「アマテラス」が建った時、王国のプレーヤーは驚いただろうか。悔しがっただろうか。それとも、冷静に攻撃部隊を用意しただろうか。
12時間の保護期間が終わった後、王国と共和国の二カ国協同による連続攻撃が始まった。正確な人数は分からないが、10人かそれ以上の攻撃隊を動員した、かつてない規模の攻撃だった(*1)。
この頃、対人トッププレーヤーの総力では数十mという火力がたたき出されていた。これでは、いかに僕らがDEF特化キャラクターを作ったとしても、VITを鍛えていない大半の援軍は守れない。援軍が脱落してしまうと、僕らだけで防衛するのは難しい、ということは、既にいくつかのキャンプの防衛戦から明らかだった。
では、どうするか。
まず、敵の攻撃力を下げることができる「敵総攻撃力マイナス」スキルを集められるだけ集める。このスキルは主に防衛向けクラスのキャラクターが持っているが、高価な3次職でなくてもマイナス5%くらいのスキルならひとつふたつは持っている。敵の攻撃力は「総攻撃力プラス」のスキルと「属性攻撃力プラス」のスキルの乗算によって高められているので、総攻撃力を集中的に下げればかなりの効果が見込めた。
攻撃力が下がれば、防衛キャラクターが受けるダメージも減らすことができる。
問題は、今期の仕様では実際の発動率がどうなるか分からない、ということである。100%を期待することはできない。だから、防衛側のDEFとVITも可能な限り鍛えなければならない。
例えば、総攻撃力マイナスのスキルの効果で、敵の総攻撃力が10mまで下がったとしよう。
味方のHPを守るのに必要なDEFが4,000だとすれば……。
「よし、それなら実DEF540のキャラクターを7人作ろう」
たとえそれがどんなに困難な道だとしても、勝利するために必要だというのであれば実行あるのみ。
ただちに市場にある全てのDEFおよびVIT上昇カードが買い占められた。このカードは装備に装着することで、キャラクターの能力値を上昇させたり、攻撃力や防御力を上げるなど様々な効果がある。武器に属性を付与するのもカードの効果だ。
それはともかく、当然の帰結として、DEFとVITを同時に上げるカードの市場価格は暴騰した。
「なんかバドン(DEF&VIT上昇)カード酷い値上がりしてるんだけど、何かあったの?」
「あ、それだいたい僕らのせい」
……という会話が何度かあり、結局ゲーム終了まで元の水準に戻ることはなかった。
王国の総攻撃は、こちらがBH化(*2)していることもあってなかなか戦闘結果が表示されなかったが、最終的に得た7つのレポートすべてで相手の攻撃力に「0」が刻まれた。こちらの総防御力は実に200mに達した。僕らの予想を遙かに上回る完全勝利だった。
これまで虐げられてきた教国プレーヤーの執念が、アマテラスを不破の城塞に変えていた。
教国の命運は、アマテラスに託された。
*1 強行偵察含む。BH化のため実際に何連続攻撃だったかは不明である。僕の記憶違いということもあるだろう。(追記:という訳で早速記憶違い修正しました)
*2 ACCAでは前期から引き続いて「故意のBH化は狙わない」という方針を貫いていた。せっかくBH化以外の方法で防衛できるドクトリンを組み立てたのに、BH化で発揮されないのはこちらも悲しい。
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