アニメ・プリティーリズム・レインボーライブが好きすぎるので書きました。
むかしむかし、あるところになかなかプリズムライブができない女の子がいました。
仮に蓮城寺べると呼びましょう。
「名指しじゃないの!」
初っぱなからナレーションにツッコミを入れるべるでしたが、歩道橋の上で泣き崩れるぐらい悩んでいました。
その落ち込みようときたら凄まじく、何日も過剰なトレーニングをした上に結局本番でライブできず、舞台上で何度も「プリズムラーイブ!」と叫んでは何も起きないのを繰り返したほどです。
「いいからさっさと話を始めてくれないかしら!?」
そうでした。悩んだべるは、近所の有名なお坊さんに相談に行きました。
「彩瀬なるに勝つためにはどうすればいいの……」
真剣に悩むべるに、お坊さんは答えます。
「ジンギスカン……」
「配役ミスじゃないの!?」
りんね和尚はべるの言うことに耳を貸しません。
「話が続かないじゃないの!」
妙なところで真面目なべるは、話を進めたいようです。
仕方ないので、りんね和尚にはお坊さんらしい格好をしてもらいましょう。
「して、なんの用じゃな?」
衣装によって性格が変わるりんね和尚は、口調も変わってすっかりお坊さんらしくなりました。
軽くネタバレしてしまいましたが知ったこっちゃありません。
「どうすればプリズムライブを身につけて彩瀬なるに勝つことができるの?」
「それは……」
べるの真剣な問いかけに、りんね和尚は意味ありげに間を取りました。
「それは?」
「……」
「…………」
「…………」
「まさか、考えてないんじゃないでしょうね?」
「プリズムの輝きが失われようとしているの……」
「その話はまだ早いわよ!」
ツッコミに忙しいべるですが、これ以上ボケ倒しているわけにはいきません。
りんね和尚には真面目に戻ってもらいましょう。
「プリズムライブにこだわることはない。究極のジャンプを身につけるのじゃ」
「究極のジャンプですって!?」
なんだかスポ根っぽい展開になってきましたよ。
「そう。わしが授けてあげよう。よく聞いて、しっかり覚えるのじゃぞ」
りんね和尚が真面目な顔でいうものですから、根が真面目なべるはそのジャンプを覚えたのでした。
そして、ついにショーの日がやってきました。
「get music!」の激しい曲に合わせてのショーを披露するべるですが、やはり観客は普通のショーでは満足してくれません。
「プリズムライブを超える究極のジャンプ……これで、私が頂点に立つわ!」
意気込んだべるは、ついにそのジャンプを披露します!
「フレッシュフルーツ・ハートフル・ハッピーマカロン・ゴールデンスター・ギャラクティカ・ドレミファ・どっかーん・バナナ・ジュエルスピン・100%ピュアピュア・シャイニング・ラブ・はちみつ・星空の革命の私のメルヘン目覚めの情熱の愛のシンフォニー・ラムール・オブ・ジャングル・愛・N・G!」
そのジャンプはすさまじいほどすさまじく、そのすさまじさといったらすさまじすぎて言葉には表せないほどでした。
そしてその採点結果は……
「0カラッツ!」
ジャンプの名前が長すぎて言い終わる前に曲が終わってしまったのでした。
どっとはらい。