アリアンロッド・サガ・キャンペーン シナリオ28『運命の日』今回予告・シナリオ地図

2012年5月13日 アリアンロッド・サガ・キャンペーン No comments , , , , , , , , ,

■今回予告:
 大勢は、決した。
 キミたちの活躍で玄武ロスベルクが目覚め、魔族は撤退を決意した。
 ロスベルク島は平穏を取り戻しつつある。シェルターへ多くの人が避難したことで物資不足も解消された。
 大勢は、決したのだ。
 だが、平穏が戻る前に。70年ぶりとも言える平和がアルディオンに訪れる前に。
 あともうひとつ、解決せねばならぬことがある。
 人として生まれ、人として暮らした少女の中で、ずっと眠り続けていた魔族との決着が遺されている。
 アリアンロッド・サガ「運命の日」
 ひとりの少女を救うため、キミの力を貸してくれ。

■ギルドハンドアウト:
コネクション:“眠り姫”リーゼ・アヴァロン 関係:ラスボス
 “眠り姫”リーゼ・アヴァロンは、今、いばらの城にいる。
 彼女との決着をどうつけるか。すべてはキミたちに委ねられている。

■第13軍団:
 第13軍団:11800人
 アヴァロン旅団:1800人
 アヴァロン旅団レベル:17
 維持費:18000G
 +カツオブシ工場ひとつ(現在休業中)
 ギルド武勲:317点

■キャンペーン地図:ロスベルク島の現状

●輸送飛行船
 ギルドで保有した輸送飛行船に加え、ミドルロック島の飛天城を制圧したことで使用可能になった輸送飛行船1隻の2隻が稼働中です。
 今回は、物資輸送は行いません。

●シェルター“箱船”
 カムイ地方のシェルター“箱船(アーク)”を再稼働させたことで、エリアの1箇所を選んでそこの人々をシェルター内に疎開させることが可能になりました。“箱船”は冷凍睡眠装置によって最大1000万人の人を最長1万年にわたって保護できます。
 現在、カムイ地方とヴェンシス地方、アルバン地方とミドルロック島の住人が、“箱船”に避難しています。

●玄武ロスベルクの魂
 玄武ロスベルクの魂は、オープニングフェイズに“聖域”で目覚めます。
 現在“聖域”に安置してあり、以下の効力を発揮しています。

B)妖魔王の石消費型の特技を、封印する。
([戦闘不能]から回復など、妖魔将軍のチート技が無効に)

●GM注
 今回は、ボスの部屋まで到達しません。
 かわりに、オープニング~ミドルフェイズをたっぷりとり、キャラのロールと、NPCとのやりとりを中心に行います。
 これまでキャンペーンで登場したNPCリストを以下に掲載します。
 このキャラとの因縁や会話を処理したい、というのがありましたら、考えておいてください。

●キャンペーンNPCリスト
 今回、そしておそらく次回は

▼シナリオ1「アヴァロンの砲台」から
・マクマス・アヴァロン侯爵(故人)
・リーゼ・アヴァロン侯爵(魔族“眠り姫”として覚醒)
・トラトム・マートン財務官(支援者、友人)
・ガド・マック(元タロス守備隊長、現在第五軍団所属)
▼シナリオ2「タロス迎撃作戦」から
▼シナリオ3「敵の軍資金を叩け」から
・オーレリー・カルマン(犯罪組織“王蛇会”の幹部)
・オスウィン・ゴーダ(グラスウェルズ王国軍師)
▼シナリオ4「王都騒擾」から
・シャルル王(グラスウェルズ国王)
・ムラマサ・カシナート(白竜騎士団長)
・オスト・アンデル教授(外交相談役)
・モット・ボッタクル総裁(国立銀行総裁)
・バディ・ジルワン(最高神祇官、諜報組織の長)
▼シナリオ5「ドールセントの解放」から
・機械男爵(反乱軍、故人)
・機械軍曹(反乱軍、故人)
・機械軍師(反乱軍、収監)
▼シナリオ6「進化兵器ゲッター」から
・機械騎士(反乱軍、後に流浪の自由騎士)
▼シナリオ7「要塞線を突破せよ」から
・“IS”ヨセフ・ジュガシヴィリ(反乱軍、バルムンク、故人)
・“グレートウォール”バンジョウ(反乱軍、バルムンク、故人)
▼シナリオ8「赤の塔」から
・賢者レーニン(賢者、故人)
・レフ・トロツキー(レーニンの弟子、トロツキー工務店の店主)
▼シナリオ9「密命」から
・シルヴェストル・カロー(貴族、南部地方の有力者)
・アザゼル(バルムンク)
▼シナリオ10「戦乱の島」から
・グラハム・ハミルトン(レイウォール将軍)
▼シナリオ11「ベルフト初陣」から
・ベルフト王子(レイウォールの第二王子)
・タルタル・ハン(戦友)
・ギィ(王蛇会)
▼シナリオ12「海狼を倒せ」から
・デーニッツ提督(レイウォール提督、故人)
・リチャード・デランシー(戦友)
▼シナリオ13「オリアン攻防戦」から
・リベリウス・ハウマン(レイウォール将軍)
▼シナリオ14「オリアンの聖女」から
・シスター・アンジェ(聖女、後に修道女)
▼シナリオ15「決戦の地アルバン」から
・シルヴィア(銀竜、戦友)
▼シナリオ16「はばたくガイエ」から
・ケンプ将軍(レイウォール将軍)
・ミュラー将軍(レイウォール将軍)
・ヴェスパー(闇竜)
▼シナリオ17「闇竜vs闇竜」から
・“無面目”ジョン・ドゥ(妖魔、故人)
▼シナリオ18「進化のシ者」から
▼シナリオ19「ガイエスブルク空襲作戦」から
・00ナンバーズ(レイウォール軍特殊部隊)
・キルモア博士(00ナンバーズの生みの親)
▼シナリオ20「新たなる力」から
・アンドロ・フォーク(元王国軍師、機能停止中)
▼シナリオ21「決戦、ブエノス・ゾンデ」から
・ティナ王妃(レイウォール王妃)
▼シナリオ22「妖魔王の島」から
・妖魔王ロスベルク(妖魔、浄化されて現在は玄武に)
・妖魔将軍ヤプール(妖魔、故人)
▼シナリオ23「飛天城の四騎士」から
・高町なのは(レイウォール軍空将補)
・ルーデル(レイウォール軍パイロット)
・ヴィヴィオ(空母ホワイトノアの制御精霊)
▼シナリオ24「聖域の試練」
・妖魔将軍ハンニバル(妖魔)
▼シナリオ25「玄武めざめる」
・円卓の騎士(ベイリン卿、ガラハッド卿、パーシヴァル卿、モードレット卿)
・魔女モーガン(魔女)
・アーサー・ペンドラゴン(ブリテン王、シェルターの管理者)
▼シナリオ26「闇よ落ちるなかれ」
▼シナリオ27「いばらの城」
・ベンケイ(妖魔、“眠り姫”の部下、故人)
・マゴロク(妖魔、“眠り姫”の部下、故人)
・ロビンフッド(妖魔、“眠り姫”の部下、故人)

