アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌(1)

2013年5月25日 アカガネダイ提督の『艦隊これくしょん』日誌 No comments

ツイッター上で、フォローしている方々がやたらとプレイしている、WEBゲーム『艦隊これくしょん、通称『艦これ』を遊んでみましたので、その日誌を。

●『艦隊これくしょん』とは?

旧日本海軍の艦艇をコレクションして、その中から6隻を艦隊に編成して出撃させ、敵と戦って戦果をあげていくゲームです。 最初は、駆逐艦などの小型軽量艦艇(弱い)が中心ですが、だんだんと戦艦などの大型艦艇(強い)が使えるようになります。

DMM公式サイトはこちら

●ゲーム開始から~水雷戦隊結成

最初に、駆逐艦〈吹雪〉を手に入れる。 とにかく何をやればいいかは分かるが、何をやれば得になるか、損になるかの判断基準がないので画面上にある『任務』をひとつずつこなしていく。

・艦隊を編成したり

・艦隊を出撃させたり

・他のプレイヤーの艦隊と演習をしたり

・損傷した艦艇の修理や新造艦の建造をしたり

 まず『任務』欄をクリックし、次に実行し、任務を『達成』ボタンを押したら資源や艦がもらえる、という仕組みである。実行してから『任務』をクリックしても、一部をのぞいてダメである。

 そうこうしているうちに、軽巡洋艦と駆逐艦の数が増えてくる。

 この時期の艦隊編成は、軽巡洋艦〈名取〉を旗艦に+1隻軽巡洋艦、4隻駆逐艦編成であった。旗艦には命中ボーナスでもつくのか、〈名取〉はもうダメだダメだと言うくせに、よく当てる。 しかし、いつまでたっても軽巡洋艦よりも大きな艦艇がやってこない。 これは自分で作るしかないのか、と資源を消費して艦艇を建造してみるが、ことごとく駆逐艦と軽巡洋艦である。どうも、資源を100ずつとか200ずつバランスよくばらまいてはいかんようだ。 そこで鉄と弾薬を300消費して、後はそのままにしたら、駆逐艦だった。 腹いせにその場でスクラップにする。鉄300使って鉄7かよ、ちっ。

●敵空母出現!

 などとやっていると、敵に軽空母がでてきた。 現実の海戦がそうであったように、このゲームでも空を制するものが強い。 海戦の流れは、偵察の後、まず空母機動部隊の空襲からスタートし、その後で砲撃戦(ときどき空襲)があり、締めに魚雷を発射する。遠距離、中距離、近距 離の順番である。魚雷は、駆逐艦や巡洋艦が発射できるが、それまでに中破以上の損害を受けていると、魚雷戦は仕掛けられない。

 魚雷戦というのは、位置取りである。現代のミサイルと違い、当時の魚雷は発射するとまっすぐ進むだけなので、ちゃんと良い位置について、しかも距離は肉薄していないと魚雷は当たらない。損傷を受けていれば、速度が落ちたりして位置取りができないのだ。 その後、プレイヤーが望めば夜戦を挑むことができる。夜戦では航空機は使用できない。敵に空母がいれば、ここで一方的に攻撃することも可能だ。 しかし、そうは言っても空母の空襲は先手を取ってくるので痛い。かなり運が作用するが、小型艦であれば一発くらっただけで中破大破はざらであり、こうなれば、魚雷を撃つこともできずに殴られまくることとなる。 敵に空母がでてきたのも痛いが、重巡洋艦が出てきたのも痛い。 軽巡洋艦と重巡洋艦という切り分けは、分類的にはあまり意味のあることではない。ワシントン軍縮条約のからみで、戦艦などの大型艦をほいほい作るわけに はいかなくなったので、ぎりぎり条約に引っかからないサイズの巡洋艦を主力艦として使用しようとしたのが、重巡洋艦である。 重巡洋艦は何とかサイズを押さえようとしたせいで、バランスはちょっと悪くなったが、それでも主力艦を目指しただけあって、砲撃のパンチ力は従来型の巡洋艦、つまり軽巡洋艦よりもでかい。装甲も軽巡洋艦に比べるとあるので、これまたタフだ。 小型艦艇しかないこちらが頼りにできるのは魚雷だけだ。

 駆逐艦や軽巡洋艦から砲塔をおろして代わりに廃棄処分にした他の艦の魚雷発射管を山盛り搭 載して出撃させたところ、肉を斬らせて骨を断ったり、骨を斬らせて骨を断つ獅子奮迅の戦いぶりをみせ、勝率はそこそこ上がった。 しかし、鎮守府に帰還してくる艦隊は毎回ボロボロである。修理しようにも、修理ドッグは2カ所しかなく、順番待ちの長い行列ばかりが伸びてくる。とはい え、建造したり戦闘で獲得するのもやはり、小型艦ばかりなので、交代要員はいくらでもいる。〈綾波〉など4番艦までいる。まさに「私が死んでも代わりはい るもの」である。

●ついに空母建造、その名は〈千代田〉……いや、お前違うだろ!

 だが、このやり方は私もストレスがたまるが、艦隊の女の子=艦娘からもえらく不評であった。いい加減に大型艦を導入しろというのである。

 とうとう、艦娘を代表して〈名取〉が目に涙を浮かべて抗議してきた。他に大型艦がいないので、ひたすら旗艦として働かせてきたせいでいつの間にか、20 レベルである。頭上に高々と酸素魚雷を持ち上げ、「提督を殺して私も死にます」などと言われては、私としても心を入れ替える他ない。 しょうがないので、空母を導入することにした。鉄と弾薬と燃料を300ずつにして、ボーキサイトを500投入である。ひとまずは軽空母を造って、防空艦にしようと考えたのだ。

 そして登場したのは……〈千代田〉である。 いやいや、水上機母艦だろ、お前! 空母じゃないだろ! 装備を調べてみたら、高角砲と水上偵察機が12機である。 確かに、12機というのはそれなりの数であるが、搭載してるのが水上偵察機ではどうしようもない。母艦そのもにも攻撃力はない。これはダメかとがっかりしたが、ひとまず〈名取〉と組んで戦場に送り出してみる。 そしたらこれが、意外な大活躍。いや、大というほどではないが中活躍。 まず、偵察能力が高いので、敵を発見し、命中率、回避率が(心持ち)よくなる。が、この(心持ち)よくなるのが、小型艦艇中心の我が艦隊ではけっこう心 強い。敵の攻撃が当たらなくなってきたのだ。毎回、煙をあげながら無事な味方艦に曳航されてよろばうように港に戻り、しかも、ドッグが埋まってるものだか ら港でボロボロの姿をさらしていた艦娘たちの姿が、どんどん減っていったのだ。

