俺に明日は来ない Type1 第9章

俺に明日は来ない Type1 第9章

「着いたっす」  揺すり起こされると、バスはエンジンを止められて子どもたちも殆どが降りていた。  立ち上がって伸びをする。大木くんと赤羽くんは着替えなどの荷物を降ろすのを手伝っている。俺を待たず先に降りれば良いのに、取り残されるのを心配してくれたのか青山くんだけがじっとそばに立っていた。 「起こしてくれてありがとう、行こうか」 「うす」  着いたのは、俺たちの実家から山を一つ越えたところの温泉地だった。近すぎて、日帰り入浴には何度か来たことがあるが、改めて泊まったことはない。 「ここは玄関の自動ドアがタイマー式のオートロックだから、昼間ならいつ来ても建物を壊さずに入れるんだ」  いつものようにガラスを割って侵入するのかとばかり思っていた。 「青山くん達はまだ、3人で一部屋を割り当てたら危ないかしら」 「樋口に懐いているみたいだし、心配ねえだろ。むしろ、あいつらを分けて元々いた誰かと一緒にする方が嫌がりそう」  細川さんと水上が彼ら3人がまだ建物の外に居るのをチラチラと見やりながら、フロントデスクの裏に入って客室の鍵を並べて部屋割りを相談している。 「じゃあ私と花沢さんは子どもたちと一緒の大部屋で、鈴木さんと木下くん、あなたと樋口くん、青山くんと大木くんと赤羽くん、それぞれ1部屋ずつでいいかしら」 「おっけ、それでいこう。今日の夕飯当番は鈴木さんと木下くんだし丁度良いんじゃね」 「ならそれぞれ荷物を運び込みましょう」  鍵を持ってわいわい言いながら廊下で各部屋に分かれる。 「まずは温泉だよな」 「服は乾いたけど、一度濡れたらなんとなく寒いし」  部屋に荷物を置いたと思ったら、水上はタオルと着替えだけ抱えてすぐに出て行こうとする。 「この旅館は内風呂と外風呂が別なんだ。早い者勝ちだからさっさと行こうぜ」 「どっちへ行くか教えておいてくれないと合流できねえだろ」  扉の外へ向かって大声を出す羽目になった。せっかちなんだから。 「着いてくりゃいいだろ、早く来い」 「……はいはい」  落ち着いて荷物を整理する余裕が欲しかった。  温泉に入って、飯を食って、だらしなく畳の床に寝っ転がる。  ああなんていい休日なんだろう!  ……休日じゃないんだよなあ。学校はないし、毎日が休日みたいなものだ。腹をパンパンに膨らませて動く気力を失った俺の横で、床にお店を広げた水上はあぐらをかいて黙々と拳銃の整備をしている。 「食い過ぎたんなら、右を下にして横を向いた方が消化が早くなるらしいぜ」  片目をつぶってブラシとぼろ布で磨いている金属の部品をにらみつけながら、テレビ番組で紹介される裏技みたいなアドバイスをくれた。  体勢を変えるのさえだるい。 「仰向けが一番楽なんだよ」  スローテンポの会話はキャッチボールと呼べるのだろうか。  体は真上を向けたまま、首だけ回してテキパキと器用に動く手元を眺めている。 「好きにすれば」  大きい部品だけでなく、細かいネジやバネの類いまで一つ一つためつすがめつしていた。小さい頃からこいつは器用にいろいろな物を直したり壊したりしていたのが懐かしい。俺は不器用で、電車のおもちゃさえ電池交換のたびにプラスチックを割ってしまいやしないかとドキドキしていた。 「そういえば、拳銃の整備なんてどこで覚えたの」  そもそも、どこから拳銃なんて調達したのだろう。少なくともあっちの世界では実銃を見た事なんて無い。 「自衛隊の倉庫から取扱要項ごと拝借してきた」 「……そういえばこの街にも駐屯地があったんだっけ」 「この県で唯一の駐屯地だろ」  そうなんだ。知らなかった。 「この間テレビでやってたんだけどさ、駐屯地と基地の違いって知ってる?」 「陸自が駐屯地で、海自と空自が基地」 「はいこの話題おしまい」  一瞬で即答されてしまった。 「細かいところが見えねえ。ここのこれって傷になってる?」  俺にはどこに取り付ける何のための部品か分からないが、細い棒状の金属を渡される。 「接着剤かその類いのがへばりついて固まってるだけだと思う」 「じゃあ剥がせるな」  シール剥がしとかも好きだったよなあ。中学の時の昼飯に持ってきていた俺の菓子パンから、必ずお皿がもらえるパンのシールを綺麗に剥がして、母ちゃんにやるんだって集めてた。俺が自分で剥がすと、袋に糊が残ったままになって後で台紙に貼りづらいと言われたような覚えがある。 「お前が不器用すぎるんだよ。細かい作業をしないなら俺の遠視と交換してくれ」  まだ10代の同い年がおっさんみたいに、手に持った部品を手前に持ってきたり奥へ離したりしている。 「その歳で、もう老眼かよ」 「うるせえ」  しばらく部品をゴシゴシとこすっていたが、低くうなると諦めた様子でブラシを放りだした。 [...]

By |2022-02-24T12:25:33+09:002月 24th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない Type1 第9章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない Type1 第8章

 夕飯に呼ばれたが、赤と黄色の髪をした2人は応じなかった。俺だけが食堂へ向かう。  今夜はハンバーグだった。 「何か寒気がする」 「ずぶ濡れでトラックの荷台にいたもんな、風邪でも引いたんだろ」 「風邪薬ってある?」 「食い終わったら持ってきてやるよ」 「わりいじゃん」  少し時間が経ったからだろうか。水上の様子は普段通りに戻っていて、調子を合わせて何事も無かったかのように振る舞うのは俺には少しきつかった。  実際に体調も優れなかったが、その振りをして口数少なく食事を済ませる。 「みんな~、今日はカルピスの日よ」  小さい子達も食べ終わった頃を見計らって、細川さん達が子どもたちにコップを持たせ、1人1人にカルピスを注ぎ回っていた。 「お前ももらえば?」  傍目には物欲しそうにしていたのだろうか。風邪薬の入った瓶を片手に戻ってきた水上が声を掛けて、俺の分ももらってきてくれた。 「お前は要らないの?」 「要らねえ。ガキじゃあるめえし」 「どうせ、俺は子供だよ」  いじけてみせると声を上げて笑われた。  苦い薬を甘いカルピスで飲み下す。  空になったコップと食器を洗い場に持って行き、他の人の分と一緒にまとめて洗ってしまう。手を拭いて外廊下に出てから思い出す。 「水上、煙草一本くれ」 「やだ」 「なんでだよ、ケチ」 「貴重な煙草を灯油まみれにしたのはどこのどいつだよ」  その通り。頭に血が上った勢いで、作業服のポケットに入れていた煙草もダメにしてしまったのだ。 「ごめん」 「仕方ねえなあ」  自分の分を咥えてから箱ごとこちらに向けてくれる。 「ごっそさんです」  火も貸してもらった。いくつか離れた教室から、子どもたちの高い声と、布団を敷いている細川さんや木下くんの声が漏れてくる。  それ以外は静かな、星の綺麗な夜だった。  あくびが出る。 「眠そうだな」 「何かね。今日も色々あったし」  ゆっくり紫煙を吹き流す。 「体調もよくねえんだろ。今日はさっさと寝ちまえ」 「……そうしようかな」  腹が一杯になって、一服して落ち着いたからか、急に眠気を覚えた。  まだ少し残っていたが火をもみ消して、大人組の寝室になっている教室に向かう。自分の布団に潜り込むと、すぐに寝落ちた。  ぐっすり寝たはずなのにまだ寒気がする。  朝飯を食いながらそう話すと、子どもたちにうつしたらいけないと保健室へ連行された。  昨日のことを思いだしたが、青髪が殺されて汚れた布団は綺麗に片付けられていた。 「今日は一日、ゆっくり寝ていなさい」  体温を測りながら細川さんに命じられる。 「38度。完全に熱を出したわね」 「ごめんなさい」 「まったく、いい年して世話が焼けるわね。おやすみなさい」  怒って見せながら細川さんが出て行った。  お言葉に甘えて寝させてもらうことにした。  寝たり起きたり、うつらうつらしていたら、いつの間にかもう日が暮れていた。  ガラガラと戸の開く音に目を開ける。 「起きてたんすか」  盆の上に茶碗といくつかの皿を載せた黄色と、後ろからおひつを抱えた青がやってきた。 「今さっき目が覚めたところ」  夕飯を持ってきてくれたらしい。体を起こして布団に掛けられていたフリースの上着を羽織った。 「水上さんが、持っていけって」 [...]