アリアンロッド・サガ シナリオのキャンペーンログと、シナリオ非参加時の出来事表(シナリオ27)

2012年5月12日 アリアンロッド・サガ・キャンペーン No comments , , , , , , , ,

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シナリオ27:いばらの城 キャンペーンログ
■概要:
 玄武ロスベルクの復活と共にロスベルクに残っていた魔族の軍団は撤退を始める。
 だが、復活した“眠り姫”リーゼは、ドードー島に巨大な城を出現させる。
 PCはいばらの城の門番を倒し、いよいよ最後のダンジョンへと向かう。

■第13軍団:
第13軍団:11800人
■旅団
アヴァロン旅団人数:1800人
旅団レベル:17
維持費:18000G
■武勲
ギルド武勲317点
■ギルド所有物
輸送飛行船1隻(+1隻の運航を任される)
ノイエ・ガイエスブルク城
ファーレンの旅籠(ギルドの陣宿)
カツオブシ工場(休業中)
バァルの指輪付きおしゃれの盾
シェルター“箱船”
玄武ロスベルクの魂(“聖域”に安置)

■シナリオ27期間中の出来事(ROC)
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1:撤退を不満とする魔族の軍団と戦う。
※成長点+40。
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2:ミドルロック島で武装飛行艇を飛ばして空中から撤退する妖魔を監視。
※成長点+20。所持金+1万G。
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3:ドードー島にていばらの城内部を偵察。
※シナリオ28の情報収集/罠感知の判定に+2D。所持金+1万G。
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4:アルバン地方とミドルロック島の住人の疎開を手伝う。
※成長点+20。所持金+1万G。
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5:カムイ地方で、シェルターの地下に遺跡を発見。探索して宝物を見つける。
※所持金+3万G。
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6:物資輸送任務に携わり、ホルムス地方やドードー島を飛び回る。
※成長点+20。所持金+1万G。
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●全員獲得の成長点:80点

