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ROGM回顧録18 難攻不落の要塞

 2月半ば、教国は中央ラスダンの支配権をほぼ確立しつつあった。しかし、北側にはまだ共和国の強力な同盟が居座っており、彼らの手で「要塞」と名付けられた難攻不落のキャンプがその拠点となっていた。

「要塞」に対する攻撃も一度は行われたが、攻撃隊壊滅という結果に終わっていた。尋常でない数の兵士が防衛隊として詰め込まれているものと考えられた。
 しかし、だからといって手をこまねいている僕らではない。

 キャンプを攻撃できるのは一度に5キャラクターで、投入できる兵士数は最大でキャラクターあたり2,000名。つまり重装騎兵1万がこのゲームにおける「最強」の攻撃である。総攻撃力は装備にもよるが600k(60万)前後というのがほぼ上限となる。これに対し、防衛側は詰め込めるキャラクターや兵士の数に上限がなく、総防御力が1M(100万)を超えることもあった。
 一期の仕様では、お互いのスキルを封じる「阻止スキル」が強力で、対人層トップの攻防ともなると「お互いにスキルは一切出ない」のが常識であった。結果として戦闘には乱数要素がないも同然で、防御が600kを超えるキャンプには「一度の攻撃では基本的に勝てない」ことになる。

 もちろん兵士はそれなりに減るので、連続攻撃すれば落とせるチャンスはある。しかし相手の防御が1Mだと損害は20%以下、2Mクラスだと10%以下にまで減ってしまう。
 ことによっては、ACCAのすべての攻撃隊を叩きつけたとしても落とせない可能性があり、僕らは連日作戦会議をして慎重に作戦を練った。

 そこで考え出されたのが、「キャラクターのHPを削る」作戦である。

 キャラクターのHPが0になると、そのキャラクターは戦闘不能となり、HPが全快するまで行動できなくなる。重要なのは、この時そのキャラクターの配下にある兵士も戦闘に参加できなくなる、ということである。
 防衛側のキャラクターのHPに対するダメージは、兵士の損害と異なり、「(総攻撃力×損害比率)÷防衛側のDEF能力値合計」となる。かいつまんで言うと、こちらの攻撃力が上がれば上がるほど、防衛側のキャラクターが被るダメージが大きくなる。
 キャラクターのDEF能力値が高いとこのダメージを軽減できるのだが、対人層の常識としては「攻撃の役に立たないDEFは捨て能力値」であり、上げていない人がほとんどだった。

 様々な試算の末、僕らは「要塞の総防御力が1.8M未満なら連続攻撃で落とせる」と踏んだ。2Mを超えると厳しい。

 次の問題は、どうやってその値を知るか、である。

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