By |2022-02-21T11:48:20+09:002月 21st, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない Type1 第8章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない Type1 第7章

 ケータイに仕込んだ目覚ましのアラームが鳴った。  手を伸ばして止めようと思ったのだが、なんとなく全身がだるい。特に身体に異常は無さそうだったが、大怪我をした後のような倦怠感が残っている。  それほど夜更かししたわけではないし、疲れが残っているとは思えないのだが、気味の悪さを感じた。そういえば、変な夢を見た気がする。  気合いを入れて起き上がる。いつもよりテキパキと朝の準備を心がけて家を出る。  1時限目が始まる頃には違和感を忘れていた。  今日の授業中に補充したシャープペンの芯が最後の1本だったが、町へ出て会に行こうか考えたときに、ふと昨晩の夢のことを思いだした。  電車を待っているときに、誰かに線路へ突き飛ばされて自分が死ぬ夢だった気がする。  朝起きたときに謎の体調不良を感じたこともセットで頭をよぎり、帰る準備をして自分の机から腰を上げるまでにしばし逡巡した。  ……やっぱり、出かけるのは止めておこうかな。 「帰ろうぜ」  同じく帰宅部の高橋に声を掛けられる。 「一緒に帰ろうと思っても、お前は自転車だろ」 「駐輪場までで良いからさ」 「学校の敷地内じゃないか」  とはいえ、その短い遠回りを断る理由も無かったので、徒歩通学の俺には関係ない駐輪場までは付き合うことにした。  家に着く頃には忘れてしまうような何でも無い雑談を交わしながら階段を降りる。  下足室で上履きを仕舞おうとして、見慣れない白い封筒が運動靴の上に置かれているのを見つけた。下駄箱の扉を見返してみるが、間違いなく自分の場所だった。封筒の下にある運動靴だって、今朝の登校時に履いていた俺の物だった。 「おっ、モテモテ樋口くんは下駄箱にラブレターっすか!」  俺の下駄箱の中をのぞき込んで高橋が茶化す。  駐輪場までつきあうなんて、一緒に帰ろうという誘いを断れば良かった。 「みたいだなー」 「興味なさそうだな。お前、彼女いたっけ」 「いないけど」 「なんで嬉しそうにしないんだよ。短い高校生活を彩る恋の始まりかもしれねえじゃん」  彼女なんていないけど、欲しいと思ったこともないんだよなあ。 「あげる」 「俺がもらってどうするの。……開けてみていい?」 「好きにすれば」  宛名も差出人の名前もない白い封筒は、小さいピンク色のシールで封がされているだけだった。  ぺりっと高橋が開けて中の便箋を取り出すのを横目に見ながら運動靴を床に落として上履きを仕舞う。 「どれどれ」  便せんを広げた高橋が、ピューと口笛を吹いた。 「放課後、体育館裏にお呼び出しだってよ!」  今日の下校時間ぎりぎりに、体育館の裏手にある木の下で待っています。必ず来てください。 「テンプレかよ」 「……あ」 「何?」  変な興奮をしながら便せんを呼んでいた彼は、急に顔色を暗くした。 「これ、見なかったことにした方が良いかも」  さっきまで楽しそうにしてくせに、神妙に言った。 「お前としては、高校生活の彩りなんじゃねえの?」 「こいつのじゃ無かったらな」  便箋の末尾に書かれた差出人らしい署名を俺に示し見せる。 「三雲さやか?」 「クラスメイトだよ、お前の二つ後ろの左側に座ってる奴だけど、わからねえ?」  お下げにした暗い雰囲気の女子か。 「名前と顔が一致してなかった」 「もうクラス替えしてから1ヶ月以上経つんだけど。……同じ中学だったんだけどさ、こいつはちょっと……お勧めしない」 「なんで?」 「色々あってさ……俺とって事じゃないけど。いつも長袖の制服着てるだろ」  まだ5月だしな。 「季節の問題じゃねえよ。体操着とかも」 「寒がりなんだろ」 「そうじゃなくて。……体育の着替えって女子は更衣室へ行って着替えるだろ。その時に俺と仲の良い女子に聞いたんだけどさ、どうやら常に手首に包帯を巻いてるのを、隠してるらしいんだと」 「……」 [...]

By |2022-02-20T18:30:33+09:002月 20th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない Type1 第7章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない Type1 第6章

 だからその日も、俺の1日はたった数秒で終わるのだと思っていたのだ。  暗くても分かる何か白い大きなものが、ある日は復活したとき真下に見えた。  落ちるのまでは一緒だったが、落ちきってぶつかったのがいつもと同じ固い地面ではない。 「よし、ゆっくり降ろせ」  聞き覚えのある懐かしい声がする。 「おい、まだ生きてるよな」  今にも死にそうだけど。  そう言いたかったのに、腫れた顔ではうめき声にしかならなかった。 「急いで帰るぞ」  深夜なのに高校は明かりが点けられていて、年上組の総出で服を脱がされ、温かい濡れ布巾で全身がくまなく拭われる。  ほとんど全身が湿布と包帯で覆われて、わざわざ布団乾燥機で温めてあったのだろう、暖かい布団に寝かされた。 「朝になって死んでたら許さないからな」  殆ど気絶したように寝付いたはずなのに、目が覚めたときにはまだ外が暗かった。  トイレに行きたい。  全身が痛くてだるい。呻きながら身を起こすと、足が重たいと感じたのは怪我のせいだけでは無かった。 「……水上。ごめんちょっとどいて、トイレに行きたい」  腰の痛くなりそうな姿勢で、俺の足の上で腕を組んだ水上が寝ていた。  手を伸ばすと肩と脇腹が痛むのだが、彼の体重をどけないと足を引き抜けなさそうだった。  しばらく揺すっているとピクンと震え、勢いよく水上が体を起こした。彼の体からバキバキと音が鳴るのが俺にも聞こえる。 「……腰が痛てえ」 「そりゃそうだよ、そんな姿勢で寝てるんだから」 「起き上がってて大丈夫なのか」 「……おしっこもらしそう」  俺は一体いくつになったんだ。  恥ずかしいが言葉にしないと動くのを許してもらえなさそうな表情が、暗がりの中でも分かった。 「車椅子を用意してやるから、もうちょっと辛抱してろ」  車椅子だなんて大げさな。だけど有り難かった。 「悪いじゃん」  俺が寝かされているのは保健室だったらしい。すぐに片隅から車椅子が出てきた。 「中学の時に保健の授業で習ったときには、こんな知識をすぐに使うとは思ってもみなかったぜ」  言われて思い出す。 「そういやあのときは、俺がお前を押してやったよな」 「今回は逆の立場になっちゃったわけだ」  二人で密かに笑い合う。  笑ったら腹が痛い。笑いすぎというわけでは無く、怪我のせいだ。  意味があったのか分からないが、彼が悶絶する俺の背中を慌てたようにさすると、すっと痛みが和らいだような気がする。 「トイレだっけ。これじゃ老老介護ならぬ、若若介護だな」  だから笑わすなって。 「出すところまで見て……いや、介助してやるからな」  笑うたびに全身に痛みが走るんだ、お願いだから止めてくれ。  絶え絶えになった声でそう言ったのに、心配させた罰だと言って彼は取り合ってくれない。 「心配させさせたのは、悪かった。助けてくれてありがとう」 「まあ、どっちもお前のせいじゃないけどな」  答えた水上の声は、つい数秒前まで面白がって俺を笑わせていた時とは別人のように冷たかった。 「……不注意だったのは俺だし」 「この世界は死後の世界だが天国でも地獄でもないってことを、まだ3回目で実体験できて良かったな」 「出来れば何回目だろうが知りたくは無かったけど」 「違えねえ」  小声でしゃべりながら、小さな振動も与えないようにゆっくりと、水上が車椅子を押してくれる。俺は安心してトイレに着き、こちらの世界に居る限り一生話題にされるんだろうと、気が気じゃない思いをしながら水上の介助で用を足す。  饒舌だった行きと引き換え、無言で保健室まで戻る。  ベッドに寝かせるところまで手取り足取り助けてもらう。 「なあ、煙草一本ちょうだい」  ずっと黙ったまま居る彼に不安を覚えて、あえて小さい子供みたいにおねだりしてみた。 「赤ちゃんみたいに求める物と違うだろ」  確かに。 [...]