『宇宙戦艦ヤマト2199 第1章遥かなる旅立ち』妄想外伝『もうひとりの、ヤマト戦術長になるはずだった男』

2012年4月17日 雑記 No comments , , , , , , , , ,

 大阪のなんばパークスシネマで、ヤマト2199の第1章を見ました。
 たいへん素晴らしい内容で、感動しましたが、同時に、ガミラス高速空母の攻撃を受け、古代と島の足下のドック内で戦死したヤマトセクションリーダー候補たちの無念も感じました。
 表に出ることなく散った彼らの供養のため、妄想外伝を書きました。よろしければ、お読みくださいませ。
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 二週間前、男は宇宙戦艦ヤマト戦術長の内示を受けた。
 そして今、男は宇宙戦艦ヤマト建造ドッグにあるシェルターの中にいる。
「よりによって、健康診断の帰りに空襲警報が鳴るとはな。十分前なら、地下司令部の中。十分後なら、ヤマトの中だってのに」
 豪放磊落に笑う頬に放射線の傷痕を持つ青年は、男の同期で、ヤマト航海長の内示を一ヶ月前に受けている。その同じ時に、男が受けたのはヤマトの砲雷長の内示だった。
 男は狭いシェルターの中を見回した。このシェルターは、空襲に備えてのものではない。ヤマト建造ドッグは地表のすぐ下にあり、大気や土壌の汚染が、浄化しても浄化しても染みこんでくる。汚染が悪化した時に一時的に避難する化学防護シェルターだ。
 そこには、この一年をヤマトの艤装委員として過ごした仲間たちがいた。いずれもが、地球の至宝とも言うべき人材だ。男自身を除いて。
「おいどうした、戦術長。不景気な面して」
 その肩書きは、本来なら男ではない別の人間に与えられるべきものだった。
 古代守。貴公子然とした顔立ちの下に、熱い宇宙戦士の魂を持つ男。あまりに駆逐艦長として優秀すぎ、連合艦隊が手放さなかったのでヤマト艤装委員にこそ 入っていないが、ヤマト計画であれ、イズモ計画であれ、古代守が中核メンバーとなることを、誰もが納得し、そして待ち望んでいた。
 男も一ヶ月前にヤマト砲雷長の内示を受けた際には、古代守の下で戦える期待と興奮で眠れなかったほどである。
「ん、端末広げて何やってるんだ?」
「主砲の自動追尾プログラムの改良だ。先のシミュレーションでいくつか不具合が見つかったからな」
「へぇ、たいしたもんだ」
 ――これ以外に、取り柄がないからな。
 その言葉を、男はぐっと呑み込んだ。航海長は、第二次火星沖海戦の英雄のひとりだ。彼が乗る「こんごう」は艦橋を撃ち抜かれて艦長が戦死、さらに副長 も、砲術長も倒れて先任士官が全滅した中で指揮を引き継ぎ、満身創痍の「こんごう」を生還させたのみならず、巧みな操船でガミラスの戦艦四隻(※デストリ ア級重巡洋艦)を試製「アマ」型反物質機雷に誘導して轟沈する大金星をあげている。「こんごう」の奮戦がなければ、第二次火星沖海戦でガミラス艦隊主力を 撃破することはかなわなかったとまで分析されている。
 しかし、至近距離で爆発した反物質機雷の放つ強烈なガンマ線の余波は頬の傷以上に航海長の体内を蝕んでいる。おそらく彼の余命は数年とないだろう。そんな航海長の前で、自分を卑下する情けない真似はできなかった。
「ちょっと、ふたりとも。やばいわよ、これ」
「ん? なんだ船務長……て、おい。なんでヤマトの情報系にアクセスしてんだよこの女は。保安部にしょっぴかれるぞ、おい」
 航海長が目をむいた。男も絶句する。ヤマト計画は超極秘計画だ、たとえ艤装委員で、ここがドックの内であっても、外からヤマトの情報系にアクセスすることは許されていない。士官学校時代から“電子の妖精”と呼ばれた船務長の技量は、さらに向上しているようだ。
「うっさいわね。ばれなきゃ犯罪じゃないのよ」
 船務長は、可愛らしい顔に似合わない伝法な口調で言った。
「それより、これを見て。衛星軌道にガミラスの高速空母が来てるわ。しかも大気圏内に降下している」
「何? 一隻でか? くそっ、狙いはヤマトか!」
 航海長が頬の傷痕を歪ませた。
 第二次火星沖海戦の後、ガミラスは地球への艦隊侵攻を諦め、冥王星からのロングレンジ攻撃に切り替えた。その後の偵察やピンポイント爆撃は、高速空母を使った一撃離脱のみ。
 だが、地球大気圏に降下すれば、いかな高速空母でも空気との摩擦で出せる速度は限られる。いまだ十分な力を保有している防空隊の迎撃を受け、撃沈されることも覚悟の上ということだ。
 そこまでガミラスの艦長に覚悟させるほどの標的は、ヤマトしかない。
「くそっ、こうなったら規則を遵守してる場合じゃねえ! シェルターを出てヤマトに――」
 航海長の言葉を、重い衝撃と震動が遮った。
「うわっ」
「きゃあっ」
 男は素早く船務長をかばい、床に伏せた。男の背中に、落ちてきた機材がぶつかる。自らの痛みをこらえ、男は船務長のきゃしゃな身体に傷がないか確認する。
「大丈夫か?」
「あ……ありがと……」
 船務長が礼を言う。非常電源に切り替えたシェルターのオレンジ色の灯りの下では、普段は口やかましい船務長が頬を染めているようにも見える。
 ――ま、そんな殊勝な女じゃないのは、士官学校時代からの付き合いなんで分かってるが。
 何しろ、校内の女性全員が熱をあげていた古代守にすら、興味を示さなかったのだ。
「くそっ、爆撃か。いよいよまずいな。すぐにヤマトに行くぞ」
「待てっ!」
 男は航海長の肩を掴んだ。
「止めるなっ!」
「まずは外の汚染状態を確認しろ! 今の爆撃でドッグ内が汚染されている危険がある!」
「え? あ――ええいっ! なんてこった!」
 航海長がシェルターの壁を殴る。外の汚染数値は防護服なしでは一分と保たないレベルにまで上がっていた。
 男は続いて船務長に向き直った。
「俺の端末と接続してくれ。ヤマトの情報系、アクセスは維持できてるな?」
「う、うん。できたわ、どうするの?」
「ここからヤマトの主砲を動かす。戦闘空母をヤマトの主砲で沈めるんだ」
「ば――おい――」
 船務長が口をぱくぱくさせる。
「言いたいことは分かる。こいつは、ばれなきゃ犯罪じゃないどころの騒ぎじゃない。ヤマトの主砲を動かせば、ヤマトの存在は確実にガミラスに明らかにな る。すでにヤマトの存在がバレているとしても、主砲を動かせばそれだけでヤマトの作業進捗状態や性能を分析するデータを敵に与えることになる。そんなこと はせず、防空隊が戦闘空母を沈めるまで待つのが現時点で最善である可能性も高い」
 男は状況を早口で説明した。
「それでも、俺はヤマトの主砲で高速空母を落とすべきだと判断する。なぜなら、最悪の場合、ヤマトは発進できぬまま、ここで破壊されるからだ。今防ぐべきは、その最悪だ」
 防空隊の戦力とガミラス高速空母の持つ戦力。両者を比較し、動きと戦術を組み立てた結果、男は、防空隊では間に合わない、と判断した。
「……分かった。俺にできることはないか? おっと、保安部うんぬんはなしだぞ? こうなりゃ、スパイ容疑で銃殺刑になるとしても一蓮托生だ。船務長もいいな?」
「は? 今さらになってバカ言ってんじゃないわよ。もうすでにヤマト内部の情報系のプロテクト、全部あたしが落っことしたんだから。銃殺の一番手はあたしよ」
 男が航海長に説明している間、船務長の指は止まることなく動き続けていた。今やヤマトの情報系は丸裸も同然、どのようなコントロールも、このシェルターの中から可能となっている。
「ありがとう。やってくれると信じてたよ」
「うっさい。いいからさっさとやる! 司令部もとっくに気付いて攻勢防壁がんがん飛ばしてきてんだから、長くは保たないわよ」
「分かった。動かせる主砲は一基だけだな――波動エンジンが動いてないから、陽電子衝撃砲は撃てない。となると、相手が高速空母なら、三式融合弾の方が確実だな。第一砲塔には三式融合弾を試験のために運び込んであるから――よし。艦内のエネルギーを第一砲塔に向けてくれ」
「あいよ……うお、コスモタービン、出力あがらねぇ。しょうがないな、電力をドッグ内の工作機械からちょろまかして……と」
「早く早く! 司令部のバカ、ヤマトの情報系を直接狙ってシステムダウンさせようとしてるわ。ええいっ、こうなったら司令部の情報系、こっちからぶっ壊してやろうかしら」
「いや、もういい。終わった」
「え?」
「すでに命令はすべて終わっている。後は艦内から手動で止めない限り、主砲は高速空母を自動追尾して、三式融合弾を撃ち込む。そしてその手動での操作が可能な人間は、今はヤマトの中にはいない。何しろ、ここにいるのだからね」
 おどけた調子で肩をすくめてみせると、航海長がげらげらと笑った。
「たいしたもんだよ、戦術長! やっぱり、お前と組めて正解だ。船務長もそう思うだろ?」
「私はそんなこと、とっくに気付いてたわよ。こいつはね、自分に自信がないだけで、本当は、誰よりスゴイんだから!」
「え?」
 男は、船務長の顔を見た。船務長がしまった、という表情をする。航海長が、ニヤニヤと笑いながら、男と船務長の肩を叩こうとする。

 次の瞬間、戦闘空母からの攻撃が、爆撃によって開いた隙間からシェルターを直撃した。
 防護服を着た救急隊員がシェルターの中を確認した時、三人の遺体はひとつに固まっていた。
 救急隊員のひとりは、固く抱き合う戦術長と船務長を、かばうかのように航海長の身体がおおいかぶさっていたと、同僚に語っている。
(おわり)

アリアンロッド・サガ シナリオのキャンペーンログと、シナリオ非参加時の出来事表(シナリオ26)

2012年4月8日 アリアンロッド・サガ・キャンペーン No comments , , , , , , , ,

シナリオ26:闇よ落ちるなかれ キャンペーンログ
■概要:
 “聖域”でついに目覚めた玄武ロスベルク。
 玄武の魂を狙い、魔族“眠り姫”の闇が、“聖域”へと広がっていく。
 PCは闇を止める戦いで“無面目”ジョン・ドゥを遂に倒し、ジョン・ドゥに奪われていた“闇竜”ヴェスパーの竜核を取り戻す。
 だが、ついに復活を遂げた“眠り姫”はリーゼ・アヴァロンの肉体を奪っていた。

■第13軍団:
第13軍団:11800人
■旅団
アヴァロン旅団人数:1800人
旅団レベル:16
維持費:18000G
■武勲
ギルド武勲317点
■ギルド所有物
輸送飛行船1隻(+1隻の運航を任される)
ノイエ・ガイエスブルク城
ファーレンの旅籠(ギルドの陣宿)
カツオブシ工場(休業中)
バァルの指輪付きおしゃれの盾
シェルター“箱船”
玄武ロスベルクの魂(★新規/“聖域”に安置)

