●近代化改装
軍艦、特に大型艦の寿命はそこそこ長い。
戦争がなかったら、10年20年は普通に現役だし、長いのになると30年40年と改装を続けながら海に出ることもある。
21世紀の現代でも、アメリカ海軍のニミッツ級空母は50年の運用を前提に建造と改修が行われており、一番艦の〈ニミッツ〉が1975年に就役し、今も現役である。
このへんは、お金の問題もある。艦これのプレイヤー提督なら同意するだろうが、苦労して手に入れた艦があっさり寿退役して、「提督さん、お世話に なりました。私、これからカレと幸せになります」と旅だってしまわれては、「相手の男(艦?)を殺してやる!」と叫びたくもなるだろう。艦娘には、永遠に 手元にいて欲しいと願ってしまうのが父親……じゃなくて、海軍側の事情というものだ。
しかし、そうは言っても時代が移ろえば、必要とされる機能も変わってくる。艦娘にいつまでも綺麗でいてもらうためには、ファッション(装備)は新しいものに切り替えなくてはいけない。
艦これでは、戦艦を改装すると、砲塔が新しくなったり、水上偵察機が新型になったりする。砲塔はともかく、なぜ偵察機、と思われるかもしれない。実は、太平洋戦争が始まる前まで、将来の戦艦には航空機の支援が必須、と考えられていたのだ。
それは、戦艦の主砲の性能がアップし、砲戦距離が昔の1万mくらいから3万m以上にぐん、と伸びたことが背景にある。大砲の弾は遠くに届いたとしても、 じゃあ、それが命中するのか? という問題が生じたのだ。何せ、遠くまで届くということは、発射してから命中するまでの滞空時間もかかる。発射して1分く らいして相手に届くのだから、こりゃ、狙って撃っても当たらないんじゃないか? と考えられたのだ。
そこで、少しでも命中率を上げるために考えられたのが、偵察機を艦隊の上空に飛ばし、砲撃の観測をさせようというものだった。戦艦の多くに水上偵察機が搭載されたのも、最初は遠くの敵を発見するというよりは、砲撃戦の観測用であったわけだ。
そのあたりも反映してだろうか。艦これでは、水上偵察機を搭載することで、偵察能力だけでなく、命中率が向上している。
実際には、敵味方の戦艦が悠長に観測機を飛ばして砲撃を照準しつつ殴り合う白昼堂々の艦隊決戦など太平洋戦争では発生せず、夜中に近距離で殴り合う暗闇 デスマッチとか、はるか彼方から空母艦載機だけが波状攻撃して戦艦が海の藻屑になる戦艦にとってミスマッチな戦いばかりがWW2の太平洋の戦いでは発生し ている。
良い戦術とは、相手に実力を発揮させないことである。WW2の戦艦は砲撃戦に特化した優秀な軍艦だったが、それゆえに、まともな砲撃戦をさせてもらえなかったのだ。
●期間限定海域「警戒線突破」成功!……だが、「湾内突入」で攻勢頓挫
さて、地味にレベル上げと日々の任務を達成しながら、第2、第3艦隊に遠征任務をこなさせて、物資を貯めていくことしばし。
物資の備蓄が石油も弾薬も鉄も3000を超え、ボーキサイトにいたっては8000オーバーとなった。あまり危険な任務に空母を投入しないので、艦載機の 損耗が低く抑えられているのである。史実の日本海軍は、空母艦載機部隊を地上に配置して航空優勢をかけては、消耗するという悪循環に陥ったが、その愚はお かさない。
いよいよ物資が貯まったので、期間限定海域「警戒線突破」への攻勢を開始する。
我が第1艦隊の陣容は以下の通り。
旗艦:空母〈赤城〉改 零戦52型×20、零戦21型×10、彗星艦爆×20、97式艦攻×32
軽空母〈祥鳳〉改 零戦52型×18、彗星艦爆×12、97式艦攻×12、応急修理女神
戦艦〈霧島〉改 41cm連装砲、35.6cm連装砲、15.5cm三連装副砲、零式水上偵察機×3
重巡洋艦〈足柄〉改 20.3cm連装砲、12.7cm連装高角砲、61cm四連装魚雷、零式水上偵察機×2
重巡洋艦〈羽黒〉 20.3cm連装砲、61cm四連装魚雷、零式水上偵察機×2
軽巡洋艦〈名取〉改 20.3cm連装砲、61cm四連装(酸素)魚雷、21号対空電探
空母2隻を中心とする高速艦隊である。
……あれ〈名取〉? お前さん、そのレーダーどうした?