By |2022-02-18T21:28:48+09:002月 18th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない Type1 第6章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない Type1 第5章

 今回は、もう死後の世界で目が覚めても、驚きすら無かった。生きている世界なら、自分の枕元に作業服が置いてあるはずがない。だから同じ高校へ行くのでも、制服では無く作業着を着て向かった。  雨が降り出しそうな空だった。降り出す前にと早足で高校に向かうと、校門のバリケードで門番をしていたのは、水上と鈴木さんの2人だった。 「単なる夢だとは思ったんだけどさ、夢なのにやたらリアルで嫌な予感がしたから、学校帰りに電車で町に出るのは止めたんだ。なのに今度は階段を踏み外して、打ち所が悪かったみたいなんだよな」  恐らくこの辺だろうと思う後頭部をさする。 「足元には十分注意しろよ」  昨晩の0時には無かった怪我だから、もちろんコブにはなっていない。 「本当だよね。17にもなって、通学路の階段で転ぶとか、ださすぎる」  現実世界の5月26日を迎えるまでに、何日分の遠回りをすれば良いのだろう。 「3回目だから、最低4日間は連続して生き残らないとな」  今回も最短で生き返ってやる。 「またしばらく、みんなのやっかいになる」 「俺たちとしては、何日でもいたいだけ居てくれて良いんだけどな」  気持ちだけで十分だ。 「そういや今朝は農作業じゃないんだな」 「雨が降りそうだろ。昔の人はよく言ったもんだよな、晴耕雨読ってやつさ」  天気の悪い日は朝から勉強らしい。耕された校庭には誰も居ない。 「そうすると俺はずっと門番だから、暇なんだよなあ。図書室から本を持ってきても、雨が降り始めたら本が傷むって怒られるし、ケータイは使えないし」 「ゲーム機は? 携帯ゲームならインターネット接続が無くたって」 「だから雨なんだって。小さい子供が乱暴に扱っても壊れない強靱性はセールスポイントになっても、家の中で遊ぶ前提のゲーム機に防水性を謳っている機種なんざそうそう無いだろ。外で門番をやってるときに雨が降られたらゲームなんて出来ねえって」  それもそうか。 「まだ朝だから、頭が回ってないんだなあ」  笑って誤魔化そうとした。 「お前の天然は昔から変わってねえよ」  水上は誤魔化されてくれなかった。 「こういうときに誤魔化されてくれないんだからケチっていうんだよ」 「ケチもくそもあるか、馬鹿」  バリケードの中と外で漫才みたいな会話を繰り広げていれば、鈴木さんはおかしそうに笑い転げていた。 「この人、笑い上戸なんだよ」 「そうなんだよねえ。これじゃ僕が門番の役に立たないから、君らは遊びに行ってきなよ」  鈴木さんは涙を拭いながら言ってくれた。 「お仕事の邪魔してすみません」 「いやいや、いいって。……君が来なかったら、段々不機嫌になっていく水上くんと二人っきりになるところだった」  わざとらしく声を潜めてはいるが、いかんせん俺より水上の方が鈴木さんに近いわけで、彼にも充分聞こえただろう。  当の本人はそっぽを向いて口笛を吹き、聞こえないふりをしている。 「遊びに行って良いってさ。行こうぜ」  何処へ行こうというのか。 「そりゃ、遊ぶ場所なんてないよなあ」  ゲーセンへ行ったって、アーケードゲームの電源なんてどうやって入れれば良いのか分からない。 「次に生き返ったときにはさ、ゲーセンでバイトしてくれよ。そうしたら今度来たときに好きなゲームを好きなだけ遊べるじゃん」 「4回目のことを3回目の初日から予定しないでくれるかな」 「冗談だよ」  行く場所のない俺たちは、天気が悪いというのに軽トラで河川敷に来て、ひたすら水切りで時間を潰していた。  小学校や中学校の放課後を思い出してみても、何もない山奥だったからだろう。山へ入るか川へ下るか、そうして見つけた場所で暗くなるまで、ただ昼寝をしたり、他愛もない話をしたり、学区に唯一の同い年で、ずっと一緒に居たはずなのに、この幼なじみとあえて何かをやったという記憶は無い。  どちらかがゲーム機を買ってもらったら、しばらくはお互いの家に行って対戦したこともあった。でもすぐに飽きて、結局は家の外で何もしないことが多かった気がする。  このときも、やがてどちらとも無く言葉数が少なくなり、交代でひたすら石を投げるだけだった。 「それが不愉快じゃない他人って、貴重だよな」 「は? なんの話?」  脈絡無く考えていたことが口から飛び出す。 「なんでもない」 「樋口に友達が居ない話か。なんでもなくはないだろ」  さらっと友達が居ないとか言うな。傷つくだろ。 「いやまあ……普段のお前は何をしてるの」 「えー……何にも。あっちへふらふら、こっちへぶらぶら、って感じ」 「それこそ、そんなことねえだろ」  この間は水上もみんなと農作業をしていた。食べる物を自分たちで作らないと、物流のないこの世界では何も食べられなくなってしまう。 [...]

By |2022-02-17T20:17:47+09:002月 17th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない Type1 第5章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない type1 第4章

 ケータイに仕込んだ目覚ましのアラームが鳴った。  手を伸ばして引き寄せて鳴り止ませようとしたら、充電用のクレードルをベッドの下に落とした。  5月25日火曜日、午前7時30分。  朝から妙にリアルで、しかも自分の死ぬ夢を見て少しばかり目覚めが悪かった。  それはそれとして、二度寝しないうちに起き上がって頭をかく。避けられるなら遅刻は面倒くさいからしたくなかった。  通学路のいつものコンビニでパンとおにぎりを買い、通学路を歩いていると後ろから、朝なのに陽気な声が追いかけてきた。 「おーっす樋口、相変わらず寝癖大爆発だな」 「うるせえ」  声がでけえ、そして俺に掛けられた言葉も、お前は俺の母ちゃんか何かか。 「事実だろうがよ」 「ああその通り、だがモテだのカノジョだのに興味もない、ズボラな高2なんてこんなもんだろ」  毎朝髪をとかすなんて、面倒すぎて俺には出来ない。  朝は少しでも遅くまで寝ていたい。しかし慌ただしく登校の用意をするのも、遅刻して大人から何か言われるのももっと面倒くさい。  ……この遣り取りをした記憶がある。 「どうした急に黙り込んで」 「ああいや、何か既視感があってさ」 「夢にでも出てきたか」  遂に俺もお前の夢に登場するほどの有名人になったかー。 「ばっかじゃねえの」  馬鹿なことをほざく高橋の発言を一言で切り捨てて、でもそう、こいつの言うとおりだった。既視感の正体は、夢で見たのだ。 「じゃあ俺は先に行くから。教室で待ってる」  高橋はそう言い残すと、歩きの俺に合わせて緩めていた自転車を加速させるべく、ペダルを踏み込んた。  後ろが見えないことを承知で、俺は気怠げに手を振った。  このときは単なる偶然だと、不思議なことがあるもんだと、それくらいに思っていたのだ。  放課後になり、文房具を買おうと繁華街まで行くことにした。シャープペンシルの芯がなくなってしまい、ルーズリーフの残り枚数も心許なかった。どうせ行くなら、まとめて用事を済ませたい。あれやってこれやって何を買おう。  考え事をしながら駅で電車を待っていたときだった。  ――間もなく電車が参ります。  ――白線の内側までお下がりください。  自動放送に呼ばれたように、向こうから電車が滑り込んでくる。  その時だった。後ろから誰かに突き飛ばされた。朝の偶然が、いやそれ以外の何かもが、脳裏に走る。  一瞬だが全身が硬直した。  その一瞬が命取りだった。  夢に見たとおり、俺は線路に落ち、そして電車にひかれた。  目覚ましが鳴る前に目が覚めた。  昨日の記憶が昨日と一昨昨日の分の二つに、昨日は忘れていた一昨日の記憶が一瞬ごちゃ混ぜになって叫びだしそうになる。  時計を見ると6時を少し過ぎたところだった。 「やっぱりこうなるよな」  俺しかいないはずの自分のアパートで、他人の声を聞いて今度こそ叫んだ。  いや、叫びそうになって、寸前に首を絞められて声は出なかった。 「だから自分のねぐらは秘密にしとかないと危ないんだってば」  耳の後ろから水上の声がする。  口をふさぎなおされてから、首を絞める彼の腕が緩んだ。  窒息した後で反射的に咳き込みたいのに手が邪魔だ。 「落ち着け? パニックになるのは俺にも心当たりがあるが。いいな、すぐにはしゃべるなよ」  そしてそろそろと俺の口をふさぐ手もどいた。 「なんでここにお前がいるんだ」  低めた声で尋ねた。大声を出さないようにとは言え、容赦なく首を絞めたことを非難すべきだったか。息が出来なくてむちゃくちゃ焦った。 「こうなるだろうと予想していたからさ。俺もそうだった」  大抵の場合において、最初に生き返ったときはほぼ全く同じ行動を取り、全く同じように死ぬのだそうだ。そして1日ぶりにこちらの世界に来て、記憶がごちゃまぜになって混乱する。 「なんで先に言ってくれなかったんだよ!」 「大声を出すな! こっちの記憶をあっちには持って行けない。それに言ったところで、お前は信じたか?」 「……」 「信じねえだろ。だからだよ」  百聞は一見にしかず、習うより慣れよ、だ。  理由を言われて理解は出来たが、感情が納得できない。 [...]