■シナリオ26期間中の出来事(ROC)
===================================
1:ファーレン地方で広がる“闇”と戦う。
※成長点+40。
===================================
2:ミドルロック島で武装飛行艇の操縦訓練中に空を飛ぶ妖魔と交戦。
※成長点+20。所持金+2万G。
===================================
3:ドードー島を偵察。扉から広がる茨の蔦を発見する。
※シナリオ27の情報収集/罠感知の判定に+2D。所持金+2万G。
===================================
4:カムイ地方とヴェンシス地方で、住人の疎開を手伝う。
※成長点+20。所持金+2万G。
===================================
5:アルバン地方で、壊滅したヤプール軍から妖魔王の石を入手。
※所持金+4万G。
===================================
6:物資輸送任務に携わり、ホルムス地方やミドルロック島を飛び回る。
※成長点+20。所持金+2万G。
===================================
●全員獲得の成長点:120点

アリアンロッド・サガ・キャンペーン シナリオ27『いばらの城』今回予告・シナリオ地図

2012年4月8日 アリアンロッド・サガ・キャンペーン No comments , , , , , , , , , ,

アリアンロッド・サガ・キャンペーン シナリオ27『いばらの城』
■今回予告:
 玄武ロスベルクが目覚めたことにより、事態は急速に動き始める。
 妖魔将軍同士の戦いは、撤退派のハンニバルが勝利し、主戦派のヤプールが敗死する。
 だが、妖魔将軍同士の戦いの裏側で、魔族“眠り姫”が独自の計画を進めていた。“眠り姫”は、玄武ロスベルクを使って神とも邪神とも無縁の新たな世界へ行き、己が女神になろうと企んでいた。
 世界の壁が打ち砕かれる前に“眠り姫”を止めなくてはいけない。
 アリアンロッド・サガ「いばらの城」
 世界を守るため、キミの力を貸してくれ。

■ギルドハンドアウト:
コネクション:“眠り姫”リーゼ・アヴァロン 関係:ラスボス
 リーゼの中に眠っていた魔族“眠り姫”がついに目覚めた。
 “眠り姫”は新世界の女神になると宣言している。
 彼女の野望を止める手だてはあるのか?
 そしてリーゼを救う手だてはあるのだろうか?

■第13軍団:
 第13軍団:11800人
 アヴァロン旅団:1800人
 アヴァロン旅団レベル:16
 維持費:18000G
 +カツオブシ工場ひとつ(現在休業中)
 ギルド武勲:317点

■キャンペーン地図:ロスベルク島の現状

●地図の見方
地方(エリア):点線の四角枠が、各地方(エリア)になります。妖魔王ロスベルク本体は海面の下にあり、でこぼこしています。ドードー島とミドルロック島 は、浮上したことでロスベルク本島と地続きになりましたが、道路などのインフラはありませんので、現時点でのエリア間移動は飛行のみとなります。
人口:各地方(エリア)の人口を示します。1マスがおおむね10万前後です。あくまで戸籍として登録されているもので、流動的な人口が数十万存在すると見込まれています。
軍隊:各地方(エリア)の軍隊および、軍事施設を示します。青がグラスウェルズ、赤がレイウォールです。
物資:各地方(エリア)の持つ備蓄された物資です。主に燃料(薪、石炭、錬金術素材)だと考えてください。シナリオ終了時に1つずつ減少します。シナリオ 終了時に消費物資が不足するエリアは、人口や軍隊を維持できなくなります。(隣接エリアに人口は移動します。軍隊は消えます。これは軍事力として使えなく なる、という意味で兵隊が0になるわけではありません)他のエリアから人口が流入したエリアでは、流入したエリア1つに付き、備蓄物資が2倍減ります。
 例:カムイ地方からヴェンシス地方へ人口が流入した場合、ヴェンシス地方では、従来の1+2の3ポイントの物資を消費できないとエリアを維持できなくなる。

●輸送飛行船
 ギルドで保有した輸送飛行船に加え、ミドルロック島の飛天城を制圧したことで使用可能になった輸送飛行船1隻の2隻が稼働中です。FS判定で1隻につき1箇所のエリアに物資を運び込むことができます。

●シェルター“箱船”
 カムイ地方のシェルター“箱船(アーク)”を再稼働させたことで、エリアの1箇所を選んでそこの人々をシェルター内に疎開させることが可能になりました。“箱船”は冷凍睡眠装置によって最大1000万人の人を最長1万年にわたって保護できます。
 現在、カムイ地方とヴェンシス地方の住人が、“箱船”に避難しています。

●玄武ロスベルクの魂
 玄武ロスベルクの魂は、オープニングフェイズに“聖域”で目覚めます。
 現在“聖域”に安置してあり、以下の効力を発揮しています。

B)妖魔王の石消費型の特技を、封印する。
([戦闘不能]から回復など、妖魔将軍のチート技が無効に)

■シナリオ地図

『白い死神』ペトリ・サルヤネン 理解はすれども共感はせず。狙撃の名手は、標的をあるがままに受け入れる

2012年4月5日 雑記 No comments , , , , , , , , , , , , , , ,

 シモ・ヘイヘは、銃や戦記物に興味がある人ならば、知らぬものがいない有名人である。狙撃の名手であり、1939~1940年の『冬戦争』では、ソ連兵542人の狙撃という戦果を挙げている。
 『白い死神』は、そのシモ・ヘイヘに実際にインタビューを行い、彼と関わった人や戦争についての調査を行ったヘルシンキ大学の歴史教師ペトリ・サルヤネンによる著書である。
 本書では、スキー板の上に載せた防盾(ぼうじゅん)をソ連軍が使っていたとか、その防盾を撃ち抜くための特殊な弾薬(鉄芯弾?)を部隊長が申請していた とか、擲弾発射器(グレネードランチャー)による積雪の中への擲弾投射は、着発信管が作動しにくく、不発が多いらしいとか、戦場における細々とした描写 を、フィンランド第34歩兵連隊第2大隊戦闘日誌から拾っており、冬戦争について知りたい方にもオススメの作品となっている。(梅本弘さんの『雪中の奇 跡』も合わせてオススメしたい)

 さて狙撃兵と言えば、戦場では敵から嫌われ、憎まれる存在である。捕虜として捕らえられずに殺されたり、あるいは拷問を受けたりという逸話も聞かれる。
 では、人を銃口の先に捕らえ、引き金を引いて殺す狙撃兵とは、常人とは異なる、異質な人間なのだろうか?
 本書に描かれたシモ・ヘイヘの事績から伺える狙撃兵としての資質は次のようなものだ。

・標的への高い理解力
 戦後の狐狩りでもそうだがシモ・ヘイヘは「標的が何をするか」を、しっかりと理解している。どう動くか、いつ動くか。それが分かっているからこそ、待ち伏せも可能であるし、逃げる標的を追うことができる。

・皆無に等しい共感力
 第11章「大隊戦闘日誌」にひとりのソ連兵が登場する。失敗に終わった攻勢で仲間が大勢死に、本人は死体の山の中に隠れて死んだふりをしていた。そして、夜が近づいてきて、あともう少しで周囲が闇に包まれるというのに、片足を引きずりながら走り始めるのである。

