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ROGM回顧録29 カニカニ大作戦

「逆に考えるんだ。『踏まれちゃってもいいさ』と考えるんだ」

前期から引き続き高速魔導士隊として活躍したハイウィザードのお姉さん。

前期から引き続き高速魔導士隊として活躍したハイウィザードのお姉さん。


 幾度か「踏み屋」による手痛い敗北を喫した後、ある甲殻類の名前のついたプレーヤーのプレーを見て、僕はその考えに思い至った。
 彼(例によって実際の性別は分からないが、残念ながら僕には甲殻類の雌雄の区別はつかない)のキャラクターは防御力が伸びるDEFと、HPが伸びるVITを重視した極端な防御型スタイルで、「踏まれても大丈夫なように」作られていた(*1)。

 キャラクターが踏まれた時、総防御力とキャラクターのDEFから算出されるHPダメージを受ける。しかし、HPが1でも残っている限り、そのセルに踏みとどまることができ、踏んだ側が強制帰還となる(双方とも強制帰還になることもある)。
 ならば、兵士を乗せずに防御に特化した「塗り役」を先行させ、わざと踏み屋に踏まれることで、一定時間、魔導士隊を踏まれる脅威を気にせず攻撃することができる、はずだ。

 キャンプを攻める時、通常は攻撃隊の他に「塗り役」と呼ばれる単騎のキャラクターを用意する。塗り役には兵士は積まないか、速度重視で軽騎兵のみを積む。キャラクターは兵士を積まない方が移動速度が速く、最速で1セル7秒で移動できる。
 高速魔導士隊を運用する場合でも、攻撃拠点となるキャンプ(通称「ミサイル発射台」)から魔導士を延々歩かせると移動速度増加スキルの無駄なので、まずは塗り役を出して敵のキャンプの近くまで塗っていく。
 囮などを使わない一番単純な作戦では、敵キャンプから2マス先までを塗り役で進め、塗り役を帰還させてキャンプの隣接マスに向けて魔導士隊を送り出す。
 首尾良く着地できれば、その1分30秒後にキャンプは落ちている。

 防衛する側からすると、キャンプのすぐ近くまで塗りに来る「塗り役」と、その次に飛んでくる魔導士隊のどちらも脅威は変わらない。キャンプの防衛では、いかに塗り役の塗りを防ぐか、ということも重要になる。

 理論は完成した。あとは、どうやって実現するかだ。

*1 前期には「あの甲殻類を食うのは覚悟がいる」と専らささやかれていた。

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