By |2022-02-17T15:38:31+09:002月 17th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない type1 第4章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない type1 第3章

「こんなにカレーばっかり買ってきて、何を考えてるのよ!」  学校に戻ると、こそこそ荷下ろしを始めた水上だったが、すぐにバレた。  静かな中でエンジン音を響かせて走る自動車で帰ってくれば、誰でも帰着したことが分かるだろう。 「カレーは正義だぜ」  さっきも聞いた一言で片付けようとする。 「そうだけどさ!」  そうなんだ。それは認めるのか。 「ならいいじゃねえか」 「ちっとも良くないわ!」  そう言いながらも、朝は見なかった俺たちよりは年上のようだがまだ若い女性は、荷下ろしを手伝う。 「ガキだってみんな喜ぶぜ」  確かに、カレーと聞きつけて何人かの子どもたちが教室のドアから顔を覗かせている。 「あんたがカレーを作ると、そのあと1週間くらいは調理実習室からカレー臭が抜けないのよ」 「何を、俺はお前より若いぞ。……俺、そんなに臭いかな」  荷物を抱えながら、自分の脇の下を嗅ぐ。 「気持ち悪いわね、脇の下をくんくんしちゃって。カレーの、スパイスの匂いが抜けないのよ」 「それは別に良いだろ、食いもんの香りだぜ?」 「だから、ちっとも良くないの! 作ってる料理を味見してても分からなくなるのよ」  どうやら水上はカレーしか作らないから気にならないようだ。 「でもほら、ココナツミルクとかさ、カレー以外の具材だって……」 「前回のは全部、グリーンカレーになったわよね」 「いやまああははは」  笑って誤魔化した。 「君も君よ、一緒について行って、何で止めないの?」  俺に話が回ってきた。 「ここではそういう物なのかと思って……」 「そんなわけないでしょ!」  やっぱりそうだったか。 「自己紹介もしないうちから叱り飛ばしちゃダメだろ」 「それすらさせてくれないような案件を持ち込んだ張本人が言うわけ、ふーん」 「はいごめんなさい俺が悪かったです」 「悪いと思うなら今度からこの半分くらいにしてほしいものね」 「前回の半分以下の量だと思うぜ?」 「2トントラックで行ってほぼ全部カレーかスパイスかその具材だった時のこと?」  軽トラの隣に駐まっている、黒猫の絵が描かれた宅配便の集配に使うこの車だよな。全部がカレーとはどういう状態だろう。 「まったく。……細野歩美、よろしく」  唐突に名乗られて面食らう。 「……樋口雅俊です」 「樋口くんね。元の世界のこいつを知ってるなら、こんど手綱の引き方を教えてね」  口止めもされていたし、明日にはもうここに居ません、もうここに来るつもりもありませんとは言えなかった。 「うす」  それだけ返事して、最後の荷物を手分けして抱え持つ。 「まあいいわ、持って来ちゃったんだもん。じゃあ水上は今夜の食事係って事で。樋口君はこの中を案内するわね」  階段を上がりながら、非難がましい目で水上は抗議した。 「俺だけで作れってのか」  踊り場から見下しながら仁王立ちの細野さんがバッサリ切る。 「だってあんた、あたし達が手を出そうとすると怒るじゃない」 「それはお前らが……!」 「ヨーローシークー!」  細野さんは最後のカレー缶の箱を川上に押しつけると、ぴしゃりと調理実習室の扉を閉める。 「まったくもう」  ため息を一つついて、気持ちを切り替えたようだ。 「ここの在校生だったんだって?」 「そうです。2年1組にいました」 「なら、君のロッカーや机はそのままかもね」 [...]

By |2022-01-30T14:15:26+09:001月 30th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない type1 第3章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない type1 第2章

「出かけるなら着替えが欲しい」  自分の吐瀉物がはねた制服を着たままで生活するのは嫌だ。 「ああ、そうだな。作業をするのに制服だと何かと不便だよな」  上着はひとまずそのままにして、ワイシャツと制服のズボンだけの出で立ちで保健室を出る。まだ少し肌寒いが我慢だ。水上は作業着のジャケットに袖を通しているのが少し羨ましい。  彼に連れられてやってきたのは教職員用の駐車場だった。彼はためらいなく端に駐められた軽トラックの運転席に乗り込んだ。 「免許を持ってる……わけ、ないよな」 「こっちの世界には運転免許を交付できるほど、警察官がいないよ」  そういえば、圧倒的に人が少ない。 「平和だからな、殉職者も多くない。いいことじゃねえか」  殉職者? 「まあ乗れよ。走りながら説明する」  水上は慣れた手つきでキーをひねりエンジンを掛ける。  一抹の不安を抱えながら、おずおずと助手席に座った。 「ここはな、あっちの世界で死んだ奴が来る世界なんだ。俺もそうだし、樋口もそうだろ」  思ったよりスムーズに車が動き出した。 「山奥の小さい中学で、同級生がもう2人も死んでるのか」  敷地を出ると、全く車通りのない道で、気持ちよく速度を上げていく。 「そういうことになるな。でも全員かどうかは分からんが、40歳くらいになるとここには来ないみたいだな。あっちからこっちへは記憶を持ち越せるけど、こっちからあっちには出来ないから確かめようがない」  ここから、記憶を持ち越せない? それはつまり。 「生き返れるってことか?」 「うん、望めば、って言うか望まなくても、法則に従って生き返れる」 「どうやるんだよ!」  思わず俺は勢い込んで聞いた。詰め寄ったせいで車が揺れた。 「あっぶねえな。あー、その。お前は未練がある派なのか」 「は?」  死んで生き返りたくない人なんて居るのか? 「やりたいことがあったとか、なりたい自分があったとか?」 「……。」  改めて問われると、特にこれといってない。ないけど。 「先に言っとくけどな。あんまり他人に言わない方が良いぞ。お前がどういう死に方をしたのか知らないし、話の流れで聞いただけで興味ないから答えなくていいけど、ひとによっちゃあ自分からこっちに来たのだっている」  まあ、ここに来るとは知らなかっただろうけどな、といって彼は笑った。  自殺、ということか。 「まあいいや。話を戻すとな、日付が変わる瞬間に色々なことが起こるんだ」  曰く、あちらで亡くなると、死んだ日の0時にいた場所へ、翌日の0時に「リセット」されるらしい。昨日の0時に、俺は自分のアパートで寝ていた。だから今日の0時に、こちらの世界の自分のアパートに現れたらしい。 「そして新しくこちらに来た人が居た場合、そこから半径50kmくらいにある色んな物も一緒に連れてくる。登校するときにコンビニに寄っただろ、その時に商品が色々並んでいたはずだ。元々こっちに居た俺たちは、そういうのを見て今日は知らないヤツが新しく落ちてきたなって知るわけよ」  普段なら、特に賞味期限の短い生鮮食品はあっという間に誰かが取ってしまうか、腐っていくためにその場で残り続けることはないらしい。 「だからお前の服を調達したら、スーパーへ行って保存できる食べ物とか色々買い込むのに付き合ってもらうからな」 「もちろん。だから軽トラックなのか」 「いや、違う。もっとでかいトラックは、お前がぶっ倒れている間に別の調達班が使ってる。最後に残ったのがろくに荷物の積めないこの車ってわけさ。ガソリン自体が自分たちじゃ作れねえから、普段は車なんて使わないんだよ。無駄遣いになるから乗用車は最初から用意してない」  誰が運転しているのかは聞かないでおこう。もしかしたら他にも誰か大人が居るのかもしれないが、今朝から見たのは、自分と同じ歳の水上と、歳下そうに見えた2人だけだった。 「それでな、日付が変わったときにどこに居たかが大切なのはこの世界でも同じなんだ。こっちの世界で死ぬと、やっぱりその日の0時に居た場所で、翌日の0時に復活する」 「復活する?」 「そう。ちゃんと死ぬけどある意味じゃ不死身なんだ」 「ここで死んだらあっちの世界に戻るとかじゃ無いのか」 「そこまで簡単な条件じゃねえよ。何日連続で生き残ったか、それによって決まる」  最初は1日生き残れば良いらしい。その次にこちらへ来たら2日、更に次は4日と、あちらの世界で生き返るために必要な、生き残らなければいけない日数が増えていくのだと言った。 「だから、これが何回目のあの世なのか、今日が何日目の生き続けた日なのか、あっちに戻りたいなら間違えずに数えとけよ」 「そんなに何度もあの世に来てたまるか」  俺がそういうと、彼は短く乾いた笑いを上げた。 「作業服でいいよな、農作業もしてもらうしそうすると汚れるから、それでも構わない方が良いだろ」  笑い方の意味を問う前に、目的地に着いてしまった。後から思えば、最初に生き返る前では聞いて答えをもらったところで、理解できなかったと思う。 「……うん」  俺も安い下着や冬の上着を買いに来たことがある作業服チェーンの駐車場に、水上は軽トラックを停めた。 「中から助手席側の鍵を閉めるから、先に降りてくれ」 「分かった」 [...]

