国建国記 プロローグ的なシーンプロット

2014年6月3日 リベルニア王国建国記 No comments

「騎士団を3つに分けるだと? 冗談は休み休み言え」
「冗談ではありません。たとえ1/3の戦力であっても騎兵突撃にまで持ち込めればこちらは勝てますが、騎士団がひとかたまりになっていては騎兵突撃をさせてもらえない可能性があります」
「1/3の戦力で勝てるのであれば、その三倍の戦力になればより勝利は盤石になろう。貴様の言っていること無茶苦茶だ」
「我々の思っている騎士団と、反乱軍の騎馬隊は戦術運用思想がまったく異なります。重装騎兵の突撃で歩兵を蹂躙するのが我々の騎士団なら、向こうの騎馬隊は馬の機動力で戦術的に優位な場所に常に移動し続ける弓兵です」
「ふん、反乱軍の貧弱な弓などおそるるに足らんわ。話にならんな、下がれ」
「しかし……」
「下がれと言っている」

—–
「いかがでした?」
「話が通じないな。騎兵突撃は無敵だと思っているようだ」
「突撃できれば最強なのは間違いないでしょう」
「まあ、敵のいる場所に突撃できればな。それより、やつらの別動隊の動きはどうなっている?」
「はい、隊長の予想通り近くの森に分散して伏せているようです」
地図を広げる。
「やはりか……。ということは、騎士団は山沿いに誘導する気だな。まずいな、今の配置ではうちの部隊がたどり着く前に指揮所が落とされる」
「どうしますか?」
「仕方がない、卿に恩を売るのはあきらめよう。奇襲部隊が逃げるところに待ち構えて、向こうの親玉を叩くぞ」
—–
戦が始まる。反乱軍の騎馬隊は散開して騎兵を薄く広く取り囲み弓を射かけながらじりじりと後退していく。
弓による攻撃の大半は重装の鎧に弾かれ大した騎士団は被害は受けないが、散開する敵に対して標的を定めかね、動きあぐねている。焦れた騎士団がとりあえず中央に突撃をかけるも、反乱軍騎馬隊は散開して逃げ、また一定の距離をもって包囲を再開する。
それを繰り返しているうちに、騎士団はどんどん奥におびき出されてしまい、随伴の重装歩兵も弓によって少なからぬ被害を受ける。
十分に騎士団が指揮所から離れたタイミングを見計らって、森に伏せていた精鋭ゲリラ部隊が指揮所へ奇襲。
奇襲の報を受けて騎士団が踵を返すが、置いてけぼりにした後続の歩兵と交錯し思うように動きが取れない。そこへ反乱軍の騎馬隊が弓で追い打ちをかけ、騎士団も少なくないダメージを受けてしまう。
騎士団がもたもたしている間に奇襲は成功し、卿は混乱の中打ち取られる。目的を達した反乱軍は即座に撤退を開始、散り散りになって森へ逃げ込もうとする。

主人公の部隊は指揮所に駆けつけず、全速力で反乱軍の退路に回り込む。フクロウの使い魔により散り散りに逃げた中から反乱軍指導者を素早く見つけ出し、捕縛に成功。
かくして、反乱軍は戦術的には勝利するも、首謀者を失う。後日、捕縛した首謀者から聞き出したという体で主人公がリークした情報を元に、かたき討ちに燃える騎士団が反乱軍の拠点を襲撃、壊滅させて反乱鎮圧に成功する。

