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ROGM回顧録31 捨て奸(がまり)戦法 

 さて、DEF特化にするのは良いが、「実DEF」を算出するには少々準備がいる。実ATKの算出なら単にセルを塗るだけで攻撃力が表示されるので、そこから計算すれば良い。
 しかし防御力を表示するには、まず敵に自分のいるセルを攻撃してもらわなければならない。具体的に言うと、育てたガンスリンガーを単騎で敵陣に放置し、踏まれるのを待つのだ。
ROGM-DEF
 どんな捨て奸(*1)戦法だ、と思わないでもない。いや、どう考えてもうちのガンスリンガー(女性)は薩摩隼人ではないが。

 踏まれてはDEFを上げ、踏まれてはDEFを上げ、とやっている内に、表示DEF200まで対応する「実DEF表」ができた。理論的なDEF最高値はロイヤルガード(男性)による214だが、そこは解析した計算式から推定値を書き込んでおいた(*2)。

 実のところ、捨て奸戦法の効果は絶大で、およそ敵攻撃力800kまでは耐えることができ、この数字はよほどレベルの高い軽騎兵部隊でなければ出せない。
 こちらの総防御力もそこそこ高い数字が出る(30kほど)ので、相手の軽騎兵に数十人くらいの損害を与えることができる。こちらは兵士を連れて行かないので損害はゼロ。
 つまり、単に僕がガンスリンガーで敵陣深くまで塗り込むだけで、敵は対人層が持つ「攻撃隊」を出動させなければならない。そうなると、攻撃のリズムも狂う。嫌がらせとしてはこちらの支払ったコストに見合う、十分な効果があったようである。

 唯一の弱点は、キャラクターの攻撃力自体は大変弱いので、先回りされて地雷をされると、相手が軽騎兵であってもこちらが死ぬ、ということだが、僕はこれにバックトラップ戦術で対抗した。つまり、自分の後を追って塗り替えしてくる敵に気づいた場合、「自分が塗った後方のセル」に戻って踏まれるのを待つのである。これは面白いように引っかかってくれた。

 異世界支配率では教国が王国を凌駕しているといっても、僕らは対人層の数では絶対的な不利にある。確かに今、王国側の「対教国方面勢力」を圧倒してはいるが、王国が共和国方面に振り向けている勢力は「かなり手強いらしい」と噂になっていた。
 僕らは常に、新しいドクトリンを研究していた。キャラクターの強さ、スキル、兵士の育成速度などは金と手間を費やせばいくらでも追いつける。手数で対抗できないなら、技術で常に先行し続けなければならない。

「踏み屋」の登場が意味するところは、「教国対人層を倒すために技術を磨いた」敵と、僕らが初めて直面しているということだ。
 圧倒的優位に立ちながら、僕らの行く手には暗雲が立ちこめていた。しかし、僕らがそれに気づいたのは、もっとずっと後のことだった。

*1 関ヶ原の戦いで島津義弘が用いたとされる遅滞戦術で、鉄砲隊を少しずつ文字通りの「捨て石」にして敵の追撃を振り切った。
*2 なお、最終的にはDEFカンストのロイヤルガードをつくって数値が正しいことを確認した。

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