>>>
 「神経がいかれたな」ヘイヘは思った。
 これはよくあることだった。あと一歩で助かるところまで来ると、最後まで慎重な行動をとり続けられなくなってしまう者が多いのだ。
>>>(P147)

 ヘイヘは、このソ連兵を狙撃して殺す。この場面が、ヘイヘのインタビューで語られた実際の出来事なのか、それとも、作者の想像を元にした戦場の一場面なのかは分からないが、それほど的はずれな場面とは思えない。いかにもありそうな話である。
 私は想像してみる。私に――このソ連兵が撃てるだろうか?
 哀れなびっこのソ連兵! 彼の抱く恐怖と、生への狂おしい執念を我がことのように感じるようでは、引き金を引くことはできないだろう。
 だが、ヘイヘは淡々と銃の照準をのぞき込み、風や弾道を考え、ソ連兵の動きから未来位置を測定し、そこに銃弾を放つ。『憎悪のためでも、復讐するためでもなく、ただ父から受け継いだ土地をこれからも耕し続けるために』(P149)ヘイヘは、ソ連兵を殺すのである。
 ここにあるのは、共感の断絶だ。相手の願うこと、望むこと、それらを、『それはそれ、これはこれ』ですっぱりと割り切ってしまうことで、相手を殺すことへの疑問や葛藤を抱かずにいられるのだ。
 ここに関しては、確かに狙撃兵の心理には、通常の人では難しい割り切りが、すっきりとできているように思える。相手の心に共感したまま殺す異常な心理状態なのではない。割り切りがきちんと出来るのが、特殊な才能というだけのことだ。

 では狙撃兵の持つ、この割り切りは、どこから生まれるのだろう?
 それは、現実を「かくあって欲しい」「かくあるべきだ」と見るのではなく、「あるものを、あるがままに」見る感覚だと思う。
 戦後のシモ・ヘイヘは、静かな、自分が戦った戦争についてあまり語ることのない人物であったという。政治的、思想的な問題に巻き込まれることを嫌い、できるだけ人のいない森の中で暮らしてきた。
 政治や経済は「かくあって欲しい」「かくあるべきだ」という考え、物の見方が主流になる。そうやって人の思いや力を集めることで、政治や経済は動いている。
 「あるものを、あるがままに」見る人間は、現実を許容する。風が吹けば弾道はそれる。距離が遠ければ弾道は下に落ちる。自然における可能と不可能は、人 の希望や祈りとは無関係である。願いや思いが力になるのは、人と人の間だけである。自然や戦場では、願いや思いで不可能なことが可能になったりは、しな い。

 シモ・ヘイヘは、なすべきことを、ただなした。
 それを、どのように考えるのか。
 それは彼の事績を追う個々人の問題である。

宇宙の戦場:宇宙戦艦ヤマト2199 第1章冒頭10分を見てのSFネタ解説

2012年3月31日 『宇宙戦艦ヤマト2199』のSFネタ解説 No comments , , , , , , , , ,

 この春から公開予定の『宇宙戦艦ヤマト2199』。リメイクされた新たなヤマトの第1話冒頭10分が、バンダイチャンネルで期間限定で配信されている。
 密度の濃い映像に、蛇足を承知であれこれSFネタ解説と、ついでに妄想考察を入れてみよう。

1:「ゆきかぜ」の役割
 先遣艦「ゆきかぜ」は第1艦隊に先行して、冥王星に接近している。
 「ゆきかぜ」の役割は、敵(ガミラス)の動きを確認し、第1艦隊が安全に冥王星まで到達できるよう、水先案内人を務めることである。
 この時、「ゆきかぜ」は無線通信ではなく発光信号(ビームを絞ったレーザー照射?)で後続の第1艦隊に敵影を確認せず、と伝えている。
 それは第1艦隊が「無線封鎖」をしていたためだ。

 「無線封鎖」とは、敵の逆探知を避けるために電波の発信を控えることである。通信だけではなく、レーダーの使用も禁止される。
 遠距離の敵を探るには本来はレーダーが便利だ。だが、レーダーは電波で周囲を照らし、その反射で敵を浮かび上がらせるため、敵がレーダー波を探知するセ ンサを備えていれば、自分がここにいることを知らせるはめになる。いわば、レーダーを点けたままで冥王星の近くに行くのは、闇夜の中で懐中電灯を持って敵 地へ近づいているようなもの。懐中電灯の明かりで何かを細かく識別するには、かなり近づかないといけないが、誰かが懐中電灯を持って近づいてきている、と いうのは冥王星にいるガミラスからは丸見えになる。

 ここから先は妄想であるが、先行する「ゆきかぜ」は、画面の外に、電波、赤外線、あるいは重力波のための巨大な受信アンテナを有線で曳航していた のではあるまいか。アクティブな波を出すレーダーと違い、赤外線や重力波はパッシブであるから、己の存在を敵にさらす危険が少ない。偵察衛星の配置など、 敵基地がある冥王星の防衛状態を確認するためにも、先遣艦「ゆきかぜ」には使い捨ての曳航アンテナがあるとうれしい。(私が)

2:待ち伏せされた第1艦隊
 だが、ここまでしても第1艦隊はガミラスの待ち伏せと迎撃を受ける。
 艦種識別画面では次のように読める。
 『ガ軍超弩級宇宙戦艦』1(シュルツの旗艦?)
 『ガ軍宇宙戦艦』7
 『ガ軍宇宙巡洋艦』22(読み上げは、『ふたじゅうふた』)
 『ガ軍宇宙駆逐艦』89~(多数)
 特にここで注目したいのが、『超弩級1』である。旧テレビ版と同じくガミラスの冥王星基地司令シュルツが乗る旗艦がこの時点で1隻しか冥王星に配備されていないのだとしたら、これは偶然パトロールしていたガミラス艦に見つかった、というレベルのものではない。
 ガミラスは、明らかに第1艦隊の動きを把握し、全力で迎撃に出てきたのである。1隻も逃さず殲滅するつもりで。
 ガミラス艦隊の動きからも、それは伺える。ガミラス艦隊は、正面に浮かぶ冥王星から迎撃にやってきていない。「右舷、40度」つまり、側背から追いかけ て合流するかのように接近している。艦隊同士の相対速度はゼロに近く、第1艦隊がどっちの方角に逃げようとしても、無理なく追随できる「同航戦」の状況に 持ち込んでいる。
 相手の動きを見切り、戦力を揃えた圧倒的な優位こそが、「直ちに降伏せよ」という余裕綽々の通信となっているのだろう。

3:「アマノイワト開く」――囮となったオザワ……じゃなくて沖田艦隊
 続く戦いは、ガミラスが予想していた通りに進む。冥王星までたどりついた第1艦隊は、ガミラス艦隊にまるで歯が立たず、次々と轟沈していく。一方的な殲 滅戦。まるで日露戦争の日本海海戦(ツシマ海戦)におけるロジェストヴェンスキー率いるバルチック艦隊(第2太平洋艦隊)もかくやの無惨さである。
 だが、沖田は自らの家族とも言うべき乗員と地球にとってもはやかけがえのない虎の子の艦隊が屠殺される中、じっと耐え、待ち続ける。
 何を? 「あまてらす」からの入電を、である。
 そして入る通信。太陽系の外からの飛行物体(イスカンダルの連絡船)が海王星軌道を通過したというのである。
 2199年時点の太陽系の惑星配列では、冥王星と海王星は、何十億kmも離れている。なぜ、そんな遠くを通過して太陽系に入る宇宙船が大事なのか?

