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ROGM回顧録27 それでも防衛しなければ勝てない

「明らかに魔導士が強すぎる」というのがACCAの統一した見解であり、運営はバランス調整に失敗したと考えられていた。

本編がサツバツとした内容のため可愛いまーちゃん画像をお楽しみ下さい

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 育ちきる前のキャンプであれば、キャラクター2名に魔導士を満載して突っ込むだけで破壊できる。残り3名を移動速度増加に当てることで、ACCA攻撃隊は「通常の10倍の速度」でキャンプを破壊していた。
 たった数名の攻撃隊で千人規模のアクティブ・プレーヤー(*1)がいる王国の侵攻を食い止めていたのだから、高速魔導士隊の威力は明らかに運営が想定したバランスを超えていたはずである。

 どうしてかくも酷いバランス調整がなされたのか、については未だに結論が出ていない。
 現役のプレーヤーから見て、運営のバランス調整能力というのはどうしても無能に見えるものだが、これは認知的バイアスがかかっているせいだ。
 僕らには、前期の群狼作戦のイメージが残っている。要塞と化したキャンプに何度も攻撃を繰り返して勝利をもぎ取った、その快感を憶えている。そういう僕らの努力を無にするような調整には反発を覚えるものだ。

 しかし、前期3つあったすべてのサーバー、すべての国でそうした連携が見られた訳ではあるまい。むしろ、運営側は「第一期のバランスでは複数人で連携しなければキャンプを破壊しにくく、劣勢の国が挽回するのが難しい」と考えたはずである。
 運営は、僕らには見えない「データ」を握っている。どのサーバーでどれだけの戦闘が行われたか、結果としていくつのキャンプが破壊されたか、最終的にプレーヤーがどう行動したかのデータを彼らは把握しているはずである。
 残念ながら、僕らには他国や他の対人層グループがどんな戦術を持っていて、どう行動したかが分からない。どんな対人グループでも、戦闘のノウハウというのは一級の軍事機密であって、秘匿するのが当たり前だからだ。

9月9日の異世界情勢

9月9日の異世界情勢


 だが今回の調整において、運営は「大局的なデータを持っているがゆえの陥穽」に落ちたとしか思えなかった。ひとりのプレーヤーの努力だけでキャンプを落とせるように調整してしまったことで、ひとりのプレーヤーの努力ではキャンプを防衛できないようになってしまった(*2)。

 前期からノウハウを引き継いだ対人戦のトップランナーとして、僕らは相手が「僕らの真似」をし始めた時のことを考えない訳にはいかなかった。このままではまずい。僕は言った。

「それでも、僕らは防衛のためのドクトリンを確立しなければならない。いつか必ず、それが必要になる時が来る。――勝利するために」

*1 極めてざっくりとした推定。貢献度ランキングから、チュートリアルで得られる以上の貢献度を得たプレーヤー数が6000名、その1/3をアクティブ・プレーヤーとし、さらに半数が王国プレーヤーと仮定している。
*2 ただし、「羊鯖でこうだった」からといって、この調整がすべてのサーバーで上手くいかなかったとは限らない。これはあくまでも1プレーヤーから見た結果論である。

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※異世界情勢マップ画像は「ROGM情勢マップ」にて作成したものをRoPG管理人様よりご許可をいただいて掲載しています。

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