—-
「貴様がガターか」
「そうだ。いくつか聞きたいことがある」
「ふん、仲間の情報か……。死んでも話すか」
「それについては、別に貴公の口から聞き出すつもりはない。○○山中の廃棄砦と支援している××村には近いうちに仇討ちに燃える騎士団長殿が直々に兵を率いて八つ当たりに行くだろうよ」
「な、なぜそれを……。いや、そこまでわかっていてなぜ……」
「俺にはそこまでの権限はないのでな。それよりも聞きたいのは、ルマエ領以外の場所での反乱軍との連携についてだ」
「!!」
「今の段階で反乱軍が表に出てきて戦う必要などなかったし、これまでは正面決戦を巧みに避けてきたはずだ。となると、戦いに勝つという実績が必要だったと考えるのが妥当だろうと思ってな。例えば、反乱軍が騎士団に勝利したという噂に合わせて各地でアジテーションをするとか、な」
「仮に連携していたとして、俺が言うとでも思っているのか」
「やはり貴公は頭が良いな。否定も肯定もしない。よろしい、では質問を変えよう。貴公が指揮を執らずとも反乱は起こると思うか?」
「ふん、しれたこと。この国の中に貴族連中に虐げられていない場所など存在せぬ。わしが立たずとも、遠くない将来、この国は足元から自壊するだろう」
「俺も同意見だ。だが農民が反乱を起こそうとも烏合の衆では街も落とせぬし、見せしめにひどい目に合うだけだろう。貴公のような鼻の利く戦術家が指揮をとらぬ限りはな」
「……何を考えている」
「もうしばらく時間が稼ぎたいのさ。俺がしがらみを断ち切ってこの国を見捨てられるだけの時間をな」

リベルニア王国建国記プロット・設定メモ

2013年9月11日 リベルニア王国建国記 No comments

物語概要

リベルニア建国王が田舎領主からリベルニア王都の建都に至るまでの立身出世物語

時代設定など
 一般的にリベルニアを使って作られている動画のさらに100年ほど前の設定。

フレス山脈(仮名)
リベルニアの北に連なる2000m級の険峻な山脈。リベルニア平原と中原地方を隔てており、リベルニア建国王によってHauptarterie(大動脈道路)が建設されるまで人の生き気はほぼ不可能だった。

神聖王国
リベルニア建国以前に栄えていた中央集権型の王国。末期は悪性が続き有力豪族の専横と権力争いが激化し、幼帝暗殺をきっかけに内部分裂して戦国時代に突入する。

リベルニア
中原との陸路および、東方との海路を結ぶ貿易都市。名は自由の都の意味する。後にリベルニア王国建国のときに首都に定められ、国名もと氏名に合わせてリベルニア王国と名付けられる。

登場人物

・フレスベルク公
 山間に住む鳥人族の長の爵位名。フレスベルクは古くは魔石鉱山を預かる有力豪族だったが、鉱山の枯渇とともに主だった収入がなくなり没落し、お家断絶となり領地は古王国に没収された。その後、魔石鉱山一帯を領地を与えられたリベルニア建国王が大動脈道路建設の折に、鳥人族の協力を得るために爵位を与え、当時の鳥人族の長にフレスベルクの名も与える。それが代々鳥人族の長の名として受け継がれている。

・リベルニア建国王
 名前未定(それっぽいドイツ語の名前を考える)
 遺跡図書館(ライトノベル図書館をドイツ語訳した感じの名前にする)より軽く7~8世紀分は進んだ社会学、情報学などの情報を得て、科学技術を魔法でまねることを思いつき、技術および情報チートによって覇権を握る。
 戦術よりも戦略に秀でた策士で、遺跡図書館から発掘されたまおゆうを読んで、世界の改革を志すようになる。というと聞こえは良いが、実際にはどうにかして旧神聖王国の体制をぶっ壊したかっただけの危険人物。
 魔法に秀でた一族の出だが、当人にはあまり魔法の才能がなく早々に魔術師の道を断念、戦略を学んで武官としての道を歩む。闇視や遠視、幻音といった簡単な知覚魔法を駆使して反乱軍を誘導し、開戦直後に敵首領を待ち伏せ急襲して首を上げるというゲリラ戦術で武功をあげる。

・大商人
 かつては鉱山商いで栄えた御用商人の一族。旧フレスベルク家の没落に伴い主軸であった魔石の取引による収益を失うが、当主の手腕が優れておりあの手この手でなんとか生き残っていた。建国王赴任後に古代遺跡の情報をもたらしたのもこの大商人で、その後リベルニア王国の海運陸運をたばねる大商人となる。

・魔法の発明家
 建国王が大商人から情報を得て古代遺跡探索のために雇った異国の魔法使い。付与魔術を得意としており、遺跡の情報を元に強化石弓や無限機関などの数々の魔動器を発明し、後に大商人の支援を得て建設された魔法大学校の初代校長に就任する。