 また、砲撃戦での偵察攻撃はどうも特殊攻撃扱いになるようで、時に魚雷命中並のダメージをたたきだす。 いけるいける。これはいける。 調子に乗った私は期間限定イベントマップ『敵泊地に突入せよ』に〈名取〉と〈千代田〉の艦隊を送り出した。 数日後、ボロボロになった艦隊が戻ってきた。 艦娘の顔は一様に暗く、その中に〈千代田〉の姿はなかった。 〈名取〉はしばらく私と口をきいてくれなかった。

●重巡洋艦〈足柄〉登場

 さすがに〈千代田〉の喪失は精神的にこたえた。 しばらく時間を置いて(具体的には資源がたまるのを待って)大型艦の建造をやり直すことにする。

 南北戦争からの近代海戦の流れを振り返ってみるに、やはり、近代海戦では装甲が一番大事である。〈モニター〉と〈バージニア〉の戦いをみよ。 毎回、毎回、艦娘たちがボロボロになって戻ってくるのも、彼女らが紙のような薄い装甲しか持たないからだ。ここはやはり、装甲の厚い大型艦に登場してもらうしかあるまい。 そして登場したのが、鉄500を投入した我が艦隊で初の大型艦〈足柄〉である。これまで旗艦をしていた〈名取〉とはまるで逆の、超ハイテンションな艦娘である。 大丈夫かいなと思わなくもなかったが、戦意旺盛な〈足柄〉は〈千代田〉喪失で沈む我が艦隊にとって、かっこうのカンフル剤となった。 彼女が皆の気分を立て直してくれたおかげで、我が艦隊は何とか鎮守府海域のマップ3をそこそこの成績でクリアできるようになり、艦艇の数も増えてくる。 これまでは、一度クリアしたマップには艦隊を送らなかったのだが、地道にレベルをあげるのも大事だと分かってきたのである。

 一回、大型艦が登場すると(あるいは提督レベル?)何か内部処理が切り替わるのか、以後はぽつぽつと、重巡洋艦が増えるようになってきた。なぜか〈足 柄〉ばかり3隻増えたのには頭を抱えたが。ひとつの艦隊に同じ艦は1隻しか入れられないのである。3隻あっても、1隻しか使えないのだ。

●軽空母〈祥鳳〉建造

 しかし、鎮守府海域のマップ4「南西諸島攻防戦」をクリアするには、さすがに空母が欲しい。せめて、防空の傘があるとちょっとは違うのではないか。そう考えて、ボーキサイト500を使って再び建造。今度こそ軽空母〈祥鳳〉が登場した。 よし、戦闘機だけ搭載して防空艦として使おうと考え、装備欄を確認したら。 97式艦上攻撃機と、99式艦上爆撃機。 戦闘機はかけらも存在しない。 これはどういうことかと問いつめたかったが、持ってないのは仕方ない。 〈千代田〉のこともあるので沈まないように〈祥鳳〉を旗艦に据え、はらはらしながら、まずはマップ3「製油所地帯沿岸」へと送り出す。 そうすると……おお、強い強い。 ここには敵に空母はいないが、巡洋艦はいる。こいつらの魚雷にはけっこう痛い目にあっていたのだが、敵に魚雷を発射させることなく、〈祥鳳〉の空襲が次々と敵を沈めていくではないか。なんだ意外と使えるじゃないか、こいつ。

「当然です! 正規空母には負けません!」

 よし、この調子でマップ4「南西諸島攻防戦」もやってもらおう。 意気揚々と送り出したが、私は大事なことを忘れていた。 敵空母がいる場合、当然、敵の空母は戦闘機も搭載しているのである。これまで、こっちが航空機がないので気づいていなかっただけである。 戦闘機を持たない〈祥鳳〉の艦載機は、ばたばたと面白いように落ちていき、ついでに敵の空襲でこちらの艦艇はボロボロになったのである。 こいつはどうしたものかしら。 (続く)

『宇宙戦艦ヤマト2199』のSFネタ解説その2:コスモリバースシステム

2013年5月24日 雑記, 『宇宙戦艦ヤマト2199』のSFネタ解説 1 comment , , , , , , , , , , , , ,

 宇宙戦艦ヤマト2199に出てくるギミックや台詞を元に妄想をたくましくしていくSFネタ解説シリーズの2回目。
 今回は人類救済のためのコスモリバースシステム、旧作では放射能除去装置コスモクリーナーDについてである。

 いったい、あそこまで破壊された地球の環境を復活させるというコスモリバースシステムとは、いかなるものだろうか。

 まず考えられるのが、旧作のコスモクリーナーDと同じような機械がイスカンダル星にあって、それを部品の状態でヤマトの中に運び込んで組み立て、地球に帰還すると地球が青い星に戻る、というパターンだ。

 このパターンだと、干上がった地球の海が戻り、動物や植物が復活し、しかもそれがごくごく短い時間で成し遂げられるというわけなので、

「ぱんぱかぱーん!世界創造装置ー」
「それはなんだいドラえもん」
「七日間で世界をひとつ創造するという装置さ。もちろん、作られるのは小さな箱庭世界だけど、未来の小学校では夏休みの宿題に、世界創造観察日記というのがあるくらい、よく使われている装置なんだ」
「劇場版じゃあるまいし、それじゃエドモンド・ハミルトンの『フェッセンデンの宇宙』だよ。ロクなオチが待ってないと思うな」
「21世紀ののび太くんは、ノリが悪いなぁ」

 という、ほとんどドラえもんの不思議道具並のパワーが装置に必要となる。
 いずれにせよ、地球環境の現状を考えると、こうした形での再生で一番ネックになるのが、時間である。何しろ人類滅亡までおよそ一年という時間を区切って いるのがヤマト世界だ。コスモリバースシステムを持ち帰ったはいいが、地球再生に千年も二千年もかかっていたのでは、地下都市に暮らす人々が全滅してしま う。
 時間を圧縮する方法として20世紀末あたりからSFでよく使われてきたのが、ナノマシンの使用である。今流行のノリでいくと、ナノマシンで作った物質を3Dプリンタ方式で組み立てて、植物や動物を作り出すのだ。
 このノリでいくともうひとつの地球が作れるということで……

「カーティス、きみは地球をもうひとつ造れるというのか」
「もうひとつの地球を造れるかと聞いたんだ、カーティス。山や海や街を造り、男や女や子供たちの声でいっぱいにすることができるのか。そして、もうひとりの、オットーやグラッグやサイモンを造れると言うのか」
(エドモンド・ハミルトン『物質生成の場の秘密』より)

 またもやエドモンド・ハミルトンが!

