■シナリオデータ
プレイヤー人数:3~5人
PCレベル:3
プレイ時間:1時間
■シナリオ概要
このシナリオは、アルシャードセイヴァーRPGルールブックのオープニングコミック『蒼き世界を救う者』を題材にした、プレイ時間1時間のチュートリアルシナリオです。
初めてアルシャードセイヴァーを遊ぶプレイヤーのために、判定のやり方からゲームの進め方、そして戦闘方法までを実際に遊びながら習得します。
オープニングコミックは、ルールブック以外にも、こちらの公式サイトから読むことができます。
下段のAboutクリック後、左のオープニングコミックをクリック
■今回予告:
夢の中の少女は語る。世界を守れと。
現実の少女は笑う。自分たちはただの学生だと。
だが、キミは知る。
自分がガイアの戦士、クエスターであることを。
そして奈落がキミの世界を脅かしていることを。
目覚めよ、そして戦え。
アルシャードセイヴァー『チュートリアル奈落』。
蒼き星にまた奇跡が生まれる。
■キャラクター作成
キャラクターはサンプルキャラクターを使用します。レベルは3です。(自作の場合は、あらかじめ作ってきておいて、GMに見せた上で許可を取ってください)
PC①は、オープニングコミック同様に、カバー:学生で、最初はクエスターとして覚醒していません。普通の学生ですから、魔物と戦うこともできません。
シナリオのシーン2にて、覚醒します。
PC②~PC⑤は、すでに覚醒したクエスターです。PC①に対するクエスターとしての先輩、導き手として活動します。
■シナリオハンドアウト
PC①用ハンドアウト
コネクション:奈良久子(ならひさこ) 関係:友人
クイックスタート:救世候補者 コンストラクション:レジェンド カバー:学生
キミは、夜ごと夢を見る。ガイアのアバターと名乗る少女の夢だ。
その夢の話を学校で友人の奈良久子に話すと笑われてしまった。
それはただの夢の話だと。
クエスト:夢の謎を解く
PC②~⑤用ハンドアウト
コネクション:PC① 関係:秘密(彼がクエスターであることを知っている)
キミは、独自のツテでPC①のことを知る。
まだ覚醒していないが、キミと同じクエスターであるらしい。
だが、そのPC①を狙って、PC①が通う学校に奈落が忍び込んでいる。
PC①を守り、そのクエスターとしての覚醒を導くのだ。
クエスト:PC①を導く
■シナリオ地図
■シーン1:いつもの日々
シーンプレイヤー:PC①/他、登場不可
◆解説
オープニングコミックの1~2ページ部分。
PC①のみが登場する。
NPCの奈良久子との会話が終わった後、彼女の様子に違和感を感じるので、行為判定を行なう。
難易度10の【知覚】判定。成功すると、奈良久子の身体に、黒い靄のようなものが取り憑いている光景が、一瞬だけ見える。
◆描写
PC①は最近、不思議な夢をみる(オープニングコミック1ページ目を示す)。
女の子が、キミをクエスターと呼び、ガイアを守れと言うのだ。
夢の中のキミの手には、光輝く宝石があり、それはシャードと言うらしい。
その話を、放課後の学校でクラスメイトの奈良久子に言うと、彼女はケラケラと笑った。
(オープニングコミック2ページ目を示す)
▼セリフ:奈良久子
「なにそれっ。それは夢でしょ」
「私たちは、選ばれた勇者でもなんでもなくて、ただの学生だよ」
(真面目な顔になって)「でもね。もし本当に、その夢が正しいなら、キミには“敵”がいることになるんだよ? 世界を脅かす“敵”が」
「じゃあね、バイバイ! 私、やることがあるんだ。また明日、ね」
◆結末
奈良久子はそう言って、去っていった。さあ、キミも家路につくことにしよう。
PC①はハンドアウトにある、【クエスト:夢の謎を解く】を得る。
PC①以外は、ハンドアウトにあるクエスト【PC①を導く】を得る。
■シーン2:隠された真実
シーンプレイヤー:PC①/難易度10
◆解説
オープニングコミックの3ページ部分。
PC①が、奈落に襲われ、他のPCに助けられてクエスターとして覚醒する場面。
PC①が、学校からの帰り道に、奈落の敵アビスバンガード(エキストラ)がPC人数分、登場する。便宜上、アビスバンガードには番号を振って区別する。
それぞれのアビスバンガードは番号に対応するPCが場面に登場して宣言すれば、倒すことができる。ただし、PC①は最後になる。
宣言の時に、自分のスキルに応じた演出を行なうよう、GMは指導すると良い。たとえば、PC①がサンプルの救世候補者の場合は、《剣王の城》で両手剣が出現し、これでアビスバンガードを斬る、という風に。