・巫女
 遺跡図書館の情報に魅入られて、訳本を生涯作り続けた本の虫。

魔法のアイテム

・強化弩弓
 金属軟化の弓手を使い弦を引くことを前提にした強化クロスボウ。素のままだとよほどの力自慢が渾身の力を振り絞らない限り弓が引けないくらいの威力を持つが、弓を弾く瞬間だけ弓を軟化させることで女性の力でも弓を弾くことができた。ソードワールド旧版で言うとクレインクインクロスボウが毎ターン発射できる感じのチート兵器。

・魔力外輪車
 車輪の前半分に重量化、後ろ半分に軽量化の魔法をかけて駆動する重量変化型第一種永久機関をエンジンとした自走式駆動車。巨大な前輪が特徴。最高速度はさほどでもないが、たくさんの貨車を引くことができた。同じ原理で魔力外輪船も作られる。

・ゼンマイ式プロペラエンジン
 巻く時に金属軟化の魔法を使うことで強力な回転力を長時間維持する特殊なゼンマイを使ったプロペラエンジン。本体には軽量化の魔法もかかっており、金属製ながら重さはほとんどない。鳥人族にこれを背負わせることで、平地での長距離滑空を可能にした。

・通信球
 従来の魔力砲台の遠視に使われていた遠見の水晶球の小型版。二つの水晶球が対になっており、両方の水晶球に魔力を注ぎ込むと送信側の水晶球に映った映像を受信側で投影することができる。小型のものほど遠くまで効果が及ぶという特徴があり、親指大の水晶球で約100kmで受信可能だった。この大きさでは映像は読み取れないが、ランプの光を遮る間隔を操作することでモールス信号通信を行った。

技術チート要素
・教育革命
→税役による留学制度、日常魔法の整備と基礎教育
→活版印刷による情報伝達

・農業革命
→パペットオークの魔法を使った農作業ノウハウの確立
→耕作、脱穀などの農機具の発明
→新種の作物の輸入

・情報革命
→インド式数学の導入
→モールス符号と遠見の水晶を使った遠隔通信システムの整備

・産業革命
→軽量化魔法による動力装置の発明
→ばね式
→トレース型人形による精密機器の製作

・軍事革命
→鳥人族による空偵察システム
→金属軟化魔法による強力弩弓兵とスカーミッシュ戦術

リベルニア建国史(仮)

リベルニアがそれまで放置されていた理由→険峻な山脈に阻まれている上、人間(というかよそ者)に対して敵対的な態度をとっている鳥人族の勢力下にあったため、道を整備して安全に山を越すことができず、海側に人が住んでいなかった。

鳥人族:知能を有して独自の言語を持っていたが、活動範囲はカルモ山脈に限られており、よほどの事情がない限りふもとまで下りてくることはなかった。部族争いに敗れた一族が地上に降りてきて、食うに困ってふもとの村で行き倒れていたところを、たまたま通りがかった当時の領主:ガター・シンナに拾われ、客人としての待遇を受ける。