 ここで、この冥王星会戦(ネ号作戦)の真の姿が明らかになる。
 国連宇宙軍と沖田司令は、人類に残された最後の艦隊をこの一戦ですり潰す覚悟を決めて、イスカンダルからの宇宙船がガミラスの哨戒網をくぐり抜けられるよう、陽動にでたのである。戦史でたとえるならば、レイテ沖海戦における小沢艦隊のように。
 そして彼らはこの無謀な賭けに似た作戦に成功した。
 ガミラスは太陽系に配備された艦隊戦力の全力でもって第一艦隊に対する迎撃を行い、イスカンダルからの連絡船を見逃してしまったのである。

4:火星の回収要員
 イスカンダルの連絡船が目指す星は、火星である。
 これは、冥王星会戦のあるなしに関わらず、地球にはこの時点でガミラスの偵察部隊が常時貼り付いているからと思われる。おそらく、偵察にも爆撃にも使え るマルチロールな宇宙戦闘機を搭載した戦闘空母がローテーションを組んで地球周辺を警戒しているのだろう。イスカンダルの連絡船は非武装で、発見されれば 簡単に撃墜されてしまう。だから、イスカンダルからの連絡船が到着するのは、ガミラスとの戦闘で死の星となった――それゆえに、ガミラスも警戒していない ――火星と最初から決められていたのだと考えられる。
 ここまでの展開や登場人物の言動から、ヤマト2199が、最初のヤマトと導入部分を大きく変えていることが分かる。イスカンダルからの連絡と援助は、こ れが最初、というわけではないのだ。すでに何度か無人機でやりとりが行われており、ある程度はイスカンダルを信用できる交渉相手と認めている節が伺えるの である。波動エンジンやワープ機能を搭載したヤマトの建造も、無人機で伝えられたイスカンダルからの事前情報で行われているのだろう。
 火星の回収要員は、古代進と島大介のふたりである。「3週間前に落とされた」と会話にあるように、カプセル型の居住基地を宇宙船から分離(冥王星へ向かう途中の第1艦隊から?)してそこで待機していたのだろう。
 通信カプセルを手にして「これか」と島大介が言ってるが、ブリーフィングでイスカンダルについての基礎情報はふたりとも得ているからか、ためらうことや、とまどう場面がない。テンポが良く、好印象。

 以上、第1章冒頭10分を見ての『宇宙戦艦ヤマト2199』のSFネタ解説である。
 もちろん、これは私が映像を見ながらあれこれ妄想したもので、実際には違う可能性があることを、お断りしておく。

 それにしても、こんな立派なものが、期間限定とはいえネット配信される時代になるとは良い時代になったものである。

『戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢』西股総生 封建制の軍隊は、いかにして兵種別編成方式を成し遂げたのか?

2012年3月27日 雑記 No comments , , , , , , , , , ,

 西股総生さんは、これまでも雑誌『歴史群像』で『後北条氏の本土決戦』(No.77)や『河越夜戦』(No.103)など、主に東国の戦いに関する記事や、各地の城に関する優れた記事をいくつも書かれておられ、勉強させていただいている。
 その西股さんのこれまでの戦国時代に関する知見のまとめ的な本が、この『戦国の軍隊』である。もちろん、こういうものは研究が進むにつれて上書きされ、 修正もされるものなので、書かれたことのすべてが「真実の戦国時代!」というわけではないだろうが、戦国時代について興味がある方ならば、読んで損はない 素晴らしい内容となっている。

 内容について興味のある方には、実際に読んでもらうとして。
 この後は、本書を元に、私なりに日本の「武士」という軍隊の成り立ちから戦国時代、そして江戸時代までをざっくりと追いかけてみよう。

 大和による日本各地の勢力の制圧という時期を過ぎてまがりなりにも統一政権が出来ると、日本での軍隊は仕事がなくなってしまう。朝鮮半島の内紛に 乗じて外国に出たこともあるが、それも失敗に終わると律令の軍隊は維持コストばかり高い無駄な組織となり――朝廷が恐れていた大陸からの侵攻が来るのはま だ先の話である――国が運営するにはつらくなってくる。

 平安時代になると、軍事力(と警察力)はアウトソーシングが進んで各地の自警団に任せることになる。自警団といっても、守るだけではなく、水源や 良い牧をめぐっては武力で他人の土地や権利を奪う武装商会=ヤクザ屋である。源氏や平家は、その中でも特に有力な一団で、各地のヤクザ屋と盃を交わす大親 分であった。
 実質的な武力を持たない朝廷や貴族は、出入りのヤクザ屋に武力の必要な仕事を任せ、そのかわりに彼らに名誉や権威を提供した。武士=ヤクザの世界は実力 主義だが、テレビもネットも新聞もラジオもない時代に日本全国に散っているので、実際に実力を互いに確認できることなどそうはない。朝廷や貴族に使われる ことは、武士にとって名前を売る絶好のチャンスでもあったのだ。
 だから鎌倉時代までの武士の戦争は、今で言うところのヤクザとその出入りの喧嘩に近いところがある。基本は少人数の戦いで、それゆえに個人の武芸が戦況 に大きく影響した。この頃の武芸とは弓馬の道で、馬に乗り弓を射る。西洋だとこの頃の騎士は馬上槍で突撃をかけていたが、日本はあまり騎馬突撃に向いた地 形ではないし、日本の馬も山の上り下りは得意だが、チャージ向きではない。鎌倉武士は、むしろルネサンス以後の時代のピストル騎兵に近い存在と言えるかも しれない。流鏑馬は、カラコール戦法である。