 さらに逆転の発想としてロバート・チャールズ・ウィルスンの『時間封鎖』手法がある。生き残った人間の方を時間的に凍結しておいて、地球環境が何万年かかけて復活するまで待ってからこれを解凍するという方法が考えられる。
 時間操作となるとかなりの超技術だが、ラリイ・ニーヴンのノウンスペースシリーズで登場した停滞フィールド的なものを使えば、ヤマト2199の作中のテクノロジー的にも妥当な範疇で何とかなりそうだ。人類が暮らす地下都市を、停滞フィールドに閉じこめておくのである。

 あとは並行宇宙とアクセスする技術を使って、人類が誕生していないが自然がそのままの並行宇宙から、地球を引きずりだして今の赤茶けた地球と交換 するという荒技もある。そろそろこのあたりになると、ハリイ・ハリスンの『ステンレス・スチールラット 世界を救う』っぽくなってきたな。

 なんにしても、遊星爆弾であそこまでむちゃくちゃになった地球を元に戻すのはよほどのテクノロジーがなくては難しそうである。惑星環境というのは、破壊するのは簡単だが再生してバランスを取り戻すには手間がかかるのである。

 だがしかし。
 ここでやはり、大いなる疑問が出てくる。
 いったいぜんたい、なぜ、イスカンダルは、そしてスターシャは「地球の環境を回復させる」ために「イスカンダルまで来い」という迂遠な方法をとっているのか、ということだ。
 これが神話や民話などの物語世界であれば、この流れはごくごく自然なものである。
 ウラジーミル・プロップが『昔話の形態学』で31の類型にまとめたように、物語はしばしば、主人公に試練を課してその力を証明させる。そこで使われるの が、苦難の旅路だ。連れ去られた幼なじみを取り戻すために、雪の女王の宮殿に行ったアンデルセンの『雪の女王』のように、ヤマトは地球環境を取り戻すため に、イスカンダルへ向かうのである。
 ヤマト2199も物語である以上、この構造自体に問題はないが、SF的な仕掛けもまた、そこにありそうである。

 そこで出てくるのが第5章で登場したビーメラ4の遺跡である。
 ビーメラ4には、今から400年ほど前にイスカンダルの使者がやってきて、波動コアを渡して、当時はまだ存在していたビーメラ星人に救済を約束している。
 遺跡や、不時着したイスカンダル宇宙船の様子からみて、どうもビーメラ星には恒星間航行に十分な科学力がまだ存在しなかったのではないかと考えられる。

 にも関わらず、イスカンダルが示した救済策は「イスカンダルへ来い」であったようだ。波動コアの内部情報からみて、ビーメラ星人に与えられた情報 の中にはイスカンダル人が作り(400年前の時点では)ガミラス人がメンテナンスしているゲートネットワークの情報も入っている。
 つまり、十分なワープ技術を作れないであろうビーメラ星人には、ゲートネットワークによるショートカット航路を、イスカンダルは示したと思われる。

 そしてもうひとつ、ビーメラ4の遺跡で気になる点がある。
 それは、イスカンダルの宇宙船が「そのまま」である点だ。
 これまで、サーシャの乗っていた宇宙船が1話で火星まで到達したところで爆発したから忘れていたが、実はイスカンダルからの宇宙船はもう1隻、ユリーシャが乗って無事に到着した1年前の宇宙船があるのだ。
 それはどうなったのか?

 思うに、もともとイスカンダルから送られる宇宙船というのは『一方通行』なのではないだろうか。サーシャの宇宙船のように爆発せずとも、地球に着陸したところで、自壊して機能を停止してしまうような。
 イスカンダルの、スターシャの一族は、400年の昔から、あるいはそれよりはるか昔から。滅亡の危機が訪れた知的生命体の星に、そうやって一族を宇宙船で送り出した。救済が欲しければ、イスカンダルへ来るよう伝えるメッセージを携えて。
 そして、成功すれば、一族のものは知的生命と共にイスカンダルへと帰還する。
 失敗したら――そう、失敗したら、その星で一生を終えるのである。ユリーシャも、サーシャも、元から任務に失敗すればイスカンダルへ戻れない運命だったのだ。
 400年前、ビーメラ4に送り込まれた過去の姉妹がそうであったように。

 これはまた、えらい覚悟である。なるほど、ある程度は裏の事情を知っていた沖田艦長がメ号作戦において「信じるんだ、彼らを」と言ったのも分かる。血を分けた一族の者を地球人と道連れにする覚悟で、イスカンダルは地球を救済しようというのだから。
 いったいぜんたい、何がイスカンダルをして、そのような理想追求というか、宗教的な情熱に駆り立てているのか。
 そこについては、まだ不明である。ガミラスとの関係も、何やらきな臭いものを孕んでいるようだ。

 しかし、もしすべての裏側に救済という名の罠があるとしても、どうやらスターシャやユリーシャらの一族は(ひょっとしたらガミラスやデスラーも!)その犠牲者であるらしい、と考えられる。
 滅びたくなければイスカンダル星へ来い、という救済の仕組みは、400年以上前から、地球やガミラスとは無関係なところで存在していたようだからだ。

 ガミラス人と地球人が遺伝的にほぼ同一であるように(そして、第5章冒頭で滅ぼされた惑星オルタリアの住人や、シュルツ司令の故郷ザルツも)大マゼランから銀河系にかけては広く、同一種族がはるか大昔に播種された可能性がある。
 それがイスカンダルの唱える救済とやらのシステムを作り出した連中だろう。
 我らの銀河系や大マゼラン銀河が巨大な「農場」だとすれば。
 イスカンダルの救済は、種をまいた「農夫」が用意したツールなのかもしれない。
 それぞれの惑星で育った「苗」が、日照りやその他の理由で滅びようとしたら、イスカンダルがチェックをする。よく育った「苗」であれば、救済を。育ってない「苗」はそのまま間引くのである。
 ビーメラ4は間引かれた。「農夫」が望む知的生命体としては、出来が悪かったからである。
 では、地球人は?
 地球に育った「苗」は、果たして間引くべきか?
 それとも、コスモリバースシステムという救済を与えて、育てるべきか?

