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ROGM回顧録09 群狼作戦

 群狼作戦は第二次世界大戦でドイツの潜水艦(Uボート)が使用した戦術で(*1)、後にアメリカ海軍でもパクっ取り入れられたため「ウルフ・パック・タクティクス(Wolf Pack Tactics)」とも呼ばれる。

 これは複数の潜水艦が協同して輸送船を沈めるための戦術で、ひとつの(大きな)目標に対して小さな潜水艦が連携し、順に襲いかかる様を狼の狩りに例えたものである。

 教国は異世界支配率で三ヶ国中最下位にある。異世界のセルを積極的に「塗る」のはほぼ対人層に限られるため、異世界支配率が対人層の人数の比を表すと考えられる。その線でいくと対人層の陣容は王国がダントツで、共和国と教国は互角か、やや教国不利とみられていた。
 この状況を覆すために、僕らは「敵のキャンプを陥落せしめる」ドクトリン(戦闘教義)を構築する必要があった。無残な屍をさらした共和国の二の舞を演じてはならない。

 そこで考え出されたのが群狼作戦である。どこのキャンプとも隣接していない敵キャンプに狙いを定め、その周囲のセルをまず塗って孤立させる。完全に孤立したキャンプには援軍を送れなくなるからだ。次に露払いの騎兵を主力とする戦闘部隊と、キャンプの破壊を主目的とした魔導士部隊をそれぞれ複数用意する。最初に戦闘部隊が突入して敵守備隊を蹂躙した後、魔導士部隊を突入させる。

 一度の突撃でキャンプを落とせなかった場合は、控えの戦闘部隊と魔導士部隊が突入する。それでも落ちなければ、魔導士部隊が再出撃するまで戦闘部隊がくり返し攻撃して敵の援軍を排除する。

 明けて2012年。僕のラスダン隣接キャンプは無事だったものの、さらに隣接セルに建てられた教国のキャンプは共和国軍の攻撃で陥落、ラスダンの南側には共和国のキャンプが建ち、中央ラスダン付近の攻防では教国と共和国が拮抗した状態にあった。

「このままではまずい。今夜、共和国のラスダン隣接キャンプを落とす」

 ACCAのチャットでそのような宣告がなされたのは、1月2日のことだった。
 僕らは何よりも勝利を欲していた。勝利に飢えた狼の群れは、深夜、共和国のキャンプに襲いかかった。
 それは後々まで「群狼作戦の手本」となる、完璧な奇襲であった。餌食となったキャンプは完膚なきまでに蹂躙され、サーバーから消え去った。

 だがしかし、この日の戦闘はそれで終わらなかった。

*1 カール・デーニッツ少将考案。

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