 平安~鎌倉~室町にかけて日本の弓は合成弓として進化し、射程が長くなっていく。そのため、武士が馬に乗って敵に肉薄して矢をぶち込むという武芸の必要性は薄れてゆき、弓は歩行の兵が制圧射撃として用いるようになった。
 かわりに、武士は打ち物=刀、太刀を使って敵に切り込む重装騎兵の役割を担うようになっていく。加えて南北朝~応仁の乱にかけて軍事技術の発達から陣地 や城塞を用いることも増え、市街戦もしばしば発生したので、武士が下馬して戦うことも多くなる。乗馬戦闘でも下馬戦闘でも、鎧を着、武芸の鍛錬を積んだ武 士は現代の戦車のように、ここぞという要所を押さえる、あるいは崩すために投入されたのではないだろうか。西股さんは専業の武士を『戦場の缶切り役』 (P167)と書かれているが、うまい表現だと思う。
 WW2におけるドイツの電撃戦では、「缶切り役」戦車の集中運用がドイツ軍の勝利に大きく貢献している。集団戦では、役割分担が重要だ。弓は弓、槍は槍、という風に兵種別に編成してまとめて将校(奉行)に指揮させれば、未分離でごちゃ混ぜの部隊を圧倒することができる。
 日本の武士とはもともとが封建領主の集まりである。大親分(大名)から軍役を命じられて手勢を率いて戦場にやってくるが、その指揮官はあくまでそれぞれ の小領主=土豪、国衆だ。大親分(大名)の方が偉いかもしれないが、武士の筋目としては、手下や弟分に何かさせるには、それぞれの親分(小領主)に話を通 してもらわないと困る。勝手はできないので、どうしても手間がかかる。
 戦国時代が続き、各地で大規模戦闘が繰り返されるようになると、兵種別の編成への必要性は高くなってくる。
 最初に兵種別編成が行なわれるようになったのは、間に小領主を挟まない、大名直轄の部隊からである。織田信長だと小領主の次男、三男を集めて編成した子 飼いの部隊がいて家督相続後の尾張統一戦で活躍したし、武田信虎も甲斐の国人衆との戦いに、傭兵と思われる足軽隊を使っている。信虎の息子、武田信玄の部 下にも傭兵隊長(足軽大将)がいて、山本勘助がその代表格のひとりと考えられる。譜代で信玄としても気を使う必要があった重臣たちと違い、傭兵は大名が自 由に投入できる使い勝手の良い軍勢であった。西股さんは本書で北条早雲として知られる伊勢宗瑞が、京都から傭兵隊長(的な仕事をする人物)を引き連れてき たと分析している。

 そして実際に戦ってみれば、やはり兵種別編成で、命令系統がシンプルでそれゆえに素早い軍隊は、寄せ集めの軍隊よりも強かった。家臣の次男、三男 を集めたのか、傭兵として雇ったのかは別として、自分の直轄の手勢で武威を高めた戦国大名は、それ以外の国人衆を圧倒してゆく。
 戦国時代という最適化が進みやすい状況において、封建領主の軍勢は、小領主の子飼いの軍勢の集団から大名が思うがままに動かす軍勢へと変化していった。
 小領主は武士らしい武士として、鎧に身を固め、最新の兵器(火縄銃や軍馬など)を購入し、名誉ある斬り込み隊長的な役割を担当する。と同時に、社会の流 動性によって生まれた傭兵としての足軽や、食い詰めものとしての雑兵を、自分の所領に応じて雇い、大名へと提出する仕事も彼らの軍役の一部となった。
 従来であれば、小領主としての武士は、自分の身内や、所領の若者からそうした雑兵や人夫を提供してきた。血縁・地縁が深い彼らは小領主の子飼いであり、あくまで命令は小領主を通して行なうものであった。
 しかし、戦国時代が進むと、足軽や雑兵は小領主が必要に応じて金で雇い入れる非正規雇用者となる。傭兵的にそれなりに訓練を受け、戦場で働く意欲もある 者もいれば、戦乱や災害で食い詰めて、仕方なく戦場働きをする雑兵もその中にはいる。どちらにしても、小領主はそれまでのように足軽、雑兵への責任や思い 入れがない。軍役として課せられた人数を金で集めただけのパート従業員であるから、集めた足軽が兵種別に再編されて大名の奉行配下に組み込まれても問題は ない。それは戦場に来る前までの武士としての仕事で、戦場に来てからの武士としての仕事は「缶切り役」、つまり、戦意も高く技量もある専業の重装歩兵/騎 兵として、戦場のここぞというところで活躍すれば良いのだ。

 西股さんは、傭兵隊長的な足軽大将を三十年戦争で活躍したヴァレンシュタインの例をあげて説明されたが、私は佐藤賢一さんの描く『傭兵ピエール』的なシェフ(百年戦争の傭兵隊長)が山本勘助や骨皮道賢ら足軽大将にだぶって見える。
 戦国時代を通して傭兵的な足軽が増えてきた原因は、三十年年戦争における「宿営社会」も参考になるだろう。戦争においては略奪がつきものであるが、それ によって破壊された社会の難民やあぶれ者を、傭兵たちの「宿営社会」が吸収して拡大し、さらなる戦乱と略奪の連鎖を生んだというものだ。
 その中で生き残り、勝ち上がってきた織豊系の戦国武将が、合理的で強烈な上昇志向に支えられている一面、どこか刹那的で殺伐とした虚無感を漂わせている のも、彼らの戦いが略奪と、それによる従来の社会――彼ら自身のルーツ――の破壊を伴う、一種の根無し草であったからだと私は考えている。

 戦国の勝者として勝ち抜いた織田信長がその頂点で上昇志向の強い部下の裏切りにより破滅したように、秀吉もまた「自分の死後に何が起きるか」をす べて見抜いていたのではないかと思う。晩年の秀吉は自分の死後に己の身内や部下に何が起きるかを見抜いていたからこそ、平静を失って狂的で冷酷な手を次々 と打ち、それが逆に自らを追いつめるという負の連鎖を生んだ。そして両者の後を継いだ――継がされた――徳川家康と一門は、天下万民のために太平の世を求 めたというよりは、「徳川だけは織田や豊臣のようにはなりたくない」という強いエゴと危機感ゆえに、太平の世を求め、ガチガチの封建制度と地方分権という 停滞しているが安定した社会へと舵を切っていく。

 上昇志向と合理性は、戦国という淘汰圧の強い社会を勝ち抜くために必須であった。
 だが、それがもたらすのは不断の闘争社会であり、戦国の世が終わった後もなお、戦乱がなくては機能しない困った仕組みであった。
 その揺り返しのような江戸時代は、制度として停滞、閉鎖することで安定し、270年の「徳川の平和(パックス・トクガワーナ)」を生むが、日本以外では、上昇志向と合理性で勝利を続けたヨーロッパ的な闘争社会が世界を席巻していた。

 幕末の動乱で再び上昇志向と合理性を手にした明治日本は、それまで抑圧していた分の反動もあってか「ひゃっはー、弱いのはそれだけで罪だぜー!」とノリノリで帝国主義的な闘争社会に踏み込んでいくのである。

アリアンロッド・サガ シナリオのキャンペーンログと、シナリオ非参加時の出来事表(シナリオ25)

2012年3月24日 アリアンロッド・サガ・キャンペーン No comments , , , , , , , ,

シナリオ25:玄武目覚める キャンペーンログ
■概要:
 PCたちダークドラゴンはカムイ地方の地下に眠るシェルターの探索を行なう。
 シェルターは異世界から来た円卓の騎士と名乗る守護者によって守られていた。守護者と力試しを行ったPCは、シェルター“箱船”を解放する。