 そして、だとすると。
 すでにコスモリバースシステムは、地球にあるのではないだろうか?
 「農夫」が「苗」を育てるために、地球環境をはるか昔に操作したシステムは、今も地球の地下深くに残されており、イスカンダルへ到着する、というのは、そのシステムを再起動するための試練であるのかもしれないのだ。

アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーン Bチーム第2回『帝都炎上』今回予告、シナリオ地図、ハンドアウト

2013年5月21日 アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーン No comments , , , , , , ,

■今回予告
 積層都市ティモテにおける都市リアクター破壊未遂事件は、反帝国組織によるテロとして処理された。
 だが、キミたちは知っている。これが、帝国内に忍び込みはじめた謎の敵――ワームスカルによるものであることを。
 銀十字軍総本部の密命を受け、キミたちは帝都グラスウェルズでワームスカルの調査を開始する。目的は、帝都内に潜むワームスカルに汚染された人物の摘発だ。
 そして調査を進めていくうちに、ワームスカルの恐るべき陰謀が明らかになる。
 奴らは、皇帝レオポルト2世を自分たちの手駒にしようとたくらんでいたのだ。

 アルシャードセイヴァー
 『帝都炎上』
 そして今、君は神話を越える。

■シナリオ地図

■ハンドアウト:
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PC1:(候補:ヤタ)
コネクション:皇帝レオポルト2世 関係:幼子
 沈黙帝の退位を受けて皇帝になったレオポルト2世は、キミが腕を認めた騎士ルバ・メルフィンダの娘(養女)だ。彼女が幼い頃に、キミはルバから娘を鍛え るてくれるよう頼まれている。どういうわけか、相手は今や真帝国の皇帝となったが、キミとルバの男の約束に変わりはない。
【クエスト:皇帝陛下に会う】(1点)
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PC2:(候補:シャルロッテ・ブリューゲル)
コネクション:ヴィルヘルム・グーデリアン 関係:ストレス
 銀十字軍の総司令官はヴィルヘルム・グーデリアン少将だ。彼はキミにとって直属の上官であるグンターの腹違いの兄である。有能な軍人であり、真帝国累代 の大貴族の嫡男だ。グンターとは仲がよい……はずなのだが、どうも最近、両者の間に溝ができているらしい。今回の、銀十字軍総本部がある帝都へ報告書を届 ける任務も、どうにも気が重い。
【クエスト:】ヴィルヘルムにグンターからの書状を渡す(1点)
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PC3:(候補:K)
コネクション:セレーナ・ゴルデンバウム侍従長 関係:忘却
 記憶にはないが、キミはどうやら帝国の侍従長であるセレーナ・ゴルデンバウムと何らかの接点がある……らしい。少なくとも、向こうはキミのことを知っている……ようだ。若い皇帝陛下の側仕えというと、権力者っぽいが、どうも彼女は彼女で苦労しているようである。
【クエスト:侍従長の悩み相談にのる】(1点)
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PC4:(候補:ヴェイハルトリ・マイセルブルグ)
コネクション:ハーマン枢機卿 関係:ビジネス
 真帝国における公認クエスターの立場は、微妙だ。それは庶民向けの作られたヒーローであり、教会がラグナロク以前の古き神々の力を、おとぎ話のランプの 魔神のように使役していることを示すための存在だ。ややこしいことに、グンター配下の銀十字軍特務C部隊、つまり非公認クエスターであるキミたちは、管理 局の書類上ではその公認クエスターとなっているのだそうだ。ともあれ、帝国内に潜入している謎の奈落種族と戦うには、ひとりでも味方が欲しい。
【クエスト:】公認クエスター管理局にコネクションを作る(1点)
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PC5:(候補:スルーズウィルド)
コネクション:エドヴァルド・バウアー公爵 関係:疑惑
 帝国内外で、金儲けのためであれば、何でもやる企業。それがヨルムンガルドだ。先だっての、積層都市ティモテでのシャードリアクター停止事件も、その前 のミョルニル山での事件にも、ヨルムンガルド社のエージェントが関わっている痕跡があった。それがどこまで、本社の意向を受けてのことかは分からないが、 帝国一の大企業が奈落に汚染されているのだとしたら放置はしておけない。
【クエスト:】ヨルムンガルド本社の内偵を行う(1点)
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ドラゴンアームズ改 シナリオ「禿頭王の城塞」トレーラー、ハンドアウト、地図

2013年5月4日 その他セッション資料 No comments , , , , , , , ,

■トレーラー
 ヴァイツグラードは大砲の国である。
 機動戦力を攻勢に集中運用するため、ヴァイツグラードでは重砲と要塞を組み合わせた防衛線を構築し、守りの要としている。
 だが、MISTは自爆型コマンダーMISTを投入し要塞線の突破を狙ってくる。
 七つの要塞が奇襲により破壊されて前衛要塞線が突破され。
 バハムートが駆けつけて、MISTを撃退するまでに主要塞線の五つの要塞が機能を喪失し、主要塞線に大穴が開いた。
 何とかしのぐことができた――その隙をつくように、見落とされていた自爆型コマンダーMISTが城塞都市ドムスブルクに、にじり寄る。
 補給の要であるこの都市を落とされれば、ヴァイツグラード要塞線は崩壊する。
 それを防ぐことができるのはキミたちの小隊だけだ。

 ドラゴンアームズ改
 『禿頭王の城塞』
 羽ばたけ、人類の希望!

■シナリオ地図

■ハンドアウト
PC1用ハンドアウト
シナリオ感情:庇護 城塞都市ドムスブルク
 キミの所属する小隊は要塞線を守る戦いで損耗し、城塞都市ドムスブルクに収容された。ここは千年の昔に禿頭王ハーゲンによって作られた古い町だが、今も 要塞線の補給を支える交通の要衝で、ドラゴンアームの修理や補給も可能となっている。この町と、そこに暮らす人々を、MISTの手から守らなくてはいけな い。

PC2用ハンドアウト
シナリオ感情:恩義 フォン・デッケン守備隊長
 自爆型MISTから要塞線を守る戦いで、キミはノイェンハーゲン要塞守備隊に危ういところを救われた。守備隊長のフォン・デッケンは、口は悪いが仕事熱心な良い武人である。この恩は、いつか返したい。

PC3用ハンドアウト
シナリオ感情:疑惑 MIST
 バハムートとDAFの活躍で、ヴァイツグラード要塞線をめぐる戦いは人類側の勝利に終わった……本当に?
 キミは知っている。MISTとの戦いは「終わった」「一段落した」時こそが、もっとも危険だということを。