登場判定に失敗したPCがいた場合、そのPCはシーンの外で奈落で戦って遅れたこととなり、【HP】と【MP】を1D点失ってから、最後に登場する。
PCが全員登場し、2~5番のアビスバンガードが全員倒されたら、PC①のシャードが輝き、彼はクエスターとして覚醒する。そして、1番のアビスバンガードが倒されて、シーンは終了となる。
この時点で、PCは
◆描写1
PC①が家路についていると、周囲に結界が張られる。人や車の姿が消え、代わりに地面から魔物が登場する。魔物はPC①を狙って襲ってくる。
◆セリフ:アビスバンガード
「クエスターだ……」
「まだ覚醒していない……」
「覚醒前に殺す……」
◆描写2(他のPCが登場すると)
魔物に襲われたPC①は、あわやというところで、他のPCに助けられる。
彼らはいったい、何者なのだろうか。
◆描写3(全員登場、アビスバンガード1のみ残っている)
魔物は次々と倒されていく。
だが、一体の魔物が、攻撃の手を逃れてキミに飛びかかってきた。
その時、PC①の手に輝く石、シャードが出現する。
PC①はついに、覚醒の時を迎えたのだ。
◆セリフ:アビスバンガード1
(倒された)「任務失敗……我が主にこのことを伝えねば……」
◆結末
PC①はついに、クエスターとして覚醒した。PC①が見た夢は真実だった。そして、PC①には頼もしい仲間がいるのだ。
だが、これで終わりではない。倒したアビスバンガード1の身体から、黒いコウモリのような影が飛び立ち、学校へと向かった。影を追いかけてシーン終了。
■シーン3:奈落の罠
シーンプレイヤー:PC①/全員登場
◆解説
情報収集のシーンである。場所は学校となる。
ここではふたつの情報収集項目について、情報収集の判定を行なう
・奈落はどこにいる?(【知覚】難易度10、〈情報:ウェブ〉〈情報:魔法〉〈情報:裏社会〉)
奈落は、学校の講堂に仕掛けられた結界の中にいる。
・奈落の正体は?(【理知】難易度10、〈情報:噂話〉〈情報:魔法〉〈情報:学問〉)
奈良久子が、奈落の種、アビスシードによってスペクターになった。
情報収集の判定は、ひとりにつき、シーン中にどちらか1回だけとなる。
1回のシーンで情報収集に失敗した場合は、校内に仕掛けられたアビスシードで生まれた奈落の魔物に襲われ、各PCは【HP】と【MP】を1D点ずつ失う。その後で、もう1回、情報収集の判定を行なうこと。
◆結末
すべての情報が出揃えば、講堂に作られた結界に向かう。全員にクエスト【校内の奈落を倒す】を渡して、シーン終了。
■シーン4:救世者の覚醒
シーンプレイヤー:PC①/全員登場
◆解説
オープニングコミックの4~7ページ部分。
クライマックス戦闘を行う。
エネミーは奈良久子と、アビズマルディゾナンス(『AL2』P371)×3モブ。
PCは全員が1エンゲージ。そこから5mの距離にアビズマルディゾナンス×3体が1エンゲージ。さらにそこから5mの距離に奈良久子が単体で1エンゲージ。
奈良久子を倒せば、彼女の身体を支配していたアビスシードが離れて割れ、奈良久子は戦闘不能となって気絶するが、元の人間に戻る。
すべてのエネミーを倒せば、戦闘終了。シナリオも終了となる。
◆描写
学校の講堂には、スペクターとなった教師や生徒がうごめいていた。いずれも
その奥に、闇の女王然とした風格を漂わせて立っている奈良久子は、キミたちをみてにっこりと笑った。
▼奈良久子(スペクター)
「ようこそ、世界の真実に」
(PC①へ)「ごめんね、本当はあたし……世界の敵なの。ここにいる先生やみんなを奈落の怪物にしたのも、あたしのしわざよ。どう、私が憎い? 許せない?」
(PC②~⑤へ)「PC①を囮に使えば、彼を守ろうとする、他のクエスターが引っかかる……あなたたちは、あたしの掌で踊っていたのよ」
「ふふ……現実はいつだって残酷なもの。さあ、殺し合いましょう、ガイアの戦士」
◆結末
その後、奈良久子や教師ら、奈落に憑かれていた者は病院で検査を受けるが特に異常はないとのことで翌日には元気に学校に戻ってくる。
だが、全員が奈落に憑かれていた頃の記憶は失っていた。ただ、奈良久子だけは、何かが残っているようで、数日後、PC①のところにやってくる。
「あのね……不思議な夢を、みたの」
彼女の夢の相談に、PC①が返答して、シナリオは終了となる。
■経験点
▼グランドクエスト 1点
▼パーソナルクエスト 1点
▼シナリオクエスト【夢の謎を解く】 1点
▼シナリオクエスト【PC①を導く】 1点
▼シナリオクエスト【校内の奈落を倒す】4点
■敵データ&戦闘プラン