〈名取〉「あ、〈五十鈴〉ちゃんから奪……貸してもらいました」
……うん、分かった。ほどほどにしとけよ?
「警戒線突破」マップでは、途中で巡洋艦中心の前衛艦隊と、潜水艦隊2つと激突するが、潜水艦については諦めることとして・・・よし、出発!
===ドッグの裏にて
〈五十鈴〉「もがー、もがもがー」
〈隼鷹〉「わ、〈五十鈴〉どないしたんや。お前、対潜水艦用に期間限定海域行くんやなかったんか?」
〈五十鈴〉「もががーっ!」
〈隼鷹〉「あー、なんか分かったわ。分かりたくないこととか、全部」
===
しかし、ここで〈名取〉が大活躍をする。必殺の酸素魚雷による雷装99のパラメタが夜戦で炸裂したのだ。敵のエリート戦艦にバックスタブで忍び寄り、クリティカルヒットを連発する。ここぞというところで頼りになるヤンデレである。
もちろん、無傷とはいかないが、20個以上貯めておいた緊急修理バケツをざぶざぶ使って、攻勢を繰り返す。そして思っていたよりは簡単に、マップ「警戒線」突破はクリアすることができた。レアアイテムの46cm三連装砲も獲得である。
続いて、少し時間を置いて「湾内突入」マップである。
航空戦艦中心の陣容ということで、艦隊を再編成して〈扶桑〉〈山城〉姉妹に頑張ってもらう。
旗艦:空母〈赤城〉改 零戦52型×20、零戦21型×10、彗星艦爆×20、97式艦攻×32
航空戦艦〈扶桑〉46cm三連装砲、35.6cm連装砲、21号対空電探、瑞雲偵察機×10
航空戦艦〈山城〉35.6cm連装砲×2、21号対空電探、瑞雲偵察機×10
戦艦〈霧島〉改41cm連装砲、35.6cm連装砲、15.5cm三連装副砲、零式水上偵察機×3
軽空母〈祥鳳〉改 零戦52型×18、彗星艦爆×12、97式艦攻×12、応急修理女神
軽巡洋艦〈五十鈴〉改 20.3cm連装砲、12.7cm連装高角砲、61cm四連装(酸素)魚雷
航空戦艦といっても、瑞雲偵察機を除けば搭載しているのは主砲と電探である。
……あれ、今度は〈五十鈴〉なのか?
〈五十鈴〉「ま、〈名取〉センパイには謝ってもらいましたし。引っぱたきましたけど」
わー。ドロドロしてるなー。
〈五十鈴〉「そんなんじゃないです。〈五十鈴〉はいちいち、根に持つタイプじゃないですから。出来る後輩が恨まれるのは仕方ないですし」
そういう話なのかなー。そうだといいなー。
対潜能力に秀でた〈五十鈴〉を組み込んでの攻略は、それなりに順調に進む。何しろ対潜54である。当たればエリート潜水艦でも吹っ飛ぶ。
しかし、敵停泊地の最深部にいたのは泊地棲鬼と空母フラグシップを中心とするエリート艦隊であった。派手な殴り合いになるものの、さずがに削りきれず戦術的敗北を重ねる。
そして、応急修理バケツよりも先に、連戦で修理用の鉄鋼が尽きてしまう。
無念の作戦中断となった。
捲土重来、臥薪嘗胆。リメンバー、どっかのハーバーである。
期間限定海域は6月5日までだそうで、なんとか空母〈翔鶴〉は獲得したいところだ。
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