PC4用ハンドアウト
シナリオ感情:好意 オルソン従士長
 要塞線を守る戦いで、敵中に孤立したキミたちを見つけだし、ドムスブルクへの撤退を支援、誘導してくれたのが、偵察部隊を率いるオルソン従士長だった。彼の話では、戦いが終わった今も、MISTの一部に動きが確認されるという。

PC5用ハンドアウト
シナリオ感情:競争心 ヴァイツグラード
 ヴァイツグラード要塞線を守る戦いで、キミは、ヴァイツグラード軍の精強さを目の当たりにした。彼らは共にMISTと戦う仲間であるが、同時に、彼らに負けぬように自らを鍛えなければならないとも感じたのだ。

『宇宙戦艦ヤマト2199』のSFネタ解説その1:第二次火星会戦

2013年4月12日 『宇宙戦艦ヤマト2199』のSFネタ解説 No comments , , , , , , ,

 宇宙戦艦ヤマト2199に出てくるギミックや台詞を元に妄想をたくましくしていくSFネタ解説シリーズの1回目。
 第1話で名前だけ出てきた第二次火星沖会戦である。

 まずは2199年1月の太陽系の惑星の配置は以下の通り。
(※この図は、Solar System Liveを使って作成したものに、手を加えた)

2199_太陽系惑星配置図.preview

 第一話の冒頭。沖田提督率いる地球艦隊は、冥王星軌道の近くで、ガミラス軍と接触、交戦に入る。
 彼我の戦力は圧倒的で、地球艦隊はたちまち壊滅状態に追い込まれる。

 地球艦隊の目的は、表面上は、ガミラスの冥王星基地の破壊である。
 この段階で、地球は海が干上がり、赤茶けた死の星となっている。それを成したのが、冥王星から発射される遊星爆弾だ。
 冥王星基地に打撃を与えて、これを食い止める、というのはいかにも納得のいく作戦目的である。ガミラス側も、地球艦隊の総力を挙げたこの作戦に、全力で迎撃をしている。

 さて、それにしては――地球艦隊が妙に弱いようには思えないだろうか。
 ビーム砲は跳ね返されるわ、ガミラス艦の砲撃に対して地球艦隊の装甲は紙同然だわで、とてもではないが、戦いになっていない。
 作中で名前だけ出てくる第二次火星沖会戦では、ガミラス艦隊の侵攻を阻止できるほどの損害を与えたはずなのに……である。
 これには、戦場における準備と支援の有無が影響していると考えられる。
 地球艦隊は、火星において迎撃戦を行った。
 メ号作戦では、はるばる冥王星まで進出したあげく、迎撃されたのである。
 艦の性能差に加え、はるばる地球から(おそらく、有力な拠点は他にもうないものと考えられる)ワープ航法は使わずにやってきたのである。燃料(推進剤)もギリギリの状態だったのではないか。

 では、作中の描写を踏まえて、第二次火星沖会戦の展開を妄想してみよう。なお、妄想のソースとして谷甲州さんの『アナンケ迎撃作戦』を使用している。

2199_第二次火星沖会戦.preview

 

 火星での迎撃作戦前。ガミラス艦隊との交戦記録から、ガミラス艦の基本性能や、戦術については地球艦隊も理解していた。
 ワープ航法(ゲシュタム航法)を使わない場合の機動力はほぼ互角としても、彼我には火力と防御力に圧倒的な差がある。通常の戦い方では、勝ち目がない。

 地球艦隊が対抗策として用意したものがふたつ。
 ひとつは、ダイモスに設置した要塞砲である。
 もうひとつは、試作の反物質機雷だ。
 だが、どちらも運用には制限がある。
 要塞砲はガミラス艦が相手でもアウトレンジ砲撃が可能だが、射角に制限があり、また、冷却やエネルギーの注入に時間がかかるため、連射ができない。
 反物質機雷は、威力は十分だが大型なのでステルス化は困難。敵が接近すれば、搭載したブースターで加速しての攻撃が可能だが、通常の方法では接近する前に迎撃されて破壊されてしまう。

 沖田提督は、このふたつを組み合わせて運用する作戦を立てた。
 まず、火星のフォボス軌道に囮の艦隊と戦闘衛星を配置して、ここが火星の絶対防衛線であるように見せかけた。使われたのは、内惑星戦争時の旧式艦と、同じく内惑星戦争で火星独立同盟から終戦時に接収した戦闘衛星である。
 どちらも、追加の核融合エンジンを搭載させ、エネルギー(赤外線)反応を実際よりも高く見せかけてある。接近すれば、張り子の虎であることは明らかだが、この作戦は敵に接近されてしまえば、どちらにせよ負けである。
 続いて、ダイモス軌道にありったけのレーダー衛星を設置した。レーダー衛星群は要塞砲とデータリンクされており、接近するガミラス艦隊をアウトレンジ攻 撃するための照準データを送り届ける役目である。数が多いのはデータの精度と、戦闘開始直後から敵の攻撃でその多くが失われることが想定されていたからで ある。
 最後に、地球艦隊の主力艦は、主砲の1/3~2/3を降ろして身軽になり、代わりに反物質機雷を曳航・敷設する機能を備え付けた。そして、ダイモスのクレバス内部で、息を潜めて作戦開始を待ち続けたのである。

 戦闘は、沖田提督の想定通りに始まった。
 ゲシュタムアウトしたガミラス艦隊は、フォボス軌道に浮かぶ囮艦隊と戦闘衛星をテロンの主力と考え、接近を開始した。これまでの戦いからテロンの艦艇の 砲撃力を甘く見ていたのだろう。ダイモス軌道のレーダー衛星群からのレーダー照射も、さほど気にする様子がなく、艦隊を前進させた。

 十分な照準データを蓄えた後、ダイモスの要塞砲が砲撃を開始した。最初の一発は狙い違わずガミラスの大型艦に命中。これを撃破する。
 こしゃくな要塞砲の反撃に、ガミラス艦隊はしばし混乱したが、要塞砲が連射できないことを察知するや、すぐさま駆逐艦隊を分遣し、要塞砲の死角に回り込んだ。その間に、要塞砲は七回砲撃をするが、命中は三発。撃沈できたのは最初の一隻を含めても二隻だけである。