■第13軍団:
第13軍団:11800人
■旅団
アヴァロン旅団人数:1800人
旅団レベル:15
維持費:18000G
■武勲
ギルド武勲317点
■ギルド所有物
輸送飛行船1隻(+1隻の運航を任される)
ノイエ・ガイエスブルク城
ファーレンの旅籠(ギルドの陣宿)
カツオブシ工場(休業中)
バァルの指輪付きおしゃれの盾
シェルター“箱船”(新規)★

■シナリオ25期間中の出来事(ROC)
===================================
1:カムイ地方で後方支援。シェルターに潜入しようとする妖魔の軍勢と交戦に。
※成長点+40。
===================================
2:ミドルロック島で武装飛行艇の操縦訓練中に空を飛ぶ妖魔と交戦。
※成長点+20。所持金+1万G。
===================================
3:ファーレン地方を巡回。“無面目”ジョン・ドゥと会う。
※シナリオ26の情報収集/罠感知の判定に+2D。所持金+1万G。
===================================
4:ドードー島で、妖魔将軍ジューコフの大戦車軍団を相手に戦う。
※成長点+20。所持金+1万G。
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5:アルバン地方で、妖魔将軍ハンニバルとヤプールの戦いを偵察中に漁夫の利で妖魔王の石を入手。
※所持金+2万G。
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6:物資輸送任務に携わり、アルバン地方やドードー島を飛び回る。
※成長点+20。所持金+1万G。
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●全員獲得の成長点:150点

アリアンロッド・サガ・キャンペーン シナリオ26『闇よ落ちるなかれ』今回予告、シナリオ地図

2012年3月24日 アリアンロッド・サガ・キャンペーン No comments , , , , , , , , ,

■今回予告:
 カムイ地方のシェルターで発見されたのは、玄武ロスベルクの魂だった。オリアンにある“聖域”で目覚めた玄武は、我が身を取り戻すために活動を開始する。
 だが、このことを予測していた上級魔族“眠り姫”によって作られた恐るべき闇の領域が、ファーレン地方を侵食し始める。
 アリアンロッド・サガ「闇よ落ちるなかれ」
 世界を守るため、キミの力を貸してくれ。

■ギルドハンドアウト:
コネクション:“無面目”ジョン・ドゥ 関係:宿敵
 ファーレン地方に出現した闇の領域は、“無面目”ジョン・ドゥによって作られたものだ。
 “闇竜”ヴェスパーの竜核の力を使った闇は、玄武ロスベルクの魂が安置された“聖域”を呑み込もうと広がりつつある。
 闇の侵食を食い止め、今こそ因縁続くヤツに引導を渡すのだ。

■第13軍団:
 第13軍団:11800人
 アヴァロン旅団:1800人
 アヴァロン旅団レベル:15
 維持費:18000G
 +カツオブシ工場ひとつ(現在休業中)
 ギルド武勲:317点

■キャンペーン地図:ロスベルク島の現状

●地図の見方
地方(エリア):点線の四角枠が、各地方(エリア)になります。妖魔王ロスベルク本体は海面の下にあり、でこぼこしています。ドードー島とミドルロック島 は、浮上したことでロスベルク本島と地続きになりましたが、道路などのインフラはありませんので、現時点でのエリア間移動は飛行のみとなります。
人口:各地方(エリア)の人口を示します。1マスがおおむね10万前後です。あくまで戸籍として登録されているもので、流動的な人口が数十万存在すると見込まれています。
軍隊:各地方(エリア)の軍隊および、軍事施設を示します。青がグラスウェルズ、赤がレイウォールです。
物資:各地方(エリア)の持つ備蓄された物資です。主に燃料(薪、石炭、錬金術素材)だと考えてください。シナリオ終了時に1つずつ減少します。シナリオ 終了時に消費物資が不足するエリアは、人口や軍隊を維持できなくなります。(隣接エリアに人口は移動します。軍隊は消えます。これは軍事力として使えなく なる、という意味で兵隊が0になるわけではありません)他のエリアから人口が流入したエリアでは、流入したエリア1つに付き、備蓄物資が2倍減ります。
 例:カムイ地方からヴェンシス地方へ人口が流入した場合、ヴェンシス地方では、従来の1+2の3ポイントの物資を消費できないとエリアを維持できなくなる。

●輸送飛行船
 ギルドで保有した輸送飛行船に加え、ミドルロック島の飛天城を制圧したことで使用可能になった輸送飛行船1隻の2隻が稼働中です。FS判定で1隻につき1箇所のエリアに物資を運び込むことができます。

●シェルター“箱船”
 カムイ地方のシェルター“箱船(アーク)”を再稼働させたことで、エリアの1箇所を選んでそこの人々をシェルター内に疎開させることが可能になりました。“箱船”は冷凍睡眠装置によって最大1000万人の人を最長1万年にわたって保護できます。

●玄武ロスベルクの魂
 玄武ロスベルクの魂は、オープニングフェイズに“聖域”で目覚めます。
 現時点ではまだ、肉体であるロスベルク島を取り戻すことはできませんが、次のいずれかの行動は可能です。
A)ロスベルク島を、元の位置に戻す。
(大陸との連絡や補給が回復)
B)妖魔王の石消費型の特技を、封印する。
([戦闘不能]から回復など、妖魔将軍のチート技が無効に)
C)その他
(上記以外に思いつくものがありましたらどうぞ)

■シナリオ地図

■キャンペーン追加情報:
 聖域で“撤退派”の妖魔将軍ハンニバルと交渉して分かれたので、前回からハンニバルがアルバン地方にある妖魔将軍ヤプールの次元迷宮に攻め込んでいます。
 ヤプール軍が超獣を中心に30万(平均レベル30)に対し、ハンニバル軍がフォモールを中心に10万(平均レベル10)。最初はヤプール軍の圧勝かと思われましたが、意外なことにハンニバルが戦術を駆使して善戦しています。
 「ローマ人の方がよほど手強い」とはハンニバル談。

■シナリオ進行について(プレイヤー情報)
 ミドルフェイズは闇の領域境界線での攻防と、情報収集&前線支援を並行して行います。
 全PCがどちらかの行動を行ったら、ターンがひとつ進み、3つある防衛線のひとつが崩壊します。
 前線にいるPCは、闇の領域から出してくる妖魔と戦い、これを押し戻します。地形ごとに毎ラウンドのセットアップで判定を行い(平原なら【敏捷】13) 失敗すると、闇の領域の影響を受けます。この戦闘に勝利することでも、情報を得る可能性があります。また、PCが戦った防衛線ではターン終了時に戦力の減 少が起きません。
 後方にいるPCは、情報収集か後方支援を行います。後方支援を行えば前線の崩壊を先伸ばしできます。(最大3ターン。4ターン目からは、戦力が残ってい てもひとつずつ防衛線が崩壊します。6ターンですべての防衛線が崩壊し、聖域があるオリアンも闇に呑まれます)情報収集を行えば、クライマックスへの布石 が整います。
 1ターンにできる情報収集や後方支援は、それぞれ1つだけです。(手分けして1ターンにふたつの情報収集や、後方支援を行なうことはできません)