By |2022-01-30T14:15:20+09:001月 29th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない type1 第2章 はコメントを受け付けていません

俺に明日は来ない type1 第1章

 ケータイに仕込んだ目覚ましのアラームが鳴った。  手を伸ばして引き寄せて鳴り止ませようとしたら、充電用のクレードルをベッドの下に落とした。  買ったらサービスで付いてきたから使っているものの、ケータイにカバーをつけられないから少し不便なのだが、不便と言えばいちいちケーブルを直接挿すのも寝るために部屋の蛍光灯を消した後だと何処に指せば良いのか、端子の向きはどちらなのかを手探るのも面倒で、使い続けている。  ……俺は朝っぱらから思考自体が面倒くさいな。  5月25日火曜日、午前7時30分。  実家が山奥なせいで去年の春に高校へ入学した時から、学校近くにワンルームのアパートを借りて一人暮らしをすることになった。そうしたら、怠惰な男子学生の1人である俺は寝間着と下着の区別がいつの間にかなくなってしまった。実家に帰れば寝るときに着替え、起きたときにもう一度着替える。実家に住んでいた中学の時もそうしていた。確か冬になって起きたときに冷えた部屋で寝間着を脱いですっぽんぽんになるのが嫌だったからだと思う。  入学式は、きちんと白い下着にワイシャツを着て、下ろしたての学ランをホックまで留めて登校した。どうやらそこまでしなくても良さそうだと分かった翌日の始業式は、ホックはせずにそれでもボタンは上まで掛けていた。4月が終わる頃には、先輩達もうるさくなさそうだと一番上のボタンもしなくなった。  そんな人間だもので、現在は、つまり入学後1年が経った高校2年生の5月には、真夏に外へそのまま着て行くにはよれすぎてみっともないTシャツを寝間着にし、起きたときそのまま上からワイシャツを着ている。形ばかりズボンにシャツの裾をしまい込むと、上着を着て荷物の入れ替えなんてしないカバンを肩に引っかけて、家を出た。  寝起きにのそのそやっていれば、貴重な朝の30分なんてあっという間に過ぎている。  学校まで徒歩10分の道のりを歩きしな、途中のコンビニに寄って朝飯と昼飯を買う。パンとおにぎりを都合5つ、学校に着いたらそのうちいくつを1限までに食い、いくつを昼飯に回そうか。 「おーっす樋口、相変わらず寝癖大爆発だな」 「うるせえ」  声がでけえ、そして俺に掛けられた言葉も、お前は俺の母ちゃんか何かか。 「事実だろうがよ」 「ああその通り、だがモテだのカノジョだのに興味もない、ズボラな高2なんてこんなもんだろ」  毎朝髪をとかすなんて、面倒すぎて俺には出来ない。  朝は少しでも遅くまで寝ていたい。しかし慌ただしく登校の用意をするのも、遅刻して大人から何か言われるのももっと面倒くさい。 「お前ってやつは、顔は良いのにもったいないよなあ。その怠惰をもう少し改めれば、クラスの女子による残念なイケメンランキング1位の称号はただのイケメンランキング1位に変わるぜ」  知るか。何だそのランキングは、聞いたこともない。 「じゃあ俺は先に行くから。教室で待ってる」  高橋はそう言い残すと、歩きの俺に合わせて緩めていた自転車を加速させるべく、ペダルを踏み込んた。  後ろが見えないことを承知で、俺は気怠げに手を振った。  てくてく歩けばやがて校門が見えてくる。クラスメイトや先輩後輩と挨拶を交わしあいながら上履きに履き替えてホームルーム教室に入った。  いつもと変わらない日常は、失って初めてその貴重さが分かる。  放課後になり、文房具を買おうと繁華街まで行くことにした。シャープペンシルの芯がなくなってしまい、ルーズリーフの残り枚数も心許なかった。どうせ行くなら、まとめて用事を済ませたい。あれやってこれやって何を買おう。  考え事をしながら駅で電車を待っていたときだった。  ――間もなく電車が参ります。  ――白線の内側までお下がりください。  自動放送に呼ばれたように、向こうから電車が滑り込んでくる。  その時だった。後ろから誰かに突き飛ばされた。考え事をしていたからとっさに踏ん張れず、足は点字ブロックを越えて白線を越えて、転んだ反射で手をつこうとした場所にホームがなかった。  全てがゆっくり進んでいくような錯覚を覚えた。  進行方向へ落ちてきた俺に気付いた電車の運転士が警笛を鳴らし始めた。  頭から線路へ落ちて、枕木の端を押してホームの下へはねのけようと考えた。  警笛に気付いたホームの乗客が悲鳴を上げる。  しかし想定以上の衝撃は腕だけで受け止められず、体はそのまま前転してしまう。  いつまでも進入する電車は警笛を鳴らしている。  ならば向こう側へ逃げようと思考は空回りして、地面から出っ張った鉄の線路に尻をぶつけ転がる力が相殺される。  視界の端に、鉄が擦れあって散らす火花がすぐ横に見えた。  電車の下って、暗いだけじゃないんだ――。  ケータイに仕込んだ目覚ましのアラームが鳴った。  手を伸ばして引き寄せて鳴り止ませようとしたら、充電用のクレードルをベッドの下に落とした。  買ったらサービスで付いてきたから使っているものの、ケータイにカバーをつけられないから少し不便なのだが、不便と言えばいちいちケーブルを直接挿すのも寝るために部屋の蛍光灯を消した後だと何処に指せば良いのか、端子の向きはどちらなのかを手探るのも面倒で、使い続けている。  ……俺は朝っぱらから思考自体が面倒くさいな。  5月25日火曜日、午前7時30分。  実家が山奥なせいで去年の春に高校へ入学した時から、学校近くにワンルームのアパートを借りて一人暮らしをすることになった。そうしたら、怠惰な男子学生の1人である俺は寝間着と下着の区別がいつの間にかなくなってしまった。実家に帰れば寝るときに着替え、起きたときにもう一度着替える。実家に住んでいた中学の時もそうしていた。確か冬になって起きたときに冷えた部屋で寝間着を脱いですっぽんぽんになるのが嫌だったからだと思う。  入学式は、きちんと白い下着にワイシャツを着て、下ろしたての学ランをホックまで留めて登校した。どうやらそこまでしなくても良さそうだと分かった翌日の始業式は、ホックはせずにそれでもボタンは上まで掛けていた。4月が終わる頃には、先輩達もうるさくなさそうだと一番上のボタンもしなくなった。  そんな人間だもので、現在は、つまり入学後1年が経った高校2年生の5月には、真夏に外へそのまま着て行くにはよれすぎてみっともないTシャツを寝間着にし、起きたときそのまま上からワイシャツを着ている。形ばかりズボンにシャツの裾をしまい込むと、上着を着て荷物の入れ替えなんてしないカバンを肩に引っかけて、家を出た。  寝起きにのそのそやっていれば、貴重な朝の30分なんてあっという間に過ぎている。  学校まで徒歩10分の道のりを歩きしな、途中のコンビニに寄ったら、昨日までは当たり前に営業していた店舗が略奪されて廃屋になっていた。  ……寝ぼけた頭が急速に覚醒してゆく。  俺は起きてからここまで、昨日も全く同じ事を考えて行動した気がする。  改めて来た道を振り返り、これから行く学校への道を見れば、どこかすすけて人通りが恐ろしく少ない。というか、今朝はここまでで誰1人として見ていない。 「今更気付くことかよ。違和感でけえだろ」  知らず呟いた俺の独り言が辺りに響く。自動車の音すらしない。周りが静かすぎる。  響いたと言うより、それは震えていたかもしれない。 [...]