 ここで沖田提督の罠が発動する。

 ダイモスのクレバスから、偽装地表を突き破って、地球艦隊が躍り出たのだ。地球艦隊はいずれも大型の反物質機雷を一個、ないし二個曳航していた。そして、接近するガミラス艦隊の軌道前方、宇宙的な距離感覚ではすぐ鼻先で切り離したのである。
 ガミラス艦隊に与えた被害は甚大なものがあった。七割の駆逐艦が撃破され、残りも大量にばらまかれた高出力ガンマ線によってむき出しのアンテナ類に損傷を被ったのである。
 そしてそこに、反物質機雷を切り離して身軽になった地球艦隊が転進して迫ってきた。
 艦砲の撃ち合いとなれば、ガミラス艦隊はさすがのタフさを見せたが、地球艦隊は損害にかまわず肉薄して主砲とミサイルをたたき込む。戦いはこのまま、地球艦隊が優勢で終わるかと思われた。

 だが、ここで新たなガミラス艦隊がゲシュタムアウトする。
 ガミラス艦隊を率いるシュルツもまた、艦隊をふたつに分け、ゲシュタム航法を使った時間差攻撃で地球艦隊の側背を衝く作戦を立てていたのである。反物質機雷を使い尽くし、激しい機動戦で推進剤の多くを消耗した地球艦隊に、この新たな艦隊と戦う力はなかった。

 それでも、地球艦隊は死力を振り絞って最初のガミラス艦隊(α)を壊滅に追いやり、新たなガミラス艦隊(β)の追撃を振り切って地球へと撤退に成 功する。だが、その時には艦隊の九割が失われ、ダイモスもフォボスも陥落し、囮艦隊や戦闘衛星のすべてが破壊され尽くしていた。
 地球艦隊は、この時点で宇宙戦力をほぼ喪失したが、ガミラス側もまた、ゲシュタム航法も持たない辺境の蛮族相手としては前代未聞の手痛い損失を被ってい た。慎重なシュルツ司令は――二等ガミラス人である自分たちの空間機甲旅団に増援があるはずもないという現実も踏まえて――地球への直接侵攻を断念。以後 の作戦を、冥王星からのロングレンジ攻撃に切り替えることとなる。

 

『大阪落城 戦国終焉の舞台』渡邊大門 狸親父家康は、いかにして豊臣家を滅ぼさざるをえなかったか

2013年4月10日 未分類 No comments , , , , , ,

 関ヶ原の前後から、大阪城が落城するまでの流れを、家康と大阪方がどのように行動したかを中心にまとめられた本である。
 関ヶ原の戦い(1600年)から方広寺鐘銘事件(1614年)まで、家康が関ヶ原の戦いの後も、豊臣家にかなり配慮しつつも、権威と権力は徳川家に集中させ、それが豊臣家を追い込んでいく様子が書かれている。
 その間、14年である。
 7才だった秀頼は、21才に。
 57才だった家康は、71才に。
 それぞれ、その14年間をどのような気持ちで過ごしたのだろうか。
 後世においては、老練な狸親父として描かれることも多い家康だが、その人生はむしろ、ままならぬ時勢に押し流されているように思う。
 桶狭間で今川義元が敗死する前と、その後で独立した時。
 本能寺で織田信長が殺されて秀吉が権力を簒奪する前と、その後で臣従した時。
 その秀吉が北条をも征伐して日本を統一して死ぬ前と、死後に関ヶ原で勝利した時。
 家康の中にあった思いはなんだろうか。
 後の時代に生きる我々は、家康の作った江戸の幕府と、徳川の平和(パックストクガワ)が270年の長きにわたったことを知っている。
 しかし、家康の立場になってみればどうだろう?

 とても安心できたものではない――

 家康としてみれば、そんな気持ちではなかったろうか。
 義元が死ぬまで、自分は今川家が滅びるなどと。自分も手を汚して滅ぼしてしまうなどと考えていただろうか?
 信長が死ぬまで、自分は織田政権があんなに脆いと。秀吉があんなにあっさりと主家を支配するようになると考えていただろうか?
 秀吉が死ぬまで、自分が彼の死後に征夷大将軍となって幕府を作り出すなどと。武家の頂点に立つことになると考えていただろうか?

 そして同じことは。
 自分が死んだ後にも、言えるのではないかと。
 今、日本中の大名は、徳川家に、否、家康に従っている。戦国の世を信長、秀吉の下で生き抜き、勝ち抜いてきた自分に逆らおうなどと考えているものはおるまい。
 だが、人というのは、状況が変われば、中身も変わるのだ。自分が死ねば。そして自分の死をきっかけに争乱が起きてしまえば。二代目、三代目に何か不幸な事件が連発したり、暗愚な政治がちょろっと続いたりすれば。徳川の覇権など、一発で吹っ飛ぶ。
 権力や武力の強さは、安定を意味しない。
 家康は、そのことが自らの体験で分かっていたのだと思う。

 秀頼の持つ豊臣家の看板と大阪という土地は、自分の死後の争乱の、火種になりえた。
 秀頼にその気があるかどうかは関係ない――わけではないが、重要ではない。
 誰も野心を抱かなくとも、たとえば飢饉のようなものが日本を襲ったらどうなるだろう。
 この時代、大阪は全国の米や物資が集まる物流の拠点だ。そこを、徳川家ではなく、豊臣家が抑えているというのは、平時であればともかく、飢饉などの緊急 事態では混乱と軋轢を呼びかねない。バランスが崩れ、やむにやまれぬ理由であっても兵が動くようなことになれば。流動性が生まれてしまえば。
 何がどんな風に転んだとしても、おかしくないのだ。

 しかし、家康の持つ危機感を。同時代のどれだけの人間が共有できたろう?
 少なくとも、7才から21才という物心ついてからの人生を、徳川の覇権の下で過ごしてきた豊臣の貴公子には、理解できなかったはずだ。
 家康は1615年に豊臣家を滅ぼし、翌年の1616年に死ぬ。
 彼の後を継いだ人々の不断の努力と――最近では、生類憐れみの令などで不人気な綱吉も、徳川の平和を維持し続けた功労者だという見方が広がっている―― 多くの幸運に支えられて江戸時代の平和は続く。同時に社会の停滞もひどくなるが、なんだかんだで明治維新を迎えるまで、日本の社会を安定させて次につなげ た功績は大きい。

 だが、それはあくまで後の時代を生きる人間の判断である。
 家康にしてみれば、大阪城を落としたのは「色々あって、他の手もあったんだろうけど、結局はそうするしかなくなった」ということではないかと、本書を読んで思ったのである。

アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーン Aチーム第2回『炎の巨神』今回予告、ハンドアウト、地図

2013年4月9日 アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーン No comments , , , , , , ,

アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーンAチーム第2回『炎の巨神』
■今回予告
 ミョルニル山の遺跡での戦いから、2ヶ月が経過しようとしていた。
 奈落回廊からはじき飛ばされて消えたミョルニルの雷石を探して、キミたちはミッドガルドの各地を旅してきた。
 そして、ついにキミたちはスズリ砂漠にある炎の巨神の神殿に、ミョルニルの雷石があるという情報を掴む。だが、そこはジャーヘッドの聖地でもあり、巨神を模した全高20mを超えるゴーレム(?)が守っているという。
 事件の背後でうごめく、銀十字軍の影。
 砂漠に出没する、奈落のクリーチャー。
 果たしてミョルニルの雷石は誰の手に。

 アルシャードセイヴァー
 『炎の巨神』
 そして今、君は神話を越える。

■シナリオ地図

■ハンドアウト:
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PC1:(候補:オルアエラ)
コネクション:アスラオー 関係:秘密
 キミは、夢の中で巨大なゴーレム(?)に出会う。ゴーレムの名前は、アスラオー。かつて世界を守るために戦い、そして敗北したメタリック・ガーディアンだ。守るべき世界を失い、ユグドラシルの中を放浪したアスラオーは、今、遺跡の中で遺跡で眠りについている。
 だが、キミの夢の中でアスラオーは、じわじわと奈落へと侵食されていく。アスラオーが完全に奈落へ侵食される前に、彼を目覚めさせなければならない。
【クエスト:アスラオーを目覚めさせる】(1点)
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PC2:(候補:イルス)
コネクション:オラン・オラン 関係:借り
 キミは、スズリ砂漠で砂嵐に遭い、遭難してしまう。
 砂漠で倒れていたキミを見つけ、救ってくれたのは、ジャーヘッドのオラン・オランだ。彼(彼女?)は炎の巨神を祭った聖地を守る一族なのだが、最近は神殿の周囲に奈落のクリーチャーが出没しているという。
 どうやら、事件の背景には、キミたちが探すミョルニルの雷石が関係しているようだ。
【クエスト:ジャーヘッドの村を救う】(1点)
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PC3:(候補:タクト・ライゼノン)
コネクション:ハックマン 関係:好敵手
 消えたミョルニルの雷石を探して旅を続けているキミは、スズリ砂漠でトレジャーハンターのハックマンに出会う。真帝国の企業ヨルムンガルドとも関係のあるハックマンは、ミョルニルの雷石が、スズリ砂漠のどこかにあるという情報を掴んでいるようだ。
 ハックマンより先にミョルニルの雷石を見つけ出さなければいけない。
【クエスト:ハックマンより先に、ミョルニルの雷石の在処を探り出す】(1点)
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PC4:エカル・ラトゥ
コネクション:みょるにる 関係:運命(ですてにー)
 キミは、前回の冒険で神の武具であるトール神のハンマーを制御するレリクス、みょるにると命を結ぶことになった。互いに離れられなくなった(常に同一シーンに登場)キミとみょるにるは共にミョルニルの雷石を探す冒険の旅に出る。
 だが、数千年ぶりに外に出たみょるにるは、あちこちでトラブルを起こしまくり。とうとう、キミとも大ケンカをしてしまう。
【クエスト:みょるにると仲直りする】(1点)
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PC5:(候補:新規参加PC)
コネクション:グンター・グーデリアン 関係:ビジネス
 キミは銀十字軍のグンター・グーデリアンから、ミョルニルの雷石という古代兵器についての情報を得る。グンターはミョルニルの雷石が奈落勢力や、帝国内の他の権力者の手に落ちることを警戒している。
 できれば帝国以外の者の手に雷石があれば良い、とグンターは考えているようだ。そして雷石を捜索しているクエスターのチームへ、グンターとのコネクションを持つキミに加わって欲しいと依頼してくる。
▼グンター
「キミや、クエスターたちと最後には敵対するにしても、話し合いのためのパイプは確保しておきたいんだよ。戦争はね、相手と合意なしに勝手に始められるけど、終わらせるには相手と合意する必要があるんだ」
【クエスト:雷石捜索チームに加わる】(1点)
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アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーン Bチーム第1回『積層都市が停止する日』今回予告、ハンドアウト、地図

2013年3月1日 アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーン No comments , , , , , , ,

■今回予告
 積層都市ティモテで建造された新型飛空戦艦が行方不明となる。
 飛空戦艦開発に関係していた銀十字軍は、調査のための特務部隊を送りだす。
 それがキミたち、帝国“非公認”クエスター部隊だ。
 ティモテに赴いたキミたちは、真帝国の内部に潜む恐るべき敵の存在に行き当たる。
 さらなる調査を進めようとしたその時、積層都市のシャード・リアクターが停止した。
 浮遊プレートで支えられた積層都市は、マナの供給が止まれば崩落してしまう。
 軋みをあげ、傾いてゆく積層都市。落ちた外壁の破片に潰されるスラム街。
 積層都市ティモテと、そこに暮らす人々の命は、キミたちに委ねられた。
 ティモテ崩落まで、残り57分。

 アルシャードセイヴァー
 『積層都市が停止する日』
 そして今、君は神話を越える。

■シナリオ地図

■ハンドアウト

PC1:(候補:シャルロッテ・ブリューゲル)
コネクション:ヴァレリウス司祭 関係:師匠
 キミは、行方不明となった新型飛空戦艦の調査のため積層都市ティモテへと向かった。
 ティモテ大学で研究を行うヴァレリウス司祭は、学問におけるキミの師匠だ。
 新型飛空戦艦の設計にも関わった、卓越したカバラ技術者でもあるヴァレリウス司祭であれば、この事件についても何か知っているだろう。
 この時のキミは――そんな風に、考えていたのだ。
【クエスト:ヴァレリウス司祭に会う】(1点)

PC2:(候補:ヤタ)
コネクション:カメロン大佐 関係:好敵手
 キミは、行方不明となった新型飛空戦艦の調査のため積層都市ティモテへと向かった。
 積層都市ティモテの軍港司令は旧友のカメロン大佐だ。
 事故で片目と片腕を失うまでは飛空船乗り一筋だった空の男だ。彼ならば、行方不明になった新型飛空戦艦について、何か教えてくれるだろう。
 この時のキミは――そんな風に、考えていたのだ。
【クエスト:カメロン大佐に会う】(1点)

PC3:(候補:スルーズヴィルド)
コネクション:修道士グラチウス 関係:いいひと
 キミは、行方不明となった新型飛空戦艦の調査のため積層都市ティモテへと向かった。
 前にこの積層都市を訪れた際、ちょっとした事件に巻き込まれたキミを助けてくれたのが、下層の工業ブロックで礼拝所を運営する修道士グラチウスだった。
 スラム街の住人などに顔の広い修道士グラチウスであれば、新型飛空戦艦が行方不明になったこの事件についても、何か手がかりを持っているかもしれない。
 この時のキミは――そんな風に、考えていたのだ。
【クエスト:修道士グラチウスに会う】(1点)

