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ROGM回顧録01 教皇聖下に栄光あれ

 ――今でも午前四時に目を覚ます。
 あの頃、僕は確かに“異世界”にいた。

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「教皇聖下に栄光あれ」

ラグナロクオンライン ギルドマスターズ

ラグナロクオンライン ギルドマスターズ


 その地は「異世界」とだけ呼ばれている。僕らが世界に名前を付けないように、彼らは異世界に名前を付けなかった。世界樹たるトネリコに守られたその地に僕が降り立ったのは、2011年晩秋のこと。

 いわゆる「トラビア系」に属する陣取り合戦形式のブラウザRTSが一世を風靡したのはもう大分前の話で、ジャンルとしてのブームはその当時ですら下火となっていた。僕はと言えば、ブームというとやる気を無くすいつもの悪癖が出て、トラビア系のブラウザゲームには一切手を出していなかった。ただ、仕事上まったく知らないのは問題があるので、それなりに情報収集はしていた。

 そんな中、あるMMOタイトルとの連動企画として、『ラグナロクオンライン ギルドマスターズ』が始まった。

 サービス開始当初は僕の友人たちがこぞって参加していて、僕自身はまたしても出遅れていた。最初のプレーヤー募集が締め切られ、僕は2つめの「アミストルサーバー」(通称「羊鯖)開設まで待たされることとなった。
 当時なぜそのゲームをプレイしようとしたのかはもう覚えていないが、連動企画のアイテムが欲しかったことと、友人たちが楽しそうに話すのを聞いて興味を持ったこと、いい加減「食わず嫌い」はやめようと思っていたことなどが影響していると思う。
 やがて「羊鯖」のサーバー開きが行われ、僕は「異世界」の地を踏んだ。その地では「ルーンミッドガッツ王国」「シュバルツバルド共和国」「アルナベルツ教国」という3つの勢力が覇権を争うことになる、と聞いていた。

教皇聖下御真影

教皇聖下御真影


「ルーンミッドガッツ王国(以下、王国)」は背景ストーリー上の主人公にあたり、最も人気が高くなることが予想されていた。実際に最初のサーバーであるリーフサーバー(通称「葉鯖」)ではそういう傾向が出ていた。
 ストーリー上悪役に位置する「シュバルツバルド共和国(以下、共和国)」と「アルナベルツ教国(以下、教国)」は不人気国で、特に教国は元首が「オッドアイの幼女教皇」という点以外に売りのない国である。配属されるともれなく「狂信者」と呼ばれるおまけ付き。少しでも良識があるならば素直に王国を選ぶか、共和国で資本主義の犬になるのが大人というものである。

 という訳で僕は教国を配属先に選んだ。教皇聖下ばんざい。

 もちろんこれには僕の趣味以外にちゃんとした理由がある。一般的に、RvRと呼ばれる国家対抗タイプの対人ゲームにおいて人数の多い国というのは地雷である。
 通常この手のゲームは「人数差が戦力の決定的な差にならないように」バランスが調整されてしまい、人数の多い国というのは烏合の衆になりやすい。ひとりのプレーヤーの「無双」によって決着が付くと言うことはあり得ず、プレーヤー同士の連携が最も重視されるため、アクティブ・プレーヤーの人数よりも、統制の取れた少数精鋭の方が大きな作戦を動かしやすい。

 結果として「対人大好きプレーヤー」はあえて不人気国を選んだ方が、手応えのあるゲームを楽しめるのである。

 僕はそれ以前にプレイしていた対人ゲームの経験から、不人気国の中でも「ワンフレーズでまとまれる国が強い」ということを肌で知っていた(*1)。「南無妙法蓮華経」ではないが、唱えやすいお題目があると国内の不和が目立たなくなる効果がある。とりあえずお題目を唱えていれば何となくまとまった気分になれるからだ。教皇様ばんざい。

*1 例えば「ファンタジーアース:リング・オブ・ドミニオン」(スクウエア・エニックス)のネツァワル。当時僕はエルソード所属だったが、「がおー」の一言でなんとなくまとまっているように見えるネツァワルの精強さというのは脅威であった。反対に、「乳尻将軍」と揶揄されたホルデインは弱兵ばかりで、よほどの戦力差がなければ負ける気がしなかった。

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