By |2022-01-29T21:07:31+09:001月 28th, 2022|Categories: 俺に明日は来ない, 書いてみた|Tags: , |俺に明日は来ない type1 第1章 はコメントを受け付けていません

2021/5/16 在宅ヒトカラ歌った曲リスト

【30万人記念歌枠】感謝を込めて50音順に歌う!Singing Stream【町田ちま/にじさんじ】を見て、自分でもやってみたくなったので、PS4のJoySound1日チケットであから順にアニソンカテゴリの中から1曲ずつ選んで歌ってみた。 歌ったエビデンスとして、採点機能で80点以上という縛りを入れる。 曲名 歌手名 得点 作品 補足など あ アクティヴ・ハート 酒井法子 88.660 トップをねらえ! い 飯田線のバラード 山本正之 86.929 究極超人あ~る う ウィーアー! きただにひろし 86.224 ONE PIECE え 永遠の扉 米倉千尋 88.144 機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート; お オタスケマンの歌 山本正之/少年少女合唱団みずうみ 87.408 オタスケマン か 風のノーリプライ 鮎川麻弥 86.632 重戦機エルガイム き 君の知らない物語 supercell 91.725 化物語 く 紅の流星機 影山ヒロノブ 85.956 流星機ガクセイバー け ケロッ!ッとマーチ 角田信朗&いはたじゅり 83.482 [...]

By |2021-05-18T20:56:53+09:005月 16th, 2021|Categories: 未分類|2021/5/16 在宅ヒトカラ歌った曲リスト はコメントを受け付けていません

オンライン・マネーホイールの使い方

オンラインギャンブルのためのリアルタイム・ライブ・トレーディング・プラットフォームです。これは完全に無料のウェブベースのギャンブルゲームで、ソフトウェアをダウンロードすることなく無料でゲームをプレイすることができます。https://カジノ.net/money-wheel/ 無料マネーホイールでは、オンラインギャンブルを練習し、スキルを磨くことができます。ゲームが上達すると、より多くのお金を稼げるようになり、これにより、将来的にライブマネーホイールのカジノを開設することができます。 オンラインマネーは、入札を行うと勝手に回転します。このゲームの目的は、できるだけ多くの入札を得られるように、できるだけ早くホイールを回転させることです。そして、莫大な金額を獲得することができるのです 勝つためには、プロのギャンブラーのように考えなければなりません。ゲームに参加するタイミング、何を賭けるか、いつやめるか、そして最も重要なのは、いつ身を引くかを知っておく必要があります。 フリースピンゲームで遊べば遊ぶほど、より多くのお金を獲得することができます。カジノのギャンブラーのように考えることができれば、ゲームの傾向に気づくはずです。ゲームをプレイするためには、勝つ可能性を高めるための戦略を準備する必要があります。要するに、より賢くプレイする必要があるのです。 ほとんどの人は、オンラインのマネー・スピニング・ゲームがどのように機能するかを知らずにプレイするでしょう。そもそも、オンライン・マネー・スピニング・システムには2つのタイプがあることを知っておく必要があります。1つ目は純粋なオンラインマネーホイールとして知られており、2つ目はハイブリッドオンラインマネーホイールとして知られています。オンラインルーレットをプレイするためには、それぞれのシステムを理解する必要があります。 スピンを始める前に、スピンに賭けるベット数を決める必要があります。カジノによって、置けるベット数は異なります。ベットの合計面積は、すべてのベットの合計です。例えば、最大で200ドルのベットをした場合、勝つことしかできません。もちろん、より多くのベットをすれば、より多くの利益を得ることができます。 それぞれのベットには額面が付随しています。勝ちたいのであれば、額面が最も高い数字を選ぶ必要があります。これにより、どの数字でスピンするかを決めることができます。しかし、フリースピンでは、どの数字に賭けるべきかの指針は得られません。フリースピンは純粋にランダムであり、どの数字がお客様の勝ちになるか、ハウスの負けになるかはわかりません。 賭ける数字が決まったら、次はゲームの種類を選びます。最も人気のあるオンラインカジノのゲームタイプのひとつがルーレットです。ルーレットは、固定オッズ、フリースピン、現金払い、非固定オッズなど、さまざまなゲームタイプからお選びいただけます。ルーレットでは、オプションから選択することで、カジノゲームのタイプを変更することができます。勝利のチャンスはどのゲームタイプでも同じですが、ペイアウトとリミットはカジノゲームのタイプによって異なります。 オンラインシステムに付属しているソフトウェアを見てみましょう。システムの使用方法については、無料のチュートリアルが用意されているはずです。ユーザーインターフェースは、シンプルで分かりやすいものでなければなりません。自分の好みに合わせてシステムをカスタマイズできるオプションがあること。ゲームの実際のスピンを見たいと思うかもしれません。実際に、システム上でどのようにスピンが行われているかをリアルに把握するために、スクリーンキャプチャー機能があるとよいでしょう。 お金を稼ぐための方法もいろいろあるはずです。その一つが、ベットの選択です。オンラインマネーホイールでは、さまざまなゲームタイプに賭けるベットを選択する必要があります。決まったゲームに賭けた分は、口座に振り込まれるはずです。定期的にベットする場合は、この方法で賞金が2倍になります。 インターフェイスの使い方や、市場で入手可能なさまざまなシステムについて、簡単に説明するビデオチュートリアルがあるはずです。ビデオチュートリアルでは、お客様が希望される場合、賞金を他のアカウントに転送する方法も説明しています。獲得した賞金を使って資金を調達した口座に賞金を送金するオプションがあるはずです。オンライン・マネー・スピニング・システムには、さまざまな支払い処理オプションがありますので、ベットを行う際に確認する必要があります。 お金を稼ぐための様々な方法があるはずです。これには支払い方法も含まれるはずです。異なるゲームタイプにベットするお客様のために、異なる支払い処理方法が用意されているはずです。お客様の利便性と簡単さに適した支払い方法を選択する必要があります。これらがない場合、あなたのオンラインマネーホイールは簡単に詐欺行為の犠牲になる可能性があります。このような行為により、お客様はベットとお金を失うことになるかもしれません。

By |2021-03-19T04:37:27+09:003月 19th, 2021|Categories: 未分類|オンライン・マネーホイールの使い方 はコメントを受け付けていません