コーストライン公国:中原地方との陸路を持ち、内陸部に栄えていた王国。キューキヨ、リューチ、ダイマー、ルマエの4門閥貴族が交代で公王を務める

年表

前80年頃:カルモ魔石鉱山が枯渇、事実上の閉山となる。
前42年 :魔術名門のシンナ家にて三男のガター・シンナが生まれる
前24年 :ガター・シンナが魔術師の道をあきらめ、公王騎士団に入隊
前20年 :コマガバの乱勃発、公国各地でこれに応じた小規模な内乱が多発
前21年 :フレスベルク・ハバランドが病没しフレスベルク家が断絶、カルモ廃鉱山一帯は公王直轄領となる。
前18年 :ヤーシの会戦にてガターがコマガバ一党を捕えコマガバの乱を鎮圧
前17年 :ヤーシの会戦の武勲報酬としてガーターにカルモ魔石鉱山領が与えられる
前17年 :赴任したガターはカルモ廃鉱山一帯を仕切る商人ハナードから情報を得て、カルモ山脈を踏破、ケーマイエ図書館遺跡を発見
前16年 :ケーマイエ図書館より得た情報をもとにガターの改革を開始
・魔化農機具のレンタルと引き換えに、各農村の農奴から若者数名を徴収して2年間旧鉱山町で都市労働をさせながら文字、簡易魔術を教える夫役教育制度を開始
・ハナードにアラビア数字を伝授、遠見の水晶とモールス信号を組み合わせた遠隔通信システムを構築し、公国各地にハナード商会を通じた諜報ネットワークを構成する
前15年 :はぐれ鳥人族に遭遇して保護、鳥人族について研究を開始
前14年 :ハナード出資で極秘裏に魔法機械研究所を創設。魔術を応用した土木工事や兵器などの研究を本格的に開始する
前12年 :鳥人族との交渉に成功し、カルモ山脈横断路の建設開始
前12年 :サノミヤを巫女としてケーマイエ図書館に常駐させ、写本作業開始
前11年 :コーストライン公王暗殺事件発生。公国は有力貴族に分かれた分裂内乱時代に突入
前8年  :カルモ山脈横断路開通。海岸に漁村、塩田を目的とした入植を開始する。
前3年  :ルマエ公の第一次遠征隊との防衛戦。カルモ石弓隊の初陣。なんとか撤退させることに成功。
前2年  :第二次遠征隊との防衛戦。鳥人族による空挺部隊の初陣。遠征軍を壊滅させる。
元年  :ガターによって新都市がリベルニアと命名され、独立都市国家に。初代国王に鳥人族の長を任命、フレスベルク公の名前を与える。
3年   :魔術大学校創設。ガターは初代学長に就任し、カルモは山脈横断路を守るる砦兼関所として軍事拠点化。
4年   :南洋地方(現銀匙湾)との直通航路開拓に成功、以後、リベルニアは南洋航路を主軸に海洋交易都市としての地位を盤石なものとする。

ガターについて
魔術名門のシンナ家三男として生まれたガターは、幼いころより聡明で好奇心が強く、若いころから様々な学問をおさめていた。秀才っぷりを買われシンナ家の跡継ぎ候補として魔術もおさめていたが、魔力がさほど強くなく、また家督争いに巻き込まれることを避けるため魔術師の道をあきらめて公国騎士団に入隊。
気楽な放蕩息子を決め込むつもりでいたが、騎士団入隊後しばらくしてコマガバの乱が勃発し、武家名門門閥貴族の後ろ盾もないため望まぬ戦に幾度も駆り出される羽目に陥る。
軍人としてのガターは知略に富み、コマガバの乱で奇襲奇策で幾度も劇的勝利をおさめて名を上げる。その原動力となったのは、魔術師で構成された特殊部隊で、子飼いの部下に闇視や音消しといった初歩的な魔術を仕込み、前線工作部隊を組織。また、自身もフクロウの使い魔などを駆使して戦況を把握するなど、情報戦で圧倒的優位をとり、地形を利用した奇襲をかけるという戦法を得意としていた。
当初、圧倒的な苦境で生き残るために奇策奇襲での劇的な勝利を重ねるうち、魔術師ガター、奇跡のガターなどと呼ばれ人望を集めるようになる。特に貴族階級をかさにきた言動がなく、部下を厚遇することから一般兵士の人望が高く、騎士団上層部からは疎まれるようになる。
謀殺の危険を感じたガターは情報工作を仕掛け、当時辺境の不良荘園となっていたカルモ領へ自身を左遷させるように誘導。楽隠居の地を得る。
カルモにて田舎貴族を満喫しようとしていた矢先、カルモの地商人ハナードから遺跡の情報を得て好奇心がうずき、過酷なカルモ山脈踏破を達成して遺跡を調査。異世界の英知(実はラノベ)を集めたケーマイエ図書館を発見。そこで魔王と勇者が協力して経済的に世界を改革するという物語を読み感銘を受け、まねしてガターの改革を実行する。
ガターの改革はまおゆう世界ほどに劇的な効果を及ぼさなかったが、少なくともハナードに莫大な利益をもたらした。その後、魔法機械研究所を設立して様々な技術開発を行い、そこで開発された新技術はリベルニア建国後20年以上続くコーストライン公国戦乱時代にリベルニアの独立を守る原動力となる。
リベルニア王国建国後、政治をハナードとフレスベルク公に任せて隠遁、初代の大学学長に就任し、10代のころ夢見た楽隠居を達成。齢87に老衰で亡くなるまで誰得な研究に没頭する。早い話が人生勝ち組になったヤン・ウェンリー。

