2012年10月14日から20日までのまとめ。
この週に読んだ本、観た映画などの感想を書いています。
今週読んだ本
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%9C%E3%83%8D%E3%81%AE%E7%9A%87%E5%AD%90%E2%80%95%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%881%E3%80%89-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABSF-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB-%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AF/dp/4150115516/
ファンタジーが読みたい! と思ったので、長年どんなモノか気になっていたエルリック・サーガに手を出したのでした。
未読のため、きっとかわいそうな皇子エルリックの身に次々に災難がふりかかってきて、
かわいそうな目に遭って「私はなんて不幸なんだウオー」
……という感じの作品だと思っていました。
ところが実際に第一巻を読んでみると、
……ぎゃあ! 思ってる以上に不幸だ!
考えていたモノの中で一番の勘違いは、「勝手に災難が降りかかって来る」というところ。
実際にはメルニボネのエルリックはそのややこしい性格のせいで、
自分から飛び出し、災難の中に飛びこんでいく男でした。
でもそれがまた、もっと大きな災難を引きつけるわけで、
一番の不幸はこのややこしいくせに理想主義な性格なんじゃないかな……。
で、やっぱり「私はなんて不幸なんだウオー」も言ってくれてました(表現は少し違うけど)。
くよくよしたりはかなんだり、すぐにアリオッホに頼ろうとしたりするあたりも、
英雄なのに生々しい弱さを感じられて素敵(かわいそう)!
これは古本屋で買ったのですが、2巻は新品で買おうと思ったのでした。
http://www.amazon.co.jp/%E5%93%B2%E5%AD%A6%E7%9A%84%E3%81%AA%E4%BD%95%E3%81%8B%E3%80%81%E3%81%82%E3%81%A8%E6%95%B0%E5%AD%A6%E3%81%A8%E3%81%8B-%E9%A3%B2%E8%8C%B6/dp/4576081764/
「哲学的な何か、あと科学とか」の管理人、飲茶さんの本。
数学史上に燦然と輝く超何問、フェルマーの最終定理が証明されるまでの 360年(!)を物語として読める内容です。
自分は社会科学を専攻したので数学は門外漢なのですが、細かい数式などは書かれていません。
具体的にどういう部分が問題になったのか、などはあまりに専門的すぎるので省かれたのでしょうね。
あくまで、問題に挑戦している人たちの人生にスポットを当てています。
おかげでお話だけに集中できるので、名前を聞いたことがある人もない人もひっくるめて、
数学者たちの物語として読むことができました。
……ところで。
Amazonの書評を見ると、どうも、↓の本とよく似通った内容のようですね。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%9C%80%E7%B5%82%E5%AE%9A%E7%90%86-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%83%B3-%E3%82%B7%E3%83%B3/dp/4102159711/
もちろん、語り方などは違っているのでしょうから、オリジナリティはちゃんとあるのでしょう。
読み比べてみたいですが、この「フェルマーの最終定理」の方を先に読んでいたらどんな感想だったのかな、というのはちょっと感じますね。
あ、途中から定理が悪魔になってしゃべり出したりするのが素敵です。
やっぱり物語を作る上で擬人化は大きな武器だなあと感じたり。
でも、途中で架空の挑戦者の人生を長々描いたのはちょっとびっくりしました。
あんなに書かれたら誰か大事な人の話をしてるんだと思うよー!
今週観た映画
http://www.amazon.co.jp/26%E4%B8%96%E7%B4%80%E9%9D%92%E5%B9%B4-DVD-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B8/dp/B002HQOH36/
ごく平均的なアメリカの青年が冷凍睡眠の被験者にされ、そのまま26世紀まで忘れ去られてしまった……
というところまではよくありそうな話なのですが、この映画のすごいところはその26世紀の風景。
インテリが子供を作るのを控える一方、(ピー)するのをためらわない低IQの人たちが子供をガンガン作って行った結果、
未来では平均的な知能指数がぐーんと下がり、足し算ができる人がエリート、というようなレベルにまでなってしまった。
酷い映画だったけど考えさせられた……
と言いたいんだけどやっぱり酷い映画だった。
がつんとはまったのが裁判のシーン。
裁判長もバカ、検察官もバカ、弁護人もバカ、聴衆もバカ。
まったく弁護人が頼りにならないので主人公のジョーくんが自己弁護に走るけど、
オカマみたいにべらべら喋ってんじゃねえよ、ピース! で投獄。ひどい。
しかし獄中での知能テストで、世界一の頭脳を持っていることが明らかになり、
大統領から世界中のあらゆる問題を解決しろと言う無茶ぶり中の無茶ぶり。
そしてバカだらけの世界でジョーの孤独な戦いが始まるというかなんというか。
ラストシーンには感動したい。(希望)