入金不要ボーナスを活用する方法

プレイヤーは、オンラインカジノが提供するさまざまな入金不要ボーナスプロモーションを最大限に活用できます。ほとんどの場合、これらのオファーには無料のボーナスオファーが含まれます。無料ボーナスはカジノ賭けの不可欠な部分です。次のリストは、最もエリートで最高の無料のデポジットなしボーナスオンラインカジノのいくつかを強調しています。 https://luckychika.jp/nodeposit-ranking/ スロットカジノボーナス:このカジノは、プレーヤーが手元に現金がなくてもスロットゲームをプレイする利点を享受できるようにするデポジットボーナスコードを提供していません。カジノでは、3種類の入金不要ボーナススキームを提供しています。プレイヤーは、シルバー、ゴールド、プラチナのデポジットなしボーナスから選択できます。これらは、プログレッシブスロットゲームでプレーヤーにフリースピンを提供します。獲得したスロットゲームに応じて、無料ゲームから賞品を獲得できます。 オンラインカジノボーナス:このウェブサイトでは、カジノゲームのチップやチケットを購入するために使用できる無料の現金取引を提供しています。メンバーシップに登録すると、無料のカジノギフトカードを獲得することもできます。無料ギフトは、ギフト券、月額スペシャル、月額レンタルのコードの形で提供されます。スロットは、自宅、オンライン、外出先、またはフェリーでプレイできます。 ルーレットボーナス:プレーヤーがデポジットなしのカジノのボーナスコードを利用すると、ルーレットテーブルゲームのフリースピンが提供されます。プログレッシブスロットを獲得すると、無料のボーナスも提供されます。カジノでは、プレーヤーは無料のポーカー、ブラックジャック、バカラ、クラップスをプレイできます。無料のボーナスコードはルーレットでも使用できます。 オンラインカジノの現金の進歩:ほとんどの場合、ほとんどのオンラインカジノのオファーによってオンラインで提供される入金不要ボーナスと無料のお金は、プレーヤーのアカウントにすぐに入金されます。ただし、プレーヤーのアカウントにお金を入金するのに最大7営業日かかるオンラインカジノもあります。これらのオンラインカジノのほとんどは、登録時にアカウントにクレジットを提供します。あなたが彼らの無料のお金の申し出を利用するとき、あなたが手元に現金を持っているか、オンラインカジノから現金を引き出す準備ができている必要はありません。 インターネットブラウジングのための無料のお金:オンラインカジノのオファーは、無料のインターネットブラウジングセッションを提供する特定のサイトを利用することもできます。これらのオンラインカジノのオファーには、フォーチュン、ビンゴ、ブラックジャックなどのゲームが含まれます。再生したいサイトのウェブサイトにログインするだけです。メンバーの方は、セッション中に特別オファーをご利用いただけます。オファーコードをクリックするだけで、コードの入力を求められます。コードを入力すると、選択したゲームをプレイできる別のページに移動します。 入金不要ボーナス-入金不要ボーナスは、オンラインギャンブルを利用する最も簡単な方法の1つです。あなたがする必要があるのは、デポジットボーナスなしを提供するオンラインカジノにサインアップすることだけであり、あなたは彼らのゲームをプレイするためのクレジットを自動的に与えられます。いつでも引き出しができるので、アカウントにいくらお金があるか心配する必要はありません。 懸賞カジノ:懸賞カジノは、期間限定で無料で入場できます。無料エントリーの資格を得るには、登録フォームに記入する必要があります。フォームに記入すると、確認メールが届きます。登録する場合は、カジノからより多くの情報を受け取ります。多くの場合、懸賞カジノは、より多くのプレーヤーが登録してオファーを利用することを奨励するインセンティブとして、無料の賞品を送信します。一部の懸賞カジノでは、無料のVIPメンバーシップも提供しています。 今すぐ始めましょう-オンラインカジノが提供する入金不要ボーナスコードを利用するもう1つの方法は、新しいオンラインカジノアカウントを使い始めることです。始める前に、入金不要ボーナスサイトでプレイすることについて知っておくべきことがすべてわかっていることを確認してください。入金不要ボーナスを利用してカジノに登録するには、登録する必要があります。アカウントを開設するにはデポジット料金を支払う必要がありますが、定期的にプレイしている限り、無料のボーナスを獲得するチャンスがあります。 ファンデュエルオンラインカジノをプレイする:マンドレルオンラインカジノでプレイすることで、入金不要ボーナスを利用することもできます。あなたがプレイできるさまざまな無料のお金のゲームがあります。多くの場合、サイトでプレイして獲得した無料のお金を使用して、賞品を獲得するために必要なチケットを購入できます。これらの無料マネーゲームは、デポジットなしのカジノで無料ゲームをプレイしているときにリアルマネーを稼ぐ方法の1つです。 ボーナス現金詐欺:オンラインカジノが提供する入金不要ボーナスを利用できる最後の方法は、いわゆるボーナス現金詐欺の被害者になることです。これらの詐欺は、カジノで無料ゲームをプレイしているときに余分なお金を稼ごうとしている人々を捕食します。これらは、さまざまなメーリングリストにサインアップしたり、電子プログラムをダウンロードしたりするための現金を人々に提供するオンライン詐欺です。これらの詐欺の被害者になることを避けるために、いかなる種類の銀行情報も決して求められるべきではありません。銀行口座やクレジットカード番号に関する情報を提供するだけでなく、いかなる種類の電子取引にも決してお金を払うべきではありません。

By |2021-02-23T00:46:07+09:002月 23rd, 2021|Categories: 未分類|入金不要ボーナスを活用する方法 はコメントを受け付けていません

サッカー賭博の世界

サッカーの賭けで負けるのは、利益を得るよりも簡単です(そして時には簡単です)。サッカーは世界中のほとんどどこでも行われているため、国際サッカー、ヨーロッパのサッカーリーグ、南北アメリカ、アフリカ、その他多くの地域で多くの市場を見つけることができます。サッカーのオッズは、実際にはブックメーカーが知っているものです。チームのオッズが20%だった場合、その価格で賭けをすることができます。 サッカーベッティング しかし、サッカーベッティングから本当に利益を得るには、何らかの専門家の指導を受けるか、インターネットでサッカーベッティングのヒントや情報を探すことを検討する必要があります。私はすべてのプロがあなたの賭けに勝つための独自のヒントとテクニックを持っていると確信しています。ただし、常に機能するとは限りません。専門家がいくら言っても、いくつかのヒントやコツはうまくいきません。 サッカーに賭けるときに覚えておくべきもう一つのことは、いわゆる「フルタイム」のスポーツ賭博です。オリンピックのようなイベントに賭けるとき、あなたはゲームの期間(通常は1週間)だけに賭けます。サッカーの試合は数週間続くことがあり、適切なゲームを選択すれば簡単にお金を稼ぐことができます。ほとんどのスポーツブックには、すべてのフルタイムのサッカーベッティングオッズが記載されています。そのため、評価の高いゲームを探して、勝つ可能性が高いかどうかを確認できます。 サッカーの試合は、国内、地域、または国際リーグであるさまざまなサッカー賭博市場で行われます。最も一般的なのは、FIFA(国際サッカー連盟)のサッカー賭博市場です。世界中に、国際サッカー大会のオッズを専門とする地元のスポーツブックがあります。これらのスポーツブックは、英国プレミアリーグ、スペインのリーガ、イタリアのリーガ、ドイツのブンデスリーガなど、特定のリーグで行われるゲームにオッズを与えることを専門としています。 スプレッドとも呼ばれるポイントスプレッドは、ブックメーカーが獲得した目標ごとに支払う金額です。サッカーベッティングの用語では、ポイントスプレッドは、あなたが勝つために得るオッズと、他のブックメーカーがあなたに勝つために支払うオッズとの差です。ポイントスプレッドが低いほど、ゲームに賭けるのに費用がかかります。ポイントスプレッドが高ければ高いほど、より手頃な価格で賭けることができます。 日本やその他の国でサッカー賭博口座を開設する際の1つの要因は、どのチームが人気があるかを見つけることです。米国では、人気のあるチームは通常、大都市圏に大規模なファンベースを持つチームです。したがって、カリフォルニア州サンフランシスコに住んでいて、ドイツのチームに賭けたい場合は、イギリスのロンドンに賭けてもうまくいきません。同じ原則が、ドイツと日本だけでなく、他の国にも当てはまります。メジャーリーグサッカーのグループを構成する代表チームを見て、どの国または都市がサッカーファンの最大のフォロワーを持っているかを確認します。 どのリーグに最も関心があるかを判断したら、チームを調査できます。これを行うには、問題のチームのWebサイトにアクセスするか、インターネット上のサッカー賭博フォーラムにアクセスします。インターネットはまったく新しい情報の世界を開きました。フォーラムを閲覧することで、選手、コーチングスタッフ、さらにはリーグの歴史全体について多くのことを知ることができます。特定のゲームに興味がある場合は、問題のチームの公式Webサイトにアクセスして、チームの状況を確認することもできます。クラブ自体のウェブサイトにアクセスすることで、トレーニングや潜在的なスケジュールに関する最新情報を受け取ることができる場合があります。 ただし、サッカーの賭けは、いくつかの賭けをして立ち去るほど簡単ではありません。特定のチームに賭けるべきかどうかについて結論を出す前に、いくつかの分析を行う必要があるかもしれません。特定のチームが着実なペースで改善しているように見えても、対戦相手が驚くべき速さでゴールを決め続けている場合、プレーヤーやチームに投資する意味はほとんどないかもしれません。一方、オフシーズンに相手が多くのゴールを決めるのを見るだけでチームが上昇しているように見える傾向に気付いた場合は、彼らが確実なチャンスを持っているように見えるので、あなたは彼らに賭けたいと思うかもしれません彼らの形を取り戻す。とはいえ、与えられた情報に関して常識を働かせることは依然として重要であり、ほとんどのオンラインスポーツブックは、実行したい取引の種類に関係なく、賭けをするために少なくとも基本的なアカウントを必要とすることを覚えておいてください。