サノミヤ
ガターの改革で開始した賦役制度で鉱山都市カルモを訪れる。カルモにやってきた時点で独学で文字が読めるようになっており、ガター本人の手ほどきを受けて1年余りで魔術文字も読文も習得した秀才。とにかく本を読むことに貪欲で、放っておくと寝食を忘れて本を読み続ける重度のブックワーカー。
鳥人族の協力を得て山越えで荷物を運ぶことが可能になったのを機にケーマイエ図書館に常駐し、ひたすら本を読んでは写本を作る作業を続ける。精神体であるケーマイエ図書館の司書とも意気投合し、リベルニアの重大な局面にたびたび司書からの有用な助言を伝えたことから巫女と呼ばれるようになる。外見は結月ゆかりみたいな感じ。

フレスベルク公
リベルニア初代国王。鳥人族との部族争いに敗れて山を追い出されて行き倒れていたところをガターに保護される。鳥人族の中でもとりわけ責任感が強く、聡明。部族争いで敗れこそしたものの、その能力は当時の族長に劣るものではなく、若さ故の経験の差による敗北だった。
ガターの庇護下で人間の共通語を習得。魔法機械研究所で開発された武器を見て、鳥人族は人間との共存しなければ邪魔者として滅ぼされることを悟り、ガターの依頼を受けてカルモ山脈道建設での鳥人族との交渉役として活躍。
山脈道交渉では最後まで難色を示した当時の族長を決闘で倒し、族長となることで鳥人族を納得させた。
その後も鳥人族を地上の町で暮らすように誘導し、都市建設作業を通じて人間との友好関係を構築。リベルニア建国時にフレスベルク公の名を受け継ぎ、初代国王となる。

ハナード
カルモ地域一帯を仕切っていたやり手の地商人。没落したカルモの町ではろくな収益は得られないのだが、公国から派遣される役人を通じて何とか商会を切り盛りしていた。
ガターがケーマイエ図書館からもたらした数学、情報学のメリットを即座に理解して商売に応用、莫大な利益を得ることに成功する。商人としての野心はかなり強く、海洋貿易都市建設構想を立ち上げてガターに売り込み、国政にかかわるようになる。

ガターの改革
字面はルターの改革のパロディだが、中身はまおゆうでやっていたような技術面、教育面での改革。
識字率の向上のため、農奴の中から若者を2年間都市労働に従事させつつ文字の勉強をさせ、最終的に農作業で使える木のゴーレム、土のゴーレムなどの魔法を習得させるという計画を立てたが、ガターが領主になる前のカルモ周辺の荘園では、もともと土地がやせていて収穫が少なく苦しい生活をしていたうえに、公国から派遣されてきた役人が苛烈な搾取をしており極度の貧困状態にあり、若い働き手を町に送るような余裕はなかった。
そこで、ガターはハナードを通じて中古の武器を買い集め、ケーマイエ図書館で得た情報をもとに新しい農具に改造して村にレンタルして人手不足を補い、その代金の代わりとして若者を二年間の賦役につかせるという形で人を集めることに成功。この制度により農具と農法の改革が行われ、5年で荘園の生産性を倍増させることに成功する。
ハナードにアラビア数字の概念導入を進め、魔法の水晶とモールス信号を組み合わせた遠隔情報通信技術の実験を行って見せ、資金協力を確約させる。
永久機関のアイデアをもとに、軽量化及び重量増加の魔法を組み合わせた駆動装置を発明。ふいごの動力などに活用して工業生産能力を強化。

魔法機械研究所
ハナードが中心となって作り上げたガター公認の研究所。主に魔法を応用した土木建築技術を行っていたが、極秘裏に兵器に関する研究も行っていた。
建国までの主な研究成果は移動型魔方陣による土木工事用大型ゴーレム造成技術、軟化魔法付与を用いた強力な石弓の量産、鳥人族向け魔法強化ゼンマイによる飛行補助装置の発明