PC4:(候補:ヴェイハルトリ・マイセルブルグ)
コネクション:カナリス貿易の“C” 関係:ビジネス
 キミは、行方不明となった新型飛空戦艦の調査のため積層都市ティモテへと向かった。
 ティモテにも支社があるカナリス貿易は、帝国軍の情報部が隠れ蓑にしている会社だ。
 ティモテ支社いる情報部員の“C”から、キミは新型飛空戦艦に関わるであろう機密情報を受け取る手はずになっている。かなり重要な情報のようで、調査の鍵になるはずだ。
 この時のキミは――そんな風に、考えていたのだ。
【クエスト:“C”から情報を受け取る】(1点)

PC5:(候補:K)
コネクション:ロカンドラス枢機卿 関係:忘却
 キミは、行方不明となった新型飛空戦艦の調査のため積層都市ティモテへと向かった。
 キミは、ティモテを統治するロカンドラス枢機卿と何らかの関係がある……らしい。残念ながら、その記憶はキミから失われている。
 だが、その失われた記憶がキミに語りかける。ロカンドラス枢機卿を守らねばならない、と。真帝国を、そしてミッドガルドを覆う闇から世界を救済するためには、彼が必要なのだ。
 シャードもまた――キミにそう語りかけている。
【クエスト:ロカンドラス枢機卿を守る】(1点)

アルシャードセイヴァー・ミッドガルドキャンペーン Aチーム第1回『奪われた雷石』今回予告・ハンドアウト・地図

2013年2月8日 アルシャードセイヴァー『ミョルニルの雷石』キャンペーン No comments , , , , , , ,

■今回予告
 50年に1日。ミョルニル山の中腹にある風と雷の結界が開かれる。
 雷石の保管庫への結界だ。
 結界の奥には、神代のレリクス遺跡があり、その最深部には雷石の保管庫がある。
 雷石は雷精シルフの力が封じられた石であり、ドヴェルグの飛空艇の動力源だ。
 富とロマンを求め、何人もの冒険者がミョルニル山に集結する。
 その中に、キミたちの姿もあった。

 アルシャードセイヴァー
 『奪われた雷石』
 そして今、君は神話を越える。

■ハンドアウト

PC1:
コネクション:みょるにる 関係:幼子
 結界の入り口で出会った少女は、自らを「みょるにる」と名乗った。古代神トールの武具である、ミョルニル・ハンマーの制御霊だという。
 彼女が言うには、こたびの結界解除の裏には、恐るべき陰謀が隠されているというのだ。

PC2:
コネクション:『ムントの大鷹』ダンディ 関係:師匠
 雷石の保管庫は早い者勝ちで、最初に到着したチームほど、良い雷石が手に入る。誰が一番に到着するかは賭けの対象となっているほどだ。
 下馬評がもっとも高いのは、キミにとっては師匠でもある凄腕のハンター、ダンディだ。
 いずれその背中に追いつく。キミはそう決意するのであった。

PC3:
コネクション:『JG特務班』ドン・ケバブ 関係:殺意
 ドン・ケバブはヨルムンガルド社のエージェントだ。汚い手を使うことで知られており、今回の雷石保管庫を目指すチームも、いくつかが“事故”にあって参加を断念している。
 こんな男には負けられない。

PC4:
コネクション:『黒い飛空戦艦』 関係:恐怖
 雷石の保管庫を求めて結界の外に集まった飛空艇の中に、黒い飛空戦艦の姿があった。その禍々しい姿を見た時、キミの心の中に強い恐怖と嫌悪が湧き上がった。
 ヤツらが何者かは分からない。だが、注意しておかねばならない。

PC5:
コネクション:精霊の声を聞く者 関係:同志
 雷石保管庫に向かおうとするキミに接触してきたのは“精霊の声を聞く者”だった。雷石保管庫にいる精霊たちが、騒いでいるという。奈落の魔手が迫っているのだという。キミは雷石保管庫へ向かう他のチームに注意を払うことにした。

■雷石の保管庫の地図(添付参照)
 50年おき結界が解けるため、これまで何回も雷石の保管庫は探索が行われている。
 巨大な遺跡であり、時間制限(結界が解けるのは1日だけ)もあるので、詳細は不明だが、概要ならば分かっている。
 右側のルートにはお宝のある部屋があり、雷石の保管庫にたどりつけずとも金目のものが手に入る。ただし、遠回りになる。
 左側のルートには宝はなく、雷石の保管庫へ一直線だ。その分、競争は激しい。チーム間の妨害や戦闘も発生する。

「宇宙基本計画(案)」のパブリックコメント

2013年1月16日 未分類 No comments , , , , , ,

 昨年度、私も投稿いたしました内閣府がネットで集めた、「宇宙基本計画(案)」への回答が出ましたので、自分なりの記録として、パブリックコメントの内容をブログに投稿しておきます。

====ここから

第3章宇宙開発利用に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策 について
3-1.A測位衛星
 GPSに代表される衛星測位は価値の大きい宇宙利用ですが、現時点で日本が積極的に参加してプレゼンスの向上を獲得すべき分野かどうかについては、疑問を感じます。
 もちろん、この分野は、「予算をかけた分の実績が見込める」とは思います。ですが、優先順位としては、他の「予算をかけても実績が得られるかどうか分からない」分野の方が上であろうと思います。なぜなら、そちらは国がお金を出さねば、どこも出さぬであろうからです。

3-2.E宇宙科学・宇宙探査プログラム
 こちらは、3-1と違い「予算をかけても実績が得られるかどうか分からない」分野です。
 また、宇宙科学は、どのような探査を行うべきかについて、科学者の間でも意見が分かれ、プロジェクトとしての取りまとめが困難な分野であろうと思います。
 それゆえに、政策としてこの先10年をどうするか、というのが打ち出しにくく、計画案でも、かなり曖昧な言い回しになっていると思いました。
 これから先も、この分野ではご苦労なさるとは思いますが、ぜひ、こちらの宇宙科学・宇宙探査を重点的に進めていただきたく思います。

===ここまで

 国民から集めたパブリックコメントなどを元にした、内閣府の、宇宙政策委員会第10回会合の議事次第は以下のページにあります。

宇宙政策委員会 第10回会合 議事次第