By |2021-02-03T20:37:14+09:002月 3rd, 2021|Categories: 未分類|サッカー賭博の世界 はコメントを受け付けていません

ネタ検討:10年後に滅亡する国の傀儡幼帝に生まれ変わったので後宮で悪徳宦官と闘う話

概要 主人公(一人称視点)は内乱により滅亡する王国の最後の皇帝に生まれ変わる。宦官に支配される傀儡幼帝で、前世では後宮に閉じ込められたまま戦乱のどさくさで殺されてしまう。それを回避するためには国の滅亡阻止が不可避だが、傀儡の幼帝にはなんの権力もないし、そもそも後宮から外に出してもらえない。 後宮の寵姫を教育したりして少しずつ影響力を増やして、早いところ皇帝を誰かに譲って隠居しようともくろむが、最終的には「皇帝にふさわしいのはあなただ」と周囲に言われて統治を続け、後の歴史で稀代の名君として語られることになる。 物語のポイント・安楽椅子探偵のフォーマットで生まれ変わり知識チートで破局を回避する・舞台がハーレムなので、登場人物が美少女や美女ばっかりでもまったく問題ない 越えるべき障害と敵キャラクター・悪徳宦官 →人事ポストを私物化して内政をゆがめている直接の原因。賄賂やコネで地方都市の人事が決定されるため、モラルハザードが起きて各地で重税が課せられて民衆の不満が溜まり、反乱軍が決起する。前世の歴史では外戚関係にある将軍を派遣して反乱軍は鎮圧するものの、その将軍の裏切りで一族もろとも虐殺される・反乱軍 →世直しを掲げて決起した民衆の軍隊ということになってるが、実態は山賊の成り上がり。将軍をはじめとした軍部、および地方有力豪族に鎮圧される。・将軍 →反乱軍に対して宦官が送り込んだ軍部の統括者。後に謀反を起こして宦官を虐殺して幼帝を傀儡とする政権を樹立。しかし、文官を虐殺したため政治が混乱し、地方諸国の実質の独立を許し戦国期を招く。その後の戦いに敗れ幼帝とともに落ち延びようとするが落ち武者狩に幼帝共々殺される。袁紹と董卓のハイブリッドみたいなキャラが良いか。野心溢れる脳筋、というあたりが使い勝手が良いかも 主人公に必要な能力・カリスマ(人を見る目) 優秀で忠実な部下、協力者を確保するための能力が必要。前世知識で信頼の出来る人材の知識がある、である程度フォロー可能ではあるが、後宮の中の人材確保は無名の女性がメインとなって前世では情報がない状態のはずなので、本人に人の能力を判別する能力と信頼や中世を得る能力が必要。 ・政治力 宦官の統治の悪い部分を見抜き、政治改革をする必要があるため、政治に関する能力は必須。何らかの知識チートにくわえて政治面で頼りになる信頼できる部下が必要。 ・経済知見 荒れてしまった領内を立て直すための経済力が必要。足がかりは前世知識で一山当てるで良いが、その後の勢力拡大は経済知見がないと説得力を持たせられないと思われる。実務は部下や仲間がやることになるのでざっくりとした知見だけでも良い。 仲間もしくは中立の重要キャラクター・女官長 後宮の寵姫を世話する女官の上司。宦官に活動が悟られないための情報隠蔽の協力者。商人と幼帝のつなぎ役で、同時に宮中の権力闘争に関する情報を入手する役目。 ・商人 経済関係のオブザーバーと市井の情報収集を兼任する役どころ。前世でもっとも多くの情報を握る立場にあるので、転生元の人物にするのもあり。現代日本からの転生知識チートで商人として成功したが、戦乱に巻き込まれて死亡した、とかにしておくと転生系知識チートも使えるので良いかも。 ・母親(皇太后) 主人公の母親。モデルになる中国史だとだいたい権力争いをやってる毒親ということになるが、これ以上悪役を増やしてもしょうがないので宦官の被害者の立場である方が物語上は便利? ナウシカに出てくるクシャナの母親のように幼帝の毒殺を身を挺して防いで、そのせいで廃人となっている、とかありかも。 その他ざっくりいろいろ モデルは中国史で戦国時代に入る直前の最後の皇帝の代。後宮の人材を育成することになるため、史実で活躍した人物は出番がない。故に、実際の史実をベースにするメリットはなく、架空の国を設定する。 モデルは中国王朝だが、世界観そのものを中華風にする必然性はないので、ファンタジーに寄せたりイスラム系ハレムだったりといったアレンジがあった方が良いかもしれない。 基本コンセプトが安楽椅子探偵であるから、戦闘・戦争はできうる限り回避する方向に持っていく必要がある。やっても良いけど、戦略レベルでしか関われない。クーデター起こして文官全滅させたら統治崩壊で戦国時代突入というルートを前世がたどっているので、主人公の認識では戦いを防げなかった時点で負けに近い。  商人は転生ものの定番でリバーシを商品化して設けようとするが、貴族層には簡単に浸透せずあまり儲けられていない。前世では長年かけて高級品として金持ちに喜ばれるよう工夫(駒を白黒でなく、富裕層奥様向けの薔薇と百合をあしらったものと、武官向けの龍と虎をあしらったものの2パターンを作り、宝石を使って豪華仕様にする、など)をする事で成功するが、それを先回りして教えることで協力を取り付ける。マヨネーズでも原材料が取れる場所、信頼できる職人の確保方法を教えるなどして知識チートを加速させる。

By |2021-02-02T18:18:25+09:002月 2nd, 2021|Categories: 創作メモ|Tags: |ネタ検討:10年後に滅亡する国の傀儡幼帝に生まれ変わったので後宮で悪徳宦官と闘う話 はコメントを受け付けていません

ベラジョン 意味

今回は休憩したいと思います。 ベラジョンカジノが「ベラジョン」を意味することをご存知ですか? これを気にする人もいると思いますが、調べたとは思いません。 しかし、私は見ました! 「ベラジョン」とはどういう意味ですか、その起源は何ですか? 今回、「ベラジョン」という言葉はどういう意味で、どこから来たのですか? また、Vera JohnCasinoが他のオンラインカジノよりも推奨される理由についても説明します。 https://top10casinosguide.com/ まず、「ベラジョン」という言葉の意味と由来についてお話します。 ・「ベラジョン」の意味は「個人名」です。 ・起源はスウェーデンでよく使われる人の名前に由来します。 「ベラジョンカジノ」の言葉の意味や由来は何から? ずっと興味を持っていた「ベラジョンカジノ」の「ベラジョン」の意味。 日本語では理解できない言葉です。 考えずにはいられなかったので、ベラジョンカジノの公式サポートにメールを送りました。 その際にメールをご紹介します。 ベラジョン日本語サポートにお問い合わせいただきありがとうございます。 お問い合わせいただいた当社の名称について、【ベラジョン】は、日本の「太郎と花子」など、スウェーデンでよく使われる男女の名前で、お客様に親しみを込めてご利用いただけます。これはに与えられた名前です。 ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 ベラジョンオンラインカジノの継続的なご支援をお待ちしております。 幸運を!! ・Φ°・*:。 。:*・ή°・ή°・*:。 。:*・ή°・ή° ○○○○(女性スタッフ名) 日本語サポート さすが、日本人の間で最も人気のあるベラジョンカジノです。 彼は私の簡単な質問にしっかりと丁寧に答えてくれます。 最後に、「幸運!!」という言葉も(幸運を!)。 はい、ベラジョンカジノの「ベラジョン」は人の名前を意味し、その起源はスウェーデンにあります。 つまり、「ベラ」と「ジョン」という2つの名前があります。 ちなみに、ベラジョンカジノのホームページをよく見ると、「Vera&John」と書いてあります。 「あの」ピンクのキャラクターは「ベラ」と「ジョン」のイメージを意味しますか? ?? ちなみに「カジノ」とは「ギャンブル施設」という意味です。

By |2020-12-03T21:18:19+09:0012月 3rd, 2020|Categories: 未分類|ベラジョン 意味 はコメントを受け付けていません